現場日記5【ジェロニモ】
役所の建築部長の家の清水垣つくり。竹は四つ割りではなく「晒し」の丸竹を使う。これだと両面の化粧縄が通しやすい。晒しの白に押し縁の真竹の青。そこへ墨染の棕櫚縄が化粧に通る。仕上がった後、頭に巻いたタオルを濡らして竹の面を拭く。少し離れて眺める。にやりとする。けれどすぐに致命的な欠陥をみつけ頭が発火する。またやり直す。
夜のテレビでNEC、一万人の配置転換というのを見る。みな不幸な疲れた顔をしている。ジェロニモのことでも考えればいい。無能扱いされてくさった日には、ローンに縛られうんざりしたら、惨殺されたインデイアン、ジェロニモのことをかんがえればいい。要するにおまえは誰なんだ。
2000/04/22(土)
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