楓天 Solar Star Party 2018
日本初? 太陽のための観望会 2018年10月21日、28日

  公開:2018年10月24日〜
更新:2018年11月1日 *見える太陽望遠鏡とは? を追加


今回ご参加の遠山さんのsiteより引用

 先月の楓林舎天文同好会(楓天)観望会は夜の天候には恵まれなかったが、太陽の観望では大きな収穫があった。太陽望遠鏡を並べて比較できたらどんなに良いだろう、その観望会を開きたい、と以前から思っていたが、ようやく開催することができた。太陽望遠鏡に馴染みの無い方には是非見ていただきたいし、同じ機種でも、その大きなばらつきを確認するのも有益だ。そして何と言っても各自の創意工夫は本当に参考になる。

 呼びかけたらけっこうな人数が集まる事になったので、どこかで勝手に集まる、という訳にはいかなくなった。各方面を当たってみたが、門前払いの所もあったけれど、横浜市の保土谷公園が極めて協力的で、無事開催できる運びとなった。保土ケ谷公園はアアクセスが良い、 敷地が平らで視界が(まあまあ)開けている、駐車場が広い、トイレ完備、売店、喫茶店あり、等々とにかく便利! 首都圏のみならず、大阪、京都、栃木県からも参加があった。


10月21日(日) 保土谷公園・噴水広場前

朝5時から11時頃までが開催時間。4時45分に4名集まった。気合い十分! 写真・上は、機材の一部。
早朝、準備していたら、ラジヲ体操のお婆さんが、「何見てんの?太陽? そんなの見たって眩しいだけじゃないの。皆さんもラジヲ体操やったら?」 って、返す言葉も無かった...
 

  石石石さん Lunt LS60THaPT/50FHaダブルスタック/B1200.  日本光学 ミクロン7×15

有効径50mm  焦点距離500mm(結像サイズ4.5mm
10:1
クレイフォード接眼部装備
重量 約3.8kg

ヤフオクで、中古を格安にて購入架台:手元のジャンク品をかき集めて組み上げた。
 
・ケンコー スカイメモRS(太陽追尾モード付)
 5年前名古屋中古カメラ屋で12K
 
・15000mAモバイルバッテリー 半年前秋葉原でジャンク
  扱いにて0.98K
 
・ビクセン フォトガイド2用三脚 5日前TOMITAで6K
 
・スターベースV金具(TG-SV)  先月「星をもとめて」で1K
 
・誠報社  ガイドマウント 20年前?円
  アイピース・バロー:模索中

日本光学 ミクロン7×15

 有効径15mm 倍率7

対物筒の直径が24.5mmアイピース用眼視サングラスの外形直径とほとんど同じため、両者をセロテープで巻きつけて合体使用。昔ながらの緑色の愛用像。

114中野さん CORONADO P.S.T TWIN

大変良く見えるP.S.T.だったが、左側が劣化して見えなくなった。そこで、右側に笠井 ELS正立双眼装置+Nagler 6 7mmで観望。本人によれば、「へたれPST TWIN」 とのこと。

 

  オーナー1さん  10cmHα + 10cm可視光 ツイン太陽望遠鏡  HP ブログ

鏡筒:Lunt LS100THα (口径102mm F7.8 f 800mm)
    SharpStar AL-106II + ハーシェル・プリズム (口径106mm F6.5 f 690mm)
     *SharpStar側に鏡筒を平行にする機構あり

アイピース:ハイペリオン・ズーム 8-24mm (Lunt側に50%減光フィルター)

架台:iOptron AZマウント・プロ
 完全バランスに改造。アリガタは、昭和機械製を上下逆に使用。
 水平であれば、1スター・アライメントで動作。Wi-Fi内蔵でiPadでコントロール可能。
 バッテリー内蔵で一晩稼働。

脚:ユーハン ポータブル・ピラー

 *この日集まったLuntのブロッキング・フィルターでは、一番明るかった。これとフロント部の良く見えるメイン・フィルターを組み合わせると、”大変よく見える太陽望遠鏡”になる。

 

 鳫(がん)さん CORONADO SolarMax II ダブルスタック、Lunt LS60T/PT/C ダブルスタック + DS50Fs

CORONADO SolarMax II ダブルスタック:平塚市博物館で使用
 口径90mm、焦点距離800mm、F8.8
 ブロッキング・フィルター:15mm
 半値幅:0.5Å未満
 架台:タカハシ EM200
Lunt LS60T/PT/C ダブルスタック + DS50F
 口径:60mm+50mmエタロン・フィルター、焦点距離500mm、F8.3
 半値幅:0.5Å未満
 自宅ベランダで、白色光とHα光で太陽の全面像の撮影に使用
 ブロッキング・フィルター:B1200 12mm
 架台:ケンコー スカイメモS+マンフロットギア付き雲台410
  
*エアー・チューニング・ノブが金色なのは、約4年使い込んで塗装が剥がれた
   との事。

 K Nebula

左:Lunt LS100THa ダブルスタック
  口径102mm f7.8 焦点距離800mm (鏡像)
  TeleVue双眼装置 + 2×合焦レンズ + Pentax XW 20mm 80倍が標準
  架台:AOKAYOdigi
    *最近、ブロッキング・フィルターが劣化して見えなくなってきた。

右::BORG 125SD-Bino 口径125mm F6 焦点距離750mm
  
左側の鏡筒:白色光/金属フィルター(正立像)
  右側:ハーシェル・プリズム(鏡像)
  倍率:4282×
  架台:松本製

左:皆既日食に持って行ったスコープ
    口径88mm f5.7 焦点距離500mm
    
白色光/金属フィルター(正立像)
    SkySafariで金星、水星も導入
     倍率:2560×
    架台:
AOKAYO Mark II
中央:寝室のP.S.T.。とてつもなくよく見えていた
    が、最近劣化。(倒立像)
右:双眼鏡架台+Nikon SP+太陽フィルター

ソーラー・クッカー:遠赤で調理するソーセージは美味!

ソーラー発火装置。太陽に向けた瞬間に煙が出る。

 五藤テレスコープ Kさん 太陽スペクトル観測装置

 

詳細はこちらをご覧下さい
 
美しい光の中に沢山のフラウンホーファー線
 (吸収スペクトル)が観測できる。

架台:Sky Watcher AZ-GTi

 *機会があったら、是非見ていただきたい貴重な1台 !

 塩田さん Coronado コロナドSolarMax90T、Pentax 105SD+ハーシェル・プリズム HP 他、多方面に写真掲載

下:Coronado コロナドSolarMax90T
上:Pentax 105SD+ハーシェル・プリズム
 架台:タカハシ EM-200

 *天文会にその名を知らぬ者はいない重鎮、塩田さんの機材。とてつもなく良く見えるが、普通にネット購入で当たりだった、との事。神様は、この方に写真を撮ってもらうよう采配したのかな?

 じろーさん Coronado 60DS、μ180Hα太陽望遠鏡

左側:Coronado SM60 - Coronado ASP60
 TeleVue Pronto - Coronado BF30
 Denkmeier Lunt Optical Adapter
 ボックス型EMS-US - Nikon顕微鏡用双眼装置
 Hα (公称半値幅<0.7Åをダブルスタック)

右側:μ180Hα太陽望遠鏡 〜 「プロミネンス拡大観望」専用機
 
Baader D-ERF(180Φ) - タカハシμ180
 Daystar UV/IRカットフィルタ
 HOYA HA15(熱線吸収フィルタ)
 TeleVue PowerMate2X - マツモトEMS-UML
 Daystar COMBO QUARK Chromosphere - 双眼装置
 180mm(ERF制約で実効170 mmぐらい)

 *先駆者、じろーさんのCoronado 6cm DSは知る人ぞ知る名機。太陽表面の描出に
  かけてはトップの1台。「プロミネンス拡大専用」のアプローチも、流石としか言いようが
  ない。

 末續さん FS60Q+金属フィルター

FS60Q+金属フィルター
 FS60Q:80周年記鏡筒(青色)。対物レンズにLXXXth Anniversaryと刻印があった。

 佃さん 15cm H-α太陽望遠鏡、8.5cmH-α太陽望遠鏡

15cm H-α太陽望遠鏡
 鏡筒: Takahashi TOA-150 (口径150mm, F7.3, f 1,100mm)
 ERF: BAADER D-ERF (φ160mm)、Diagonal: BAADER
” BBHS Mirror
 H-α Filter: Daystar QUARK Chromosphere (x4.3 Telecentric Barlow
内蔵)
 Eyepieces:
北軽 Lavendura-40mm (x118) TeleVue Plossl-32mm (x148)
 TeleVue Plossl-25mm (x189)
 Mount: Track The Stars TTS-160 Panther Alt/Az mount

8.5cmH-α太陽望遠鏡
 鏡筒: FOT85 (口径85mm, F6.6, f 560mm) Air-spaced Double-ED Triplet APO
   Takahashi TOA
シリーズ同様、Spherochromatism極小が特徴
 ERF: Daystar ” UV/IR Cut filter Diagonal: BAADER T-2 BBHS Mirror
 H-α Filter: Daystar QUARK Chromosphere (x4.3 Telecentric Barlow内蔵)
 Eyepieces: 北軽 Lavendura-40mm (x60) TeleVue Plossl-32mm (x75)
  TeleVue Plossl-25mm (x96)
 Mount: Losmandy AZ8 Alt/Az mount

 *プロミネンス拡大像で衝撃を与えた大当たりのDayStar QUARK。こんな世界が
    あったとは...!

遠山さん Lunt LS100THα HP

鏡筒:Lunt LS100THα
 口径102mm F7.8 f 800mm
 アイピース:Pentax XW 20mm
 カメラ:DMK41AU02AS

 *撮影した写真をパネルで展示。

 トラさん CORONADO P.S.T

CORONADO P.S.T
 アイピース:セレストロン製ズーム
 三脚:昔のアルミ製ジッツォ (懐かしい!)

 fmasaさん Carl Zeiss APQ 100/640+SFO80

Carl Zeiss APQ 100/640+SFO80
 口径100mm、F6.4 焦点距離:640mm
   Zeiss金属フィルター(写真右):口径80mm
 架台:アメリカ DiscMounts DM-4
 三脚:Gitzo GT4552TS
 アイピース:Leica Televid 32×/26×WW を天体用に改造
           (焦点距離13.75mm、見掛け視界73°47×)
        
Swarovski 15.4mmWW + Abbe-Barlow2×
           
(焦点距離 7.7mm 見かけ視界 65°83)

  *アメリカ皆既日食マウナケア/マウナロア遠征で、脅威の光学性能を
   遺憾なく発揮した1台。ブランド名に恥じない本当の名機。

虹工房 別所さん APM 105/650LW+ハーシェル・プリズム、分光器

上:APM 10cm+ハーシェル・プリズム

下:分光器
   鏡筒:タカハシ FC76
    上:スリット監視カメラ
    下:冷却CCDでスペクトルを出力
       測定:380〜720nm
       分解能:±1nm

Yuji さん Lunt LS152THa

Lunt LS152THa
  
口径152o 焦点距離900o + 双眼装置ビノビュー+タカハシエクステンダー1.5+パンオプティック24o
  
Lavendura 30mm、ナグラー16o
  架台
+三脚 高橋製作所経緯台

ご本人より:
 ジズコより昨年の春に購入しました。ブロッキングフィルター
B1800の光の透過性が悪く、ブロッキングフィルターは全部で5個(1つは交換)買いました。最後の4個目はテレスコ工作工房の齋藤さんに直接米国にて米国のディーラーに見てもらって入手。4個目にしてやっと最高に良いものに遭遇できました。太陽望遠鏡は散財する覚悟が必要です。

 *購入当初は赤い円盤しか見えませんでしたが、今は “もの凄く良く見える太陽望遠鏡” になりました。執念に脱帽です。


*顔が識別出来ないように小さく掲載しました。
機材をお持ちで無い方も参加しています。
  

10月28日(日) 保土谷公園・サッカー広場前

当初、21日が天候不良だったための予備日だったが、せっかくだから両方やろう、という事になり、開催。先週の佃さんのデイスターによるプロミネンス拡大像に驚愕し、輸入元の星見屋さんに、ありったけのデイスターを持ってきてもらい、高性能屈折でのチャレンジも企画した。天気予報では快晴だったが、最初は曇り。ようやく昼過ぎに晴れてきて、一気に盛り上がった。

以下は、今週ご参加の新機材(先週と同じ機材は割愛)。

utoさん Nikon P1000 + 太陽フィルター ブログ HP

達人utoさんは、Nikon 1であり得ないクオリティの写真をブログにuoしていたが、最近、「世界最大のコンデジ P1000」で、
これまたもの凄い写真をupしている。

原田さん TSA-120 + EMS + DayStar Quark Prominence + Lavendura 40mm + EM2、P.S.T.双眼

TSA-120 + EMS + DayStar Quark Prominence + Lavendura 40mm + EM2

 布だと鏡筒が揺れるので、板を装着。さらに目線を安定させるための顎固定用
 三脚、フォーカサーにアルミのバーを装着し、ピント調節がしようすいようにと、
 いろいろと工夫されている。

P.S.T.双眼

 以前、私が使用していたP.S.T。使用して3-4年で左側が劣化。そこで、テレスコ工房で購入し置換したた、との事。

よっしーさん P.S.T.  HP

 8年使用のP.S.T、。最近暗くなって見えなくなってきた、との事。ファインダーは自作。

デイスター祭

 先週の佃さんのデイスターによるプロミネンス拡大像に驚愕。輸入元の星見屋さんに、ありったけのデイスターを持ってきてもらい、高性能屈折での観望会。


 持ってきていただいたのは、オリジナル:プロミネンス2個、オリジナル:彩層タイプ6個、コンボ:プロミネンス3個、カルシウム3個。迎え撃つ鏡筒は、APM 130/780、五藤 GTL125/1200APO、APM ZTA152/F7.9ED、APQ 100/640。予備鏡筒は、TS-Optics Photoline 72 mm f/5,5 (写真右上)。
 やはり個体差は大きかった。この中に、プロミネンスをきれいに拡大し、しかも微細なところを描出する逸品があった! これを購入した人がいたのは言うまでも無い。

 先週に引き続き無事開催できて、本当に良かった。手応えがあったので、来年開催の時はsiteで告知して、みなさんにも見ていただこうと思う。ご参加の皆様、どうもありがとうございました!


*先週同様、顔が識別出来ないように小さく掲載しました。
機材をお持ちで無い方も参加しています。

見える太陽望遠鏡とは? (2018年11月1日)

  太陽望遠鏡はとにかくバラツキが大きく、見えるのは物凄く見えるし、見えないのは全然見えない。しかしながら、今回の観望会を通じて、「見える」という価値観が人によって違うという事に気がついた。人によっては、プロミネンスが明るく認識できるのを「見える」と言うし、私の場合には、プロミネンスのもっと微細な淡いところを見たいので、明るく潰れたプロミネンスより、少々暗くて淡くともダブルスタックがいい。じっくり見ていると、いろいろ見えてくる。デイスターも、プロミネンス・モデルを選択する人もいるし、私は彩層タイプでのプロミネンスの拡大像に驚喜した。

 デイスターもばらつきがあるが人によって価値観が違うので、その意味でのばらつきがあってもしかるべきとも言えるかもしれない。
 

 続く.....

 

ご感想・問い合わせ等はこちらまで.

INDEX