DayStar FL55SS編 その1
とんでもなく良く見えるDayStarを小口径望遠鏡で見ると?

  公開:2018年12月23日〜
更新:2019年2月25日  倍率とアイピースを追加

 とんでもなく良く見えるDayStarが来て、 拡大プロミネンス: これは本当に大満足なのだけれど、全景も見てみたい。そこで、mini BORG 50で試したら全景が見え、これがいい! DayStarは望遠鏡の光学性能に大いに依存し、良い鏡筒なら素直に格段に良い太陽が見れる。そこで、長らく愛用したP.S.T.を手放し、小口径では抜群の評価のVixen FL55SSで生きる道を選んだ。つまり、これを寝室の窓際に置いておき、太陽が見れそうなら電源ON。本機で見て凄かったら、後ろ半分を抜いて屋上へ持って行き、五藤で見る、という寸法だ。

 

 最初に考えて組んだのはこちら。Manfrotto のフルード・ビデオ一脚ベースに、微動雲台を載せたもの。この一脚ベースは、これだけでフルード雲台みたいな粘りのある動きが有り、垂直位置ではクリック・ストップができる。微動雲台は、Vixenに似て非なるもので、垂直方向は粗動もできる。随分昔に 確かジズコ社から購入したもので、¥3500。しかし、望遠鏡に天頂ミラー以下一式繋いでみたら後ろに倒れ、起立しなかった。また、ベースのアームの固定もぴたっとせず、 ぐらつきが残る。

 

 そこで、Moman 卓上三脚なるものを見つけたので、これに今はほとんど使っていないManfrotto 405 ギア付き雲台を載せてみた。これだと、ちゃんと安定して起立し、粗動・微動も自在だ。さて見てみると、全景も、そして、おお! プロミネンスがしっかり見えるではないか! さっそくアイピースを総動員してチェック。

 五藤のために揃えたMasuyama 45mm、26mmは抜群だ。見掛け視界が広いのにシャープで。コントラストも良い。そこで、拡大用アイピースも同16mmを求めた。これまた優秀! プロミネンスの拡大、彩層面の微細構造が見えるだけでなく、見掛け視界が広いので、何とか全景も見える。ただし、拡大像は、五藤と比べると口径差は歴然としていて、あくまでお気軽観望用だ。いろいろ見比べて採用したアイピースは以下の通り。気流さえ良ければ、129×まで行けそうだ。

  口径 f 焦点距離 倍率 実視界 見掛視界 アイ・レリーフ 射出瞳径
Vixen FL55SS 55mm 5.5 300mm          
DayStar Original 4.3×   23.45 1290mm          
Masuyama     32mm 40 2.1° 85° 20mm 1.4mm
Masuyama     26mm 50 1.7° 85° 16mm 1.1mm
Pentax XW     20mm 65 1.1° 70° 20mm 0.9mm
Masuyama     16mm 81 1.1° 85° 10mm 0.6mm
Pentax XW     14mm 92 0.8° 70° 20mm 0.6mm
Takahashi LE     12.5mm 103 0.5° 52° 9mm 0.5mm
Takahashi LE     10mm 129 0.4° 52° 6.2mm 0.4mm

 さて、ところが、P.S.T.ではあれほど超簡単だった導入(2秒以内)が、DayStarでは意外な程迷走する。やはり、フリーストップの経緯台がいいか? そこで、EMS対空双眼鏡でもWX双眼鏡でもTSN-884双眼でも活躍しているGitzo G2380で組んで見た。重心調整のため、長いプレートを使用し、防振ジェルをかませた。光学系は優秀だが、フォーカサー周りはチープ。微調整もできないので、えらく高いデュアルスピード・フォーカサーを追加した。鏡筒レンズ部のロゴといい、Vixenにはデザイナーがいないのだろうか? ヘッドライトなんて、どうやったこんなセンスの悪い塊みたいなものが出来上がるか、呆れてしまう。ファインダーは、DayStarを扱っている星見屋のもの。


 実際に運用している姿はこちら。

 
普段は窓際でスタンバイ。見る時はP.S.T.ほど手軽ではなくなったが、こんな感じ。

 さて、ファインダーで太陽の光りが真ん中に入っても、P.S.T.のように太陽は導入されない。軸はほぼ合っているのだが、 アイピースの視点がシヴィアなのと倍率が高めなので少しのズレも侮れない。もう一つの方法は、アイピースを入れないで、アイピース・カヴァーを入れたまま導入するというもの。結果的にこれが一番手っ取り早かった。

 こんな光の集まりを見るとすぐに煙が出てきそうだが、焦点は外れているので、熱くもならない。

 ちなみに「焦点/ピント」は、オランダ語のbrandpuntが語源 。すなわち、レンズ、凹面鏡の光が結ばれて焦げるbrand、点punt。英語ではfocusでピントではない。昔、国際学会で、画面のピントがずれていた時、「ぴんと、ぷり〜ず!」、と言った日本人がいた、とか。

 

倍率とアイピースを追加 (2019年2月25日)

 毎日運用していく内に、使用するアイピースも替わってきた。現在は、以下の通り。

  口径 f 焦点距離 倍率 実視界 見掛視界 アイ・レリーフ 射出瞳径 備考
Vixen FL55SS 55mm 5.5 300mm            
DayStar Original 4.3×   23.45 1290mm            
Lavendura     40mm 32 1.3° 42° 20mm 1.7mm  
Masuyama     32mm 40 2.1° 85° 20mm 1.4mm  
Lavendura     30mm 43 1.0° 43° 17mm 1.3mm  
Masuyama     26mm 50 1.7° 85° 16mm 1.1mm  
Pentax XW     20mm 65 1.1° 70° 20mm 0.9mm  
Masuyama     16mm 81 1.1° 85° 10mm 0.6mm  
Pentax XW     14mm 92 0.8° 70° 20mm 0.6mm  
Takahashi LE     12.5mm 103 0.5° 52° 9mm 0.5mm  
Takahashi LE     10mm 129 0.4° 52° 6.2mm 0.4mm  

  最初から、Lavendura 40mmは、本機のデフォルト・アイピース。DayStarに装着した状態で収納している。そこから時に倍率を上げていく感じ。Lavendura 40mmだと32×だけれど、本当に良く見える。これで電源、ウォームアップが不要、いや、ウォームアップ・せめて2分なら本当にいいんだけどなあ...


 
   続く.....!

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