深夜にあでりーが起き出し、風呂に入る。それからお互いに5時前には眠れなくなり、布団の中でしばらく話す。けっきょく寝られず、決心のすえ起きる。準備をしていると窓の外が明るくなり、見るときれいな景色が広がっていた。天気もよさそうだ。

【コーヒー豆屋.ヴァッカーズ・カフェ】
7時半に出発。駅から宿まで昨日はかなり遠回りをしたが、今朝はご主人に教えてもらった最短ルートを通る。途中、スズメとシジュウカラを発見。日本のものと似ているような違うような。
駅に到着し、周辺の撮影をする。構内でホームに迷っていたら、通りがかりのおじさんがわざわざホームに駆け上がり、教えてくれた。親切な人がいるものだ。感謝。
Sバーンに乗り、市内中心部へと向かう。あでりーは、列車のドアの開閉ボタンを押すたびに喜んでいる。車窓の景色をビデオとカメラで撮影しているうち、街の中心部ハウプトヴァッヘに到着。外に出ると、高層ビルがそびえ立っている。いよいよ町なかに出てきた、と感慨もひとしおだ。まずは、調べてきたコーヒー豆屋を目指す。持参した地図を頼りに歩き、すぐに発見。自家焙煎の豆がたくさん売られている。店員さんに聞きながら、迷ったすえにグアテマラと特売のブラジルを選ぶ。なぜか125g単位だったので、125gずつ購入。あでりーは正体のわからないお菓子を買っている。
その後、パウルス広場を経て、有名なレーマー広場にたどりつく。テレビでよく見た景色に、いま実際に立った。いかにもドイツらしい、細かい木枠の建物が並んでいる。時間帯が早いため、観光客はまださほど多くない。しばらく二人でビデオとカメラを撮影して回る。途中、日本人カップルと出会い、写真を撮り合う。
広場の建物の間から、奥にある大聖堂が頭を見せている。さすがに立派な建物で、迫力がある。近くに行ってみようとしたら、工事中のようでなかなかたどりつけず、結局入れなかった。あきらめて、その足で屋内市場まで歩く。
思ったとおり、たくさんの店が軒を連ねている。いきなりスパイス系のお店の店員に試食を勧められ、何種類かを食べる。どれもけっこう美味しい。2種類のペッパーなどを購入する。その後、チーズ屋さんでも試食をし、購入。一通り見てから二階へとのぼり、魚売り場を見て歩く。昼食用にと、その場で調理してもらえる店を探したが、あまりその手の店はなく、あったとしてもかなり高額だったので断念。
椅子を見つけたので、座って休む。ここまでかなり歩いて疲れてしまった。あでりーに、さっき試食したマスタードを買ってきてとお願いする。しばらく待つと、ジュースを飲みながら帰ってきた。フレッシュジュースで、ざくろとオレンジのミックスという昨日と同じものだ。これまたかなり美味しい。今度は僕がパンを買いに出かけるが、量が多くて値段も高いのでやめにする。しばらく他の店などを見て回ってから、最初の店で1個1ユーロほどのパンを2個購入。これで市場を出る。
昼食は、ガイドブックにあったトルコ料理に決めた。ここで初めてトラムに乗る。しかし、トラムもSバーンも全く改札をしないので、無銭乗車が絶えないのではと思ってしまう。
店はトラムを降りてすぐの場所だった。メニューを見てしばらく悩み、スープと、ファラフェル(ひよこ豆のコロッケ)入りのプレートを1個ずつ頼み、二人で分ける。これで十分の量だった。スープとファラフェルは、少し化学調味料の味がする。ライスとヨーグルトが美味しい。サラダはまあ普通といったところ。結局、ファストフード的なお店だった。
少し落胆して店を出る。そこから歩いてマイン川まで出ると、急に風景が開けた。バオバブのような木が並んで植えられた道を通り、歩行者専用の橋を渡る。川べりの景色が気持ちいい。カモメが見えたが、カモはいない。川では、練習をするレガッタが過ぎていく。シュテーデル美術館が見えてきた。重厚な建物で雰囲気はばっちりだ。ついに憧れの美術館へと足を踏み入れる。
まずは1800年代くらいまでの絵画を見て回る。いきなりヒエロニムス・ボスの絵があって驚く。喜んで、次へ次へと見ていく。それにしてもかなりの量なので、何度も座って休憩をとった。大きなベンチがいくつも置いてあるので都合がよい。しばらく行くと、以前に日本で開催されたシュテーデル美術館展に来ていた絵をみつけ、再会を喜ぶ。しかし、フェルメールがない。スタッフに確認したところなんと、「今はブカレストにある」という返事! いくら探しても見つからないわけだ。まあ、ここにある「地理学者」は一度日本で見ているので、大きな落胆ではない。
次に、印象派前後のフロアに移動。ここでも、ルノアール、モネ、ドガといったあたりは、ロンドンなどに貸出し中でことごとく見られない。ただ、セガンティーニが思いがけずあって、感動する。現代アートのフロアは二人とも興味薄なので飛ばす。
一通り見たところで、ミュージアムショップに入る。見られなかったフェルメール作「地理学者」のマグネット、ポストカードを購入。
お茶にしようということで美術館を出るも、近くにはなさそうなので、引き返して美術館のカフェに入る。まったく期待していなかったが、ケーキもコーヒーもカプチーノもすべて美味しかった。しかも安い。このカフェは掘り出し物だった。今日の予定はこれまでなので、宿に引き返す。
トラムに乗り、ズット駅に移動する。駅構内を見て歩き、発泡水を購入。あでりーはこれを美味しそうに飲んでいる。僕も試すが、確かにうまい。
ランゲン駅まで戻り、宿とは反対方向へ歩いてスーパーを探す。日本に国際電話をかけるため、格安テレフォンカードを探していた。コンビニっぽい店にいくつか入って聞いてみたが、ないか、かなり高いかのどちらかだった。
遠方まで歩いて引き返し、戻る途中で大きなスーパーを発見する。入って見てみたが、なかなか面白い。さっき買った水が、ここでは1/3ほどの値段なのを知って愕然とする。やはりスーパーは圧倒的に安い。
宿に戻り、少し仮眠。18:30くらいに起きだして食事の準備をする。昨日の残りが中心だが、今朝買ったマスタードをソーセージにつけて食べると、これが抜群の味だった。ほうじ茶を淹れ、ケーキでデザート。今回も美味しくいただいた。
風呂場では洗濯が行われていて、入りづらいので、明日の朝に入ることとする。あでりーは21時前に就寝。

【この日の夕食】
【この日に買ったもの】
(左)シェラモヤ,マスタード (右)チョコ各種,ポストカード各種,コーヒー豆,コショウ(ピンク&グリーン),チーズ,フラックスシード,パン