ドイツ周遊
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■ 温泉とナチス
3/16(月)
■郊外の温泉へ
 今日は温泉まで遠出するので、早起きをする。僕は6時前に起きたが、あでりーは疲れが溜まっているせいか、ちょっとしんどそうだ。サンドイッチを作り、用意をしていたらなんとか出られそうになったので、安心する。
 まずはトラムでオストバーンホフ駅に移動する。今日の目的地である温泉地“バートザーロウ”までの往復を窓口で買おうとすると、自動券売機を使ってくれとのこと。バートザーロウまでは、時間帯によって鉄道一本で行ける時もあれば、途中からバスに乗ることもある。今の時間帯だとバスに乗るプランとなり、バスのチケットは乗り換え駅で買えばいいらしい。しかし、自動券売機で鉄道チケットを買う際、間違えてバートザーロウまでの往復で買ってしまったのだった……。
 あでりーは、僕がチケットを購入している間に駅を散策し、並んでいたスーパー2軒のうち、馴染みのある「REWE」でフルーツ入りヨーグルトドリンクを買っていた。これを持って電車に乗る。
 ベルリンから初の遠出となるので、乗る列車ももちろん初めてだ。8時3分発の列車はすいていて、席の予約はしていなかったが、テーブル付の席をゲットする。郊外ののんびりした景色を眺めつつ、30分ほどでフルステンバルデ駅に到着する。ここでは、バスへの乗り換えまで時間が5分ほどしかない。バス停が見つかるか心配だったが、降りたところのすぐ目の前がバス停だった。急いで乗り込み、試しに電車のチケットを見せると、これで乗れるとのこと。良かった〜!

 バスは住宅街を抜け、のどかな田園地帯へと入っていく。川が見え、次第に美しい風景が広がってきた。バスの中に降車駅の表示が何もないため、運転手さんに「着いたら教えて下さい」とお願いしておいたら、温泉への行き方まで丁寧に教えてくれて、感動する。
 降りると、そこはもうひなびた静養地の雰囲気。しばらく歩き、温泉を見つける。人はすくなく、一番乗りくらいだ。受付に行くと、鍵を1個ずつもらう。これがロッカーの鍵らしい。料金は最後に払うようだ。教えてもらった通りに地下に行き、ロッカーを見つける。着替えはロッカーのそばにある小部屋に鍵をかけて入るらしい。それぞれに着替え、トイレも済ませて、いよいよ温泉に向かう。

バスからの景色

たどりついたバス停

バス停から温泉までの道中

温泉の前.とてもきれいな施設だった
 中は、温泉というより、巨大なスポーツジムという雰囲気だ。大きなプールと、円形のジャグジー風呂がある。お湯はやはりぬるめで、中にいても肌寒い感じ。ジャグジーの中の円形スペースで寝そべっているのが、とても気持ちいい。泡が出たり止まったり、何度も繰り返すのを、しばらく楽しむ。屋外にも同じようにプールのような温泉があるので、しばらく中でつかってから、思い切って屋外に出てみた。最初は「さむっ!」と思ったものの、お湯につかっていると気持ちがいい。ここでも円形のスペースでジャグジーが出るのを待ち、寝そべって気ままに過ごす。あでりーと二人、ふざけてはしゃいで時間を過ごす。ジャグジーの泡は強烈で、水着の中に空気が入って浮き上がってしまう。
 しばらく屋外を楽しんでから、中に戻る。やっぱりこちらのほうがかなり温かい。寝そべっていると、気持ちよくて寝てしまいそうになる。
 そうしているうち、徐々に人が増えてきた。湯治客のような人はガウンやサンダルなど、装備に余念がない。料金は3時間が基本だが、さすがにそこまで入っていられないので、1時間半ほどを過ごして出る。着替えて外に出ると、足の軽さに驚く。すっかり体がほぐれたようだ。周辺も静かで本当に気持ちがいい。
■ランチ&ティータイム

温泉の周辺.どこも静かでいい雰囲気

ランチの準備中

本日の昼食
 道路ぞいのベンチを見つけ、そこで弁当を食べることにする。朝市で買ったパン、ハム、チーズ、レタスのサンドイッチは、最高に美味しかった。その後、あでりーが行きに見つけたコーヒー専門店に入る。中にはコーヒー豆の容器が並び、焙煎機が置いてある。メニューにはエスプレッソ系のものが並んでいるので、店の人に、マイルドなコーヒーはないか聞いてみた。(僕らは二人とも、エスプレッソは苦手なのだ。)女性店主はメニューを示して教えてくれた。よく見たら、コロンビアとかニカラグアなど、なじみのあるコーヒー豆が並んでいる。僕はコスタリカ、あでりーはインド産のコーヒーを注文する。そして、僕はチーズケーキ、あでりーはナッツのケーキも頼んだ。
 コーヒーは、プレス式だった。海外で、機械で淹れないコーヒーは初めてだった。共に運ばれてきた砂時計が落ちるまで待ち、飲んでみる。これは美味しい! 海外で飲んだうちで一番かもしれない。そしてケーキもドイツ最高というほどに美味しかった。コーヒーはたっぷり2杯半あるので、これならすこぶる安い。食後のティータイムを存分に楽しむ。感動して、あでりーの飲んだインドのコーヒー豆を購入した。紅茶やハーブティーもいろいろと置いてあったので、あでりーはbioのミックスハーブティーを買っていた。
 店内には、煎茶や抹茶も置いてある。あでりーは、自分がお茶の店で働いていた話をしていた。店主に感謝をして、店を出る。とてもいいところだった。二人とも、この町がとても好きになっていた。駅前に戻り、バスを待つ。待っている間も、最後の街の雰囲気を十分に味わい、名残を惜しむように一杯に空気を吸い込む。また来たい、と本気で思った。

コーヒー専門店の外観

海外では珍しい、プレス式のコーヒー

チーズケーキ&ナッツケーキ
■ベルリンの壁&ナチスの爪痕
 ベルリン市内に戻るバスに乗る。来たときとは違う路線のようで、通るルートも違っていた。畑かどうかわからないが、芝生が延々と続く景色が広がる。牧場かもしれない。40分ほどで経由駅に着く。10分ほどの待ち時間で電車が来た。二階建て車両だったので、喜んで二階に上がる。テーブル付きの立派な車内だと感心していたら、車掌さんがやってきて、告げられた。
「ここは一等車ですよ」
 いそいで、指示されたとおり隣の車両に移る。それでも二階には座れたので、すこし違う視点での景色を楽しむことができた。

乗り換えた駅
 オストバーンホフ駅まで戻ってから、両替所に直行する。手持ちのユーロが底をついてきたのだ。5万円をユーロに変えると、139円ほどのレートで、しかも10ユーロの手数料を取られた。
 駅の外に出て、ベルリンの壁跡のある場所を探す。この近くに、ベルリンの壁の跡に様々な絵を描いた一帯があるのだ。ガイドブックの地図と現在地を何度か確認し、ようやく到着する。
 延々と続く壁に描かれた絵を、一つずつ見ながら進む。有名なホーネッカーとブレジネフのキスの絵を探すも、なかなか見つからない。壁の最後に近づいたあたりで、唐突に出てきた。ビデオと写真を撮り、堪能して去る。壁沿いにかなり歩いたが、途切れたあたりで壁を離れ、近くにあるUバーンの駅に向かう。

延々と続く壁(こちらは裏側)



 ヴァルシャワ・シュトラーセ駅でUバーン1号線に乗る。昨日も通ったクルフルステン・ダム駅で乗り換え、Uバーン9号線でトゥルムシュトラーセ駅へ。ここからバスに乗り、プレッツェンゼー記念館へと向かう。バス停を降りても場所がわからず、我々の他に降りた客は男性一人だけで、歩いている人もほとんどいない。その男性に聞くと、「こっちだよ」という感じ(ドイツ語だからよくわからなかったが)で、そばまで案内してくれた。とても親切な人だった。

 プレッツェンゼー記念館は、ナチス時代に反体制の者たちを集め、処刑をしていた場所である。ガイドブックには載っているが、他の観光地とは雰囲気がまったく違う。周辺にはほとんど人が歩いていない。恐怖に近い感覚を覚えながら、中に入る。
 小さな建物があり、最初の部屋に入る。床に献花が置かれている。何かを吊り下げる仕組みのある部屋だ。ただごとではない雰囲気が漂っている。さらに隣の部屋に進むと、写真やパネルを使い、ここで何が行われたかという説明がなされ、犠牲者の名前なども書いてあるようだった。実に、二千何人がここで殺されたという。
 一通り見てから建物を出る。そばにあった小屋に行くと、管理人らしき男性が出てきた。他に施設がないか確認すると、「隣に刑務所があるよ、本物の刑務所がね」と教えてくれた。今も使われているとは知らなかった。ここはビデオやカメラで撮影するに忍びないので、この感覚だけを覚えて帰ることにする。それでも、ここに来て本当によかったと思った。
■ベルリン最後の夕食
 バス停のある通りからは空港が近いので、タクシーや空港バスが実によく通る。それらを見送るうち、僕らの乗るバスが来た。さっきと同じ路線のバスに乗り、途中のビュッセルシュトラーセ駅で降りる。ここからSバーンで宿近くの駅まで戻るつもりが、明日の電車の予約をしていないことに気付く。急いで、DB窓口のあるゲスントブルンネン駅で降りる。が、やはり工事中でDBの窓口が見当たらない。さんざん歩いたり人に聞いたりしたが、やはりここにはないという結論になった。中央駅まで行くしかなさそうだ。ここでいったんあでりーと別れ、僕はDBの環状42号線で西へ向かい、あでりーは東へ買い物に行く。待ち合わせは、夕食にと決めていたbioレストランにした。宿からトラムで行き来する際、列車の中から見つけて行ってみたいと思っていた店だ。線路を隔て、別の電車に乗って遠ざかるあでりーに手を振る。
 42号線の列車は到着まで10分ほどかかるようだ。しかもよく確認すると、中央駅へ乗り換えられると思っていたところがつながっていないことに気付く。計画を変更し、Uバーンで再びオストバーンホフ駅に向かうことにする。

 オストバーンホフ駅に着き、DBの窓口に行くと、10人ほどの待ちがあるようだった。機械で番号札を出して待つ。番号が順番に呼び出されていき、次だとなった時点で立ち上がるも、全然違う番号に割り込まれる。その次がなかなか呼ばれず、かなり待ってからようやく呼ばれた。テーブル付の座席はもう空いていなかったが、なんとか無事に予約が完了する。
 急いであでりーの待つbioレストランに向かう。すでに約束の5時半は過ぎているが、連絡の手段はない。アレクサンダープラッツ駅からトラムに乗り、フロベールシュトラーセ駅で降りる。店に入り、ようやくあでりーと合流する。けっこう待たせたので、あでりーも安心した顔をしていた。僕もほっと胸をなで下ろす。異国の地で、連絡手段のないまま離れることの不安と楽しさを感じる一件だった。

 夕食には、ポテトとマンゴーのスープ、サラダ、カルボナーラを注文した。スープは、フルーツの甘みと塩味の合わさった感じ。あまり食べたことがない、でもやめられない味だ。サラダは、しっかり旨みのある野菜にチーズがよく合っている。カルボナーラは珍しいショートパスタで、卵の旨みが十分に生かされている。どれにもナッツが入っていて、いいアクセントになっている。しっかり全部食べてしまった。最後にあでりーのリクエストで、ケーキ2種類を買って帰る。

 宿に戻り、コーヒーを淹れる。その間に、あでりーは明日の弁当の準備をしていた。さっき買ったうちのチーズケーキとコーヒーで、ベルリン最後の夜を過ごす。CDで、スターライト・エクスプレスを聞きながら。これがベルリン最後の夜かと思うと、ひどく寂しく思える。エッセンもそうだったが、去りがたくて悲しくなるほどだった。
 食後、僕は調べものをし、日記を書く。あでりーも明日の準備のあと、自分の絵日記を書いていた。

ポテトとマンゴーのスープ

サラダ

カルボナーラ

パン

食後のコーヒー&持ち帰ったケーキ
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