るーとらの秘密基地
blog「日のすきま」        
松吉
■植木屋雑記帳

□現場日記1
□現場日記2
□現場日記3【月桂樹】
□現場日記4【高さ】
□現場日記5【ジェロニモ】
□現場日記6【芝張】
□現場日記7【死体】
□現場日記8【花】
□現場日記9【珊瑚樹】
□現場日記10【自転車】
□軽トラ
□現場日記11【蟷螂】
□現場日記12【師走】
□現場日記13【蝦蟇】
□かじりつき
□ツバキとサザンカ
□現場日記14【伐採】
□職人のしきたり
□現場日記15【植栽屋】
□現場日記16【子どものこと】
□現場日記17【春一番】
□現場日記18【昼寝】

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現場日記18【昼寝】

 弁当を食べた後は昼寝する。クルマの中、ベンチ、芝生、地べた、その他どこにでも寝る。

 春、木の根元にダンボール敷いて、枝葉の向こうの空を見ながら寝る。青葉若葉の風のさやぎ。鳥のさえずり。流れる花びら…。
 夏。できるだけ影の濃い場所にねぐらを探す。やぶ蚊のいない、風通しのよい場所。陽の移動でねぐらはあっというまに炙られる。その距離を計算して寝に入る。
 秋、陽だまりが恋しくなる。夏とは反対に、できるだけ長く日が差す芝生のような場所を選ぶ。高くなる空。果実の香り。
 冬はもっぱら車の中で寝る。フロントガラスに日差しを入れて。シートに身体を折りたたんで。穴熊のように自分の寝息を聞きながらねる。

 どこで寝ようが不思議なことに1時5分前になると目がさめる。他の職人もそうだ。目覚めたときは大抵、ここがどこかわからない。わずか20分ほどだが熟睡している。
 昼寝をすると日が新しくなったような身体になる。その身体でまた午後の仕事に精を出す。