Lunt LS100THa Double Stack その1
Lunt社製 10cm Hα

  公開:2013年10月6日〜
更新:2023年
1月20日 *この望遠鏡 を手放しました を追加

 昨年(2012年)のNEAFのSolar Star Partyには大いに刺激を受けた。9〜10cmのダブル・スタックもズラリと並び、中には9cm CaKまであり、総数30数台。こういったものを見せつけられると、日本の天文ファンも頑張らねば、と思うが、製品にバラツキがあって、なかなか難しい。あれこれ試行錯誤をしていたが、たまたま物凄く良く見えるLunt 社製の10cmダブル・スタック鏡筒と出会ってしまった。

 家には良く見えるP.S.T.があるので、これを圧倒的に凌駕するものでなければ、導入する意味は無い。実際に、この10cmのダブル・スタック鏡筒を覗いて、 衝撃を受けた。ダブル・スタックなのにプロミネンスが良く見え、しかもプロミネンスの根本と彩層との間の微細な構造までわかる。ダーク・フィラメントの描出など、「どうですか〜、お客さ〜ん。」と言わんばかりに見(魅)せる。 求めていたのは、この像だ! 幸い、この鏡筒を超特価で入手する事ができたが、デザインも性能も最高のP.S.T.双眼は、なくなく手放す事となってしまった。
  ちなみに、この鏡筒の場合、
ダブル・スタック・ユニットは装着したままで、シングルで見る事は、まず無い。

 家にはSXD 赤道儀があるが、重いし、セッティングが面倒くさい。やっぱり私は断然経緯台がいい。国際光器から優秀な大型経緯台:T-Rex が出ているが、本体8.5s、三脚7.9sで、総重量16.4sと重い(重いから安定するのだけれど)。ただ、微動ハンドルが付けられるのは良い。以前からAOK 社のAYO 経緯台がすっきりしていて好感を持っていたが、これがAYO II となり、エンコーダー(5000step)も取り付けられるようになった。太陽望遠鏡にエンコーダーは不要だが、これがあれば、ハイランダーを搭載してSkySafari と連動できるし、何か他の鏡筒も使える。この経緯台は何かと使えそうだ、という訳で、これを笠井トレーディングに注文した。注文は昨年11月だったが、何と9ヶ月もかかった。ただ、到着して使ってみれば、 これは待った甲斐があった、と納得の出来。エンコーダー・ケブルの処理もスマートだ。

 経緯台の重さは3.8s。とりあえず12年程前に購入した中型カーボン三脚: Gitzo G1349(G1348+G1318) に搭載してみた。この三脚の重さは重量2.6sなので、架台の総重量は6.4s。出し入れ、鏡筒の搭載は楽ちんだ。経緯台も三脚も耐荷重は12s。鏡筒の重さは8.5s、Coronado社の9cmダブル・スタックより、約2s軽い。双眼装置等を付けてもOKだ。 また、実際に一番重い組み合わせで使ってみたが、カウンター・ウエイト無しで大丈夫だった。優秀!

 アイピースは、単眼の場合は基本的にライカ・ズーム。その日の大気の状態に合わせて倍率可変、しかも、解像度は最高・最強。 しかし、双眼装置を使った場合、声を失う。 全く別次元、といっていい程、立体的にド迫力で眼前に迫ってくる。宇宙空間に飛び散るプロミネンスなど、時を経つのも忘れてしまう。宇宙船で、こんなに見える所まで近づいたら、とっくに蒸発しているだろう。という訳で、双眼装置にXW 20mm CEMX 12mm がデフォルト。

  口径 f 焦点距離 倍率 実視界 見掛視界 アイ・レリーフ 射出瞳径
Lunt LS100THa Double Stack0 102mm 7.8 800mm          

Leica Vario Zoom ASPH

    17.8mm 45 1.34° 60° 18mm 2.3mm
      8.9mm 90 0.89° 80° 18mm 1.1mm
Pentax XW     7mm 114 0.6° 70° 20mm 0.9mm
Abbe II     6mm 133 0.32° 43°   0.8mm
双眼装置 Binoview+2×レンズ   15.7 1600mm          
Pentax XW     20mm 80 0.88° 70° 20mm 1.3mm
Pentax XW     14mm 114 0.6° 70° 20mm 0.9mm
CORONADO CEMAX     12mm 133 0.39° 52° 9mm 0.8mm
Pentax XW     10mm 160 0.44° 70° 20mm 0.6mm

*2013年11月現在で使用しているアイピース

 ちなみに、Docter UWA 12.5mm は大変優秀なアイピースだが、アイガードを伸ばして完全に眼を覆わないと、目とアイピース前面のレンズとで光の反射がおき易くて見えにくく、太陽望遠鏡には向いていない。また、ライカ・ズームは私の場合は鼻が干渉して双眼では使いづらい。その点、TeleVue 製はどれも見やすくて 流石だ。
  で、全体像は
XW 20mm、拡大像は、CEMX 12mm。手持ちのアイピースであれこれ見比べたが、CEMX 12mm が、プロミネンスのコントラストが一番良かった。


ハード・ケースの製作

  この鏡筒には大変立派なアルミ・トランクが付属しているが、シングル用で、ダブル・スタック鏡筒は収納できない。となれば、125SD-Bino最高の専用ケースを作ってくれたアド・トランクの出番だ。

 

 ケースは平置きのみとして、ショックに弱い太陽望遠鏡を保護するように クッションを配置して作ってもらった。また、エア・シリンダーの出っ張りがあるので、ここに双眼装置を収納できるようにし、アイピース:CEMAX 12mm 2本も収納できるようにした。ケースの取っ手が、オフ・センターになっているのにお気づきだろうか。重心を考慮しての配置だ。 鏡筒の上には、観望する時に被る布:ORION #5927 をのせて収納(写真右上)。この布を被って観望すると、像のコントラストが一段上がる。こういった、ちょっとした事が、けっこう効くのだ。
 それにしても、サッ、サッと採寸するだけで、現物が無いのに、こんなに見事にピッタリの専用ケースを作る技術力に、改めてうなった。アド・トランク凄い!

    

  双望会に参加 (2013年11月4日)

  今年も双望会に参加してきた。ここ2年間の私のテーマは、トラベル望遠鏡。麻薬のような南天では、やはり双眼望遠鏡が天国だし、銀河だって日本の空での30cmドブより良く見える。で、持って行ったのは、昨年、オーストラリアに遠征したトラベル・ドブ:RD-300DX、そして今年、マウナ・ケアに行った125SD Binoハーシェル・プリズム、定番のEMS対空双眼鏡双眼鏡架台システム、双眼鏡数台、そして、このLunt LS100THa ダブル・スタック、アイピース全て、その他、もろもろの大量機材を車に立体パズルのように、めいっぱい詰め込んで行った。いつもの遠征では観望テーマが決まっているので、 当然そんなに機材満載で行くことは無いのだが、双望会ではそうはいかない。

 例によって、詳細なリポートは大森さんのブログを始め皆様にお任せ し、簡単にいくつか。
何で、この機材の所に双望会の報告か、といえば、私が日々味わっている感動を分かち合いたいからに他ならない。こんな凄い太陽をみんなに見てもらいたい! しかし残念な事に、まともな像は、双望会受付開始前の昼過ぎだけだった。後は薄曇りか完全な曇り。本来の像の2〜3割程度で、結局、しっかり見ていただいたのは、受付開始前にいらした少数の方々だけだったのは、かえすがえすも残念だった。閉会式の後、やや晴れ気味になってきたので再度出してみたが、やはり淡い像しか見られなかった。

  注)バランスが完全に取れているので、本来は指1本でスーッと追従できるのですが、アイピースを眼に当てた時に視野から太陽が外れないようにクランプはきつめにしていました。

 以前も書いたが、双望会は競争の場ではない。今や口径45cmクラスはあたりまえで、やおきさんの66cmまである。口径が大きくなれば、その見え味とともに出し入れや運用が一番知りたい所であり、そのアイディア等が最も参考になる。単純に口径順に価値が並ぶ訳ではなく、それぞれの機材のアプローチの多様性とアイディアに毎年うなるのである。大口径でしか見えない世界があり、大口径では見えない世界がある。125SD 鏡筒はコントラストは、やや淡いのだが、南天に持参して遠征するなら無敵だし、口径10cmのAPQ M45 にはほれぼれする。

 太陽望遠鏡もしかりで、10cmダブル・スタックがあるから口径4cmのP.S.T. の価値が無くなるか、というとそうではなく、寝室の出窓のP.S.T..は我が家で圧倒的に出番の多い望遠鏡であり、この手軽さは唯一無比だ。見えないか、というとそんな事はなく、じっくり見ていると、本当にいろいろなものが見えてくる。毎日、ここのsiteの見事な太陽を見ているが、機材は6cmダブル・スタックだ。彼が私の機材で撮影すれば、さらに物凄い写真が登場すると思うが、私は、どう逆立ちしても足元にも及ばない。現像テクニックがまるで違う。どこかに撮影法を素人向けに解説している本やsiteはないものだろうか?


夜露があっ!

 双望会にはいくつも名物があるが、その一つ、“鏡筒鑑定団”のSさん125SD の鏡筒の光学テストをしていただいた。結果はOKで、一安心。こちらは近日中にup予定。また、初日の明け方に、この施設の60cmで、ラブジョイ彗星(C2013/ R1)、アイソン彗星(C/2012 S1)を見せていただいた。ラブジョイ彗星は、尾も見えてそれなりに良かったのだが、アイソン彗星は、相当しょぼかった。写真ではきれいにダスト・テイルが写っているが、60cmでも、ここに彗星がある、と言われなけば気付かない程度。あんなに「物凄い」と前宣伝されていて、あと1ヶ月でどれだけ明るくなるのだろうか。これでは、哀損彗星ではないか、と言ったら、どなたかが既にブログで連発していた、と聞いた。

 2017年8月21日、アメリカで皆既日食がある。皆既の時間は短いものの、晴天率と夜の観望に大いに期待が持てる。皆様のアイディア満載の機材を持って行って、アメリカの天文ファンと交流できたら、とも思う。双望会 in USA with Total Eclipse、ただし日程の自由度を考えると、ちょっと難しいかな?
 ともあれ、今年も皆様方に本当にお世話になり、どうもありがとうございました。

  

双眼装置のアダプター (2013年11月9日)

 TeleVue の双眼装置Bino Vue には、2×合焦レンズを接続して合焦させているが、この合焦レンズが長いので、プリズムからはみ出して固定された形になっている。これでは、安定性が今一なので、松本製ロー・プロファイル1.25”アダプターをカットして、双眼装置用アダプターを製作してもらった。松本さんによると、この厚みのあるもののカットが意外と難しいらしい。とはいうものの、このアダプターで重量を受けることで、力を分散し、安定性が良くなった。大満足!

   

エアー・シリンダーの調整 (2014年6月9日)


エアー・シリンダーはご覧の位置に戻った

 先日、寝室のP.S.T.でド派手なプロミネンスを確認! さっそく屋上の本機で見てみたら、プロミネンスが、見えない! 太陽表面も、寝室のP.S.T.より、見えない... エアー・シリンダーは、最高に絞った状態で、やっとコントラストが上がった状態。これは、どう考えてもおかしい。ジズコ社に問い合わせたら、一度シリンダーを完全に緩めて抜き取り、慎重に嵌め直すと良い、との事。

 入梅でなかなか確認できなかったが、今朝、遂行してバッチリ! 本来の物凄い像に戻った。すぐに曇っていまい、太陽は見えなくなった。早起きは三文の徳を実感した次第。それにしても、これ、取り説には書いていなかったが、ここのエアーは漏れるようで、時々この操作が必要のようだ。

   

双望会に参加 & デフォルト・アイピースの交換 (2014年10月27日)


背景の機材の密度の濃さに注意! 私の周囲は、特に密集していた。

 今年も双望会(10月24〜26日)に行ってきた。望遠鏡関係は、こちら。 このところ、14時の受付開始の前に、各自太陽望遠鏡を広げてのミニ・ソーラー・パーティーが恒例となっている。我々は13時過ぎに到着し、広げた。 大変大きな肉眼黒点とムカデのような巨大なダーク・フィラメントが出ているのを朝、確認しているので、楽しみだ(写真といえば、ヤスさんのところ必見。それにしても、もの凄い!- 太陽も写真の技術も)。

 で、じろ〜さんの6cmダブル・スタックのを見て、またまた驚愕。プラージュの明るさとコントラストがまるで違うのである。アイピースは 、見たことの無い紫色のが刺さっている。今回、きたかるさんが製作して持ってきた、発売したばかりのLavendura 30mm であった。2”に続き、1.25”も作られていたとは! またしても先を行くじろ〜さん、さすがである。

 デフォルト・アイピースはPentax XW 20mm で、ちょうど視野に太陽全景が収まり、これでいいか、と思い込んでいたが、もっと低倍にする事で、プラージュを明るくする事ができる。また、ヌケとコントラストが抉出しているので、ダーク・フィラメントの描出も1ランク上。さらに、周辺の像が中心と同一で崩れないので、鏡筒を動かさず、そのまま太陽をまんべん無く観察できる。という訳で、でデフォルト・アイピースはLavendura 30mm となった。

 ダブル・スタックで波長を絞れば、太陽表面の情報が増えるけれど、明るさはどんどん暗くなっていく。寝室のP.S.T.のシングル・スタックは、たまたまちょうど良いところになっているようで、シングルの明るさとダブルの情報量のバランスが絶妙にいい。何でもそうだけれど、単純に口径だけでは片付けられないノウハウ+α が必要だ。

  口径 f 焦点距離 倍率 実視界 見掛視界 アイ・レリーフ 射出瞳径
Lunt LS100THa Double Stack 102mm 7.8 800mm          

Leica Vario Zoom ASPH

    17.8mm 45 1.34° 60° 18mm 2.3mm
      8.9mm 90 0.89° 80° 18mm 1.1mm
Pentax XW     7mm 114 0.6° 70° 20mm 0.9mm
Abbe II     6mm 133 0.32° 43°   0.8mm
双眼装置 Binoview+2×合焦レンズ   15.7 1600mm          
Lavendura 30mm     30mm 53 0.8° 43° 20mm 1.9mm
Pentax XW     14mm 114 0.6° 70° 20mm 0.9mm
CORONADO CEMAX     12mm 133 0.39° 52° 9mm 0.8mm
Pentax XW     10mm 160 0.44° 70° 20mm 0.6mm

*2014年11月現在で使用しているアイピース
  

Hα-Lavendura 20mm のテスト (2015年4月16日)

 きたかるさんから、Hα-Lavendura 20mm を試作したので見ますか?と連絡が入った。二つ返事でお願いしたのは言うまでもない。このところ、まるで入梅したみたいに雨(+風)続きでなかなか覗けなかったが、まず数日前、薄雲の中、チェックしてみた。焦点距離20mm前後のアイピースは、我が家には、谷光学研究所:エルフレ25mm、BRANDON 24mm、TeleVue Panoptic 24mm、Pentax XW 20mm、タカハシ LE 24mm などがあるが、Panoptic 24mmは、双眼装置のデフォルト・アイピース。また、昼間の観望なので、アイピースのレンズ表面と目とで光が反射してフレアが出るアイピースは使えない。という事で、比較した(できた)のは、本望遠鏡のデフォルト・アイピースのLavendura 30mm と、XW 20mmBRANDON 24mm、そしてHα-Lavendura 20mm。この4つのアイピースは元来極めて優秀なので、像はどれで見ても素晴らしい。が、流れる薄雲の中で同一条件ではなかったけれど、Lavendura 30mm が抜きん出ていた。Coronado CEMAX の良い所は、作りは粗雑だけれど、赤色のヌケが良く、プラージュが良く見える点だ。その点、Lavendura 30mm も見え方は同様で、太陽表面の情報量の多さでは天下一品。


双眼装置・右側は、Hα-Lavendura 20mm、左側はBRANDON 24mm。
比較は、左右ではなく、同一側、同じ目で、その都度差し替えて行った。

 で、昨日(15日)朝、久々の快晴。ようやく良い状態で比較ができた。Hα-Lavendura 20mm の本領発揮! ダークフィラメントの描出、隣のプラージュの明るさとコントラスト、太陽表面に浮き出たプロミネンス(を上から見た状態)の立体感、どれもがいい。ダブル・スタックは、太陽表面の情報量が増えるが、視野での像の均一性は無くなってくる。私のこの太陽望遠鏡では、中心からやや右下が抜群に良く、左側では情報量はガクッと落ちる。焦点距離20mmでは、太陽が視野にちょうど良い大きさで見渡せる位になるけれど、この「良く見える部分」に見たい所をもって行かないと「見た」つもりで「見えていない」ことになる。これは、販売元のジズコ社でもチェックしてもらったけれど、視野内での像のバラツキは「仕方が無い」との事だった。その視野の「良く見える」部分にHα-Lavendura 20mm で「見たい所」を持っていくとちょうど良かった。

 また、先日、うす曇の中、観望した時は、Hα-Lavendura 20mm では太陽周囲が黒ではなく、やや赤みがかっていて、XW 20mm では黒かった。これは、アイピース内部での光の反射が原因か、と思っていたが、快晴の時は、きちんと黒かった。これは、アイピース内での反射ではなく、うす雲に反射した太陽の赤色が見えていた、という事で、Hα-Lavendura 20mm の赤色の情報量の多さが際立っていた、という事なのかもしれない。

 デザイン、アイカップは、まだ試作品なので、同社のCosmic Blue 20mm と同じもの。ただ、リリースされる時には、Lavendura 30mm と同じになる、との事。Lavendura 30mm は、デザインも秀逸で、海外に存在が知られたら、爆発的に注文が殺到するのではないだろうか。また、全周性に遮光し、眼の位置を安定させるためには、アイカップは角見口ではダメなので、その点でもLavendura 30mm を踏襲するのは、ありがたい。

 あとは、焦点距離:12mm位のHα-Lavendura を是非、出してもらいたいところだ。この3本セットなら、無敵の太陽観望アイピース・セットになるだろう。

  *Hα-Lavendura 20mm ですが、まだ詰めなければならない点があったため、納品がもう少し先となりました(2015年6月16日追記)。

 

第1回双眼狂祭 (2015年7月24〜26日)

 本機も第1回双眼狂祭に参加した。詳細は、こちら

    

常用アイピース (2015年11月3日)

  エアー・シリンダーの調整で、さらに良い像が得られるようになり、常用アイピースの組み合わせが変わった。今は双眼装置しか使わず、低倍はLavendura 30mm、通常はPentax XW 20mm、拡大像はXW 14mmXW 14mm 拡大像は圧巻!

  口径 f 焦点距離 倍率 実視界 見掛視界 アイ・レリーフ 射出瞳径
Lunt LS100THa Double Stack 102mm 7.8 800mm          

Leica Vario Zoom ASPH

    17.8mm 45 1.34° 60° 18mm 2.3mm
      8.9mm 90 0.89° 80° 18mm 1.1mm
Pentax XW     7mm 114 0.6° 70° 20mm 0.9mm
Abbe II     6mm 133 0.32° 43°   0.8mm
双眼装置 Binoview+2×合焦レンズ   15.7 1600mm          
Lavendura 30mm     30mm 53 0.8° 43° 20mm 1.9mm
Pentax XW     20mm 80 0.88° 70° 20mm 1.3mm
Pentax XW     14mm 114 0.6° 70° 20mm 0.9mm

 

双望会に参加 (2015年11月6〜8日)

 本機も第8回双望会に参加した。詳細は、こちら
 

楓林舎天文同好会(楓天)観望会 (2018年9月)

  楓林舎を拠点とする仲間が集まり、年に2回ほど観望会を行っている。略して楓天(ふうてん)、旧称双眼狂祭。今年は、まず9月。あいにくの天気で夜はダメだったけれど、それでも料理はピカ一だし話題が尽きないのが、ここの凄いところ。ちなみに双眼鏡だけで、これだけ集まる(で、これ一部)。

  今回の目玉は、RYOさんのLunt 23cm太陽望遠鏡。最終日に晴れて大観望会となった。写真はLunt群で、他にもじろーさんの名器やオーナー1のLunt 10cmなどがありまして...


左から23cm、10cmダブルスタック、15cm

 Yujiさんの15cmは始めは赤い円盤しか見えなかったけれど、執念で見えるブロッキング・フィルターを手に入れ、見事に「見える」望遠鏡に仕上がっていた。23cmは、以前NEAFで地球10個分は優にあろうか、という雄大な炎のアーチと、その中にちぎれた綿のような炎のかけらがいくつか黒い空間に浮いて消えていくのを「動画」として見た。凄いのなんのって。

 この日の太陽は地味目。二つほどプロミネンスが出ていて、小さな黒点とウズが少々。これをLunt 23cmで見ると、まず彩層が本当に綺麗! そしてそこから毛羽だったように無数のプロミネンスが見える! 拡大像も圧巻だし、シングルなのに表面の模様も見事に描出されている。で、オーナーの方は鏡筒30s、ケースに入れて50sを軽々と持ち上げて設置。これまた驚嘆。

 Lunt 23cmは高額だけれど、じゃお金持ちが最高のものを享受できるかというと、たいがいそうではないところが趣味の面白いところだ。その典型がオーディオで、数百万、数千万のオーディオ装置でまともな音を聴いた事が無い。地方のお金持ちがオーディオ店の店員に踊らされて買わされている場合が多く、音楽的センスは欠如 、裸の大様。この望遠鏡だって、それを運用するには、まず体力が必要。そして何よりも使いこなし。

 ということで、最後に傑作写真を一つ。オーナー1の笑顔が全てを物語っている。

 写真では小さく見えても口径23cm。反射では無く「屈折」 ですよ!

 ちょっと面白い事を考えているので、月末にここで報告します。
 

ブロッキング・フィルターを交換 (2018年10月26日)

*写真はB600のもの。購入はB1200。

 10月21日に、おそらく日本初と思われる太陽に特化した観望会を開催した。やはりバラツキが大きいが、“よく見える太陽望遠鏡”は何度見ても衝撃だった。本機も凄く良く見える太陽望遠鏡だったのだが、最近その冴えが無くなってしまった。シングルで見るとそうでもないのだが、通常使うダブルだともどかしい。他の方のブロッキング・フィルターを入れると差は歴然。

 外から見た目はとても綺麗で劣化している雰囲気は無いのだが、内部のどこかの劣化なのだろうか? まずはとにかく新品と置換した。残念ながら新品は1つしか無かったので選別はできなかったが、無事「復活」して一安心。太陽望遠鏡は消耗品の部分も大きいが、何たって稼働率が抜群なので、元は取ったかな?

 

驚愕! の新ダブル・スタック (2019年1月29日)

 昨年のSolar Star PartyDayStarの道を教えてくれた佃さんが、Luntの太陽望遠鏡(シングル)のブロッキング・フィルターを外し、そこにDayStarを入れて見ると(つまりはLuntとDayStarによる混合ダブル・スタック)、もの凄いぞ、との報告。では、集まって皆で検証しましょう、という事で、1月27日(日)にmini Solar Star Partyを開催した。私は本機以下、五藤FL55SS、そしてアイピース一式等持ち込み、佃さんはTOA -130、Lunt 8cm、橋さんはLunt 15cmなど、7名が集結。快晴でシーイングにも恵まれ、プロミネンスこそ地味だったけれど、黒点とその周囲のプラージュ、フレアが圧巻で、最高の観望会となった。

 
左:私の五藤とLunt 10cmダブルスタック 右:佃さんのTOA-130とLunt 8cm(シングル)

 プロミネンスがは地味だったので、LuntのシングルにDayStar Original QUARK Chromosphereを装着しての見比べがメイン・コースとなった。先発は、佃さんの8cm。これがもの凄い! 写真でしか見られないような躍動的なウズウズが見えるではないか! 私もチャレンジ。もう圧巻! オリジナルのダブル・スタックを遙かに超える像に大興奮! ただし拡大像なので、標準ダブル・スタックのように全景は見えない。どう見えたか、に最も近かったのは、塩田名人の写真。ご厚意で提供していただいた。いつもながら流石〜。それにしても、LuntにDayStarを組み合わせるなんて発想は無かったなあ。


塩田さんの許可を得て掲載しました


左:佃さんのLunt 8cmにDayStar
Original QUARK Chromosphereを装着 右:Lunt 10cmをシングルにしてDayStar Original QUARK Chromosphereを装着

 私の機材でいろいろ試した中、最も圧巻だったのは、Lunt 10cmをシングルにしてDayStar Original QUARK Chromosphereを装着。そしてBaaderのMark V双眼装置+1.25×合焦レンズにLavendure 40mmで見た黒点とその周囲! 地球何個分の想像を絶するエネルギーの渦が間近に見える。また、フィルターのセンター波長を引き上げたら(佃さんのアドヴァイス)、さらにプラージュのコントラストが上がった。今迄は、このような像は写真を撮って現像でいろいろ加工しないと得られないかと思っていたが、それが肉眼で見えるのだから、時を忘れて見入ってしまう。Luntのダブル・スタック・ユニットはとんでもなく高価だが、シングルに20万円ほどのDayStarを装着すれば、本家のダブル・スタックよりも格段に見える拡大像が得られるのだから、これは一種の革命とも言える。佃オリジナル! 恐るべし!!

 

新システム (2019年2月4日)

 上記“佃オリジナル”がもの凄く良く見えるので、せっかくのダブルスタック・ユニットを外し、しばらくは混合ダブル・スタックで見る事にした。拡大像なので、AZ-Mount Proを活用することにした。活用というのは、架台を屋上に置きっ放しとして、ふだんはカヴァーをかけておく、ということ。もともとそのつもりで、昨年ERFを注文した時に定評ある防水カヴァーT316も一緒にオーダーしていたのだが、そのままとなっていた。ただし今は冬場でほとんど雨が降らないので、これを期に実行と相成った。夜も使える。

倍率とアイピースを訂正 (2019年2月25日)

 最初にアメリカのカタログに掲載してあった本機の焦点距離は800mmだった。ところがジズコ社のsiteを見たら714mmとなっている。口径102mmで f7 なら当然焦点距離は714mmだ。単純にPSTの倍と覚えていたが、どうやら最初の誤った情報をずっと引きずっていたようだ。という訳で、訂正。

  口径 f 焦点距離 倍率 実視界 見掛視界 アイ・レリーフ 射出瞳径 備考
Lunt LS100THa Double Stack 102mm 7 714mm            
  Binoview + 2×合焦レンズ   14 1428mm            
Ravendura     30mm 48 0.9° 43° 20mm 2.1mm  
Pentax XW     20mm 71 1.0° 70° 20mm 1.4mm  
Pentax XW     14mm 102 0.7° 70° 20mm 1.0mm  
Pentax XW     10mm 143 0.5° 70° 20mm 0.7mm  

  太陽活動が賑やかとなり、ダークフィラメントや黒点が出てくると、本機は流石に本領を発揮してくる。これはこれで、やはり完成品だし、ダブルスタック・ユニットの着脱は大変。落下でも して割れたら立ち上がれない。という訳で、結局元に戻し、標準スタイルとなった。
 

最強の架台 (2019年2月25日)

  1年前に、AZ-Mount Proを使用していると報告したが、出すのが重いしセッティングが面倒。ほどなくして従来のAYO Digi 架台へ戻った。やっぱり私は電動が苦手。で、五藤 GTL125/1200APO用に松本式中軸架台が届いた。これは本機と共用。詳細は、そちらを見ていただきたいが、この架台は最強で私が知る限りベスト。

 双眼装置+アイピースを装着しないアンバランスな状態で架台に望遠鏡を装着しても微動だにしない。天頂方向も大丈夫って、日本じゃこんな位置に太陽来ないか。

 架台が良いと、操作していて実に気持ちがいい。この架台は三脚込みで5.1Kg しかない。今までと比べて4Kg も軽いのにもっと優秀。本当に小さな巨人だ。
 

松本式中軸架台の進化 (2020年8月2日)

写真:松本氏のsiteから引用

  素晴らしい架台だが、実際に鏡筒を載せて観望すると、水平方向の初動の硬さが気になっていた。微妙に視野を移動して行く時、最初だけ、クッと力が必要であった。同型のハイランダーの軽量架台では、他のシリコン・グリースに換えて対応した。125SDの場合には、さらにテフロン・ワッシャーを製作して置換して対応した。今回、この架台には、水平回転軸にラジアル・ベアリングを入れてもらった

 結果、初動の硬さが無くなり、快適となった。ますます完成度が上がり、素晴らしい。質量は、2.4sから2.3sへダイエット。中を削った結果だ。

 さらなる欲求としては、長焦点、重量級鏡筒で生じる“ぶれ”対応の架台だ。通常の鏡筒では問題ないのだけれど、長焦点、重量級鏡筒では、1点固定では限界があると思う。ここを長くして面固定か、間隔を開けた2点固定だと、“ぶれ”が減るのではないかと思っている。AYO Digi は6sあっても運用には困らないので、松本さんに6s以内で強大な架台をといったら、とんでもない架台ができるのではないかと、ちょっと(勝手に)ワクワクしている。
 

この望遠鏡一式お譲りします (2022年12月11日)

 本当に良く見える鏡筒ですが、15cmへのステップアップのため、一式お譲りします。
お譲りするのは 

 本体:LS100THa ダブルスタック
 ブロッキング・フィルター:B1200。この度、劣化することで知られている青色フィルターをジズコで交換メンテナンスに出しています。
 テレビュー・ビノビュー:双眼装置+2×合焦レンズ
 オーダー専用ケース
 取説
  *アイピースは付属しません。

 今、新品総額は、本体¥129万円+ダブルスタック・ユニット¥139.7万円(ここからブロッキング・フィルター¥16万600円を引きます)、双眼装置一式¥12.6万円、専用ケース¥4.7万円で、約270万円程になります。これの半額以下でお譲りします。
 使いこなしにコツがあり、お譲する時に情報をすべてお伝えします。
 手渡し可能です。
 実際に見て検討可能です。お問い合わせください。

この望遠鏡一式を手放しました (2023年1月20日)

 毎日苦楽を共にしてきた、という愛すべき本機であったが、どうしても15cm混合ダブルスタックを試みたくて、手放した。15cmの注文は2022年6月で、納期は約1年とか。この望遠鏡には心から感謝! ありがとう!!
   

ご感想・問い合わせ等はこちらまで.

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