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■ レンタカーで湖水地方へ 1/23(土)

■高速道路が楽しい楽しい

◆空港ホテル「HOUNSLOW」
 夜中1時に目覚め、MP3プレイヤーを聞く。3時過ぎにはあでりーも起き、一緒にベッドの中で話をする。昨日も書いたサイモントン療法をあでりーも実践していて、話題はその方向に流れる。話しながら彼女が僕の上腕部を撫でてくれるのが心地よく、心からの安らぎに包まれた。あとから聞くと、この時あでりーは心の中で、「すべてはうまくいっている」と唱えていたという。不思議だけれど納得がいく。僕とあでりーとは、言葉を超えたところでつながっている。

 外からは、さわやかな鳥の声が聞こえてくる。6時15分にフロントに降り、周辺の撮影などをする。6時半で予約したタクシーは、6時20分に来た。空港のレンタカーオフィスまで行ってほしいと頼むが、場所がわからないらしく、空港内のバス停のそばで降ろしてもらう。そこにレンタカーオフィス行きのシャトルバスが来るらしい。インド人らしき運転手さんはすごく親切で、「2番の停留所に行くんだよ」と、何度もくり返し教えてくれた。22ポンドを請求され、気持ちよく25ポンドを払った。

◆借りたプジョー
 少々迷ったすえ、2番停留所にたどり着く。7時前にシャトルバスが来た。すぐ近くだと思ったら意外に距離があり、延々15分ほど乗る。
 事前に支払った料金はかなり安かったのだが、レンタカーオフィスではさらに、異なる場所に返却するための料金、燃料代などでけっこう取られた。冬場なのでスタッドレスタイヤかチェーンの用意があるかを確認するも、ノーマルタイヤで、チェーンなどもないらしい。不安だがしかたない。
 最後に、車の停めてあるゾーンの番号を言い渡される。このゾーンに停まっているうちから、好きな車を選ぶことができるのだ。2台並んだうち、バケットシートがついているプジョー(308HB)をあでりーが選ぶ。

■高速道路の標識例
現在の路線が「M25」で、もうすぐ左に「M1」への分岐があることを示す。左下の白抜きの数字が、1/2マイル先にある高速出口の番号。
 シートの調整などをおこない、写真とビデオ撮影をしてから、いざ出発、と思ったらいきなり駐車場の出口で止められ、チケットを確認される。ともあれ手続きは完了だ。湖水地方を目指し、まずは高速道路のM25号線を目指して走る。表示の看板は簡素だがわかりやすいので、その通りに走る。M25号線から幹線のM1号線に合流し、さらに、イングランド北東部へ抜けるM6号線に進む。借りた車はなかなか快適で、130kmほど出してもびくともしない。シフトもスムーズで、ウィンカーとワイパーが左右逆になっているのも、すぐに慣れた。車の数はそう多くはなく、日本のように猛スピードで突っ走る車もほとんどいない。これで高速料金はすべて無料なのだ。快適快適、と順調に走っていたら、途中で霧がかかってきて、すこし混み始める。ほんの少し先しか見えないところもあり、慎重に車を進める。

 途中で、電線にとまった鳥をいくつか見るが、種類まではなかなかわからない。ところが、急に頭上を大きな鳥が群れで追い越していった。
「白鳥!」と、あでりーが叫ぶ。しかしよく見るとカナダガンだった。数十羽の群れが飛び去る様は力強くて迫力があり、興奮してしまった。あでりーは、最初に叫び、そのあとは笑いが止まらずと、どこかテンションがおかしくなっている。イギリスに来て、野生でしっかり見た鳥はこれが初めてだった。あでりーは、鳥たちが飛び去ったあともしばらく車の中で騒いでいた。

 日本と同様、高速道路にはサービスエリアがある。興味津々で、1時間に1回のペースで入ってみるが、日本のデパートにあるフードコーナーのごとく、ファストフード系の店がいくつか入っているだけで、味気ない。


◆立ち寄ったサービスエリア。
 どこも似たような感じ。


◆巨大なコーヒーカップ!
 通常は二人とも朝食はとらず、11時頃に昼食をとる。この日は早朝から活動しているため、11時になるのを待たずに食事にする。サービスエリアにあった「COSTA」という、やはりファストフード系の店でコーヒーを買い、持参したものを食べる。昨日の夜に買ったカボチャパイがすごくおいしかった。オーガニックの野菜サンドはまあまあの味。自作スコーンはやっぱり美味しい。
 「COSTA」はサービスエリア各所、およびロンドン市内にもたくさんの店舗があるイタリア系の店で、コーヒーはエスプレッソが基本だ。アメリカンを頼むと、濃さは普通だが好みの味ではなかった。驚いたのはその大きさで、Mサイズを頼んだら、小さなボウルくらいあるカップが出てきた。2人で1杯にして十分の量だった。

 食事休憩ですっかりリフレッシュでき、車内でも会話が弾む。カササギという、白黒で尾羽が長い鳥をはっきりと確認することができた。牧羊地には羊がいっぱい。日本と違い、街と街の間には建物はなく、ただ広い平原や牧場が延々と続く。天気はそれほどよくないが、窓外を見ているだけで楽しい。サッカーのマンチェスター・ユナイテッドというチームが好きなので、マンチェスターのそばを通った時にはちょっと感激。

 高速を降りる前に、最後のサービスエリアに入る。入り口に「FARM SHOP」と書かれており、これまでのサービスエリアと趣が違う。ファストフード系ではなく、独自のお店が入っていて、その土地の特産品やホームメードケーキなどを売っている。なんと、オーガニック商品もある。二人でいろいろと物色し、ココアとチョコレートを買う。あでりーはニュージーランドのサービスエリアに行ったことがあり、正にこういう感じだったと話してくれた。
 買い物を終えて外に出ると、小さな池にマガモがいるのを発見。近寄ると向こうも寄ってきてくれて、かわいい。他に、カラスかと思う黒い鳥がいて、よく見るとカケスだった。ただ、日本で見かけるものと違い、体はほぼ黒一色。あとで調べると、ニシコクマルガラスだと判明。

◆他とは違う造りで面白かったサービスエリア ◆ショップの脇にある池


 サービスエリアを堪能し、ふたたび走り始める。結局、帰り道まで含めてこのタイプのサービスエリアはここだけで、あとはやっぱりファストフード店の寄せ集めだった。
 霧がようやく晴れてきて、周りの風景が広がっていく。残雪の山、深い緑と濃い緑のパッチワークの丘、雲間から差し込む光。去年に行った北海道を思い起こさせるが、さらにスケールは大きい。カモメの集団、鳥の巣、牧場の羊たち……。ずっと眺めていても飽きない。
 15時過ぎにM6号線を降りると、国道に乗り、湖水地方の北に位置する町、ケズウィックを目指す。小さな丘をいくつも越えて車を走らせる。依然として続く雄大な景色を楽しみながら、1時間弱で、小さな町に入る。道が狭くなり、歴史を感じさせる石造りの建物が連なる。町の中心部に出ると、一、二度間違えてから、目指すYHAに到着。道ばたに車を停め、チェックイン。気さくで優しいフロントの対応が心地よい。パーキングの場所を教えてもらったあと、近くにあるベジタブルレストランを一軒教えてもらった。さらに、宿の支払いでT/Cが使えるか聞いてみたが、これは駄目だった。

◆高速道路から。霧が晴れ、次第に景色が広がっていく。


■ケズウィックはテーマパーク

◆YHAの部屋
 ケズウィック周辺の観光地として有名なものに、ストーンサークルとサプライズビューがある。ストーンサークルは、ストーンヘンジと同様、岩が円形に並んだもの。サプライズビューは、湖を見下ろす位置からの、文字通り驚くべき光景が見られる場所である。今日のうちにこの2つに行ってみようと思っていたので、部屋に荷物を置いてからさっそくでかける。
 それにしてもきれいな町並だ。こぢんまりとしているが、可愛い建物が建ち並んでいて、テーマパークの中を歩いているようだ。貼ってあったポスターにアイサという鳥の絵を見つけ、どこかにいるんだろうなと思っていたら、宿のそばの川で発見! マガモが群れている中に一羽だけ形の違う鳥をあでりーが見つけ、近くに寄って探していると、そばにいた男性が、あれがアイサだよと教えてくれた。

 車で、ダーウェント湖方面に向かう。地図で見ると、ストーンサークルもサプライズビューも、この湖のほとりを走る道路沿いに位置している。かなり走っても見あたらず、民家に立ち寄って聞いてみると、やはり行き過ぎていたと判明。そこから引き返し、また何人かに聞いてみたものの、場所がなかなか特定できない。看板なども見あたらず、あまり有名でもないのかと思ってみたりする。
 迷っているうちに、二人ともかなり消耗してしまった。湖沿いの道路は極端に狭く、目的地を探しながら、対向車や後ろからの車に気をつけながら走るのが、大きなストレスになっていたのだ。既にもう外は暗い。今日のところは宿に戻ることにする。

 部屋に入り、ベッドに横になる。そろそろ食事の時間だが、まったく食欲がない。今日はこのままエネルギー切れかとも思うが、いや大丈夫、僕は大丈夫、しばらくすると回復する、と信じ、目を閉じてとにかく体を休める。自分が疲れていることを認識し、意識的に深い呼吸をし、自分自身のケアをおこなう。こうしたやり方・考え方が、前に書いたサイモントン療法の一環なのだが、信じて実践したとおり、30分ほどで急激に回復する。あでりーも同様にして、いい休息がとれたようだ。

 ふたたび外に行く準備をし、フロントで教えてもらったベジタブルレストランに行ってみる。メニューを見るとすごく良さそうなのに、「CLOSED」の看板が出ていた。しばらく歩いて他の店を見て回る。なんとなくピンと来た店にベジタリアン用のメニューがあったので、入ってみる。
 中はパブ風で、なかなかいい雰囲気だ。サラダ、野菜ラザニア、野菜スープを注文する。サラダには蒸した小エビがたっぷり乗り、ローズマリードレッシングが効いていて上品な味。ラザニアもくどくなくておいしい。付け合わせのガーリックトーストやバゲットもなかなか。スープは、素材の味が生きていて、余計な味がしない。どれもおいしく頂く。付け合わせのポテトだけ食べきれなかったので、持ち帰る。



◆夕食のレストラン「LAKE ROAD INN」


 店を出て、ゆっくりと歩いて帰る。人はほとんどいない。テーマパークを独占しているようで、可愛い町並に、心が浮き立ってくる。もうほとんどの店が閉じている。ピーターラビットの店があったり、小物細工の店では、ペンギンをモチーフにしたガラス細工を見つけたり。フェアトレードの店やデリ、ベジタリアン対応の店など、暗い中を写真を撮りながら歩く。明日に備え、レストランではメニューを確認しておいた。
 実は湖水地方では最初、別の町に滞在する予定だった。それが宿の都合でキャンセルとなり、次の候補地としてこのケズウィックが選ばれたのだが、こちらにして大正解だった。初めての町なのに、なぜか懐かしい感じ。もしかしたら遠いどこかで縁があったのかもしれない。また、あでりーのお母さんがここに来たがっていたことも、僕らの心に影響を与えていただろう。お義母さんも一緒にレンタカーに乗っていて、途中の風景やこの町並を楽しんでいる、そんな思いにさせられる。初日から、二人ともこの町が本当に好きになってしまった。


 宿に戻った頃にはすっかり元気になっており、キッチンで、人参、パン、持ち帰ったポテト、番茶を用意し、二度目の夕食。こちらも美味しくいただく。多くのYHAと同様、自分たちの部屋以外に、キッチンや読書室などが自由に使えるのがありがたい。食後にあでりーは読書室で絵日記を書き、僕は荷物を整理。その後はパソコンで家計簿を入力し、各種電池の充電をしてから、シャワーを浴びる。
 
イギリス周遊 TOP 1/21(木) 1/22(金) 1/23(土) 1/24(日) 1/25(月) 1/26(火) 1/27(水) 1/28(木)
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