マイクロゾンダー

 EI−18により制御される無数のマイクロマシン。蟻のような頭部と四肢、亀のような胴体を有する。俗に「ゾンダー」と呼称されているがマイクロゾンダー自体は素粒子Z0を媒介にEI−18により制御されるマイクロマシン群の総称であり、厳密な意味でのゾンダーではない。よって胴体内部に見られるゾンダーメタルらしき物体も単なるシンボルに過ぎない。全長は数μ(ミクロン。1mmの千分の一。)に満たず、肉眼では確認することができない程の超小型機械であるが、三つの大きな機能を有している。
 ひとつは極超短波受信機能である。EI−18より発信されるテラヘルツ級の極超短波を受信装置し、取り付いた人間に発信することで聴覚を通しての思考を奪い破壊衝動を強く喚起することができる。EI−18の素体であった安藤弘一の手により手品に紛れて宇宙開発公団内に散布され多数の公団職員に破壊活動を強い、公団施設の大きな被害をもたらした。しかしマイクロゾンダーが発する極超短波は非常に微弱かつ繊細で、取り付いた人間以外には効果を及ぼさず、また付近に別の極超短波を発する物体があった場合、それにより容易に妨害されてしまう性質がある。そのため所在地確認のために極超短波を常時発していポケットベルを携帯していたGGG隊員はこの被害を免れている。唯一機動部隊主任オペレーターである卯都木隊員のみが極超短波の影響を受けGGGベイタワー基地内のXルームにおいて破壊活動を行った。
 第二に、マイクロゾンダー群はEI−18の司令により集合して巨大なマジシャン型ロボットを構成することができる。これは外観上はこれまでのゾンダーロボと大差ないロボットであるが、実際はマイクロゾンダーの集合体であるため任意に拡散・集合することで敵を視覚的に撹乱することができる。マイクロゾンダーは一基一基は目に映らないほどの極小さなものであり、それらがいっせいに拡散すると、一瞬ゾンダーロボが「消えた」かのように認識される。また攻撃を受けても瞬時に拡散することで総体としての被害を最小限にとどめることができるのである。
 そして、第三に、このマイクロゾンダーはごく狭い空間に一定量以上のエネルギィが発生したとき、そのエネルギィを利用して小爆発を繰り返し発生させる性質を持っている。局所的に毎分200回以上繰り返される小爆発は空間内の温度を上昇させ続け、地上の太陽とも呼ぶべき特殊空間・グランドノヴァを形成する。EI−18が作り出したそれは直径526m、内部温度6000℃におよび、その膨大な熱量はイレイザーヘッドをもってしても消去することはできなかった。なおこの熱エネルギィはグランドノヴァ中心部のゾンダーメタルプラント生成にも利用された。
 これに対しGGGは最終的にGツールを使用。マイクロゾンダーの90%弱を消去するとともに、別働部隊としてボルフォッグ天海護特別隊員がマイクロゾンダーの制御中枢であるEI−18を浄解することでこの殲滅に成功している。