EurActiv 2014年7月2日
デンマーク政府
計画していたフタル酸エステル類の
禁止を中止


情報源:EurActiv, 2 July 2014
Denmark scraps planned ban on phthalate chemicals
By Henriette Jacobsen
http://www.euractiv.com/sections/health-consumers/denmark-scraps-planned-ban-phthalate-chemicals-303241

訳:安間 武(化学物質問題市民研究会)
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/
掲載日:2014年7月3日
このページへのリンク:
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/edc/EU/140702_EurActiv_Denmark_scraps_planned_ban_on_phthalates.html


 欧州委員会からの圧力及び関連する訴訟の結果を受けて、デンマーク政府は、プラスチックを柔軟にするために使用される化学物質である4つのフタル酸エステル類の禁止計画を中止することにした。

 フタル酸エステル類は、ゴム靴、(テーブル掛けなどの)オイルクロス、ビニル床材などの日用品中に見出すことができ、ヨーロッパでは、それらのあるものは、子どものおもちゃでの使用がすでに禁止されている。

 あるフタル酸エステル類は少女の早熟、ラットにおける肝臓がん、男性の不妊をもたらすとされている。

 EurActiv がすでに報道した(EurActiv, 27/08/2012)通り、デンマークはフタル酸エステル類 DEHP, DBP, DIBP 及び BBP を禁止することを計画したが、デンマーク政府によれば、欧州委員会は、その禁止はEUの規則に反すると明言した。一方、テレビ放送キャスターによれば、同様なケースを扱っているEU法廷の意見は、デンマーク政府に対して国家による禁止は撤回せざるを得ないと信じさせるものである。

 しかし、2012年の秋に、環境大臣イーダ・アウケンは、その禁止に関してEU法廷での裁判になるかもしれないリスクを受け入れるつもりであると EurActiv に述べた。

 ”もちろん私は、そのようなことにならないことを希望するが、もしそのようになるのなら、私には準備ができている”とアウケン述べ、彼女は証拠としての科学的な資料を持っており、EU法廷の異議に勝訴することは間違いない”と付け加えた。

 参照:EurActiv 27/08/2012 Denmark defies EU with planned ban on phthalate chemicals (デンマーク 計画中のフタル酸エステル類の禁止でEUを無視)

 環境大臣クリスタイン・ブロスボールは声明の中で、次の健康委員に内分泌かく乱化学物質を議題にさせるよう努力すると述べた。

 ”同時に、内分泌かく乱物質への戦いで欧州委員会への圧力を増大する準備ができている多くの国があることを私は知っている”と彼女は付け加えた。

 フタル酸エステル類の禁止は2013年12月に発効するはずであったが、後に、それが完全に中止されるという決定がなされるより前に、2015年12月までに延期された。

 6月にフランス政府はEUの内分泌かく乱物質戦略を環境大臣会議の議題にし、ある化学物質の人の健康と環境への影響は現在、よく報告されており、ヨーロッパ レベルでの緊急の行動が求められていると述べた。この動きはスウェーデンとデンマークからの支持を得ている(訳注1)。

外部リンク:
発表記事
EU triumphs over Denmark: Can't ban dangerous substances [In Danish]


訳注1
EurActiv 2014年6月11日 フランスが内分泌かく乱物質への迅速な行動を主張する

訳注:関連情報
訳注:近年のEUにおけるEDCsに関する動き


化学物質問題市民研究会
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