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20の時代に分ける
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世界史には二つの大きなテーマがあります。

人類の別離と再会の物語 : 人類はアフリカから世界へひろがり、互いに言葉も通じなくなりますが、互いに交流を深めながらその範囲を広げていきます。世界史は人類の別離と再会物語です。交易、王朝の興亡、戦争などはこの交流の過程で展開されました。

血縁に代わる社会の仕組みを求めて : 家族を中心とした人と人のむすびつきは人間社会の基盤です。世界史はこの血縁中心の社会が崩壊し、それに代わる新しい社会の仕組みを模索するストーリーです。おおきく分けると、それは「土地をなかだちとした社会」、「貨幣をなかだちとした社会」の順で展開されました。

6つの大時代と20の時代

6の大時代と20の時代の物語 : 地域間交流の視点から見ると、世界史は大きく次の6の時代に区分できます。さらに、それぞれの時代を細分し、合計20の時代に区分できます。

地域的つながり社会の変化
A 人類はアフリカから全世界へとひろがっていきました。そして、地域ごとに文化が生まれました。 血縁関係を仲立ちとする人類としての文化や社会関係の基本が形成されました。
B メソポタミア、エジプト、インド北西部、中国北部に都市文明が成立し、地域間の交流がひろがっていきました。 民族移動や鉄器の普及とともに、一部の地域では血縁中心の社会の秩序が崩れるはじめました。
C 地中海、西アジア、インド、中国で古代文化が成立し、周辺の地域にひろがっていきました。 土地を仲立ちとする社会の仕組みが形成され、古代帝国・王国が成立しました。
D 各地で遊牧民族が勢力をのばし、地域間の交流がさかんなるとともに、都市を中心とする活動が活発になりました。 各地で大土地所有を容認する分権的な社会が形成されました。
E 世界の各地域のつながりが形成され、ヨーロッパを中心に世界の各地の結びつきが強まりました。 地縁中心社会が崩れはじめ、お金を仲立ちとする金縁中心社会が形成されました。
F 貨幣を仲立ちとする社会の仕組みは世界へひろがり、世界の各地は密接につながりました。 身分社会が崩壊し、国民国家と市場経済による社会の仕組みが全世界に広がりました。

●人類は厳しい自然環境のなかで人類としての共通の身体と文化をつくりあげていきました。

●アフリカから全世界にひろがっていった人類は、移動した先々でその地域の自然環境に適応しながら独自の地域文化を形成し 民族に別れていきました。

●この時代はさらに三つの時代に区分できます。

700万年前
直立二足歩行を始める。(直立革命)
進化と絶滅を繰り返しながら人類は、自分たちの体験を文化という形で引き継いでいきました。
5万年前
複雑な言語表現が可能になる。(言語革命)
世界の果てへ
言語という強力な武器を手にした人類は、アフリカから全世界へと広がっていきました。
1.3万年前
農耕など生活技術が飛躍的に改善される。(生活革命)
最強のサバイバーたち
氷河期のあとにおとづれた環境の変化に対応して、人類は地域に応じた生活文化を生みだしていきました。
前3500年
最古の古代都市文明が成立する。(都市革命)

ページのtop理解チェック1

●都市文明が成立し、階級が生まれ、地域間の交流が始まりました。

●大規模な民族の移動により、地域間の接触がよりダイナミックにおきはじめました。

●鉄を利用することにより、飛躍的な生産力をもつようになった地域では、伝統的な血縁中心社会の秩序が急速にこわれ始めました。

●この時代はさらに三つの時代に区分できます。

前3500年
最古の古代都市文明が成立する。(都市革命)
文明という名のカプセル
都市が生まれ、文明という新しい人間社会の仕組みが生まれました。
前2500年
第一次民族移動(インド=ヨーロッパ語族の大移動)
民族は移動する
各地で民族の移動が激しなり、異民族間の接触も多くなりました。
前1500年
製鉄技術が普及しはじめる。(製鉄革命)
鉄の力、馬の力
馬や鉄が利用されるようになると、各地の社会の仕組みが大きく変わり始めました。
前600年
古典思想が各地で生まれる。(思想革命)

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●ユーラシア大陸の各地で新しい社会の仕組みが試されました。

●地中海、西アジア、インド、中国では大きな王国や帝国が生まれました。

●そのうち古代帝国と言われる国々では、小農経営の農民をたばねる大きな国が生まれ、古代文化が栄えました。

●この時代はさらに三つの時代に区分できます。

前600年
古典思想が各地で生まれる。(思想革命)
新しい社会の仕組み
各地で新しい社会の仕組みが模索され、古典思想が生まれました。
前300年
各地で強大な帝国が誕生する。
皇帝と農民の帝国
小経営の農民を組織した帝国がうまれ、古代文化が栄えました。
前1年
キリスト教徒と大乗仏教が成立する。
ふたつの”愛の宗教”
古代帝国の周辺で、貧しい人びとを救う宗教が生まれ、広がっていきました。
300年
東西で民族の移動が激しくなる。

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●古代帝国・王国から古代文化を吸収した周辺諸民族のなかから、力をつけて台頭する勢力が現れた。

●古代文化をとりいれた周辺の民族は、二つの国際都市”バグダードと長安”を中心に互いに交流を深め、独自の文化をつくりあげていきました。

●紀元1000年頃から温暖な気候が続き、生産力を高めた地域では商業がさかんになり、都市のつながりが形成されはじめました。

●この時代はさらに三つの時代に区分できます。

300年
東西で民族の移動が激しくなる。(第二次民族移動)
古代文明のともしび
分裂した後も生き残った古代帝国では古代文明がさらに成熟し、周辺民族へと普及していきました。
600年
宗教が民族を超えて広がりはじめる。
諸民族のバザール
イスラム帝国と唐帝国を中心に諸民族が交流し、各地に強大な文化圏が広がっていきました。
900年
気候が温暖になり、東西で農業技術の改善、開拓がすすむ。
つながる諸都市
世界的な温暖な気候に恵まれ、各地では生産力が向上し、商業活動が活発になりました。
1200年
モンゴルの大征服が始まる。

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●安全で自由な商業活動を求めた商人たちは、モンゴル帝国という巨大な帝国を進んで受け入れ、ここにユーラシア大陸規模の一大ネットワークが完成しました。とくに、海の道と陸の道がひとつにつながり、新しい時代が始まりました。

●ユーラシア交通圏の片隅にあったヨーロッパはやがて、アメリカとアフリカとヨーロッパをむすんで、全世界がつながりました。その過程で、土地を仲立ちとする社会からお金を仲立ちとする社会へと時代が大きく変わりはじめました。

●この時代はさらに四つの時代に区分できます。

1200年
モンゴルの大征服がはじまる。
ユーラシア交通圏
モンゴル帝国の成立により、ユーラシア大陸の各地は密接につながるようになりました。
1350年
病疫と災害が各地でおきる。
陸から海の時代へ
交易のルートが陸から海へと変化をはじめました。
1500年
「新航路の発見」がつづく。
アトランテイック交通圏
大西洋をはさみ、ヨーロッパとアメリカとアフリカがつながり、ヨーロッパは大きく変化しはじめました。
1650年
ヨーロッパの宗教改革が終わる。アジアの諸帝国の繁栄する。
ワールド交通圏
世界の各地が密接につながり、国民国家と市民社会というまったく新しい社会の仕組みが出現しました。
1800年
ナポレオンのヨーロッパ征服がはじまる。

ページのtop理解チェック5

●市場経済と国民国家という仕組みは、その性質を変えながら、全世界にひろがっていきましたが、その過程でさまざまな弊害が現れました。

●この時代はさらに四つの時代に区分できます。

1800年
ナポレオンのヨーロッパ征服がはじまる。
等しく平等な国民によってひとつの国家を作るという新しい社会の仕組みがヨーロッパを中心にひろがり始めました。
1870年
第二次産業革命がはじまる。
大衆の時代のはじまり
労働者・農民・女性。今まではかえりみられることのなかった人びとが歴史の流れを決める時代になりました。
1930年
世界恐慌がおきる。
独裁者と戦争の時代
困難な時代、大衆は独裁者を求め、戦争と革命が繰り返されました。
1975年
オイル=ショックと毛沢東の死
高度消費社会の出現
「絶えざる成長」だけが人びとを引きつけ、社会を発展させる。そう信じられて、高度な消費社会が出現します。
現在

ページのtop理解チェック6

チェックポイント
理解チェック:Aの時代
Q:人類が世界に広がっていくと、なぜ文化に違いが生じたのか。
hint:環境を利用する能力が高まると、地域間の文化の違いはどうなるか。
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理解チェック:Bの時代
Q:この時代、社会にはどのような変化が見られるようになったか。
hint:文明が起きると、社会にはどのような人が現れますか。
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理解チェック:Cの時代
Q:この時代にはどのような変化がおきましたか。
hint:地中海、西アジア、インド、中国では何ができましたか。
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理解チェック:Dの時代
Q:古代文化が育った地域とその周辺の地域とはどのような関係にあったか。
hint:周辺の諸民族はどのようにして自分たちの文化を育てたか。
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理解チェック:Eの時代
Q:世界の各地域が結びつくことによって、社会の仕組みにどのような変化が現れたか。
hint地域を超えたネットワークの成立を求めたのはどのような人びとであったか。
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理解チェック:Fの時代
Q:世界に広がっていった新しい社会の仕組みとは具体的にどんな制度でしたか。
hint身分社会が崩壊し、職業も住所も、結婚も自由に個人が決められる社会にはどのような仕組みが必要か。
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理解を深めるために
point1:環境に適応して地域性が生まれた
 環境を活用する道具や知識が高度になればなるほど、人は環境の影響を強く受けるようになります。その結果、言葉や考え方や社会の仕組みまで地域によって違ってきました。

point2:文明は地域間交流のシステム
 地域間の交流は、余った生産物の交換という交易から始まり、やがて交易ルートの支配や都市の富を狙った戦争に発展していきました。さらに、この時代には大規模な民族移動の波が、地域の様子を根底から変えていきました。

point3:古典文化が古代帝国を可能にした

 血縁中心社会の崩壊が進んだ地域ほど、新しい社会の仕組みが求められていました。地域を超えた思想や社会の仕組みが育った地域から、古代帝国や王国が誕生しました。ですから、古代帝国は古代都市文明が栄えた地域の隣から起きています。


point4:人の支配から土地の支配へ

 台頭する大土地所有者を容認し、人の支配から土地の支配へと社会の仕組みは変化します。また、古代文化を取り入れた周辺民族が成長し、地域を超えた交流はこの時代にさらに拡大します。そのような動向を利用して遊牧民族がしたことがこの時代の大きな特徴です。


point5:交易の中心が海に変わった

 交易の中心が陸から海に変わることによって、地域間交流のあり方が大きく変わりはじめました。アメリカやアフリカがネットワークに加わり、庶民が使う日用品が交易の対象になったことです。このような変化が貨幣を中心とする社会へと時代を変えていきました。


point6:国民国家と市場経済

 フランス革命とイギリスの産業革命によって確立した国民国家と市場経済が世界中に拡大していく過程で、中産階級の人びとが世界中に広がっていきました。

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