Cyber Japanesque 北海道・東北編

関東・中部編 信州・関西編 四国・九州編

ついに温泉探訪も本格化し、2001年夏は車にて、東北・北海道 秘湯ツアーへ出発。その時の様子もございます。

←あなたも温泉へ行こう!


●福島県:

★★★☆☆ スパリゾート ハワイアンズ

 昔の"常磐ハワイアンセンター"が、今は"スパリゾート ハワイアンズ"へ。春休みのせいもあるだろうが、平日に度肝を抜かれる凄い人である。ホテルも予約をしようとしたら、本当に最後の一部屋であった。春休みに入った頃からこの満杯状態だということだが、ビジネスとしても上手くいっているのだろう。感心してしまった。

 "ハワイ"というコンセプトの基で、屋内のウォータースライダーやハワイアンショーから、屋外のプール&温泉まで、家族連れや家族3世代を狙った健全な娯楽施設として、良くできていると感じた。そして、シルバー世代向けには、 "与一"という、なぜか江戸をテーマにした50mプールのような露天風呂まである。ショーのポリネシアンダンスでのファイアダンスもスリル満点である。ウォータースライダーも暗闇を走るスリルが新鮮。

 人間の健全な欲望を、東北で可能な範囲で、でも素直に実現していったという広大な施設。身体を動かせるし、待ち時間もmax20分くらいだったし、ある意味でディズニーランドよりも娯楽として良いかも。素直に凄いと思いました。温泉は硫黄の香りが心に残りました。

(2006/3/27(月))

   


●宮城県:

★★★★★ 湯ノ倉温泉

 秘湯の味わいを残す静かな静かな温泉である。ランプの宿

 鎌倉から東北自動車道を爆走。ついに宮城県に入る。13:00に築館インターでおり、温泉に向かう。途中からダートの林道に入り、川沿いに車を置き、20分ハイキングをする。おお、やっと宿の赤い屋根が川沿いに見えてくる。チェックインを14:00〜16:30にしてくれというのも理解できる。それより遅いと、電気の無い林道とハイキングで、迷子になるぞ。

山道を歩くと、まるで南極昭和基地の如く(?)、犬3匹が迎えてくれる。

 部屋に入るとランプが既に灯っている。特有のオイルの匂いがどこか懐かしく感じる。窓にもカーテンは無い。テレビも無い。携帯も圏外。ということで、自然のままの時間を過ごすことになる。

まだ明るいので、さっそくお風呂に行くとするか。男性は隠す隠さないは自由。女性は水着不可で、バスタオルを巻いての入浴となる。河原を歩き、途中の小屋に男女別の更衣室がある。そこで着替え、タオルを腰に巻いて、河原を歩き、川の横の湯船へ。4m×10m位の湯船である。既にどこかの夫婦が入っているが、仲良く並びながらゆったりとしたものだ。混浴でも夫婦水入らずでゆったりと過ごせるのはゆとりがあって素敵だ。

温泉は無色透明。途中で夫婦も出て行ったので、貸切状態となる。湯船から、横の川に足を浸してみると、これは冷たく気持ちよい。川には釣りをしている子どもが一人いるだけなので、好きな場所に立ったり座ったりの自由な時間を過ごせる。森林浴と渓流が作り出すマイナスイオンと、そして温泉というのは最高ですな。夕方以降は、日帰りの人もいないので、実にゆったりとすいている。

 さて、夕食時よりランプ一つで、夜もランプ一つ ゆらゆら揺れる炎と共に時を過ごす。

以前勘九朗が、昔の吉原再現ということで、蝋燭で食事をし遊んだ時に、着物の派手な色も蝋燭の光では普通に美しく見える事を発見したと語っていたが、ランプの光もおつなもの。昔々の生活や色使いに想いを馳せる。というわけで独自の思索の時間がゆっくりと流れていくのでした。

   

 


●青森県:

★★★★★ 酸ヶ湯温泉

 この超酸性の湯質と木のぬくもりが身体を中から温める。

 十和田湖を抜け、奥入瀬渓流でフィトンチッドを吸い込み、八甲田山を横目で見て、そして硫黄臭漂う酢ヶ湯温泉へ。大きな山小屋が三棟建っている。大きい駐車場があり、夕方人で賑わっていたが、午後五時からは小さい方の玉の湯も宿泊者専用となり、徐々に静かさを醸し出す。

旅館に入ると、フロントで受付け、荷物を部屋まで運んでくれる。木造りの雰囲気といい、山の中の富士屋ホテルといった所か。

壁に大きく千人風呂で男女・日本人から外人まで仲良く湯につかっているJR東日本のポスターが誇らしげに飾ってある。冬も開業し始めたのは、昭和58年からとのこと。そして、湯治のお客さん向けの太文字での案内が揮っている。十日いれば万病に効果あり。宿の人に聞くと、1週間位滞在する人は多いが、中には一ヶ月という人もいるらしい。

"国民温泉"(私はこの制度を知らないが・・・!?)の指定第一号であるそうだし、ここでは自炊も可能だそうなので、湯治には最適であろう。

(なお、寝袋を持ってきても、宿代は安くならないそうです・・・こんなことが案内に書いてあるのが凄い・・・笑)

 さて、食事の後は千人風呂を訪れる。入り口が男女に分かれ、はっぴを着たおじさんがおり、昔ながらの銭湯のような面構え。脱衣所に入ると、デカデカと"撮影禁止"とありました。止む無くデジカメは置いていく。

湯船の方に進むと、雰囲気のある木造りの武道場の様でした。薄暗くはありますが、総ひば造りで、打たせ湯の音も響き、さすが素晴らしい温泉です。

少々奇異で残念なのは、各浴槽が真中で男女の領域が分かれているということで、四分六分という大きい浴槽に、バレーボールコートの男側に十数人、女側に2名程度と、アンバランスでした。女性には、夜九時〜十時、朝八時〜九時の女性専用時間に行くことをおすすめします。

女性同士、男性同士の旅の人は良いですが、夫婦・カップルが左右に別れて入らざるを得ない点は残念。

湯を口にすると、レモンを口に含んだ時の如く酸っぱい。強烈である。色は乳白色。これは確かに身体に効くだろうし、傷のある人は痛いだろう。この強烈な刺激の湯に、十日入って、ご利益が無ければ、逆にこれは寂しすぎる。大小の湯船で温度が違うところも良いですし、身体を冷ますためのかけ湯はあるし、打たせ湯には頭にかぶるビニール袋は置いてあるし、さすがに長時間、長期間入ることは考えられています。

 帰りにもう一つの男女別の"玉の湯"に寄る。こちらの方はぐっと小ぶりで、三メートル四方の湯船が一つ。でも、洗い場があります。

千人風呂であるが、結局 夕食後、朝四時半、朝六時半と三回入ってしまいました。四時半には、人も少なく、湯煙の向こうではおばさん達が五名くらい入っており、男女ほぼ同数が湯船におり、一番良い雰囲気でした。そして、朝の光が差し込んだ風呂場は、これはまた美しく柔らかい雰囲気でよかったです。

 心に残る温泉をあとに、さらに北へ向かうのであった。

  


●北海道:

★★★★★ 豊平峡温泉


 前から行きたかった”源泉かけ流し”の豊平峡温泉へ。

 札幌で半日時間があり、やはり定山渓温泉かなっと思ったが、はたと豊平峡温泉を思い出し、詳しく調べる。源泉かけ流しというと、そして”豊平峡”というと豊平峡ダムの山の奥のイメージがあったが・・・。実は定山渓からもすぐ近く、札幌の街からまさに近い。そして、この秘湯の雰囲気!

 まず、定山渓のパワースポットと言われる”岩戸観音堂”へ。観音堂の地下におりると、地下水がポタポタと落ち、ひやりとする風が流れる中で、33体の観音様が迎えてくれる。自然と厳かな気持ちにさせてくれる。受験、健康、恋愛、結婚など様々な観音様がおられるので、お願いごとを色々とする。

 そして、再度 国道230号線にもどり、定山渓の交差点を左折すると、いよいよ豊平峡へ向かう。

 豊平峡温泉の外観は・・・ワイルドなこだわりの外観。こだわりのホームページ同様、昔ながらの温泉の匂いがぷんぷんする。入口を入ると、なぜかインド料理店とインド人シェフが迎えてくれる。(苦笑)

 温泉は、男女入れ替え制とのことで、この日は男性は”無意根の湯”。内ぶろには、何層にも重なった温泉のもとで、綺麗な流線形の模様が床に描かれている。そして露天風呂は、解放感溢れ、野趣に富む広い温泉。いやぁ、北海道の山の中に来た・・・という雰囲気。

 ”薄めず、沸かさず、循環させず、源泉100%”というお湯を楽しむ。

 温泉の出口にある 飲用用の湯も、ちょっと癖があり、たくさんは飲めないが、胃腸に良さそう。

 宿泊施設が無いのが残念だが、これからは札幌で温泉に入るときには、豊平峡で決まり。街から40分という、こんなに近くに、こんなに良い温泉がある札幌市民を羨ましく思った一日であった。 (2010/8/15 訪問。結構人はいたが、広いので苦にならず)


  



★★★★☆ 長沼温泉

北海道の温泉検索に便利なサイトを見つけた。”温泉 北海道”。北海道新聞の読者の票で決まるらしい。

その中から札幌から近い温泉で、以前 訪ねた定山渓方面以外から探す。
”長沼温泉”に行こう。ということで、札幌から破綻して有名になった夕張方面に車を走らせる。
源泉かけ流し”という文字に惹かれる。
町の町民館が大きくなったような建物。湯船は露天風呂1つに、屋内に6つほど。
露天風呂は、柵から顔を出すと白い雪景色が見える。つかりながら見られないのが残念。
でも、確かにお湯はかけ流しで、湯船からとうとうと外に流れ出ている。
その感じが少しゴージャス(苦笑)。お湯は舐めると意外に塩辛い。肌に良さそう。頭寒足熱が心地よい。

次に札幌を訪れることがあれば、やはり源泉かけ流しを、積極的にアピールしている”豊平峡温泉”を訪れたい。
まさに”安心してありのままの自然に触れる”感じは、病み付きになりそう。(2008/1/1訪問 結構賑わう) 
 


番外:★★★★★ JR ひらふ駅の”駅の宿 ひらふ”

 ”日本で唯一 駅の上にある民宿”ということで、ニセコ比羅夫駅に泊まる。
最近はJRの戦略で、東京駅のステーションホテルや、大阪駅にあるようなグランヴィアシリーズの駅の上のホテルもあるが、駅の上にある民宿とは如何に!? そして、”丸太風呂”とは何だ!?ということで、ニセコスキー場を訪れた際に一泊。

これは、凄い!

丸太風呂は石炭で沸かし、民宿の食事をする居間のストーブは薪ストーブ
ひらふ駅は、今は無人駅なので、食事をするのは昔の駅長室で、まさに駅舎の2階に宿泊施設がある。
夕食を食べていると、列車から食事風景が丸見えだ。
夏には、駅のホームでバーベキューをするらしい。まさに列車の客に見せつけながら食事をするとのこと。(でも、地元の人は、そんな風景を見慣れているらしいが・・・苦笑)

丸太風呂は、石炭加熱なので、温まるのが強力である。丸太風呂の小屋は、ランプで照らされている。味わい深し。お湯も、丸太の木屑のせいか、石炭のせいか、少し柔らかい感じがする。

40年前の生活にタイムスリップをしたような時間。しかし、意外に温かさと豊かさを感じる時間。

是非、機会があれば試すべし。 楽天トラベルからも予約可能なり。 (2007/12/29宿泊 他に8名程)

  ←丸太風呂のランプ



★★★★★ ニセコ湯本温泉 ちせの湯

 巨大施設定山渓ビューホテルから、いきなり対極にある雪に閉ざされた宿泊客2組の宿へ。

まずカーナビに従い走っていたら、夕刻あと宿まで20分位のところで、"冬季閉鎖"の文字が・・・。いきなり道を閉ざす鉄柵に、陽も落ちた頃に呆然と立ちすくむ。(今では笑えますが、その場では顔に焦りの縦線が・・・)ニセコのスキー場を迂回し、50分後になんとか宿に着いた。

 宿の周囲に、既に硫黄の温泉らしい匂いが広がる。

 夕食が素朴だけれども、美味かった。バイキングで好きなものをとっても、どうしてもどこか落ち着かないが、口の中でうまみが染み出る椎茸とフキとゼンマイの煮物。一口 口に含んだだけで幸せと暖かさが広がる。

 食後、温泉に向かう。内湯を通り越して、露天風呂に。取っ手の壊れた外へのドアを押すと、くー、粉雪が舞っており寒い・・・。湯船に飛び込むと、程よい湯温。たまに、身体を冷やす為に上半身をお湯から出すと、背中に粉雪が次々に舞い落ちる。まさに頭寒足熱で、長く落ち着いて浸かれる。口にお湯を含むと、豊かでふっくらとした温泉らしい味わいと、仄かな酸味を感じる。

 翌朝再度露天風呂に入る。白というよりも泥色の温泉。周りには2メートルはあろうかという雪の壁。遠くにはスキー場のリフトが見える。女湯と細いクビレでつながっているのも、情趣がある。深々と降る雪の中で、いつまでも夢のように霞んだ雪の森を眺めていたのであった。

 *宿の隣のチセヌプリスキー場に行ったのだが、一本しか無いリフトのおじさんが、"今日は風が強くて、いつ止まるかわからないから、別のスキー場に行ったほうがいいよ・・・"と教えてくれたのも、商売っ気が全く無く、仄々(ほのぼの)としておりました。

SAMPの"世界に一つだけの花"ではないが、"ナンバーワンよりもオンリーワンの快楽"でありました。

 (2003.3.27 お客は2組

   



★☆☆☆☆ or ★★★★★(判定不能) 水無海浜温泉

 坂東三津五郎さんお勧めの、こんぶと一緒に入る温泉。

 津軽海峡をフェリーで渡る。ついに北海道へ。函館から海岸沿いを走る。別に観光地でないので、食事をする所すら出てこない。

前に昭和新山を大きくしたような剥き出しの山、活火山である恵山(えさん)が見えてくる。そしていよいよ"椴法華(とどほっけ)"村へ。地名でこれほどインパクトのある所も珍しい。トドとホッケの姿が脳裏に浮かぶ(笑)。

さて、ここは地の果てかという断崖を目前にして、水無海浜温泉の看板あり。温泉は・・・というと、湯船が五つ中三つは完全に海の中に水没している。

かろうじて二つだけが、波をかぶりながらも見える。ううむ、満潮と干潮を意識せねばならなかったか。
近づくと、一つの湯船が三.五メートル×二メートルにコンクリートで区切られているが、底にはごろた石の間から昆布や海藻がゆらゆらと揺れている。

そこを覗いていると、いきなる波を頭からかぶってしまった。

なぜ三津五郎さんがここを朝日新聞で推薦していたかはわからない。彼の端整でちょっと色気のある不良の如くの雰囲気からは、想像もつかない。ここを推薦したのは、彼の離婚に続く汚点か、それとも度量の大きさか。

単にコンクリートの箱が五つ並ぶだけなので、男女も混浴も無いが、ええい、ままよっと生まれたままの姿になり、一番手前の湯船の中へ。というか、昆布の中へ。確かにぬるい。すくなくとも押し寄せる波の冷たさに比べれば、どこからか温かいお湯が沸いているのであろう。昆布も一緒なので、温泉&海藻のミネラル分が身体に吸収されるのか!?

 ちなみに、後から見に来た人は、昨日の夜入ったそうであるが、その時には干潮で随分と暖かかったそうである。

 普通の温泉好きにはお勧めできないが、是非チャレンジ精神の旺盛な秘湯ファンには訪れて味わってほしい際物温泉である。

   


★★★★★ 二股ラジウム温泉

 深い緑の中、湯の華豊かな効能ありそうな強烈な温泉。

 ガイドブックによると、UFOに似た銀色の建物であるとか、家族やカップルには勧めないが通には合うとか、お湯の効能は道内一であろうとか、の言葉に期待が高まる。

 大沼に泊まり長万部からニセコに行く間に国道五号線を左手に折れ、さらに七キロ入る。北海道はさすがに公共事業投資がされていて、こんな山奥まで雪よけ付のりっぱな道路が通じている。

 さて、実際に着くと意外に立派な二階建ての建物。木の切り株を使った入り口の看板も新しく誇らしげだ。右手に緑色のトタン作りのほったて二階建てが見えるが、これが昔の建物か。入湯料も、ガイドブックの500円から1000円に上がっているぞ。さて真新しい建物に入ると、どんどん地下に階段が下っていく。地下へ四階分くらい階段を下っていく。脱衣所もいたって健康的。あれっ、男子の脱衣所の横に、女子更衣室からの通路がついており、女の子の声がするぞ。なるほど大浴場の入り口が一つで、そこに男性だけではなく、女性からも廊下でつながっている。でも、女性専用お風呂もあるので、ご安心を。浴場に入っていくと、室内の浴場、露天風呂、そしてなんと五メートル×十五メートル位の温泉がある。まず露天風呂に入る。新緑の濃い緑と湯の華が固まったクリームチョコレート色の対比が鮮やかだ。

これほど鮮やかで爽やかな緑は印象的だ。

 温泉の湯は、湯の華の粉の様なものが六ミリ間隔位で浮かんでいる。色も薄茶色にほんのりと赤みが入っているような色。今年できたという新しい建物であるが、既に木の湯船に幾層にも湯の華が溜まっており、元々の木が見えない状態である。このような色と質の湯は見るのが始めてであり、効能ありそうである。プールでは水着を着てゆったりと泳いでいる女性の方もいた。

なお、パンフレットには、「2週間以上泊まって良くならない場合は全額返額します」とあり、ガンから椎間板ヘルニアから糖尿病から直った体験談の載っている。そうそう、東京の営団線に、三和・ファイナンスという所の宣伝になぜか、ここの二股ラジウム温泉は会員割引ありと書いてあるゾ。怪しい(笑)。

秘湯という雰囲気は新しい建物で失われているが、泉質、露天風呂からの森林浴などの面では、是非もう一度訪れたい温泉である。

  


 

★★★★☆ ニセコ五色温泉

高山植物に囲まれたワイルドな温泉

 長万部で名物の蟹弁当を食べ、二股ラジウム温泉に入り、昆布温泉側よりニセコに入る。五色温泉の看板で駐車場に入ると、もう硫黄の匂いが漂う。脇には小さな地獄谷が見える。ここもウッディではあるが新しい建物。露天風呂は二つ。どちらも男女きちんと別れている。新しい建物にある大浴場は、木造りの清潔な露天風呂あり。夜に入ったので景色が見えぬ。が、晴れていればニセコアンヌプリの姿が見えるか。お楽しみはもう一つの"からまつの木の湯"の方。こちらは古くからある露天風呂をそのまま残したのであろう。

 荒削りの岩も眼前にごろごろし、とにかく露天風呂の前方は湯船とその外は壁も何も遮断するものが無い。いやぁ、熊や鹿や狐がでてきそうなのである。ヒグマが温泉に入ってきてもおかしくない自然との一体感である。高度750メートルと高いので、熊はいないのであろうか。しかし、遮るものの無い視界は素晴らしく雄大である。小奇麗な宿に、昔ながらの露天風呂があり、ハイキングコースも整備されているので、夫婦や家族で泊まるのにはお勧めである。

  

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★★★★★ かんの温泉

 鍾乳洞の中で入るの如くの温泉なり

 北海道の住民に秘湯はどこかを聞き、名前の出たかんの温泉。札幌から日帰りで行くことを決断する。横浜ケンタウロスが一杯のコーヒーを飲むために横浜と神戸間をバイクで往復したという話があるが、私は温泉につかるためだけに結局狩勝峠を越え往復で456キロメートルを高速を使わず一日で走りきりました。

 台風十一号が北海道をかすめ通り過ぎた日の朝札幌を出発。まだまだ曇り空、そして時折雨がぱらつく。トマムスキー場を右手に走り、狩勝峠を越え、新得から然別湖の方へ向かう。然別湖手前を左に入り、十キロのダートを走る。左手に増水した濁流が流れる。こんな道を走っていると、TVで見たスウェーデンの千湖ラリーの様子を思い出す。

さて、やっと目的地に着く。古い木造二階建ての建物の背後に鉄筋の建物。木造の建物が、窓から見える廊下の雑然とした雰囲気が、昔の北大 けいてき寮風(?)でGood。この木造の建物は、昭和二十年完成らしい。まさに風雪を耐え忍んできたのであろう味がある。さて本館ロビーより入り、まず露天風呂の"福禄の湯"へ。露天風呂の浴槽は二つ。一つは二年がかりでイチイの木をくり抜いたもの。すぐ左手に小さな滝が流れており、その絶え間ない水音と、晴れてきてどこまでも青い空、目に鮮やかな緑と、極楽であった。

なぜか蜂が4匹ほどいたので、隣の浴槽に移る。トンボも乱舞していました。天然の鹿も現れるらしい。脱衣所に新聞の切抜きがはっており、どうやら日経新聞に連載されている温泉紹介の松田忠徳さんが2500湯目をここで達成したとのこと。そして、松田さんがここ かんの温泉を名湯として強く推しているとのことである。

 一旦服を着て、館内の他湯を巡る。ちょうど私がいた時間は、"寿老の湯"は女性専用時間でした。小浴場である"弁天の湯"は先客があったのでパス。中浴場である"不動の湯"と"大黒の湯"へ。ここは少々湯が茶色で透明です。30年前の銭湯を彷彿とさせるつくりです。

 さていよいよ大浴場へ。"恵比寿の湯"という打たせ湯、"毘沙門の湯"という大きい浴槽、"布袋の湯"という一人用浴槽の三種類の湯があります。この全てで泉質が異なるというのであるから驚き。大浴場自身は、壁から床から積もった湯の華により、鍾乳洞の中の如くである。毘沙門の湯はクリーム色で、この日の台風一過の太陽を浴び、五色沼の如く美しい色彩であったが、少々熱し。恵比寿の湯は少し高い位置にあり、鍾乳洞を這って登っていき、打たせ湯を味わう。本当に見事なまでの堆積の仕方である。幾襞(ひだ)にも積もっており、その肌色と相まって、人の一部であるようにも見える。そうすると私はミクロ決死隊ですな。布袋の湯は小さいながらもお湯はぬるく良好。

 ということで、家族で泊まるには向いていないが、是非一日時間をかけて温泉三昧をするには最適。宿自身はもう少し整理整頓されても良いと思うが。あと、ここの秘湯を守る!という気合が少々見え過ぎか。とはいえ、泉質、各湯の個性の際立ち、行くまでの大変さなど、極めて優れた温泉であることは間違いない。

帰りは230キロは、全く眠くならず極めて快調に帰られたのも、この湯の効能でしょうか。

  

 


 ●定山渓温泉:

★★★★☆ ”悠久の宿 白糸”

年末年始は、札幌の奥座敷 定山渓で一泊。
札幌国際スキー場でマイナス10度の世界を堪能した後での時間。

定山渓温泉で、 「悠久の宿 白糸」という旅館。

定山渓は、開発が進み、定山渓ビューホテルをはじめとする大きなビルが立ち並ぶ。その中で、国道脇にある二階建てのたたずまい。

宿の親父さんと話をすると、40年ずっと宿をやっているらしいが、定山渓に昔ながらの宿が減ったとのこと。 宿は建て替えたとのことで、ロビーも新しい。 スキーの後に宿に入ったのだが、色々ともてなしてくれる気遣いが嬉しい。 宿泊も、ネット予約や大規模リゾートタイプで画一的でデジタルなものが増えたが、やはり家族的な温かいもてなしは、ヒューマンでアナログで、とても休みの身には嬉しいものだ。

部屋も畳の部屋。昔のスキー旅行なんかにはよく合ったような懐かしさがある。

温泉は、露天風呂、家族風呂、大浴場と3タイプが揃う。

まずは露天風呂から。循環器を使わず、塩素も加えず、”源泉かけ流し”ということで、少々お湯は熱い。
湯船に身体を沈め、口にお湯を含んでみる。 仄かな硫黄臭と、仄かな塩味。上品な味わいか。飲んでよければ、結構 飲めそうな気がする。 露天風呂は、外気は入るが、湯船から夜空が見えないところは残念かな。 でもマイナス10度の世界での、頭寒足熱の世界は、格別である。頭がとても冴えて、何か凄い着想を得られそうな気がする(苦笑)。


大浴場は、プールの様な10m×3m程度の余裕のある浴槽。ゆったりとできる。もうひとつ半円の浴槽もある。

食事は、椅子だが、家族毎の半個室の空間が良い。

ということで、懐かしい家族旅館に、素晴らしい温泉がついている、”今は得難い当たり前さ”が贅沢な旅館であった。
また、来年も訪れたいと思った。  (2006/12/30泊 宿泊客 3組。温泉は貸切状態でした)


★★☆☆☆ 定山渓ビューホテル

 なんと2500名が泊まれ、温泉・プール・スキーと三拍子揃った大衆レジャー施設へ行った。札幌国際スキー場の3キロを越えるような長いゲレンデで汗を流した後に、ホテル内の施設で楽しんだ。

 やはりプールが売り物か。流れるプールが周りを囲み、子供が溺れるんじゃないかという位いやに波が高い幼児用プールの造波プールがあり、塩分が海の10倍という死海プールがあり、ボディボードで人口波を滑れるフローライダーがあり、と充実。そういえば、閉鎖してしまった横浜ワイルドブルーも、リップルウッドに売却された宮崎シーガイアも行ったが、この狭い中に"テンコ盛り感覚""箱庭感覚"が庶民施設には大事か。大いに賑わっておりました。

 温泉の方は、地下一階にドデカイ大浴場と露天風呂があるらしいが、そちらは行かず。とはいえ、大浴場の前にある25メートルの温泉プールも凄い。ここは、プールと温泉の間にあるので、人影はまばら。

 地上16階の最上階にある温泉には行きましたが、こちらの屋内は普通の温泉っぽい。屋上の屋外に行くところに、わざわざ"カメラ、ビデオは持ち込み禁止"とあるので、なぜだろうと思い屋上に上がる。他にはお客さんはいなく、ガラスの向こうに雪山が広がる。身体を洗った後に再度上がると、なんと混浴だった(笑)。

温泉は特に印象が無いが、とにかく度肝を抜く規模と食事は全てバイキングという合理性と、混浴まで、温泉とプールに関して"全てをそろえました・・・どうだ"という資本を最大限に使った大衆の娯楽施設のひとつの完成形だと感じた。 


(2003.3.26 水曜日にもかかわらず食堂は満杯・・・凄い集客力)

  

 

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