SkySafari 3 + NEXUS その1
こんなソフト + 導入装置 を待っていた!

  公開:2012年1月31日
更新:2012年10月14日 *
NEXUSのアップデート 、その後とiOS6 を追加。

遂に出た!こんなソフトを待っていた!

 友人から、「SkySafari  はいいですよ」、と聞いた。画面をズーム・アップしていくと、そのままDSOの画像が表示されるらしい。それだけで、ダウンロードに躊躇が無かった。 しかも、近日中に、エンコーダーと無線で繋がり、導入まで出来るようになるらしい。SkySafari 3 には、約 $15のPlus 約 $60のPro があるが、表示天体の数が圧倒的に多く、エンコーダーとの連結の際、何らかの制限が生じるといけないので、Pro をダウンロードした。1月に入ってから超多忙で、電車の通勤時間も車の信号待ちも総動員してこなしているのだが、それでも時間が全然足りない! 天文にばかり時間を費やす訳にもいかないのだが、それでもファインダー用ブラケットを交換したり、遮光フードを再作したり、どうにも止まらない。電車の中でもいろいろとやらなければならない事があるのに、ついついSkySafari 3 をいじってしまう。

    
M57 と二重星団(実際の画面は、もっときれい)。拡大していくと、西側のNGC869の落下傘のような所もきちんと表示されている(しかも一応星は色付き)。

 で、さっそく動かしてみて、大感動! 画面の +- キーで一気に拡大、縮小ができるし、拡大していけば、望遠鏡で見たように自動的に暗い星やDSOが表示されていくし、縮小表示すれば、肉眼で見ているように、暗い天体は表示されない。 もちろん、表示する星の数は設定できる。iステラでは、縮小表示すると、メシエ天体と星全部が表示されるので、ゴチャゴチャして何が何だかわからない。えらい違いだ。そして、拡大していけば、そのままDSOの画像が望遠鏡で見た時のように(といってもきれいなカラー )表示されていく。Starmap Pro では、いちいち画像を呼び出さなければならなかったので、随分進化している。

 そして何といっても嬉しいのが、画面右上に実視野が表示される事だ。アイピースの見かけ視界は30°(Supermonocentric)から、110°(Ethos SX 3.7mm)まであり、何倍で見ているか、という概念があまり役に立たない。Obsession 18” Supermonocentric 5mm なら381倍だが、実視野は0.08°、Nagler Type 6 5mm なら同じ381倍でも実視野は0.21°あり、2.5倍以上広い範囲を見ている事になる。何倍で見ているか、という話をするなら、“実視野何度で何倍”、と言わなければ、内容は伝わらない。Starmap Pro では、いちいち望遠鏡とアイピースの組み合わせを選択しなければならず、星図から直接的にアプローチできない。スター・ホッピング導入には良いのだろうが、私には一番のストレスだった。

 

 実視野が把握できるメリットは、例えば、馬頭などの見えにくい天体を見る時、実際にどのように見えるかを示唆してくれるばかりでなく、どのアイピースがふさわしいかもすぐにわかる。青い円は、実視野1°で、これだと眩しいアルニタクを避けて、しかも射出瞳径が確保できるのが把握できる。実視野1°が得られるアイピースは、Obsession 18” なら焦点距離25mm位で実視野50°位のアイピース(プローセルやオルソ等)を選択すれば良いのがわかる。二重星、たとえばシリウスBを見るには、実視野0.1°でやっと分離してくるので、Obsession 18” ならZeiss ABBE II 4mm (実視野0.1°、476倍)を選択しなければならない (ただし、後述するが、結果的に画面の見かけ視界が狭いので、実際に見た場合はもっと解像度が上がって見えている)。Docter UWA 12.5mm は優秀だけれど、このアイピースでは、いくら頑張っても見えない。

 

簡単な使用法

 2012年1月末現在のところ、英語の取り説しかないが、操作は難しくは無く、実際にあれこれいじればすぐに手の内に入ってくる。Search(左端のキー)で目的の天体は自在に選択でき、選択後、左下のCenterキーを押せば、星図が程良いスピードで移動し、目的の天体が中央に表示される。移動の速度が絶妙で、あたかも「ご主人様、お探しの天体はここですよ。」と優しく教えてくれているようだ。また、すぐに天体の情報は表示できる(ただし英語)。

 Timeキーで自在に時を変え、アニメーションのように動かす事ができるのは、これは当然の機能。下のキーを左側にワイプすると、さらにナイトモードやHelpキーも出てくるが、SkyWeekというキーもある。これは、Sky&Telescope と連携し、今週のハイライトを情報として教えてくれ、しかも実際にSkySafari に表示される。

 iPhone を一振りすればコンパスとジャイロが働き、実際の空にかざせば、輝いている星が何であるか知る事もできるし、SkyScout のように、矢印で導入する事までできる。至れり尽くせり。

 

設定

 生かすも殺すも設定次第。settingsでいか様にも設定できる。 参考までに、2012年2月1日現在の私の設定(デフォルトからの変更点)は、

  Date & Time: Current Time  (変更無し)

  Location: Current Location  (変更無し)

  Coordinates: Horizon - Compass/Shake to Use off
                    * これをonにしておくと、NEXUSで導入中、
iPhone に衝撃が加わった時コンパスが働き、星図があらぬ方向を向いてしまう。

  Precession: Current Epoch  (変更無し)

  Formats: Time - 24 hour  HH:MM  YYY/MM/DD (日と時間は近い位置に表示した方が見やすい)
         Right Ascension - HH MM.M , DD MM
         Azimuth - DDD MM, DD MM

  Appearance: Sound Effects - off
                        Screen Brightness - とりあえず75%
                        Allow Auto Rotation - off
                        Toolbar in Landscape - on
      * ただし、設定は保存・呼び出しが簡単にできるので、観望地別、望遠鏡別に明るさや、Auto Rotationは
設定できる。

  Horizon & Sky: Show Horizon & Sky - as Translucent Area

  Solar System: Magnitude Limidt - 15.1  (Obsession 18"の限界に合わせている)

  Stars: Magnitude Limidt - 視野によって自動的に変化するが、とりあえず、実視野2.2°の時、11.0
                  * 設定は保存・呼び出しが簡単にできるので、観望地別、望遠鏡別に
設定しても良い。
       Double Stars  on

  Deep Sky: Magnitude Limidt - 視野によって自動的に変化するが、とりあえず、実視野0.6°の時、15.1
                       * 設定は保存・呼び出しが簡単にできるので、観望地別、望遠鏡別に
設定しても良い。
                    Object Name Display
/ Show Names - on
                    Proper Names - off or on  (onだと、星図の縮小表示でも表示されるが、番号は見えなくなる)。

  Milky Way: Intensity - とりあえず、45%

  Constellations: as Traditional Outlines (デフォルトはmodernになっていて、最初星図を見た時は悩んでしまった)
            
Tap to Select - off
            
Show Names - on

  Grid & Reference: off  (変更無し)

  Telescope: Setup  (後程、NEXUSの項で記載)
          Display  Finder - off
                             
Wide - 2.2°
APM-Bino NAV-HW 17mmの時)
                              Narrow - 0.6°Obsession 18"Docter 12.5mm の時)
          Crosshairs - off
                       * 設定は保存・呼び出しが簡単にできるので、望遠鏡別に設定しても良い。

  Camera Field Width x Height: * 滅多に写真は撮らないが、これで画角のシミュレーションができる。

  Show Even if Not Connection to Telescope - on

 自分が一番使う望遠鏡とアイピースの組み合わせを表示しておけば(私の場合は、上記2.2°と0.6°)、望遠鏡でどう見えるのか勉強になる。例えばエスキモー星雲NGC2392の場合、初心者が低倍で見た場合、にじんだ恒星のように見えてわかりにくい場合もあるが、画面左上のカンムリ状の星の並びが目印で、実視野2.2°のアイピースで見ている場合は、このカンムリが見えていれば、エスキモー星雲も見えているのが把握できる(このサンプル画面ではわかりにくいが、実際には 見かけの近傍の恒星と二重星のように2つ並んで見えるので、よりわかりやすい)。このソフトは、最強のエキスパートが常に隣にいて教えてくれているようなものだ。

  Settings Files - 自在に設定が保存・呼び出しができるので、観望地別、望遠鏡別、目的別、等々、使い分けられる。
             また、いつでもdefaultに戻したり、設定を確認したり、自由自在!

 

NEXUS登場! 

 SkySafari に感動していたら、NEXUS リリースの知らせが入った。これで、ほとんどの望遠鏡がSkySafari で、しかも無線でコントロールできるばかりでなく、エンコーダー単体にも対応している。こんな素晴らしいソフトと望遠鏡が合体できるなんで、凄いではないか! しかも、エンコーダー・ケーブルのソケット、接続番号も統一されているので、既存の導入装置のケーブルからダイレクトにNEXUS に接続できる。どこかの国では、自社製のものにしか対応できないように、わざとコネクターの形状を変えたり、接続を変えたりするが、流石にそんな愚かな振舞いとは無縁だ。注文したら、あっという間に届いた。メールの質問だって、 即返ってきて、実に気持ちが良い。

 注文が早すぎたのか、一番肝心の初期設定が取り説にきちんと掲載されていない。友人が製作者に聞いて、設定完了。今は、きとんとここに掲載された。 設定は、まずiPhone のWi-Fi 設定を行い、次にSkySafari の設定を行う。注文時、エンコーダーの数は?と聞いてきたが、2つあるので、10000と4000と適当に答えておいた。実際は4096なのだが、どうせ設定するのだから、と気軽に考えていたら、これが大間違い。NEXUS にエンコーダーの数を正確に指定しなくてはならず、実際4000では導入誤差が生じた。このエンコーダーの数を変更するのがえらく大変で、何日もこれに費やしてしまった。 本日(2月1日)やっとソフトがリリースされ、これでエンコーダーの指定ができるようになった。

 で、実際にAPM-Bino で使ってみた。Wi-Fiで接続後、Connectキーを押すと、星図の中をターゲット・サークルが望遠鏡の動きに合わせて移動する。私などは、それだけでも嬉しくなってしまった。アライメントは、通常の2つの恒星 (ターゲット)で行う。経験的に、それからこの手のものでの一般的な注意点としては、天頂付近の恒星は誤差が大きくなるので選択しない事(50〜70°付近が良い、とされている)、2つめの恒星は、90°以上離れたものを選択する事(ただし、離れすぎて対角線近くなっても良くない)等。

 誤差は0.5°、時に1°以内位。ターゲット・サークルのど真ん中、とはいかないものの、常時視野には入って来る。スーパー・ナビゲーターやArgoNavi では、ターゲットがずれている時は、このターゲットで校正して追い込むが、SkySafari の場合、ターゲットが1番目のものと離れていれば、2番目のターゲット として校正を行う。スーパー・ナビゲーターやArgoNavi に慣れていると、望遠鏡の中央にターゲットが表示された段階でAlign キーを押してしまうが、星図で目的のターゲットを選択した後にAlign キーを押さなければならない (文章だとわかりにくいと思いますが、実際にやってみるとすぐに理解できます)。

 無線の安定性は、というと、時々途切れる事があった。原因不明。また、ターゲット・サークルの動きは時々止まるので(すぐに復帰する)、これはちょっとストレス。iPad でやiPhone 4s なら、無いのだろうか? これは、CPUがもっと強力になる次期 iPhone 5 に期待。

 画面左に Lock というキーがあるが、これをonにすると星図の中にターゲット・サークルが動くのではなく、ターゲット・サークルが固定され、星図の方が動く。つまり、望遠鏡で見ているのと同じように画面に表示されるので、ドット・ファインダーと一緒に使えば、恐ろしく効率の良い導入ができる。まるで電子ファインダーのようだ。

 こうなると、iPad で表示させたくなってしまうが、昨年の双望会で、 田中さんが既に実用化しておられた。

 
田中さんの150LD-Bino(写真は本人提供)。NEXUS に相当する部分は自作、との事。

 * 近年、アクロマート屈折望遠鏡が激減した事は、誠に残念な事である。言うまでもなく、アポクロマートは色収差を減らす目的だが、deep skyの場合は色収差は出ないので(白黒)、口径が大きくなる屈折(当然、対象はDSO)等では、価格も重さも劇高するアポクロマートよりアクロマートの方が現実的だ。150LD-Binoはハイランダーと大差無い価格で15cm双眼屈折なので、DSOを見るならうってつけの機種だと思う。

 現場で見た時は内容がわからなかったが、はるか先を進んでいた。流石である。ただ、実際に使ってみると、老眼の私には望遠鏡の上にあるiPad は見えない恐れがあり、手持ちのiPhone でそのまま使う方が良さそうだ。iPhone は、横にすると見やすいのかと思いきや、上下の視野が狭くなり、縦の方が見やすい。iPhone は固定せず、左手手持ちが今の所、使い勝手が一番良いようだ。

 

 006P乾電池は、3時間位しか持たなかった。006pのリチウム・イオン充電池もあるが、2セルのため電圧は7.8〜8Vと低く、NEXUS が誤動作する可能性がある。また、3セルのものは品質が低いようなので、外部電源を用意した。日本トラストテクノロジー Energizer XP8000 は、NEXUS と同じくらいの大きさで厚みは半分位、そして5V、10.5V、19Vが同時に取り出せ、8000mA。つまり、NEXUS iPhone もしくは iPad に同時に一晩中供給できる優れものだ。NEXUS には、付属のケーブルで19Vで供給している。これを付属のポーチに入れ、さらに手持ちの袋にNEXUS と共に入れ、ぶら下げるようにした。一緒に袋に入れたのは、ケーブル・フリーのためだが、夜露対策のためでもある。


本体の厚みは、006p電池ケースと基盤直付けのコネクター+空気で占められていて、基盤は薄い1枚。
コネクター類を前面ではなく、横方向から接続するようにする等、レイアウトを工夫すれば、厚みは1/3以下にできる。

 NEXUS の本体内部はスカスカなので、時期ヴァージョンは、充電電池内蔵にするか、あるいは外部電源専用にして思いっきり薄くしてもらいたいものだ。iPhone のバッテリーは、手持ちの小型外部電源(8000mA)を使を使う事にした。一体型の大容量のもあるが、今秋リリース予定のiPhone 5 にいずれ代わると思うので(画面が大きくなり、演算速度も速くなる)、今は手を出さない方が良さそうだ。

  iPhone 本体の設定で、一般 → 自動ロック がonになっていると、自動的にスリープ・モードになり、復帰する時に近傍の強い電波に接続され、NEXUS との接続が切れてしまう事がある。iPhone を使った後は、どうせスリープ・ボタンを押すので、自動ロックは、「しない」にしておいた方が良いと思う。

 

画面表示と実際に見た時の違い

 SkySafari では、実視野で表示できる。冒頭の二重星団の画像(中央)は実視野1.3°位だが、これは、APM-Bino ではDocter UWA 12.5mm (62倍)に相当する。画面では二重星団の細かい所は見えないが、実際には、NAV-HW 17mm 実視野2.2°、46倍)でも、Plossl 25mm 実視野1.6°、31倍)でも、画像右のように細かい所まではっきり見える。これはどういう訳だろう?

 iPhone は眼から20cm位離して見ている。この位置での画面の大きさ(見かけ視界)は、せいぜい30°位。つまり実視野1.3°のものを見かけ視界30°のアイピースで見ている世界に相当する。実際に見ている感じに近づけるには、眼前に巨大な画面を設置するか、あるいはゴーグル型のディスプレイを使用すれば良いが、このソフトは導入が目的なので、十分に目的を果たしていると思う。ただし、その内、このギャップも埋められるのかもしれない。

 裏技を発見 !

 とある所へ写真を提供しなければならず、ポジ・フィルムをチェックしていた。そのルーペで iPhone の画像を見たらどうだろう? フィルム用ルーペは3種類あるが、まずは左端、Kenko (型番不明。4×?)ので見てみた。いいんじゃないの〜! 2インチの広角アイピースで見ているみたいだ。画像の解像度は無いので、散開星団は実際に見ているようにはいかないが、カリフォルニア星雲なんて、ありえない位良く見える。今度は、Zeiss Triotar T* Lupe 5× で見てみた。流石に像に歪が無く、コントラストが良い。画素まではっきり見えるので、もう少し低倍の方が良さそう。ピント・チェック用のSchneider は10倍なので、これは全くダメ。Kenko  との相性は抜群で、悪天候続きの時は、これでけっこう楽しめそうだ。

 

Obsessionで使ってみた

 超多忙でなかなかObsession で試せなかったが、やっと試せた。ソフトでエンコーダーの 数を10000にするが、接続には1分位時間がかかるようだ。SkySafari もエンコーダーの数と極性をインプットしなければならないが(もしくは記録していたセッティングの呼び出し)、一旦iPhone の電源をoffにして再起動しないと、極性は反映しなかった。これは、SkySafari のバグか?

 *iPhone の電源をoffにしなくても、ホームボタンを2度押しすると起動中のアプリが表示されるので、そのアイコンを長押しして消せば、アプリが終了できる、というご指摘を受けた。今度試してみたい。

 Docter UWA 12.5mm (実視野0.55°、152倍)で校正して誤差をチェックしたら、驚く事に、ほとんど無い。常時ターゲット・サークル0.5°の真ん中だ。適当に望遠鏡を動かして、たまたま視野に入った恒星が何なのかまで同定できる! 幾度か使ってみないと何ともいえないが、現在の所、紛れも無く最強の導入装置であろう。

 APM-Bino では、誤差が0.5〜1°だったが、これは校正した時のアイピースの倍率が関係していたかもしれない。前回は、Docter UWA 12.5mm (実視野1.35°、62倍)で校正したが、今度は、Nagler Tyoe6 5mm (実視野0.5°、156倍)でやってみた。今度は、誤差0.5°以内位に向上した。広角アイピースでは、肉眼的に真ん中に見えても、微妙な差が導入誤差に影響する可能性があるようだ。アイピースの実視野1.35°で導入誤差1.°以内、アイピースの実視野が0.5°なら導入誤差0.5°以内、といった感じか。できるだけ高倍率で校正した方が良さそうだ。

 SkySafari + NEXUS は最強の導入装置だと思うが、スーパー・ナビゲーターやArgo Navis のメリットは、これ1台・単独で完結している点と、外部バッテリーを用意しなくても大丈夫な点だ。複数台の望遠鏡を同時に使う場合には、まだ登場してもらう事もありそうだ。

 

APM-BinoでのiPhoneの固定

 

 手持ちでも良いのだが、役に立ちそうな iPhone のホルダーDN-KSPH-SMARTHOLDER(¥799)を見つけたので、とりあえず購入してみた。当初はBinoのハンドルにインシュロック・タイで付けて見ようか、と思っていたが、それでは画面までの距離が遠い。そこで、単純に写真のように置いてみた。ホルダーはラバーなので、滑らないで保持している。ただし、天頂付近は注意。これがバッチリ! そのままボタン操作はできるし、電話がかかってきたら、そのまま持ち上げてすぐに対応できる。下手なメカニカルなホルダーではこうはいかない。SkySafari の望遠鏡設定のLockキーをonにしておいてドット・ファインダーで狙いを定めれば、ファインダーのように拡大した星図が同期して動いてくれるので、極めて効率の良い導入ができる。まさに究極の自在ズーム付き電子ファンダーだ。 また、これだと、外部電源とのケーブルも望遠鏡の下をくぐるので、全く邪魔にならない。ああ、なんという達成感! 本格的な観望の日が待ち遠しい...

 

惑星は?

 ちなみに、これは木星の拡大画面。衛星の位置、大赤斑の位置まで明確。万能ですね。

 

冬場は手袋、どうするか?

 手袋をしていると、iPhone が操作できない。操作対応の手袋も出ているが、細かい操作は無理だろうし、星図上の星を選択する等は望めないのは容易に想像がつく。また、指先にシリコン・リングを挿してiPhone が操作できるようにするものも出ているが、これも結局手袋を使っている以上、細かい操作はできないし、耐久性は全く望めない。では、どうするか?

 iPhone 用のタッチ・ペン。手袋をし たまま、星図の星が難なく選択できる。恒星の選択なら、指よりも正確だ。この手の製品も沢山出ているが、無くさないようにキャップで保持できるサンワ・サプライの200-PEN018BK を選んだ。
 私は2000年に仕事でWindows 2000 を使うまでは、
Mac ユーザーだった(未だにWindowsの旗マークを見ると吐気を催す)。その時からペン・タブレットの愛用者で、Intuos だって、1から4まで使ってきている。ゲームは趣味ではないが、昔、マウスを使ったMac のシューティング・ゲームの最高点が6万点止まりだったのに、ペン・タブレットが来た日に10万点を軽々と超えたのを鮮烈に覚えている。私にとって、 マウスははるか昔の前時代の遺物で、ペンでの操作は慣れたもの。ああ、またまた達成感!

 

update (2012年2月11日)

  ダウンロードして、まだ1ヶ月程だが、updateのお知らせが入った。私にとって大きな変更は無いが、画面右上の実視野表示の数字のところをタップすると、視野円がダイレクトに選択できるようになった。 あとは、私には縁が無いけれど、天頂ミラーにも対応した点等々、他にもいくつか機能が盛り込まれた。

  最初にダウンロードした時、リゲルBが見えなかったので、他の質問と一緒にメールしたら、「そんな小さいものを表示させたいの?」と返された。今回のupdateでも表示されない。こんなに気流の悪い冬でもAPM-Bino で普通に見える天体だし、このソフトが完璧に近いだけに、ちょっと残念だ。

 

天城で実践 (2012年3月23日)

  SkySafari updateしたら、エンコーダーの入力画面が“Onyx”表示では真っ黒になる等のバグが発生。また、実際に動作検証も1ヶ月程できなかったが、3月21日午後に時間が作れたので、わずか4時間程だったけれど、天城高原へ行ってきた。春の銀河団狙い、という事で、Obsession で参上。ちなみに、現時点でNEXUS firmwareは1.2.2が最新で、これにupdateした。

 NEXUS は、ゆとりのバッテリーがあるので、早々にスイッチを入れ、放置。バッテリーの減りを心配をしなくて良いのはありがたい。逆にiPhone 。つけっ放し、という事もあってか、2時間少々でバッテリー残20%を切ってしまった。双眼望遠鏡の場合は、上記 のホルダーを使ってiPhone を固定すればNEXUS と同じEnergizer XP8000 から供給できるので心配無いが、Obsession の場合にはiPhone 手持ちでアイピースの横で見比べる場合も多いので、別途バッテリーが必要だ。私の場合、東日本大震災の後、PES-8800 を購入しているので、これを活用。

 暗くなってきて、アライメント。ところが誤差が1〜2°もあって、あまりよろしくない。そうこうしている内に、垂直方向が逆に動き出したりして、ダメか?と再起動を繰り返していたら、突然恐ろしく正確になった。 どうも、エンコーダーの数を変えた後は、必ず調子が悪くなるようだ。望遠鏡別(エンコーダー数が違う場合)にNEXUS を用意した方が良いのだろうが、今はまだ様子を見ていこう。

 空はかなり明るく、トラペジウムも6個見えない、という条件だったけれど、かみのけ座〜おとめ座の銀河団はビシビシ導入でき、また星図の中の銀河団の中をターゲット・サークルが正確に動くので、今見えている淡い銀河がNGC何番であるかが、すぐに把握できる。導入誤差は0〜0.1°位。これなら、メシエ・マラソンなんてコーヒーを飲みながら、鼻歌混じりで観望を楽しみながら余裕で遂行できるだろう。観望メモを見たら、この日は4時間で77個もの天体を見ていた。

 しかし、ターゲット・サークルは、頻繁に一時静止する。わずか2秒程度なのだが、これがストレス! SkyFi では静止せず、滑らかに動く、との事なので、おそらくはNEXUS のプログラム/フロー等に問題があるのだろう。また、接続も時々切れてしまう。これは、望遠鏡から少し離れてガイドブックを見ている時に起きたので(電波が十分届く範囲内)、幸い導入誤差は生じなかったけれど、まだいろいろと改善が必要なようだ。でも、エンコーダーと直接繋げられるメリットは大きく、今後の展開に期待したい。

 

iPadを導入!(2012年4月15日)

 手持ちのiPhone 導入で良い感じだし、近い将来出るであろうiPhone 5 で画面も少し大きくなるであろうし、iPad はいいかな、とずっと思っていたが、Argo Navis もスーパー・ナビゲーターも手放してしまったら、急にiPad を試したくなった。だいたい、「毒を食わば」等といってSkySafari + NEXUS を紹介しておきながらiPad を試さないなんて中途半端ではないか。

 中古のiPad 2 も探したが、新型が出たのに、なかなか値下がりしない。せっかくなので、新型の一番安いiPad を購入する事にした。人気で量販店にもApple 直営店にも在庫も無く、入荷も未定、との事。ネットでApple にオーダーしたら2週間後、との事だったが、4日で届いた。で、さっそく使ってみたら、とにかくきれいだし老眼が進行した私には圧倒的に見やすいし高速だし、この画面に慣れると、iPhone が恐ろしく小さく見える。ただ、これも結局は切り替えの慣れなので、双方とも活躍・活用するのは間違いない。

 で、iPad の固定等はどうするか? 例えば、AC-CETRA EZ03 (写真右上)をObsession のアームに装着する方法もあるが、鏡筒の重量バランスを崩したくない。支持器具は数え切れない位販売されているが、とりあえず、K&M 19710 を使う事にした。マイク・スタンドに固定するものだが、幸い30年位前に購入してサビが浮いてきたマイク・スタンドが余っていたので、これを使用。アルミ製の軽量譜面台もあるが、これだとiPad をいじった後、ずっと揺れが収まらず、使いものにならなかった。

   

 マイク・スタンドは、ある程度重量もあるので安定して保持してくれ、揺れも生じない。また、暗がりでぶつかっても、少し位なら大丈夫そうだ。このホルダーは、瞬時に縦・横90°回転できる優れた機能もあるのだが、新型iPad には保持が少し緩く、それをするとiPad が落下してしまう! という訳で、横長固定使用。iPad NEXUS と繋げないで、単純に“今日の星図”としてガイドブックのように表示させて使うだけでも良いかもしれない。

 夜露対策。防水ケースもいろいろあるが、せっかくの美しい画面は直に見たい。そこで、Etsumi のクロスで包み、時々画面も覆うようにして使ってみる事にした。これだと、指紋で汚れた画面もすぐにきれいにできる。

 なお、iPhone iPad  の同時使用・同時表示は可能。また、DS BrowserMars GlobeMoonMoon GlobeSkyTimeiPushTo 等はiPad  できちんと画面いっぱいに表示され、特にMars GlobeMoon Globe は美しさに惚れ惚れとしてしまうが、Starmap Pro、iステラ、Jupiter GuideGrand Tour、月時計(ただ月の満ち欠けを表示させるだけで\650もした。今は値下げしたようだが、ほとんど詐欺にあったようなソフト。こんなものをダウンロードしてはいけない!)、Live Moon ProMoon Map LiteMoon MapTheodoliteStarGuideMitakaGalleryAstro AssistTransients 等はiPad  の画面にiPhone の画面の大きさで表示されるだけなので、このソフトに関してはiPad  を導入する意味は無い。

 バッテリーは、Energizer XP8000 からNEXUS同時に取れるし、SG-3000 を足元に置いてAC 100V供給でもOKだ。

  

iPadのカヴァー (2012年6月10日)

 iPad iPhone も落下したら、簡単に割れる。ガラス細工と同じで、保護カヴァーを装着しないと危険だ。もし割れたら、修理代は何万円もかかってしまう。iPhone 本体はツルツル滑るのに、そのままではストラップも付けれない。マックのコーヒーが熱い、とかネコを電子レンジに入れたら死んだ、とかで法外なお金が裁判で獲得できるアメリカで、構造設計欠陥のようなこの製品が訴訟の対象にならないのは、ますます不思議だ。

 それはさておき、カヴァーを装着することで、厚みは増し、重くなる。10gといえども重くしたくないし、3mmも厚みが増したら興ざだが、仕方が無い。観望に使うには、結露防止や、よけいな漏光防止のために、ディスプレイにもカヴァーがあった方が良い。ところが、今のカヴァーにはマグネットが仕込まれていて、ディスプレイのカヴァーを閉じると、自動的にスリープ・モードになってしまう。スリープ・モードにならないカヴァーはないものか、ヨドバシ・カメラで探したら、一つだけあった。

 

 それが、Targus SLIM CASE。重さも軽めだし、上記:K&M 19710 は旧型iPad 用で今一装着にフィット感が今一だったのが解消され、とりあえず、さらに一歩前進した。ただ、このケースは製造中止で、店頭在庫のみのようだ。

  *その後、自動的にスリープ・モードにするかどうかは、iPad の設定でできるのがわかった。だから、わざわざこれを購入する必要は無い。

 

iPhone 4のバッテリー交換 (2012年7月26日)

 iPhone 4 にして3年少々経過。急にバッテリーの減りが早くなった。ほぼ毎日充電していたから、相当持った方かも知れない。Apple に修理に出すと2万以上かかる、というのを聞いて、最近そこら中にある(都内)iPhone 修理店で交換する事にした。siteを検索すると、不良バッテリーがけっこう出回っているようで、きちんと保証の付いた所で行わないと危ない感じだ。

 職場の近くのショップでその場で交換して¥4400。しめしめ、と思っていたら、バッテリーの減りが交換前と全く同じ。何だこれ?という訳で、お店にクレームを入れた。「本当に、交換したの?」等々。再度交換となって数日経過したが、今度は大丈夫みたいだ。お店の人に言わせると「中国製でApple 純正のOEMだ。中には不良品もある。」との事だが、バッテリーの不良以外に、お店によっては、こういったクレームや何らかの理由で回収したバッテリーが再利用されているのではないか、とも思った。なんか怪しいんだよなあ〜。

 

NEXUSのアップデート・速報 (2012年8月25日)

 オーストラリア/クーナバラブランに遠征に行って来た。最強のガイドだった。詳細は、ここを見ていただくとして、最終日、NEXUS の代表、Serge 氏に会ってきた(というより、彼が滞在先のホテルまで最新NEXUS を持ってきてくれた)。最新のNEXUS は、時々起きていた画面のフリーズがほとんど無くなった、という事で、最新の1台をゲットしてきた。注文は、4月に既にしていたが、改善されるまで待っていた。

 外観は同一。ただ、IPアドレスは変更されていて、きれいなカラーのQuick Setup Guideという冊子が付属。これで、APM-Bino Obsession が同時に使用できるようになった。従来のNEXUS をアップデート可能か? と交渉の結果、無償でフリーズ解消のアップデートをしてもらう事になった。ただし送料は負担。送料を安く上げるため、私がまとめて送付する事になった。詳細は、掲示板をご覧下さい。9月上旬に締め切り・送付予定。その後は、各個人で交渉して下さい。

 

NEXUSのアップデート、その後とiOS6 (2012年10月14日)

 NEXUS は無事アップデートできた。“プチ・フリーズ”の頻度は減ったものの、まだ時々起こる。ただ、実用範囲内、そしてSerge さんの好意に感謝して使用している。問題はiOS6SkySafari の方だ。iOS6 の地図機能が全く使えなくて、歩ナビは絶望的。クレームが殺到しているそうだが、どうせ新しい地図が充実するまで待て(何年かかる事やら)、とWindows のやっている事と同じに成り下がってしまった。iOS6 対応のSkySafari は、アップデート後、最初のAlignでエラーが出るようで、しかも本日現在、改正アップデートの連絡は無い。
 という訳で、私の
iPhoneiPad は今まで通り。

 

  続く...

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