恒真命題/恒偽命題 : トピック一覧  

恒真命題・恒真式・トートロジー / 恒偽命題・恒偽式・矛盾式 / 整合式・事実式 / 充足可能式/充足不能式
恒真命題・恒真式・トートロジーの頻出例  
  ・排中律/矛盾律  
  ・または恒真命題/かつ恒真命題
  ・または恒偽命題/かつ恒偽命題 

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恒真命題・恒真式・トートロジー tautology   

【ビギナー向け定義】

恒真命題トートロジーtautology とは、
 どんなときも真である命題のこと。

・たとえば、
 「 Aまたは『Aでない』」は、
  Aが真であるときも、Aが偽であるときも、
  真になる。(排中律)

  このような意味で
  「どんなときも」真になる命題が
   恒真命題


恒真命題 は、記号「I」「T」などで表される。
     (清水p.15:注意,戸次,戸田山p.45)

【厳密な定義】
 




【文献−ビギナー向け】
 ・中内『ろ んりの練習帳』1.7(p.40)恒真命題tautology
 ●中谷『論理』 1.5-A (p.24) : 
  「…。このような真理関数(論理式)をトートロジーまたは恒真関数といい、記号Iで表す。そして、この場合の関数値命題を恒真命題という。また、論理式に着目して恒真式という。」   
【文献−厳密に】
 ・井関清志『集合と論理』§1.4定義1.1(p.21)。
 ・清水『記号論理学』§1.2(p.13)。恒真式
 ・野矢茂樹『論理学』1-1-5(p.37):恒真関数=原子式の真理値に何をいれてもつねに結果が1になる真理関数。トートロジー=恒真関数を表す論理式。
 ・戸田山『論理学をつくる』3.3.1 (p.43)  tautology,恒真式,真理関数的に妥当な式truth-functionally valid wff}
      3.3.2代表的なトートロジー(p.44)27個列挙、名称付。
 ●松本『数理論理学』1.1(p.4)定義2:あらゆる付値に対し、論理式が真の値をとるとき、論理式をトートロジーという。トートロジーの列挙(p.5)
 ・戸次 『数理論理学』3.2.4(pp.37-8)恒真式・トートロジー :解釈によらず常に真である論理式。トートロジー列挙・名称付:pp.38-39.



 

n個の命題変数P1,P2,...,Pnを含む論理式A(P1,P2,...,Pn)が恒真式トートロジーtautologyである  とは、
 n個の命題変数P1,P2,...,Pnに対して、真理値をどのような組み合わせで与えても、
    ( つまり、《論理式A(P1,P2,...,Pn)の付値》を、2n通りあるうちのどれに切り替えても、)
 《論理式A(P1,P2,...,Pn)の真理値》が真にしかならない
    ( つまり、《論理式A(P1,P2,...,Pn) の真理関数》が真を値とする定値写像 になる)  
 ということ。

・「論理式A(P1,P2,...,Pn)が恒真式トートロジーtautologyである」は、しばしば
 
 A(P1,P2,...,Pn)
  と表される。

【例】

 →¬(恒真命題) / ¬(恒偽命題)  
 →A∨(恒真命題)、(恒真命題)∨A  / A∧(恒真命題)、(恒真命題)∧A   
 →A∨(恒偽命題)、(恒偽命題)∨A  / A∧(恒偽命題)、(恒偽命題)∧A   
 →排中律 A∨(¬A) / 矛盾律 ¬(A∧(¬A)) 

 そのほか→頻出トートロジー一覧  

恒偽命題・矛盾 contradiction  ・恒偽式・矛盾式contradictory wff, inconsistent wff.

【ビギナー向け定義】

 ・恒偽命題 contradiction とは、
   どんなときも偽である命題のこと。  

 ・たとえば、
  「 A かつ  ¬A 」は、
   Aが真であるときも、
   Aが偽であるときも、
  偽になる。

  このような意味で
  「どんなときも」偽になる命題が、
   恒偽命題

 ・恒偽命題 は、記号「O」「⊥」などで表される。
       (清水p.15:注意,戸次,戸田山p.45)

【厳密な定義】




【文献】
 ・中内『ろんりの練習帳』1.7(p.40)恒偽命題contradiction  
 ●中谷『論理』 1.5-A (pp.24-5): 
  「…。このような真理関数(論理式)を恒偽関数または矛盾関数contradictoryといい、記号Oで表す。そして、この場合の関数値命題を恒偽命題という。また、論理式に着目して恒偽式という。」   
 ・野矢茂樹『論理学』1-1-5(p.37).:恒偽関数=原子式の真理値に何をいれてもつねに結果が偽になる真理関数。矛盾式=恒偽関数を表す論理式。
 ・清水『記号論理学』§1.2(p.13)。恒偽式・矛盾式contradictory wf
 ・戸田山『論理学をつくる』3.3.1 (p.43) 矛盾式inconsistent wff., 恒偽式
 ●松本『数理論理学』1.1(p.6)いかなる付値に対しても常に値偽をとるような論理式を矛盾contradictionという。
 ・戸次 『数理論理学』3.2.4(pp.37-8)恒偽式・矛盾式contradictory formula :解釈によらず常に偽である論理式。



 

 ・n個の命題変数P1,P2,...,Pnを 含む論理式A(P1,P2,...,Pn) が恒偽式 contradictory wff. , inconsistent wff. である とは、
   n個の命題変数P1,P2,...,Pnに対して、真理値をどのような組み合わせで与えても、
       ( つまり、《論理式A(P1,P2,...,Pn) の付値》を、2n通りある うちのどれに切り替えても、)
  《論理式A(P1,P2,...,Pn) の真理値》が偽にしかならない
       ( つまり、《論理式A(P1,P2,...,Pn) の真理関数》が偽を値とする定値写像 になる )     
  ということ。 


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整合式 consistent wff  事実式contingency    


【ビギナー向け定義】

整合式 consistent wff 事実式contingency とは、
 真にも偽にもなる論理式のこと。  

・たとえば、
 「 ¬A 」は、
 Aが真であるとき、偽
 Aが偽であるとき、真
 となる。
 このような意味で真にも偽にもなる論理式が、整合式。

【厳密な定義】





【文献】
 ・戸田山『論理学をつくる』3.3.1 (p.43) 事実式contingency
 ・清水『記号論理学』§1.2(p.13)。整合式consistent wff
 ・戸次 『数理論理学』3.2.4(pp.37-8)整合式consistent formula :真となる解釈、偽となる解釈がともに存在する論理式。



 



n個の命題変数P1,P2,...,Pnを含む論理式A(P1,P2,...,Pn)が整合式 consistent wff事実式contingency である とは、
  論理式A(P1,P2,...,Pn)の真理値》を真にする《論理式A(P1,P2,...,Pn)の付値》もあれば、
  論理式A(P1,P2,...,Pn)の真理値》を偽にする《論理式A(P1,P2,...,Pn)の付値》もある
 ということ。 

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充足可能式 satisfiable wff  充足不可能式  unsatisfiable wff     


【ビギナー向け定義】

充足可能式 satisfiable wff とは、
  恒真式 tautology
  と
  整合式 consistent wff 、事実式contingency
 の総称。

充足不可能式とは、恒偽式 の別称。

【厳密な定義】





【関連事項】
  → 定義「充足」 
  → 複数の論理式について充足可能 
【文献】
 ・戸田山『論理学をつくる』3.3.1 (p.43) 充足可能式satisfiable wff. 充足不可能式



 
  


n個の命題変数P1,P2,...,Pnを含む論理式A(P1,P2,...,Pn)が充足可能式 satisfiable wff である とは、
  論理式A(P1,P2,...,Pn)の真理値》を真にする《論理式A(P1,P2,...,Pn)の付値》が、最低一通りは存在する
 ということ。 


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