December 14, 2003. Sun. 晴れ
兎にも角にも、
ご心配をおかけしてすいませんでした。
え〜、何やら暖かいお励ましの言葉をいただきました方々には、どうもありがとうございました(ぐすん)。
もうちょっとだけ、頑張ってみようかなあ、という気になりました。このお調子者は(^^;。
いや、「閉鎖します」お知らせメール先をピックアップしていたくせして、私ってやつぁ……。
ただし。
作品のアップは、今かかっている論文の原稿が終わってからですので、しばらく間が空きます。ゴメンナサイ。
きちんと本業と趣味の折り合いをつけて、何とかやって行こうと思います。
少なくとも、やっぱりキリリクと連載だけは、終わらせようと思いました。
作品って、たとえこんな趣味の場のものでも、自分が書いたものであって、自分だけのものじゃないんですね〜(しみじみ)。
楽しみにしている方がいらっしゃるうちには、途中で投げるのはマズイなあ、と思いなおした次第です。
いえ、来たのが「とっとと書け」ってなせっつきお手紙ばかりだったら、私はヒネクレ者なんで、かえって書く気をなくしたこと請け合いなんですが……。
現在、論文は「鈴鹿のシケインは根性で曲がる」状態です。
シケインといえば。
自動車教習所で、技能講習初日。
私は、ついうっかり、レースゲーの感覚で、「コーナーをアウト・イン・アウトで刺して」しまい(←もちろん、超低速なので、意味はないんですが)。
……教官に、えっらい怒られました。
良い子のゲーマーのみなさんは、絶対に真似しないようにしてくださいね(いや、普通しないか)。
December 10, 2003. Wed. 晴れ
晴れているのに、
心は真っ暗です……。
ので、感染されたくない方には、以下、お読みにならないことをお薦めいたします。
え〜、このサイトをたたむ件につきましては、もうすでに宣言済みなんですが。
まだキリリクが終わっていないのと、連載が終わっていないのとで、ダラダラ続いちゃってます(すいません)。
サイトの閉鎖宣言は、結婚にともなうものなのか、と聞かれたこともございましたが。
まあ、それもありますね〜。それ「だけ」ではないのですが。
ちなみに、夫には、このサイトをやっているのは、結婚前からばれてますし、内緒にしているってことはないんですが(^^;。
ただ。
「そういう趣味は、きちんと義務を果たしてからにしろ」
が口癖の人でして。
そして。
……小説を書き出すと、基本的に他のことがいっさいできなくなる上、周囲がまったく見えなくなる私には、それは本当に難しいことなんです。
ですから、「書き」に入るには、一定の時間が、どうしても必要です。
何とか、「きちんと仕事や論文の原稿を仕上げつつ、気分転換に小説を書く」ということを続ける正しい大人になりたいと願い、頑張ってまいりましたが。
現在。
疲れてしまいました。
何か義務が果たせないたびに、「そんなホームページを作っているからだ」「小説なんか書いているからだ」と、批難されるからです(いえ、これをやっていてもいなくても、論文が書けないときには書けないので、関係ないとは思うんですけどね(^^;)。
もちろん、きちんと論文を書いたり、仕事をこなしたり、した上でのことならば、問題ないのかもしれません。
しかし、小説と言うのは、「書いている」つもりでも、一定時間、「書かされてしまう」ものでもあります。どうも、その辺のコントロールが効きません。
もちろん、たいしたことを書いているわけではありませんし、自分の文章の下手さ加減にも、ときどき父ちゃんあきれ返って涙が出らあ(←古ッ!)、なわけですが。
「仕事」で、お金をもらって書いているものに関しては(雑文でも、学参でも、翻訳でも)、怒られないんですけどね〜。「仕事」ならば(そういうところは、合理的な人なんですが)。
でも。
……こういった趣味の領域に関しては、本当に、批難がすごいんです。分かりきっていたことなんですが。
まあ、そんなわけで。
もしかしたら、連載を終了できずに、閉鎖となるかもしれません。近々。
キリリクを仕上げられずに終わりそうな気もしてまいりましたので、万一そうなった際には、きちんと謝罪をさせていただこうとは思っております。
こんな状態でも、ぎりぎりのところで、今までダラダラ続けてしまったのは、同好の皆様方の温かい感想や応援のメールのおかげでした。
本当にありがとうございました。
って、まとめに入っていて、申し訳ないんですけどね〜(^^;。
……は〜……。
December 8, 2003. Mon. くもり
小津雑考
今、BSで小津映画の特集をやっているので、毎日楽しみに見ています。
しかし、こうして連作見ていくと、有名どころの「小津調」が効いた作品(「東京物語」とか、「秋日和」とか「秋刀魚の味」とか)以上に、サイレント時代のモダンな作品のすごさに、今更ながらびっくりですね〜。小津監督は、アメリカのコメディ映画好きだったんだな〜、としみじみ考えさせられました。
それから、思うんですが。
小津というと、「古き良き昔の姿が〜云々」とか「美しい日本の美が〜云々」とか、そういった説明でくくられてしまうんですが。
そして、たしかに静かな基調に溢れた美しい映画ばかりなんですが。
でも。
私、小津の映画って、とても恐いと思うんですよ。ときどき、静かな基調の根底に、ディオニソスの破顔一笑を見ます。
ディオニソスと目が合う瞬間。
たとえば。
「晩春」で、嫁ぐことが決まった原節子演じる紀子が、笠智衆演じる父の周吉とが京都を旅行して宿で休むシーン。
嫁ぐのを嫌がっていた紀子と周吉は語り合い、二人は眠り、次のシーンには「静寂」を象徴するかのように、丸い壺が映ります。この壺は、安定と静寂の象徴と解釈されてきました。もう、紀子は嫁ぐことを納得したのだ、と。しかし。
灯りが落ちたその部屋に、壺の向こう、障子の影に、強風に煽られて、ばさばさと荒れる竹が映るんです。
これを見たときには、心臓が止まりそうになりました。静かに、家族の物語に飲み込まれていくかのように見える紀子の中の、言明化できない部分を見たような気がしたからです。
それから、「東京物語」の、同じく「紀子」という名前の戦争未亡人を演じる原節子。
笠智衆演じる義父母を案内して回り、「あんたはいい人だ」と何度も言われ、それを頑迷に、頑ななまでに否定します。それは「謙遜」というよりは、「けんか腰」に。
前にも日記に書きましたが、この、原節子の抱えている闇の深さ。「あたくしずるいんです」と言って泣く、あのシーン。
これほどまでに、人間の業を感じさせてくれるシーンはないように思います。
他にも、小津の映画は、「古き良き家族が〜云々」と表現されていますが、トーキーになってからの作品は、だいたいが、戦死者やら何やら、家族の中に「不在者」を抱えており、しかも必ず家族の解体を基調として含んでいます。
そして、その解体を描いて美しい。だから、恐ろしい。
物語を描き得る人間と言うのは、此岸と彼岸を軽やかに往来でき得るものなのでしょう(ハイデガーなら、先駆的覚悟性と呼ぶのでしょうけれども)。
真実、恐ろしいものというのは、死線上を踊るように美しい。
しかも、一見、とても「普通」に見えるのです。決して、おどろおどろしい「死の匂い」を漂わせることはありません。
そういう作品が書きたいなあ、としみじみ思う、今日この頃です(いえ、おこがましいのは百も承知で(^^;)。
December 4, 2003. Thu. 晴れ
タマシイノサケビ
日々、ゲームをやりすぎることについて、さんざん夫に怒られている私でございます。
しかし。
彼だって、ゲームはやる人なんですよ。
ただし、レースゲーとか、アクションとかシューティングとか、短時間で終わり、かつ運動神経が要るものが好きなんですが(私も嫌いではないんですがね。もともとゲーセン育ちですし(^^;)。
曰く、
「スピード感のないゲームはつまらない」
そうで……。
まあ、超大作RPGなんかだと、「一応やっとくか」みたいな感じで、手を出さないこともないんですけどね(←そういうところは、結構ミーハーなんでしょうか(^^;)。
でも。
私のように。
「メガテン」だの、「サモナイ」だの、「アトリエ」だのと。
……時間や手間や召還やアイテム調合や仲魔の合体などが必要なゲームを、まったりダラダラやるのは、「時間の無駄」らしいです……(涙)。
彼にとって、ゲームは「仕事の合間の気分転換に、短時間やるもの」なので、私のように「ゲームをしながら生活している」ような人間が、「信じられない」そうで……(号泣)。
さらに、問題が一点。
夫はレースゲーなんかをやっているとことろを、私にやたらと見せたがるんですよ。
先日も、疲れてぐだぐだ寝ていたところをたたき起こされ、
「今から俺が最速ラップを刻むから見ろ!」
と、言われ……。
ええ、もう。
……彼が「納得の行く走り」を行うまで、果ては、リプレイまで見せられましたよ……。あなた、それは「一人用ゲームなんだから、一人でやりなさいよ!」と、言いたい気持ちと眠気をこらえつつ……(涙)。しかも、「今のアウト・イン・アウトのラインはキレイだったわね〜」などと、適時ほめないと機嫌が悪くなるので、大変です。疲れました。私がゲームをやっていると怒るくせに〜!
まあ、そんな訳で。
彼のアドレスには、ゲームソフト会社からのダイレクトメールなんかも、来たりするんですよ。
昨日は、彼がパソコンに向かいつつ、言うんです。
「なあ、ボーイズゲームって、何だ?」
「え、どうして?」
「今、セガからのメールで、ボーイズゲーム特集って書いてあった」
「……あ〜……、それはね……」
「何だ、この、腐っ、た……?」
「それはね、腐女子と書いて、『ふじょし』と読むのよ?」
「……どんなジャーゴンなんだ?」
「その、ボーイズゲーの紹介ページについているような類の、ゲームを好む乙女のみなさんのことよ」
「だから、どういうカテゴリーなんだ、それ? ……十八禁アクション恋愛シュミレーション? ……なんだなんだ、この複雑な説明は?」
「ボーイズゲーム、というのはBL、すなわちボーイズラブに属するジャンルで、まあ、どういうゲームかと言うと……あ、そこにゲームの紹介画面があるから、クリックしてみたら?」
「これか? ……う、うわああああああああ〜〜〜〜〜(涙)!」
と、いうわけで。
しばらく、夫の叫び声が、部屋中に響き渡っておりました……。
The world in this trivial DIARY: nothing is new under the sun
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