ドイツ周遊
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■ 美術館と、美術館のような街並みと
3/18(水)
■トラムで中央駅へ
 朝6時頃に起きる。あでりーも続いて起きてきたが、体調は良さそうだ。僕は洗濯をし、それから弁当を準備する。サンドイッチ用に血のソーセージを焼いてみた。ぼろぼろとこぼれてしまったが、なんとかできあがった。
 あでりーはハガキを書いてから、サラダを作ってくれた。その後、前日に宿のホストから教えてもらったミルク抹茶を作っていた。宿に置いてあった抹茶はかなり古く、退色して風味も落ちていたが、久しぶりに飲んで美味しかった、とのこと。

 8時半に宿を出る。やや空気が冷たいが、気持ちよく感じる。とにかく今日はものすごくいい天気なのだ。まずはトラム駅そばのBIOショップ「BIO COMPANY」に行き、あでりーが熱望した見切り半額のケーキを探すも、今日は見当たらなかった。かわりに半額のいちごとマッシュルームを発見。カマンベールチーズと共に購入する。
 買ったものを宿に置きに戻ってから、あらためて出掛ける。トラムに乗り、すぐにアルベルトプラッツ駅で降りる。ここにインフォメーションがあるのを見つけていて、昨日買えなかったドレスデン・シティカードが置いていないかと思ったのだ。ところが、ここでは買えないらしく、中央駅にあるトラベルインフォメーションに行ってみて、と告げられる。

ドレスデンのトラム

アルベルトプラッツ駅のインフォメーション

ドレスデン中央駅.ここで、とある“事件”が……
■財布紛失か?!
 明後日の列車の予約もあるので、中央駅に向かった。ドレスデン・シティカードは、調べていた料金よりも値上がりしていたものの、無事に購入できた。その後、座席の予約のためDBのカウンターに移動する。機械で整理券を発行し、ベンチに座る。10人ほどの客がいたので、「まあ、しばらく待つかなあ」などとのんびり構えていたら、とんでもない事態が発覚する。

 “財布がない!”

 いつも入れている上着のポケットに入っておらず、逆側のポケットにもない。リュックをさんざん探してみたが、どこにもない。財布には、高額の現金やクレジットカードなどが入っていて、なくしたらえらいことになる。焦る。おそらくさっきシティカードを買ったインフォメーションの窓口だろう。書類に記入をする際、窓口の下のスペースに財布をいったん置いた覚えがある。落ち着け落ち着け、まだなんとかなる、大丈夫だ、と自分を落ち着かせる。
 すぐに窓口に戻るが、別の人が並んでいて、なかなか確認できない。ようやく人がいなくなり、窓口の下を覗き込む。……が、ない! スタッフに忘れ物がなかったか聞いてみた。真剣にいろいろと調べてくれたが、忘れ物はないようだ、との返事。
 どうしよう! やってしまった……。
 真剣に焦る。それでも、さっき僕にカードを売り、今も親身になって財布を探している美人スタッフが、僕に話しかけてくれる。
「さっき、あなたにカードを渡して、そしたらあなたは財布に入れて、それをポケットにしまって……」
 という言葉を聞くうち、ぴんと来た。上着には、胸のあたりにふだん使っていないポケットがある。
 探ってみた。
「あった!」
 思わず大声で叫ぶと、スタッフの女性が微笑んだ。何度もお礼を言ってから、走ってDBカウンターまで戻る。あでりーが来ていたので、椅子に座って落ち着き、顛末を話す。ようやく落ち着き、心の底から安堵した。

 DBの僕の整理券番号はとっくに呼ばれた後だった。窓口に行って聞いてみると、しばらく待ってくれ、と言われる。念のため、新しい番号の札も発行して待つ。すぐに窓口の人が呼んでくれて、無事に列車の予約も完了した。
 その後、午前中に美術館に向かう予定だったが、思ったよりも時間を食ってしまったため、先にパン屋に行き、そのあとランチをとる計画に変更する。
■最高のランチ
 トラムに乗り、事前に調べてあったパン屋「Kronenbackerei Rothe」に向かう。街のかなり北に位置するが、乗り換え無しで行けるから楽だ。外の景色を楽しみながら乗っていると、思っていたより早くに着いた。駅からの道はとても閑静な住宅街で、歩くととても気持ちがいい。珍しく猫を見かけたので近寄ってみたが、逃げられてしまった。飼い猫のようだった。
 念のため通りがかった人に確認しながら進み、パン屋に到着する。緑色のかわいい外観で、胸が高鳴る。中に入ると、前面カウンターにスイーツパン系が並び、奥に食事用ハード系のパンがある。俵型のパンが気になったので半分にカットしてもらって購入。スイーツ系からはシュークリーム、ベリーのケーキ、チーズケーキ(らしきもの)を選ぶ。


トラムがエルベ川を渡る時の景色。ここが絶景ポイント!

パン屋さんへ向かう道中

途中で出会った猫

パン屋「Kronenbackerei Rothe」の外観

 同じ道を引き返し、同じ路線のトラムで中心街へと戻る。カローラプラッツ駅で降り、エルベ川を目指して歩く。トラムから見えていた場所が昼食にちょうどいいと思っていたのだ。川べりに出ると、川をはさんで向こう側には重厚な歴史的建造物が並んで見える。思った通りの素晴らしい景色だ。段になった場所に腰を下ろし、持ってきたサンドイッチをほおばる。初めて食べる血のソーセージは、思ったより癖がなく、普通においしく食べられる。あでりー作のサラダは、アボカド、マッシュルーム、レタスを醤油とオリーブオイルで和風に仕上げてくれて、抜群の味。食後には、さっき買ったシュークリームとチーズケーキを食べる。ドイツのスイーツは、イギリスと違って甘さ控えめなので、かなりいける。まだ食べられそうだったので、調子に乗ってもう一個のケーキまで食べてしまう。(が、このために僕はお腹の調子を悪くし、あでりーも夜までお腹が減らない状態となった……。)




川の対岸の素晴らしい景色を見ながらのランチ。最高!
■いつものごとく、美術館めぐり
 満腹になったところで、美術館「アルテマイスター」へと向かう。最寄りの駅でトラムを降りるとすぐに案内があり、それに従って進む。ゼンパー・オペラ(ドレスデン国立歌劇場)の隣、ドレスデン城の一角に美術館はあった。
 クロークで身軽になると、セーターを着て来なかったことに気づいた。今日はそれほどに暖かいのだ。写真撮影はNGなので、カメラも置いていく。

 建物は3階まであり、まずは1階、正面の部屋に入る。すぐにラファエロの「システィーナの聖母」が登場! この美術館最大の目玉が、いきなり現れた。思っていた以上に巨大な絵だった。しばらく呆然と立ちすくむ。その後も、デューラー、クラーナハ、ブリューゲルなど、見ごたえのある絵ばかりで圧倒される。さらに、ボッティチェリ、ティツィアーノ、ルーベンスなど、大物の作品が途切れなく続いていく。
 レンブラントが出てきたあたりでそろそろかと思っていたら、唐突に現れた。今回の旅で見る4枚目のフェルメール。「取り持ち女」は、想像よりも大きな絵だった。映像や写真で見るかぎりそれほど好きな絵ではなかったが、こうして実物をしっかり見ていると、なかなか見ごたえがある。

 ポストカードにもなってかなり有名らしき、リオタールという画家の「チョコレートを運ぶ娘」があった。宿のキッチンにも飾ってあった絵で、確かにかわいくて魅力的な絵だ。よく見るとパステルで書かれている。その後、エル・グレコが一枚あり、さらに先にはもう一枚のフェルメール、「窓辺で手紙を読む女」が出てきた。この絵の素晴らしさは、写真や映像ではちょっと伝わらない。実物の持つ荘厳な美しさに、見惚れてしまった。今まで見たフェルメール作品のうちでも一番かもしれない。ただただ感動。


どこを歩いても絵になる景色ばかり

ゼンパーオペラ(ドレスデン国立歌劇場)

「アルテマイスター」の近くにて

 しっかり見てから、いったん外に出る。シティカードを持っているので、美術館には明日まで自由に出入りできるのだ。近くのカフェに入ってみた。事前にチェックしておいた、「Schinkelwache」という店だ。やや料金は高そうだが、雰囲気がとてもよく、あでりーも気になっていた店らしかった。僕はホワイトチョコのホットドリンクで、やや甘かったがなかなかの味。あでりーはアップルワインを注文。フランクフルトで飲んだものよりも甘くて飲みやすい、とのこと。
 しっかり休憩したあとは、もう一つの美術館「ノイエマイスター」へ。ふたたび迷いつつ、途中で通りがかった川沿いの公園を、明日のランチの場所に決める。


アップルワイン&ホワイトチョコドリンク

ゼンパーオペラを背景に


道中で見つけた公園.明日はここでランチだ!

「ノイエマイスター」の前にて

 ドイツ語で「アルテ」は英語の「オールド」、つまり「古い」という意味、「ノイエ」が「ニュー」、「新しい」という意味だ。先に訪れた「アルテマイスター」は18世紀以前あたりの比較的古い美術品を扱い、この「ノイエマイスター」では19世紀以降の新しい美術品が展示されている。こちらは建物も現代的でシンプルだ。
 名前の知らないドイツ人の画家が多く、流し気味に見ていくが、いい絵がたくさんある。そして僕らの大好きな印象派のコーナーに出た。だが、モネやマネは印象に残る絵が少なく、ゴッホに少し惹かれたくらい。ここで圧巻だったのはドガだ。二人の踊り子の絵は、これまで見たドガで最も素晴らしいと思えた。そして同じ部屋にはロートレックが二枚あり、どちらも見たことのない作品だった。
 その後、現代アートのあたりは華麗に飛ばして終了。ロッカーで荷物を出すとき、ヒエロニムス・ボスの展覧会が明日から開催されていることを知る。
■ドレスデンの壮麗な街並み
 美術館を出て、フラウエン教会に向かった。ドレスデンの象徴の一つでもある建物だが、本当に外観が美しい。ドレスデン・シティカードを使って入ろうとしたが、割引になっても一人6ユーロかかるとのことでやめにする。(後で調べたら、これは展望台の料金で、教会に入るだけなら無料だった。)
 周辺をバシバシ撮影し、通りがかりの人に頼んで二人一緒の写真も撮ってもらった。
 ドレスデンのお土産は、テレビ番組で見た煙人形を考えていた。木の人形の内部にお香を入れ、中から煙が出る仕組みの人形だ。近くの売店で見つけるが、かなり高くて躊躇する。


雰囲気のある中心街を歩く

フラウエン教会の前で撮ってもらった一枚

 インフォメーションにある売店も覗いてから、トラムに乗って宿へ戻る。今日の夕食はレストランに入る予定だったが、二人ともまったくお腹がすいておらず、宿で食べることに変更したのだ。途中、アルベルトプラッツ駅で降り、屋内市場に入る。夕食と明日の昼食のおかずになるものを買って帰るためだ。トラムの駅から、大通りを歩く。とても広くてきれいな通りだ。屋内市場では、昨日ドライトマトを買った店で、ニシンの酢漬けとオリーブを購入する。


屋内市場の前の通り

 戻ってからもまだ食欲が湧かず、まずは二人して日記を書く。一段落したところでようやく夕食の準備にかかる。あでりーがサラダを作り、僕は今朝買ったパンを切り、酢漬けニシンと一緒に皿に乗せるだけ。あでりーはワインを開け、カマンベールチーズやヨーグルトも準備してくれた。チーズは素直な味で美味しい。そしてパンは、特にライ麦パンのほうがもっちり感があって、今回食べたなかでも屈指のうまさだった。もう1個のパンはかなり甘かったが、まあ悪くはない。さっき買ったオリーブもいい感じ。
 少なめに食べて、食後はハーブティーを頂く。パンをもう一切れ切り、チョコと共にデザートとした。

 食後はしばらく、あでりーと旅の話をする。もうすぐ終わってしまう寂しさ、充実した旅になったことへの満足感。いろんな思いがよぎり、話は尽きなかった。
 あでりーは10時、僕は11時頃に眠りにつく。


本日の夕食
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