●「世界史なんだから、日本の歴史だけでなく、世界中の国の歴史を学ぶんだ。」そう考えるのは当然です。しかし、他国に征服されたり、他の地域に移動し、そこに生活の基盤を移して、国をつくる。そういう経験をしたことのない日本人は、国というのは動かない不変のものだと錯覚しがちです。
●しかし、日本の歴史が特殊であって、国はできたり消えたりします。ひとつのところに同じ民族が生活し続けるのは例外的です。「世界史」を学ぶには、一度、小学校や中学校で学んだ「日本史」のイメージを捨てる必要があります。
●実は、「世界史」という科目は高校にしかありません。小学校や中学校の歴史は「日本史」中心です。大学は「日本史」「西洋史」「東洋史」など、こまかくわかれています。全世界を一つの歴史として考える高校の「世界史」は独特な科目なのです。
●それでは、「世界史」とはどんな科目だと考えればいいのでしょうか。
●「世界史」とはアフリカから出て、世界中にちりぢりになった人類が、再び交わり再会する物語です。
●世界中の生活の仕方や考え方の異なってしまった人びとがどのように互いを理解し、新しい文化を生み出していったのか。これ学ぶのが高校の「世界史」という科目なのです。
●初めて「世界史」を学ぶひとにとって、難しいのが、国の名前とその位置です。国はできたり消えたりし、民族は移動します。何を基準に歴史を見たらよいのでしょうか。
●歴史地図をよく見ると、気候・地形・植生・民族などが共通する地域があることに気づきます。それは世界におおよそ40あります。この40の地域を基本単位として、地域間のつながりを見ていくと、 「世界史」の全体像が見えてきます。
●300年以上続いた王朝は多くありません。徳川幕府も清朝も300年を超えて栄えることはありませんでした。王朝興亡の歴史にとらわれると、世界史は複雑なタペストリーの模様のようになってしまします。
●ところが、単純に300年ずつで世界史を輪切りにすると、どの地域の歴史もうまくこの300年の期間に入ってしまいます。この世界史の300年という周期には深い意味がありそうです。
●地域ごとに変化しているようにしか見えない世界の歴史は、実は互いに結びついて変化しており、そこには地域をこえた大きな力がはたらいているのです。この大きな力を理解することが世界史という科目のおもしろいところです。
●サイトの構成:このサイトは「20の時代の物語」と「40の地域」と「各」で構成されています。
●「20の時代の物語」:世界史を大きく6つの時代に区分し、世界史の大きな流れについて説明しています。どのようにして、全世界を一つの歴史として考えられるのか、まず理解してから、各時代について学んでください。
◆20の時代の物語◆
●「40の地域」:世界を40の地域に分けて、地域の特徴やその歴史を説明します。地理と世界史は不可分の科目です。この繋がりが理解できると、双方の理解がより深まります。20の時代の歴史を学びながら、たびたび40の各地域の特徴をチェックしてください。
◆40の地域◆
●「20の時代の物語」を時代の順に読んでいってください。
●世界の諸地域が互いにつながりを深めながら、変化していく様子を追うには歴史地図が役にたちます。時間的な変化を地図に書き入れていくことで、世界の変化が生き生きと現れてきます。
●「20の時代の物語」のそれぞれの時代について、歴史地図を書いて見てください。その時代の大きな変化をいろいろな色を使って、1枚の地図に書き込みます。