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ギルドマスター、メルセル・フレイによると、例のゴールデングロウ農園の一件で私が手に入れたものの中に、盗賊ギルドと付き合いのある密偵の暗号名があったらしい。
敵の正体について、この密偵から情報が得られると考えているようだ。
密偵の名前はガラム・エイというアルゴニアンで、ソリチュードにいるという。
ブリニョルフからこのアルゴニアンについて詳しい話を聞くと、ガラム・エイは東帝都社(帝国の貿易会社)の要職にいる人物で、荷物を横流しして儲けているそうだ。
その横流し先が盗賊ギルドというわけだが、最近は全く連絡をしてこない。
ガラム・エイは殺すに惜しいので、盗賊ギルドの存在を思い出してもらい、情報も入手できるのが一番だという事だ。
まあ、やってみるか。
私は馬車に揺られてソリチュードに向かった。
酒場で飲んでいるガラム・エイを見かけたので、同席すると、彼は何の用だと聞いてきた。
盗賊ギルドの名前を出しても白を切られてしまう。落ちぶれた盗賊ギルドをあまり脅威に思っていないのかもしれない。
ゴールデングロウ農園の件だとズバリ言うと、ガラム・エイは顔色を変えた。
そのまま情報を得られるかと思ったのだが、ブリニョルフの言った通りガラム・エイは思ったより頑固で、取引を要求してくる。
仕方なく要求を飲む事にし、ソリチュードの王宮ブルーパレスからファイアブランド・ワインを盗み出してくることになった。
スカイリムにおける帝国軍の中心地とはいえ、ソリチュードは戦場から遠い。
そのせいか兵士たちの目も甘いようだ。
ワインを盗み出すのは簡単だった。
ワインを渡すと、ガラム・エイは「見知らぬ女性から、ゴールデングロウ農園を買い取ってくれと頼まれただけで相手が何者か知らない」というありがちな事を言った。
「何か隠しているな?」と突っ込むとガラム・エイはさっさと席を立って店を出て行ってしまった。
これは何かある、と尾行していくと東帝都社の倉庫に入っていく。
さすがに倉庫内は帝国兵だらけだ。
ガラム・エイを泳がせるためには戦うわけにはいかないので、荷物の影や水中を進んで尾行を続ける。
倉庫の奥から洞窟に入っていくガラム・エイに付いていくと、洞窟の中には帝国兵ではなく盗賊団らしき連中がいた。
何度か見つかってしまったが水中に潜ったりしながら隠れてやり過ごし、洞窟の一番奥まで忍び込むと、盗賊団の頭領らしい連中とガラム・エイが一緒にいる場所まで来た。
透明化薬で透明になり、隠密で近づいて彼らの会話を盗み聞くと、彼らが仲間であることが分かった。
仲間がいるうちは素直にならないだろうと思われるので、盗賊の頭の背後に回り込んで二刀の不意打ちで始末する。
近くにいた盗賊の仲間が襲いかかってきたので返り討ちにし、ガラム・エイに詰め寄ると、「全てをメルセル・フレイに話すつもりだったんだ! 本当だ!」と態度を改めた。
ガラム・エイの情報によると、農園を買い取ることでメイビン・ブラックプライアに打撃を与えれば、その原因は農園を管理できなかった盗賊ギルドのせいだという事になり、両者の関係は悪化するだろうという狙いだったようだ。
その計画を持ちかけたのはカーリアという女性で、盗賊ギルドの前ギルドマスター・ガルス殺害に関わっているらしい。
カーリアは次の標的として、現ギルドマスターのメルセル・フレイを狙っているのではないか、という。
命乞いするガラム・エイから剣先を引き戻す。もともと殺すつもりはなかったが、そこまで言う必要はない。
彼は感謝して、その場を立ち去った。
盗賊ギルドを無視すればどうなるかも、思い出した事だろう。
必要な情報を手に入れたので、リフテンに戻ろうとソリチュードの門に向って歩いていると、突然アルゴニアンのジャリー・ラという女に声をかけられた。
私の身のこなしを見込んで仕事をしないかと持ちかけてきた。
彼女の計画は、ソリチュードの灯台の明かりを消して帝国の貨物船(アイスランナー号というらしい)を座礁させ、積み荷を頂くというもののようだ。
帝国を快く思っていない私としては、ちょっと手伝ってやってもいいかという気分になった。(※1)
これはスカイリムの情勢云々とは別の個人的な感情である。
雪の降る中、灯台の明かりを頼りに現地に向かう。
到着後、管理人の部屋に忍び込んで、カギをスリ取ったがこれは必要なかった。
灯台の明かりを消し、ソリチュードに戻ってジャリー・ラに報告すると、座礁したアイスランナー号の場所を教えられる。
そこに妹のディージャがいるので報酬を受け取れとの事。
報酬にはそれほど興味がなかったが現地に行ってみると、確かに船が座礁している。
略奪団のメンバーがいて、船倉にディージャがいると教えられる。
船倉まで下りて行き、ディージャに会うと「お前はもう用済み」的な事を言いながらダガーを突き出してきた。
なるほど本物の悪党らしい。
私はディージャを返り討ちにし、その懐を調べると彼女宛の手紙を持っていた。
私を始末するまでの計画と、それが済んだらブロークン・オール洞窟で合流しようと書いてある。
船を脱出した私はブロークン・オール洞窟に忍び込んだ。
半壊した船が洞窟内に座礁しているが、そこをアジトにしているようだ。
見晴らしのいい場所に陣取ると、石筍の影から影へと移動して隠れながら、矢を射かけて略奪団を退治した。
途中、イヴァルステッドで頼まれていた熊の毛皮を渡してからリフテンに戻ってきた。
盗賊ギルドでメルセル・フレイに報告する。
メルセルはカーリアが生きていたことに驚き、彼女こそ先代ギルドマスターのガルスを殺した犯人だと言う。
カーリアとガルスは男女の関係だったようだが、なぜガルスを殺すような事になったのかはメルセルにも分からないそうだ。
カーリアの残した「終わりの始まった場所」という言葉から、ガルスが殺された場所"雪帷の聖域"にいると考えたメルセルは、彼女を止めるため協力してほしいと頼んできた。
ここまで関わってしまった以上、それは問題ないのだが、「終わりの始まった場所」というキーワードが分かる人間は多くはないだろうし、罠なのは確実である。
遺跡の前で合流すると、メルセルはすでに遺跡の周囲を調べていて、カーリアの馬も始末したからまだ中にいるはずだという。
二人で中に入ると、やはり遺跡は罠だらけだ。
一番奥の部屋まで到達し、隠れて部屋の中に入った瞬間であった。突然の矢に私は倒され、その場に倒れこむ。意識はあるが、身体が動かない。
なので、カーリアとメルセルの会話を聞いている事しかできなかったが、その内容は驚くべきものだった。
なんとガルス殺害の真犯人はメルセル・フレイだったのだ。
カーリアはメルセルを殺すチャンスだった最初の一矢を私に使ってしまったので、すぐに逃げてしまった。
メルセルはその後、私の意識が残っている事に気が付くと、真実を知った私にとどめを刺したのだった。
次に目が覚めた場所は、遺跡から少し離れた小さなキャンプ地だった。
助けてくれたのはカーリアだ。
彼女の用意した矢の毒は全身を麻痺させるもので、そのため私は一命を取り留めたらしい。
メルセルを倒すため用意した毒矢だったが、全てが終わればメルセルは私を始末するだろうと思ったカーリアは、私を助けられる可能性にかけて矢を使ったそうだ。
結果的には、その判断に救われたわけだ。
彼女の話によれば、メルセル、ガルス、カーリアの三人はナイチンゲールの仲間だったという。
だがメルセルは裏切り、ガルスを殺害。その罪を着せられたカーリアは逃亡生活を続けながらメルセルの裏切りの証拠を得ようとしていたそうだ。
今回はメルセルを生け捕りにしてギルドで真相を話させようとしたが失敗。
ただ、ガルスの遺体から彼の日記を手に入れることができたので、そこに何か書かれているかも……という状況だ。
日記なら読めばいいのだが、この日記は暗号化されていて読めない。
古い友人のエンシルなら暗号が解けるかもしれない、と言う。
「エンシルって大学に出入りしている、あのエンシルか?」と聞くと、どうやらそうらしい。
怪しげな人物だと思ったが、盗賊ギルドとも繋がりがあったとは……
今回のメルセルの行動から、おそらく私が生きていると知れば何かしらの手を打ってくるのは予想される。
ならば今はカーリアと協力してメルセルを何とかするしかない。
「大学の事なら私に任せてくれ。」
私はガルスの日記を預かり、一路ウィンターホールド大学を目指した。
「アークメイジが俺に何のようだ?」と、いつも通りのエンシルに事情を話した。
さすがのエンシルもガルスとカーリアの名前には驚き、日記についてもただで相談に乗ってくれた。
いつも通りに交換条件があるのかと思ったのだが、彼にも友人への情というものがあるらしい。
ガルスの日記はファルメル語で書かれていて、ファルメル語の資料が必要だと言う。
マルカルスの宮廷魔術師カルセルモはファルメル研究の第一人者らしく、彼なら何か資料を持っているだろうと教えてくれた。
ただし、研究成果を簡単に人に譲ったりはしないだろうとも。
久しぶりにウィンターホールドに来たので大学に行き、手に入れた魔法のアイテムを分解して研究したり、新しい呪文を教授から教えてもらったり、薬を作ったりしてから、次にホワイトランへ向かった。
マルカルスは遠いので、リディアに付いて来てもらうためだ。
マルカルスへは、ロリクステッドから西に歩いて向かった。
途中、"ゾルグンデの巣窟"と呼ばれる場所を発見したところでドラゴンの襲撃があった。リディアと、近くにいた衛兵の助けもあってあまり苦戦せず倒せた。
マルカルス付近になってくると、フォースウォーンと名乗るエルフの集団に襲われた。
彼らは帝国兵とも、ドラゴンとも争っているようだ。
何者なのか分からないので、なるべく避けるようにした。
やがて岩山に溶け込むようにマルカルスが見えてきた。
他の城塞とはかなり雰囲気が違う。石造りの街だ。
マルカルスには例の泥酔事件で来ただけだ。
あのときは聖堂を片付けて逃げるように出てきたのだった。
今回はもう少し街の様子を見ていけるだろう……この時は、そんなふうに思っていた。
マルカルスの街に入ってすぐのところに露店が並ぶ広場があった。
露店を眺めていると、突然叫び声が上がる。
見ると一人のエルフの青年が女性をナイフで刺したところだった。
昼下がりの市場が、一転して惨劇の舞台になってしまった。
私は剣に手をかけたが、どうすべきか迷った。
リディアも、私に危害が及ばない限りは静観するつもりのようだ。
結局、街の衛兵がすぐに飛んできて、逮捕もせずエルフの青年を成敗した。
青年はフォースウォーンの一味だという事だ。
あの山賊のような連中か……
市場の人々が混乱している最中、突然一人の男が「これ、落としましたよ」とメモを渡してきた。
私のものではない、と言っても「それじゃあ」と言って男は立ち去ってしまった。
いったん現場から離れてメモを開いてみると『タロスの祠で会ってくれ』と書かれていた。
その晩、リディアを宿に残して私は一人でタロスの祠に向かった。
昼間にメモを渡した男が待っていて、エルトリスと名乗った。
彼の父親は、彼がまだ若い頃、何者かに殺害されてしまったのだという。
衛兵はフォースウォーンの仕業として事件を片付けてしまったのだが、どうにも腑に落ちないまま今に至っている。
彼自身も結婚して子供ができ、父親になった事でその事を思い出し、真相を突き止めたいと考えるようになったという。
今回の事件が似たような状況で発生している事から、調べれば何か分かるのではないかと思ったのだが、家族がいるので危険には踏み込めない。
それで現場にいた冒険者風の私に調査を依頼しようと思い付いたとの事だ。
彼の真剣なまなざしに断ることが出来ず、私は依頼を引き受けた。
翌日、市場で聞き込みをすると、殺された女性マルグレットはマルカルスの住民ではないようで、宿屋"シルバーブラッド"に滞在していたことが分かった。
シルバーブラッドの店主に話を聞くと、彼女が滞在していた部屋はまだそのままになっているという。
カギを貸してくれないか頼んでみたが衛兵でもないので無理だと断られた。
それもまあ、その通りなので、私は適当なテーブルに座って食事を頼み、隙を見てカギをスリ取る事にした。
成り行きで入ることになった盗賊ギルドの技が、なんだかんだで活きてるな……と思いつつ、スリ取ったカギでマルグレットの部屋を開け、中に入る。
部屋を調べると、彼女の手記が見つかった。
彼女の日記によると、マルグレットは帝国の密偵だった。ソーナー・シルバーブラッドという街の権力者について調べていたようだ。
カギを戻して(もちろん気付かれていない)宿屋を出たところで、衛兵に呼び止められる。
「これ以上、仕事を増やすなよ」とあからさまに警告してくる。
「面倒を起こしているつもりはないが」と突っぱねて立ち去ったが、思ったより危険な領域に足を踏み入れているのかもしれない。
次に加害者であるエルフの青年ウェイリンについても調べてみる。
ウェイリンはマルカルスの貧民地区(※2)に住んでいたようで、彼の住処を調べると、今回の事件についての指示が見つかった。
『ノルドを恐怖に陥れる役に選ばれました。明日、市場に行って指示に従ってください』というような事が書かれている。
差出人は"N"とある。
手紙をしまって貧民地区を出たところで、大男が道を塞ぎ、殴りかかってきた。
喧嘩に見せかけて始末するつもりだろう。
斬り合いになるよりマシか……と相手してやり、叩きのめすと"ネポス"という人物に送り込まれたと白状する。
どうやらNの正体はネポスというようだ。
ソーナー・シルバーブラッドについて調べていたマルグレットが殺された、という事は黒幕はソーナーなのだろう。
ウェイリンは実行犯として選ばれ、口封じに殺された……と考えれば衛兵もソーナー側という事になる。(少なくとも市場にいるやつは)
ウェイリンに指示を出していたのはネポスという奴で、フォースウォーンのためになると信じて行動したのだとしたら、ソーナーはフォースウォーンをうまく操っているわけだ。
この辺で、事件の背景について知る必要があると思い、調べることにした。
フォースウォーンはもともと、この地域の先住民で独自の文化を持った人々だった。
帝国がアルドメリ自治領と戦争になって、スカイリム地方の支配力が低下した隙をついて念願の独立を果たした。
しかし帝国の命令を受けたウルフリック達ノルド人によって、フォースウォーン王国は滅ぼされて再び帝国統治下に戻ったということだ。(※3)
この事をエルトリスに教えても、彼には何もできまい。
私はソーナーの元に向かった。
トレジャー・ハウスというソーナーが経営する店に入り、ソーナーに会いたいと告げたが取り次いでもらえなかった。
仕方なく帰るふりをして隠密し、ソーナーの部屋に忍び込む。
当然、ソーナーにはまともに取り合ってもらえず、衛兵を呼ばれそうになった矢先であった。
「フォースウォーンのために!」という掛け声とともに、店員がソーナーに襲いかかってきた。
ソーナーを始末されては困るので、私は剣を抜いて襲撃者を斬り伏せた。
命拾いしたソーナーは、私の腕前を見て「ネポスを始末してくれ」と頼んできた。
ソーナー・シルバーブラッドは彼の所有するシドナ鉱山を監獄としても使っていて、捕えたフォースウォーンや反逆者をそこに投獄していた。
その中にはフォースウォーンの王マダナックもいる。
彼らは死刑に決まっているのだが、刑の執行を延期してもらうよう計らう代わりに、裏仕事をやらせていた……という事のようだ。
だが、フォースウォーンたちはおとなしくソーナーに従っていたわけではなく、独自の動きを見せ始めていた。
そして今日の襲撃というわけだ。(襲ってきた店員たちはフォースウォーンだった)
簡単に言えば、飼い犬に手を噛まれたわけだ。
ネポスは街に住んでいるフォースウォーンの元締めのような役割をしている人物で、当然今日の襲撃もネポス指示のはず。
だから裏切り者を始末してくれというわけである。
私はトレジャーハウスを後にしてネポスの家に向かった。
使用人たち(たぶんフォースウォーン)が、出て行けと文句を言う中、ネポスに会う。
ネポスは老人で、私が何かを聞く前に独白を始めた。
自分たちはフォースウォーンで、ソーナー・シルバーブラッドに減刑を条件に自由を得ていたが、同時にシドナ鉱山の中からマダナック王の指示もあり、個人的な自由と、フォースウォーンとしての責務の間で苦悩していた、と。
老人は「もう疲れた」と言い、剣を手に立ち上がった。
家の使用人たちも武器を構えて襲いかかってくる。
私は釈然としない思いのまま、降りかかった火の粉を払った。
私はタロスの祠に向かった。
エルトリスの父もおそらくソーナーの邪魔になり、ソーナーからネポスへと殺害が指示されたのだろう。
今回明らかになった事実を伝えるべきかどうか、答えの出ないまま祠に入った私の目の前にはエルトリスが横たわっていた。
彼を斬った衛兵はエルトリスの血に濡れた剣を持ったまま、まだ遺体の側に立っている。
「だから警告しただろう。この男を殺したのはお前ということになる。逃げても無駄だぞ」と言いながら、衛兵はこちらに向かってきた。
家族の事を話していたエルトリスを思い出し、私は怒りに震えた。
そしてある決心をして、剣の柄から手を放した。