EurActiv 2014年3月3日
内分泌かく乱物質に関する基準を発表するよう
欧州委員会への圧力が高まる


情報源:EurActiv, 3 March 2014
Pressure grows on Commission to publish criteria on endocrine disruptors
http://www.euractiv.com/health/pressure-growing-commission-publ-news-533843

訳:安間 武(化学物質問題市民研究会)
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/
掲載日:2014年3月5日
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http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/edc/EU/140303_EurActiv_pessure_grows_on_EC_to_publish_criteria_on_EDCs.html


 フランス議会の欧州業務委員会は、内分泌かく乱化学物質について早急に対処するようEUに求める欧州戦略に関する報告書を発表した。

 この報告書は、公衆の健康は内分泌かく乱物質による有害影響によって脅かされており、もし適切な政策的行動がとられなければ、将来、医療保険分野に余分な財政的負担をもたらすと述べている。

 EUは、公共政策を促進するために新たな包括的な戦略を発表するとともに、”産業側により主張されてきた強さのばかげた考え”にではなく、有害性(ハザード)に基づき、内分泌かく乱物質に関する単一の定義を早急に採択する必要があると、同委員会は述べた。

 既知の内分泌かく乱化学物質の例には、フタル酸エステル類(プラスチック可塑剤)、臭化難燃剤(家庭用布製品や家具類にしばしば使用されている)、そして鉛や水銀のような金属類等がある。

 内分泌かく乱化学物質のあるものは自然にも生じるが、様々な合成物質が、農薬、電子機器、身体手入れ用品及び化粧品中に見出される。それらはまた、食品中で添加物又は汚染物質として見いだされることもある。

 欧州委員会は、2013年12月中に内分泌かく乱物質の定義を発表するという計画を持っていたが、環境委員ヤネス・ポトチュニックが欧州委員会は最初に影響分析をすることを望むと述べたように、定義の発表は遅れている。

 欧州委員会側による基準発表の遅延は、交渉合意の違反として欧州委員会を提訴するというスウェーデン環境大臣レナ・エクの水曜日(2月26日)の脅しをもたらした。

 ”もし、二か月以内にこのことがなされなければ、環境健康という観点から非常に重大なので、我々は欧州委員会を提訴することにより対応するであろう”と、環境大臣エクは述べた。

 NGO環境健康連合(HEAL)のエグゼクティブ・ディレクター、ゲノン・ジェンセンもまた、欧州委員会にその約束を果たし、可及的速やかに内分泌かく乱物質に関する戦略を発表するよう要求した。

 ”新たな欧州委員会までその発表を遅らせることは、欧州委員会が欧州の人々に彼らの健康と慢性疾患の防止よりも官僚的手続きの方が重要であることを示すことになるであろう”とジェンセンは述べた。

 ”不必要な健康問題と医療コストを削減するために、我々は慢性疾患に関連する化学物質への人々の日々の暴露の削減を開始できるよう内分泌かく乱化学物質政策に関する迅速な進展を必要とする”と、彼女は付け加えた。

次のステップ
  • 2014年3月13日:化学的化合物ビスフェノールAに関する欧州食品安全機関(EFSA)のパブリック・コンサルテーション文書へのオンライン・コメントの締切

  • 2018年6月:第3回REACH登録締切(製造者当たり年間1トン以上製造又は輸入される物質(1〜100トン))


訳注:近年のEUにおけるEDCsに関する動き


化学物質問題市民研究会
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