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■ セブンシスターズへ日帰り 1/27(水)

■悪夢、再来か?

 3時に目覚める。いくら疲れていても、このリズムは変わらない。疲れは取れたようだ。
 廊下に館内LANのルータがあって、そこに自分のPCをつなげてみると、インターネットにつながった。とりあえず、駐車禁止の罰金を支払うサイトにアクセスしてみる。英文を読んでいろいろとやってみるも、どこでどう支払えばいいのかがどうにもわからない。しばらくしてあでりーが起き出し、風呂を入れてくれたので、諦めて入る。湯の温度も水圧もばっちりで、生き返ったように気持ちがいい。北園ハウスは、思った以上に快適な場所となりそうだ。

 あでりーと今日の予定を話し合う。当初、午前中はゆっくり休むつもりでいたが、僕としては、レンタカー屋に朝一番で行けば、もしかして追加料金を支払わなくても済むかも、という期待があった。いっぽうあでりーは、車でセブンシスターズへ行く提案をしてくれた。セブンシスターズは、この旅のどこかで行ってみようと考えていた場所だ。どっちみちレンタカーの追加料金を払うなら、このまま今日の夕方まで使ったほうが割がいいのでは、というのがあでりーの考えだった。あでりーの素晴らしい提案に乗ることにする。

 8時にレンタカーオフィスが開くので、その少し前に出る。オフィスは、僕らの滞在しているノーベリーの隣町、クロイドンにある。車を走らせると、ロンドン郊外のさわやかな町並が過ぎていく。しばらくその景色を楽しむものの、レンタカーオフィスが見つからない。PCからプリントアウトした地図を手に、そばを歩いていた人に聞いてみたけれど、要領を得ない。昨日からの疲れがどっと噴き出す。また昨日の続きなのか、と気が滅入る。
 ガソリンがもうあと少しなので、通りがかったスタンドで15リットルほど入れる。これでガソリンの不安は解消された。ここであでりーが、ノーベリー駅のそばでレンタカーオフィスを見た、という。返すべきオフィスとは異なるが、そこでも延長手続きはできるかもしれない。たとえそれが無理でも、クロイドンのオフィスの正確な場所を教えてもらえるだろう、ということで、また戻ることにする。

 しばらく走りながら、考える。クロイドン市街からノーベリーに戻ったあと、セブンシスターズへ行くにはまた同じ道を戻ることになる。なんだかそれさえ今の体にはきつく思える。どうせセブンシスターズへ行くことは決まっているので、先にそちらに行き、夕方、返す時にオフィスに行けばいい。そう思い、再度Uターンをし、セブンシスターズ方面を目指す。
 もしかしたら、この道をもうすこし行った先に、レンタカーオフィスが見つかるかも、という淡い期待もあった。
 すると、本当にあったのだ! 目印となるヒルトンホテルが出てきて、そこを右に曲がり、さらに左に曲がると、「Europcar」という緑色の看板が見えた。ばんざい!

 手続きはびっくりするほど簡単で、追加料金も5000円ほどで済んだ。これで、夕方またここに返しにくればいい。
 よっしゃー、ということで、安心して先をいく。国道23号線を南下すると、そのまま高速23号線に入る。復活したつもりだったのに、渋滞になりかけるだけで胃が痛む。そしてまた、ブライトンという街に入ったあたりで、迷う。ブライトンは海岸沿いの美しい町並だが、堪能できないままに通り過ぎる。
 引き返し、イーストボーン方面をめざす。セブンシスターズは、このイーストボーンという街にあるのだ。しばらくしてまたわからなくなり、サービスエリアで道を聞く。同時に、いったんここで休憩とし、昼食にする。サービスエリアにはCOOPが入っていたので、パンとオリーブ、オレンジジュースを買い、あでりーが出がけに作ってくれたサラダと共に、車の中で食べる。食欲があまりなかったが、パンが予想外に美味しくて結構食べられる。それでも、体調管理のため、量は控えめにした。車の外で、セキレイ、ヨーロッパコマドリ、カササギなどの鳥を見る。

◆セブンシスターズへ向かう途中。延々とこうした風景が続く。


■崖と風

 ふたたび走り出す。とにかく海岸線に出ればいいのだが、なかなか海が見えてこない。まっすぐに行けると思っていた道がT字路で突き当たり、さてどっちだ、と思ったらちょうど人が歩いてきたので、とっさに窓を開け、「セブンシスターズはどちらですかっ?!」と大声で聞く。左だ、との答え。サンキュー、と返して、ハンドルを左に切る。すぐに海に出た。
 もう安心だ。昨日の経験で、トラブルに遭った時でも、自分や自分の運命に対する信頼感が強くなっている。
 海岸線に沿って、車がたくさん停まっている。そこを過ぎると、上り坂にかかる。崖の上に登っていくのだろう。視界が開け、やがて案内所の建物が出てきた。車を停め、近寄ってみると、案内所は閉まっていた。それでも隣のパブが開いていたので尋ねてみると、セブンシスターズはここから歩いていけるという。

 風が相当に強いので、防寒対策をしっかりしてから、歩き出す。海岸に近づくと、やはりそこは崖の上で、見下ろすのが怖いほどの景色だ。海と空との境はあいまいで、不思議なグラデーションができている。遠くに見える町並は、さっき通ってきたあたりだろう。左右を見渡すと、むきだしになった白亜の岸壁がところどころ覗いている。この景観が、セブンシスターズの一番の特徴だ。ガイドブックでも見た景色だ。
 ようやく到着した。心も弾む。あでりーと二人、安心してしばらく戯れる。強風が体にしみいるほど寒いけれど、気分はいい。二人でとにかくはしゃぎ回る。

◆右奥に、白亜の崖が見える。
◆イーストボーン市街方面。

 ひとしきり遊んで、車に戻る。僕もあでりーも、心から満足している。来たのとは別の道で、ゆっくりと引き返すことにする。
 思ったよりも海岸地域は広く、走っても走ってもなかなか大通りに出ない。強風で木が斜めになってしまっているのは、まるでパタゴニアの風景だ。広い草地に、羊や牛が放牧されている。長い時間をかけてようやく国道27号線に戻る。そこから23号線に乗ったところで、あでりーは眠ってしまった。あとはノーベリーまで一本道だ。


◆帰り道の風景。


■至福の夕食

 15時前に、ノーベリー市内に到着。いい時間に戻って来られた。北園ハウスには帰らず、今日の夕食を買いに出かける。北園ハウスのホームページに載っていた、野菜カレーの店に向かう。なかなか見つからず、すこし歩いた先に普通のカレー屋さんを見つけたので、まあここでいいかと店に入る。二人とも今日はカレーを食べる気満々なのだ。
 メニューを見てみる。野菜カレーのメニューがたくさん並んでいる。なんのことはない、地図上の表示が微妙に違っていて、ここが目指す店だったのだ。
 悩んだすえ、ベジキーマカレー(ひき肉の替わりに大豆タンパクで作ったベジミートが入っている)、カシューナッツのカレーを注文し、さらにケバブも買う。店を出て、昨日入った大型スーパー「セインズベリー」へ行き、5L入りの水2本、さらにオーガニックチョコ、フルーツナッツバー、さらに、オーガニック全粒粉パンを見つけて購入。オーガニック製品が安く手に入るのは、本当にありがたい。

 いったん北園ハウスに戻って荷物を置き、レンタカーオフィスに向かう。もう多少の渋滞は気にならない。これまでの道中、一時は車の運転をしんどく感じることもあったが、これでもう運転も終わるかと思うと余裕が出てくる。ほどなく、オフィスに着く。
 意外に念入りに車のチェックをされて少し焦るも、問題なく手続きが終了し、お世話になったプジョーに別れを告げる。担当の男性スタッフがなかなか面白い人で、ロンドンはいつもこれくらい寒いのか、日本はどうなのかなど、ひとしきり話をする。クロイドンの駅から電車で帰るつもりだったので、彼に駅の場所を聞くと、バスに乗れと言われる。どうやら鉄道の駅は歩いて行ける距離にはないらしい。
 バス停に着き、時刻表を見てみるが、よくわからない。3人の若者がいたので聞いてみると、すごく親切に教えてくれて、同じ方向だから一緒に行こうと言ってくれた。

 バスに乗り、一人2ポンド、合計4ポンドを支払う。しばらく乗ってバスを降りると、若者たちは、「こちらだよ」と言って先に歩き出す。なかなかの早足なので、急いでついていく。外は小雨が降っている。近くに鉄道の駅があるのかと思っていたら、また別のバス停でバスに乗る。見ると、確かに「ノーベリー」行きと書いてある。これで安心だ。また4ポンドを支払う。合計1200円ほど支払ったことになる。ロンドンのバスは高い。
 無事に到着し、若者たちに礼を言って降りる。とてもさわやかな3人だった。
 バスを降りてすぐのところで、ベジタブルレストランを発見する。今度はこっちに来てみよう、と言いながら帰り道を急ぐ。

 宿に戻るとすぐに、さっき買ってきたカレーと、パック玄米を温める。これが楽しみだったのだ。
 うまいっ! 僕には少し辛めだが、キーマカレーとカシューナッツカレー、どちらも本当にうまい。ケバブは春巻き型で、こちらも最高! 久しぶりの玄米も堪能する。(我が家では日頃のご飯が玄米なのだ。)
 食後には、日本から持ってきたコーヒー豆でコーヒーをいれ、全粒粉パン、チョコと共にいただく。ふー。落ち着く落ち着く。至福の時だー、と思いながらついつい大量に食べてしまう。
 食後に明日以降の話をするつもりが、ちょっと話しかけたあたりで眠くなってしまい、20時過ぎに就寝。あでりーは日記を書いている。



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