命題論理の論理式「PQ」の意味論 : トピック一覧  

論理式PQの呼称 [ 条件法・含意 / 前件・後件 ] / 論理式PQの読み  
論理式「PQ」の真理値
論理式「PQ」の付値 / 論理式「PQ」の真理関数 / 論理式PQの真理値表    
論理式「PQ」の形成木 / 論理式「PQ」の真理値分析 
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 総目次


PQの呼称・読み    


【呼称】

論理式PQ」は、
  「条件法」「条件文conditional
  「含意implicature, implication  
 などと呼ばれる。  

論理式PQ」におけるPは、
  前件antecedent
 論理式PQ」におけるQ は、 
  後件consequent
 と呼ばれる。[戸田山;野矢]

【読み下し】

 論理式PQ」は、
  「PならばQ」  "if P , thenQ",
          "Q,if P ","P,only if Q"[戸田山p.42]
  「PであるときQ」"when P , Q"
 などと読み下される。





【文献】
 ・中谷『論理』2.1.A(pp.29-32)条件文conditional「命題変数p→命題変数q, pならばq . if p,then q」前件・後件、¬(p∧¬q),¬p∨qで定義。論理式A→論理式Bがトートロジーであるとき、A⇒B(A imply B, A yields B, AはBを導く・含意する)と書く。

【文献】
 ・清水『記号論理学』§1.1(p.8)。条件法conditonal, 「もし-ならば- if-,then-」「-であるとき- when-,-」記号⊃、§1.2.2)表1.2真理値表
 ・戸田山『論理学をつくる』2.1.3条件法conditional「もし〜ならば」記号→「質料含意material implicationとも言う」(p.20); 2.2.5 定義(6)前件antecedent,後件consequent (p.34);3.1.2(2)(p.38)真理値表;3.1.2(2)(pp.39-40)日本語のならばの語感との違い。
               3.2.2(pp.42-43)A→B"A,only if B",B→A"A,if B" 3.10日本語の「ならば」と論理学の「→」(p.81)
 ・野矢『論理学』1-1-2(4)(p.20)条件法conditonal P⊃Q「PならばQ」 ; 条件法(pp.28-33).前件・後件・対偶・逆・裏
 ・戸次 『数理論理学』3.1.1含意implicatureψ→φ ならば(p.22) 
 ・井関『集合と論理』§1.3(pp.14-15) p→q 前件、後件。表1.4:真理値表
 ・松本『数理論理学』1.1.A.b.4.含意implication ⊃ 真理値表(p.3)
 ・高崎金久『数理論理学入門』III. 命題論理の意味論(その1)2.2



 ・岡田光弘『2008年度論理学I講義ノート』定義3.1(p.7)

論理式「PQ」の真理値   truth-value    



論理式PQ」の真理値は、
  命題変数P真理値
  命題変数Q真理値
 の組み合わせに依存して、決まる。


論理式PQ」の真理値が偽になるのは、
 《命題変数P真理値が真なのに、《命題変数Q真理値》が偽のときだけ。


・それ以外のとき、
  論理式PQ」の真理値は真。
      [野矢;松本]


* まとめると?  → 論理式PQの真理値表    
* どうして?  → 論理式「PQ」の真理値分析         





【文献】
 ・中谷『論理』2.1.A(pp.29-32)条件文conditional「命題変数p→命題変数q, pならばq . if p,then q」前件・後件、¬(p∧¬q),¬p∨qで定義。論理式A→論理式Bがトートロジーであるとき、A⇒B(A imply B, A yields B, AはBを導く・含意する)と書く。
【文献】
 ・清水『記号論理学』§1.1(p.8)。条件法conditonal, 「もし-ならば- if-,then-」「-であるとき- when-,-」記号⊃、§1.2.2)表1.2真理値表
 ・戸田山『論理学をつくる』2.1.3条件法conditional「もし〜ならば」記号→「質料含意material implicationとも言う」(p.20); 2.2.5 定義(6)前件antecedent,後件consequent (p.34);3.1.2(2)(p.38)真理値表;3.1.2(2)(pp.39-40)日本語のならばの語感との違い。
                3.10日本語の「ならば」と論理学の「→」(p.81)
 ●野矢『論理学』1-1-2(4)(p.20)条件法conditonal P⊃Q「PならばQ」 ; 条件法(pp.28-33).
 ・戸次 『数理論理学』3.1.1含意implicatureψ→φ ならば(p.22) 
 ・井関『集合と論理』§1.3(pp.14-15) p→q 前件、後件。表1.4:真理値表
 ●松本『数理論理学』1.1.A.b.4.含意implication ⊃ 真理値表(p.3)
 ・高崎金久『数理論理学入門』III. 命題論理の意味論(その1)2.2
 ・岡田光弘『2008年度論理学I講義ノート』定義3.1(p.7)







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論理式「PQ」の付値  valuation    


命題変数Pを含む論理式PQ」の付値 は、
     [付値1-1] 命題変数P真理値「真」を与え、命題変数Q真理値「真」を与える
     [付値1-2] 命題変数P真理値「真」を与え、命題変数Q真理値「偽」を与える
     [付値2-1] 命題変数P真理値「偽」を与え、命題変数Q真理値「真」を与える
     [付値2-2] 命題変数P真理値「偽」を与え、命題変数Q真理値「偽」を与える
  の22=4通り存在する。  

* 付値って? → 付値の定義 





【文献】



 ・松本『数理論理学』1.1 定義2(p.4)


論理式「PQ」の真理関数 truth function ,truth -value function



はじめに読む定義

命題変数P,Qを含む論理式PQ真理関数とは、
 「《命題変数Pの真偽》と《命題変数Qの真偽》の組み合わせ」のおのおの(付値)に、
 《論理式PQの真偽》を対応づける規則のこと。

* その規則って、どんなの? → PQの真理値 / 論理式PQの真理値表    

厳密な定義 〜 「真理値」「関数」の概念を用いて

論理式PQ」の真理関数とは、
  「《命題変数P真理値M(P) と《命題変数Q真理値M(Q) の組み合わせ」の各々(付値)に、
  論理式PQ」の真理値 M(PQ)
  を対応づける関数
   M(PQ) =   f ( M(P) , M(Q) )
  のこと。

* この関数fって、どんなの? → PQの真理値 / 論理式PQの真理値表   

厳密な定義 〜 「真理域」「写像」の概念を用いて
論理式PQ真理関数とは、
  《命題変数P真理域》と《命題変数Q真理域》の直積から、
  《論理式PQ」の真理域》への写像 
    f: 「P真理域×Q真理域」→「論理式PQ真理域
  のこと。

* この写像 f って、どんなの? → PQの真理値 / 論理式PQの真理値表  





【文献】
 ・中谷『論理』2.1.A(pp.29-32)条件文conditional「命題変数p→命題変数q, pならばq . if p,then q」前件・後件、¬(p∧¬q),¬p∨qで定義。論理式A→論理式Bがトートロジーであるとき、A⇒B(A imply B, A yields B, AはBを導く・含意する)と書く。
【文献】
 ・清水『記号論理学』§1.1(p.8)。条件法conditonal, 「もし-ならば- if-,then-」「-であるとき- when-,-」記号⊃、§1.2.2)表1.2真理値表
 ・戸田山『論理学をつくる』2.1.3条件法conditional「もし〜ならば」記号→「質料含意material implicationとも言う」(p.20); 2.2.5 定義(6)前件antecedent,後件consequent (p.34);3.1.2(2)(p.38)真理値表;3.1.2(2)(pp.39-40)日本語のならばの語感との違い。
                3.10日本語の「ならば」と論理学の「→」(p.81)
 ・野矢『論理学』1-1-2(4)(p.20)条件法conditonal P⊃Q「PならばQ」 ; 条件法(pp.28-33).
 ・戸次 『数理論理学』3.1.1含意implicatureψ→φ ならば(p.22) 
 ・井関『集合と論理』§1.3(pp.14-15) p→q 前件、後件。表1.4:真理値表
 ・松本『数理論理学』1.1.A.b.4.含意implication ⊃ 真理値表(p.3)
 ・高崎金久『数理論理学入門』III. 命題論理の意味論(その1)2.2
 ・岡田光弘『2008年度論理学I講義ノート』定義3.1(p.7)



 


論理式PQの真理関数の真理値表



論理式PQ真理値表は、下表の通り。


P
Q
PQ
     


* なんで、こうなるの?
  → 論理式「PQ」の真理値分析 


論理式PQ真理値表は、

  論理式PQ真理関数 fグラフ  
   すなわち、





【文献】
 ・中谷『論理』2.1.A(pp.29-32)条件文conditional「命題変数p→命題変数q, pならばq . if p,then q」前件・後件、¬(p∧¬q),¬p∨qで定義。論理式A→論理式Bがトートロジーであるとき、A⇒B(A imply B, A yields B, AはBを導く・含意する)と書く。
【文献】
 ・清水『記号論理学』§1.1(p.8)。条件法conditonal, 「もし-ならば- if-,then-」「-であるとき- when-,-」記号⊃、§1.2.2)表1.2真理値表
 ・戸田山『論理学をつくる』2.1.3条件法conditional「もし〜ならば」記号→「質料含意material implicationとも言う」(p.20); 2.2.5 定義(6)前件antecedent,後件consequent (p.34);3.1.2(2)(p.38)真理値表;3.1.2(2)(pp.39-40)日本語のならばの語感との違い。
                3.10日本語の「ならば」と論理学の「→」(p.81)
 ・野矢『論理学』1-1-2(4)(p.20)条件法conditonal P⊃Q「PならばQ」 ; 条件法(pp.28-33).
 ・戸次 『数理論理学』3.1.1含意implicatureψ→φ ならば(p.22) 
 ・井関『集合と論理』§1.3(pp.14-15) p→q 前件、後件。表1.4:真理値表
 ・松本『数理論理学』1.1.A.b.4.含意implication ⊃ 真理値表(p.3)
 ・高崎金久『数理論理学入門』III. 命題論理の意味論(その1)2.2



 ・岡田光弘『2008年度論理学I講義ノート』定義3.1(p.7)


   命題変数P,Qの真理値( M(P),M(Q) )と  fM(P),M(Q) )との順序対 (( M(P),M(Q) ), f(M(P),M(Q)) ) をすべて集めた集合
 を、表に書き出したものにあたる。 [戸次3.2.3(p.35)]

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論理式「PQ」の形成木 formation tree


・《2個の命題変数P,Qを含む論理式PQ形成木formation tree とは、

  PQP,Qから帰納的に定義される論理式」に認定されるに至ったプロセスを、

    P,Qの認定ステップから、

    PQ そのものの認定ステップまで、

  再現してたどり直し、
【一般的に】
 →2個の命題変数を含む論理式の形成木




【文献】



 ・戸田山『論理学をつくる』2.2.2(p.26);3.5.2真理値割り当て(p.57)




  各ステップで認定した「P,Qから帰納的に定義される論理式」を特定した下記履歴のこと。

 (step1) [条件1]より、 P,Qの各々を「P,Qから帰納的に定義される論理式」に認定。 

    * ここでの認定されたP,Qの各々の真理値は、真理値決定原理(1)によって定まる。 

 (step2) (step1)で「P,Qから帰納的に定義される論理式」に認定された P,Qを、[条件2]の「AB」の A,B に代入した
       PQ
     を「P,Qから帰納的に定義される論理式」に認定。

    *  (step2)での認定と同時に、
       真理値決定原理(2-2)に従って、
       (step2)で認定された「P,Qから帰納的に定義される論理式」の真理値が、
       (step1)で認定され、真理値も確定した「P,Qから帰納的に定義される論理式」をもとに、
       定まる。

    [論理式認定プロセス完了]



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PQの真理値分析  truth-value-analysis  

 → 真理値分析とは?
 → 真理値分析の手順

【真理値分析とは?】

命題変数P,Qのみを含む論理式PQについての真理値分析とは、

 [目的]

  論理式PQ真理関数 
   すなわち、
   《命題変数Pの真偽,命題変数Qの真偽の組み合わせ》の各々(付値)に対して、
   《論理式PQの真偽》を対応づける規則
  を明らかにするために、

 [方法]

  論理式の真理値の決定原理に従って、   
【真理値分析の一般】
 →2個の命題変数のみを含む論理式の真理値分析
 →n個の命題変数のみを含む論理式の真理値分析  




【文献】
 ・野矢『論理学』1-1-4(p.35).      
 ・戸田山『論理学をつくる』3.2(p.41);3.5(p.54) ;
 ●戸田山『論理学をつくる』3.5.1真理値分析とは何をやることだったのか3.5.2真理値割り当て(pp.55-8):真理値割り当てから、真理値分析でやっていたことを理解すると。。。



 ・清水『記号論理学』§1.2(p.12)"truth value analysis"。

  PQの形成木の各ステップで認定したP,Qから帰納的に定義される論理式真理値を、
  順次確定していくことによって、

 [作業]

  論理式PQ真理値表を書き出す作業
    すなわち、《命題変数Pの真偽,命題変数Qの真偽の組み合わせ》の各々(付値)(22通り)に対応する《論理式PQの真偽》を書き出す作業 

 のこと。

【真理値分析の手順】

 [手順1] 論理式 PQ の形成木を作成

        (step1) P,Qの各々を、 P,Qから帰納的に定義される論理式に認定。
        (step2) PQ を、P,Qから帰納的に定義される論理式に認定。

 [手順2] 《命題変数P,Qに与えた真理値の組み合わせ》の各々(付値)に対する、
        PQの形成木の各ステップで認定したP,Qから帰納的に定義される論理式真理値を、
      論理式の真理値の決定原理に従って確定。

        (step1) [付値1] 命題変数P,Qに与えた真理値の組み合わせ「真-真」に対して、
                  P真理値は、論理式の真理値の決定原理(1)より、「真」。
                  Q真理値は、論理式の真理値の決定原理(1)より、「真」。
            [付値2] 命題変数P,Qに与えた真理値の組み合わせ「真-偽」に対して、
                  P真理値は、論理式の真理値の決定原理(1)より、「真」。
                  Q真理値は、論理式の真理値の決定原理(1)より、「偽」。
            [付値3] 命題変数P,Qに与えた真理値の組み合わせ「偽-真」に対して、
                  P真理値は、論理式の真理値の決定原理(1)より、「偽」。
                  Q真理値は、論理式の真理値の決定原理(1)より、「真」。
            [付値4] 命題変数P,Qに与えた真理値の組み合わせ「偽-偽」に対して、
                  P真理値は、論理式の真理値の決定原理(1)より、「偽」。
                  Q真理値は、論理式の真理値の決定原理(1)より、「偽」。

        (step2) [付値1] 命題変数P,Qに与えた真理値の組み合わせ「真-真」に対して、
                  PQ真理値は、(step1)と論理式の真理値の決定原理(2-4)より、「真」。
            [付値2] 命題変数P,Qに与えた真理値の組み合わせ「真-偽」に対して、
                  PQ真理値は、(step1)と論理式の真理値の決定原理(2-4)より、「偽」。
            [付値3] 命題変数P,Qに与えた真理値の組み合わせ「偽-真」に対して、
                  PQ真理値は、(step1)と論理式の真理値の決定原理(2-4)より、「真」。
            [付値4] 命題変数P,Qに与えた真理値の組み合わせ「偽-偽」に対して、
                  PQ真理値は、(step1)と論理式の真理値の決定原理(2-4)より、「真」。

 [手順3]

     結果を真理値表にまとめる。

 【 論理式 PQ真理値表 】 

P  Q 

 論理式 PQ 

[付値1] P,Q真理値の組み合わせ「真-真」を与える→
 真   真   真 
[付値2] P,Q真理値の組み合わせ「真-偽」を与える→  真   偽   偽 
[付値3] P,Q真理値の組み合わせ「偽-真」を与える→
[付値4] P,Q真理値の組み合わせ「偽-偽」を与える→



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