現場日記6【芝張り】
今日は気温が28度あったという。よりによって芝の張り替え。
えんぴという植木の根切り用のスコップで芝に縦横に切れ目を入れ、角スコで剥ぎ取ってゆく。めりめりと剥がれた芝の隙間にすかさず低い角度で次のスコップを刺す。汗がシャツに蒸れて塩が浮く。
平米1600円で見積もったが、団地の幾重もの垣根を越えて芝と黒土を運び、笹根をひとつひとつ探り採りする手間を考えたら安かったかもしれない。その辺りは経験を積んでゆくしかない。
花壇作りも頼まれて、工事で余ったオレンジ色の洋瓦で土留めとする。ゆるい弓形にカーブを切ったが、バールと突き棒で突き固めながら素焼きの瓦を連ねてゆくと、複素数を演算したマンデルブロ集合体を形成している気になる。日射しが強くてふらふらする。なにが虚でなにが実なのか。日蔭で休んでアイソトニック。沁みる。
夏は夜中に身体が火照ってじたばたする。40歳過ぎたらしょんべんに起きる回数も増えた。難儀だなあ。
2000/05/09(火)
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