HOME

August 12, 2003. Tue.
悪役道
世間は、ステキに面白そうなタイトルで溢れていますよね……。
「サモナイ3」に、「パワプロ10」も出たばっかだし、「FF・クリスタルクロニクル」も気になっております。
嗚呼っ!
街中をさ迷い歩くと、サモナイ3のテーマソングが!
私をいざなうの〜〜〜〜〜〜(涙)!
……なんで、本屋の隣はゲーム屋なのっ!
………なんで、文房具屋の向かいはゲーム屋なのっ!!
…………神様のイジワル!!!

と、思ってですね。
走り帰ってきたのですが。
気がつくと。
「信長の野望 蒼天録」にて。
……松永久秀で、三好家から下剋上を狙っている自分に気がつきました。

同じことにて、反省つかまつり候。
然れども。
……松永久秀、素敵に不敵です(^^;。

この武将はですね〜、主な悪事としては。
(1)主君を謀殺しました。
(2)将軍を暗殺しました。
(3)ついでに、大仏を焼きました。

と、素晴らしくワイルドにバイオレンスでスリルとサスペンスな武将です♪
やっぱり悪役は、これくらいじゃなくっちゃいけません☆

何と言うか。
私はですね〜、悪役は、自分よりも格上の相手を、智略で落としていくタイプが好きなんですよ。
同じ悪党でも。たとえば自分に対して歯向かって来ない立場の相手をいびるとか、既得権益を利用してちょろちょろとうまみを吸うとか、あるいは女性、子ども、老人、病人等々に対して暴力をふるうとか、そういった輩は下衆の極みですし、見ていても不愉快なだけなんですけどね〜(あ、考えたら「サモナイ2」のフリップって、この条件を全部満たしてる! ある意味すげえ!!!)。
やっぱり、どうせ冥府魔道に生きるなら、巨大権力機構や強大な権威をサブヴァージョンしてこその、スカッと爽やか悪役道ですよね☆
その意味では、松永久秀。
……ロックです(←意味不明)。

さて。
我が殿松永久秀は、現在周囲の武将に部下を派遣しまくり、友好度を上げまくり、ついでに朝廷におべっかを使いまくっております(←これをやっとかないと、主君を討つとき、「大義名分」がもらえないんですよ)。
徐々に周囲の武将を取り込み、
「い〜い感じじゃぁ☆」
と思っていたら。
三好家の配下である某武将が。
「……わしとともに、立ち上がってくれ!」
と、下剋上をほのめかしてきたのです。

……こんなと〜きどうする〜♪

Q.こんなとき、松永久秀なら、どうするでしょうか?
A.速攻で、三好長慶様にチクりました。

下剋上を目論んでいた武将は、殿に斬られました。
久秀の忠義が殿に通じたようです。おそらく、三好家内での「発言力」も増したことでしょう。

……クックックッ……。
わしの企みにも気づかず、褒美をくれおったわ。何が三好家じゃ……。

そんなわけで。
只今。
謀略道を歩んでおりまする……(^^;。



August 11, 2003. Mon. 晴れ
本日は、
母の命日なのですが。
墓参りに行けそうにもありませんので、とりあえず、黙祷をしておきました。
儒仏混合(要するに、儒教と仏教のハイブリッドということですね。インドの原始仏教では、先祖を崇拝したりしないでしょうし)の信仰形態が普通の日本では、こういうのを親不孝と言うのでしょうか(^^;。
もっとも。母だったら、きっと、「お墓になんか来なくていいから、とっとと自分のやることをやりなさい」と言いそうな気がするのですが……。

少々話は逸れるのですが。
人は通常、幸福なときには、幸福についてあまり考えないような気がします。
同様に、欠落があるときにしか、不全や不在について考えないような気もします。
私は、自分について、別段これと言ってすばらしく幸福でも、逆にとんでもなく不幸でもないような気がするのですが。しかし、家族の中に不在者がいる現実を日常として生きている時間が長いためか、人間の抱えているあらゆることがらの有限性について考えることが、「通常」の思考状態になってしまっているような気がします。
これは、日常的に意識されているというよりは、たとえば、呼吸や脈拍に混じって絶えず共にあるような感覚です。皮膚感覚、と言っても良いでしょう。
どうも、こういう感覚のせいでしょうか。小説の中で、筋立てを大仰に盛り上げるため「だけ」に登場人物を殺すのが、あまり性に合いません(笑)。
物語の筋書きは、通常、生者の論理から書かれているような気がするのですが、私はそうではなく、生や死の彼岸に視点を置き、そこから生者の論理を再認するかたちでお話を書こうとする傾向があります(だからきっと、ある部分、分かりづらいんでしょうね……)。
理屈っぽいお話でどうも申し訳ありませんが(^^;。
みなさま、どうぞ良いお盆休みを。



August 8, 2003. Fri. 晴れ
昨日は、
甲子園初日だったわけですが。
……大変にびっくりするものを見ました。
最終戦の、必由館(熊本)VS光星学院(青森)でのことです(っていうか、それしか見られなかったんですが(^^;)。
青森の光星学院といえば、毎年青森山田高校(そういえば、ここの中等部に、卓球少女の愛ちゃんが入学しましたね)と覇を争っている高校で、ここ最近、甲子園では見慣れた学校です。
これに対して、必由館……。初めて聞いたなあ?
熊本県といえば、現西武のベテラン捕手、伊東選手や、元ダイエーの秋山選手の出身地でもあり、九州学院だの、熊本工業だのと強豪揃いで野球の強い県ですよね。
それが。
そんな強豪を倒して、市立高校が出場して来たと聞き、私は少々興味深く見ていたんですよ。

表の光星学院は、まあ、常連だけあって、まずまずの滑り出しでした。
しかし、裏に入って、必由館の攻撃。

……そのとき、信じられないものが〜〜〜〜!!!

と、言うのも大げさなんですが(笑)。
ちょっと、見慣れぬものを見てしまいました。
1番バッターは、いきなりバスター(バントの構えからヒッティングすることです)で。
「なるほど、盗塁数が多い学校だって言うから、セーフティバントか、あるいはバスターか……? やるわね、あの『善の研究』でも書きそうな顔をした監督(←と、思っていたら、本当にお名前が西田監督とおっしゃるそうで……ゴメンナサイ、しばらく笑ってしまいました(^^;)」
と、思ってですね。感心して見ていたら、続く2番バッターも、バスターだったんですよ。
私は、
「……さすがは加藤清正や宮本武蔵ゆかりの剣豪の国、熊本県ね(←すいません、武将好きなもので、つい、県のイメージ=そこのゆかりの武将なんです、私)。すごい構えから打ってくるわね、1、2番とも…」
と思い、そこまでは、まあ、普通に見ていたんですよ。
でも。
続く3番バッター、バスター。
何と4番バッターも、バスター。
さらに5番バッター、バスター。
6番も、バスター。
7番、バスター。
8番は、まあ、ここまで来ると普通かもしれないですが、バスター。
9番の投手も、それは普通かもしれませんが、バスター。

バスター、バスター、バスター、バスター、バスター、バスター、バスター……。

一死でもバスター。二死でもバスター。
……普通、ここでだったら、まともにヒッティングじゃないかな、と思うところでもバスター。
3塁に走者がいるときは、スクイズなんだかヒッティングだかもよく分かりません、とにかく、バスター。
どんな場面でも、どんな局面を迎えても、とにかく、バスター。

……初めて見ましたよ、こんな。
………「全員バスター打法野球」(笑)。

こ、これに……、九州学院だの、熊本工業だのといった強豪校は、幻惑されて敗退したのね……!?

や〜、びっくりしました。
こんな、キャラの立った高校は初めて見ましたよ、ホント。
「パワプロ」に出てくる学校なみにキャラが立ってました。ちょっと、ファンになりましたもの(^^;。

この、「全員バスター打法野球」に。
さすがの甲子園常連校、光星学院も調子が狂うのか(バスター打法って、キャッチャーミットの前でバットをひねひねしているんで……投手も投げづらそうでした(^^;)。
最初のうち、8割(!)バッターの日向端君の当たりなんかも、第一打席、第二打席ともに内野手の正面をついてしまったこともあって、何と、必由館は、3対1で勝っていたんですよ。
まあ、試合は結局、7回になって光星学院が当たりだし、逆転勝ちしてしまったんですけどね(^^;。
ちょっと、残念でした。見たかったですよ、PL学園VS必由館とか……(笑)。

追記
皆様はもう、「サモナイ3」をやっていらっしゃるのでしょうか?
私は買いそびれました(涙)。
悲しいので、久々に公式ページ訪れてデモムービーを見たら。
……かかっていた音楽が。

……こ、このギター、このカッティング!
………ジョニー・マーみてぇ(‘Heaven knows I'm miserable now’みたい……)!!!

アルペジオだのカッティングだのが、ジョニー・マー入ったギターを聴くと。
つい。
聴き入ってしまいます……(ロック系文学少女上がりなもので(^^;)。

いかん。やりたい熱高まってきました、「サモナイ3」(笑)。



August 7, 2003. Thu. くもり
スタイルの革新がもはや不可能になってしまった世界では、残されているのは死せるスタイルを真似ること(H.フォスター)
本日は、「サモナイ3」の発売日なんですよね〜。
でも。
……予約しそこねましたし。
………きっと買えないんでしょうね〜(遠い目)。

ところで。
研究室の兄弟子の一人が、先日深刻な顔で。
「……この学生のレポート、落とそうと思う……」
と、自分が受け持っている授業のレポートを見ながらおっしゃるのですよ。
「え!? ……そんなにひどいのが、いたんですか?」
と私が尋ねると、学兄は、非常に不愉快そうな顔をなさいました。

え〜、ちなみに。
この方のその授業レポートは。
「てにをはが完全に狂っている」
とか。
「カタカナが間違っている」
とか。
「……せめて平仮名くらい、間違えずに書け……(←採点しつつ、震えながら、おっしゃってます)!!!」
とか。
……傍から見ていて、採点期間は、いろいろ、大変な感じだったのですが……。
しかし。
「一生懸命書いている跡があれば、日本語が変でも、論旨が変でも、一応『可』は与える」
という、ですね。
結構、救済的な授業でもあったんですよ……。
それが。
なぜ!?

と思って聞くと、
学兄は、非常につらそうにおっしゃいました。
「ウェブサイト上に掲載されていた某論文と、一語一句変わらずにコピーして来た。……これは、落としたほうが、本人のためだろう。こんなことが通用しちゃいかん。こいつの今後の人生にも悪影響を与える。……おまえ、どう思う?」
と言われ。
私は。
……そ〜っすね〜、そりゃ、仕方ないですね……(フカイタメイキ)。
と、申し上げるしかありませんでした。

蛇足ながら、学部生のみなさまに申し上げますと。
単位って、落とされるほうはもちろん、ショックでしょうけれども。
……落とすほうも、胃が痛いんですよね……(何せ、それで卒業できなかったら、その学生さんの人生設計に影響を及ぼすと思うと……)。
以前も書きましたけれども。
「参照」はいいんですよ、資料は。それって、当然のことですから。でも。 ……完全コピーはいけません……(涙)。

まあ、ちょっと話はそれますが。こういうコピーとオリジナルの区別のつかないパスティッシュ・ポストモダンな社会に暮らしていると、コピーに対する罪悪感も減るんでしょうかね〜。
もっと言えば、たしかに世は経済主義時代です。
社会に出て、モノを売る立場に立ったら。
たとえ他社オリジナルの商品そのままのパクリであっても、売れれば、それでいいのかもしれません。
でも。
……完全なコピーを、あたかも自分の発案のようにして平気な神経って、何だかおかしくないですか(まあ、それから何かが一個売れると、雨後の筍のように、亜流品が出てきて、挙句にオリジナルが駆逐されてしまうような現象も(^^;)?
「本歌取り」って、「文化」ですけどね〜、パクりは、「犯罪」なんですから。
……その違いを知るのが、「教養」だったりするんですけどね〜(しみじみ)。
嗚呼。
そういう種類の教養が感じられるような企業だったら、安心してそこの製品も買えるんですけどね〜。



August 6, 2003. Wed. くもり
昨日、
東京は凄まじい豪雨でした。
私は自転車で出かけていたのですが、帰りに大雨に遭いまして、駐輪場が洪水状態で大変でした。
……何て言うか。
最近、夏場の雨って、当たると痛くありませんか、大粒でしかも勢いがあって(涙)?
まあ、しかし。
その大雨に打たれながらも、私は。

「……この東京上空の雲から落ちる同じ雨に、ラウル(←レアルというと、最早生え抜きスター選手は、ラウルしかいないような気がして、やはり真っ先に浮かんでしまいます…。昔はもっとあどけない顔をしていたのに、最近苦労が顔に滲んできているように見えるのは、気のせいでしょうか(^^;?)も、フィーゴも、ロナウドも、ベッカムも降られているのね! ……よしっ(←意味不明な気合入れです、すいません)!」

等と、ブツブツ言いながら、自転車を漕いでおりました……。
こうして書いてみると、滅茶苦茶なスターチームですね〜、レアル・マドリードってば……。もはや、「世界代表」ってな感じです。
日本のワイドショーは、連日ベッカム、ベッカムですが。
……他にもせっかくキラ星のようなスターがごろごろいるのに、ベッカム偏重報道ばかりなのは、ちょっと……逆にサッカー好きな人に失礼な報道なのでは、と、つい、思ったりして…(何でこう、一斉に流行りものをとり上げては、急速に冷めたり、下手するとバッシングしたりするんでしょうね〜、日本のマスメディアって…(^^;)。

そういえば。
私の友人で、プレミアリーグ好きで、しかも長年マンチェスターUを応援していたヤツは、
「……まさかベッカムがレアルに行くとはね〜」
と、しみじみ言っておりました。
凄まじい移籍模様ですよね〜、ユーロサッカーは……。



August 4, 2003. Mon. 晴れ
或るゲーマーの主張
ようやく、エクストラダンジョンをクリアしました、「グランディア エクストリーム」です。
以下に、感想を書きますが、激しくネタバレておりますので、どうぞご注意を(^^;。
ちょっと、行間を空けておきますので。







え〜。
現在。
大変なショックを受けております。
理由は、以下に……。

このエクストラダンジョンは、「地下100階まである」という噂は聞いていたのですが、それ以外の情報は、いっさい入れてはおりませんでした。
すべて、自力での探索です。
ついでに。
マナエッグ合成法も、自力で開発した「合成表」を元に、頑張って参りました。
ほとんどのマナエッグ(「グランディア」シリーズのミソです。魔法もMPもこのエッグに付加されていて、強いマナエッグを「合成」して作り出さないと、強い魔法が使えないんです)はMP300を越え、主人公たちのレベルも70以上!

それもこれも。
エクストラダンジョンのボスが、最高度に強力であろうことを予期しての、準備だったんです。
パーティのメンバーも工夫しました。
物理攻撃系、魔法攻撃系、それに補助魔法系をバランス良く配し、物理攻撃系キャラにはクリティカル攻撃が三連続ヒットするスキルをつけ、連打につぐ連打! おまけに合体技や必殺技でフィニッシュを決めまくり、経験値を稼ぎ倒しました。
それもこれも。
エクストラダンジョンのボスが、激しく強まった敵であろうことを予期しての、準備だったんです。
地下90階を過ぎたあたりから、極度に強くなってきたザコ敵に、私はドキドキいたしておりました。
何せ。
ザコのくせして、「デズン」(即死全体魔法です)を撃ってくる敵も大量発生。
このゲームは、ですね。
中ボス〜ラスボスに至るまで、ボスが妙に強かったんですよ(涙)。中ボスの中には、一時間半戦った相手もおりました。
そんなゲームで。
……エクストラダンジョン、最深部地下100階に潜伏しているラスボスなわけです。
これは……!
もう、ラスボスよりは格段に強くて当たり前。
最低でも三段階変化は見せるような最強のボス、あるいは、前哨戦として(ありがちなことですが)「今までの中ボス〜ラスボス」が、強化されて次々と襲い来るような事態も、われわれを待ち受けているに違いない、と。
……武者震いをしておりました。
そして!
周到な準備に次ぐ準備を重ね。
ついに。
……たどり着いたダンジョン地下100階!

しかし。
その後。
信じられないことが〜〜〜〜〜!!!!!

…………。

えっと。
……いませんでした。
何ていうか。
エクストラダンジョンに、ですね。
ラスボスが、いなかったんです……(ラスボスの心のカケラが落ちていただけでした……)。

……るーるるーるるるる〜(いーまはー、もうあき〜)♪
………るーるるーるるるるる〜(だーれもーいないうみ〜)♪

の、メロディが。
私の頭の中を、ぐるぐるぐるぐる、ハミングで通り過ぎて行きました。

「なぜラスボスがいないのか。そしてむしろいるのではないのか?」
そんな存在論的な問いが。
私の頭の中を、通り過ぎて行きました。

現在、私は大変な虚脱感に見舞われています。
どうすれば、この心の隙間を埋めることができるんでしょうか?
これは、「ゲームなんかやってないで、とっとと現実に帰れ」ってなメッセージなんでしょうか?
……あ、ちょっと関係ないですけど、ゲームで「ゲームなんかもうやめろ」ってな含みの、メッセージ風味的エンディングを見ると、ですね。
まあ、それがすべて悪いとは言いませんし、映画で言ったらヌーヴェルバーグとか、演劇で言ったらブレヒトの叙事詩的演劇論における異化効果とか、そういうのを狙っているのかな〜、と思わなくもないんですが。
でも。
……何だかそこに、一抹の、「風俗嬢に偉そうに説教を垂れるオヤジ客」的な欺瞞臭(って、意味不明な例えですいませんが(^^;)を感じ取ってしまうのは、私だけなんでしょうか?
テレビアニメなんかと違って、ゲームって、コンシューマーが直接お金を出してソフトを買ってるわけですし。そのお客様にソフトを売っておいて、「ゲームやるな」ってなメッセージ風味ってのは、どうかな〜、と……。
それに、ゲームの中でそんなことを言われなくったって、エンディングのスタッフロールが流れたら、その後ゲーマーは、再び、否が応でも現実に帰って行かなくっちゃならないわけですし。
さらに言うならば。ゲームを批判して、「ゲームのやりすぎで、現実世界と仮想世界の区別がつかない子どもが増えた」云々という批判を、耳タコに聞くわけですが(私にとっては、リアルもヴァーチャルもなく、そこにはただ、「ゲームをやっている私という現実」があるだけのような気がするんですが……(^^;)。
しかし、その議論には、大きな前提問題が欠落している気がするんですよね。
それは何かというと。
「現実」とは、何か?
「仮想」とは、何か?
という、命題への回答です。
……これらに何らかの定義を与えずして、印象批判だけしたって、問題を検討したことにはならないのではないか、と私は思うのですよ。

まあ、これって簡単に解答が出せる問題じゃないんですけどね……。つきつめると、大変に難しい問題だと思います。
人は、現実の環境にそのまま適応しているのではなく、頭の中の「擬似環境」に適応しているのにすぎない、と最初に指摘したのはリップマンですが、彼はすでに1920年代からそんなことを言っているわけですしね。
だいたい。
今日の世界認識の、基本的な基盤となっている科学的な知だって、ある意味ではヴァーチャルなものだと私は思います。
たとえば。
地球が太陽の周りを公転し、地球自身だって自転している、という事実を、現在ではほとんどの人が「知って」いるわけですが。
しかし、それを「経験」として見ることができるのは、宇宙飛行士のようなごくごく一部の人だけですし。
大多数の人々の「日常」においては、太陽は東から昇って、西に沈んでいくわけですよね(この辺を哲学的に切り込んで行こうとすると、現象学になるわけですが)。
もっと言えば、今日の社会においては、「法律」というメディアによって統御される公的な世界にしろ、「貨幣」というメディアによって統御される市場にしろ、目に見え、手に触れられるわけではありませんよね。
……六法全書を読むことができる、とか、貨幣を手にとって使用することができる、といった事柄とは言っている次元が違いますので、ご注意を(^^;。
たしかに、技術の進展によって、技術環境も目覚しく変わっているし、コミュニケーションの形態も変わっているし、それにともなってコミュニティもリアリティも変わってきている昨今ですが。
目新しく見えるものだけをスケープゴートにしているだけでは、創造的な批判って、できないと思うんですけどね……(もっとも、創造的な批判よりも、単純な溜飲下げのほうが、多くの人に好まれる傾向があるのは否めませんが(^^;)。

閑話休題。
まあ、そんなことはともかく。
この、準備しまくった想定エクストラダンジョンボスへの備えを、いったいどうすればいいんでしょうか(涙)?

神様。
……これは、何の罰ですか……(号泣)?



August 3, 2003. Sun. くもり
役立ったら、
いいんですけどね(^^;。

え〜、夏休み、ですよね。学生のみなさんは。
私も一応学生なんですが、最早学生とは呼べぬ学生なので……(万年就職活動状態の、博士後期課程生です……職を求めて今日もまた…)。
先輩たちは、既に大学院に学籍を残しつつ(博士論文を書く関係です)、他大学の非常勤講師等になられている方も多々いらっしゃる訳で。
夏休みって、学生の皆様は、通常レポートを終えると、さぁって、遊ぶぞ〜!ってな感じなのでしょうが。
私の周囲は。
……今時期、そのレポートの採点に追われて忙しい方が多いです。

兄弟子たちが、ブツブツ言いながら学部生さんたちの採点をしているのを見つつ。
ちょっち、レポートを書く際のポイントなどを、書いてみたくなりました(^^;。
もちろん、要領が分かっている方には、馬の耳に念仏、ご容赦を。

・ポイントその1
講義の内容の方向性から、それたことを書いてはいけない!

はっきり言って、これをしてしまうと。先生によっては。
逆鱗に触れます(涙)。

まあ、「裁量点」として、「一生懸命書いているから、可くらいはやっとくか?」くらいの先生もいらっしゃいますが、基本的に評判は悪いと思って間違いありません(つまり、優はもらえないこと確実です)。
同じテーマを扱っている授業でも、ですね。
先生によって、立場は違うわけなんですよ。
たとえば、昨今言われる「グローバリゼーション」なんてテーマでもですね。
その肯定的な側面を評価する先生と、批判的な立場の先生では、全然立場が違うわけですよね。
で。
このケースでも最悪なのが、「その先生の批判している立場の他の先生の論文を参考にして、レポートを書いてしまう」というヤツでして……。
まあ。
これやっちゃうと。

……その先生が読んだ瞬間、ゴミ箱行きも覚悟しなくっちゃ、いけません(涙)。

でも、結構、いるんですよね〜、これが……。いや、ホント、傍から見ていても、おろおろしてしまいます(そういうレポートを読んだ後の兄弟子たちの機嫌の悪いことと言ったら…)。

あの。
学者ってのは、ですね。
基本的に、教え子に自分の言ったことがきちんと伝わるって言うのが、とってもとっても嬉しい人種なんです。どんな表面的なリップサービスよりも、自分の学説を、「理解」してもらえることに、何よりの喜びを覚える人種なんですよ、大抵は(「情」よりも「論理」が大好きな人が多いですから)。
ですから。
媚を売ったりする必要は全然ありませんから、ぜひぜひ、その先生の著書なり、講義なりが言っている方向性をつかんだ上で、レポートを書いていただきたいな〜、と思うんですよね……。
もちろん。
それが簡単にできりゃ、苦労しないよ〜!
という声もありそうなんですけどね……。
しかし、研究者の論文ではないわけですから。
「理解しようと言う心構え」があるだけで、学部生さんのレポートだったらまったくもってOKです!
どうぞ、これだけは、外さないで下さいね(^^;。

・ポイントその2
コピペの跡が、あからさまに見えるものを書いてはいけない!

まあ、世はネット時代です。
結構、いらっしゃるんですよね、こういうレポートを書く方が……。
しかし。
考えても見てください。採点をする先生は、「その分野のプロ」です。
当然、検索で引っかかる程度のその分野の論文は、すべて外国語文献を含め、舐めるようにして読んでいらっしゃいます(むしろ、それをしていない先生のほうが問題ですが(^^;)。

何と言うか。
学者と言うのは、「芸のないパクリ」を、蛇蝎のごとく忌み嫌う人種と思ってください。
で。
逆に言えば。
「芸のある(つまり、オリジナリティと文章力のある)パクリ」、すなわち「知の戯れ(笑)」は、大好きだったりします。
要するに、ですね。
……意味も分からないのに、「それっぽいから、いっか☆」って感じで、ネット上の論文をコピペしたようなレポートは、そして、コピペゆえに起承転結もつなぎも、そして文章の流れもオカシイようなものは、ものすご〜く(本当に、ものすご〜く)、印象が悪いんですよ……。
もちろん、検索をするのはいいことです。
しかし、それを自分の頭で考え、解釈した上で、「参考」にするならともかく。

……全文、まる写し。

これは、いけません。
先生方は、結構、真面目に一言一句、レポートを読むものなんです(少なくとも、私の兄弟子たちには、「読み飛ばして適当に採点」という人間はいませんし。まあ、若手の先生は、総じて真面目なもんですが(^^;)。

・ポイントその3
「論文」の書き方の、「型」を踏襲」すべし!

え〜。
日本の、国語教育の貧困さを感じるのは、こういうときなんですよね……。
私は予備校で論文採点バイトもやっておりますので、これはもう、実感いたしております。

大学のレポートって、「論文」なんですよね、基本的には。
「論文」には、大きく三つの要素が必要になってきます。
1.そのテーマを書くぞ!という、「前提」
2.そのテーマについての、「本論」
3.1、2、で展開されたものから導き出された、「結論」

この、三つです。
しかし。
この三つが、書かれていないレポートが多いんですよ……。つまり、事柄の羅列ばかりで、構造がないレポートをよく見かけるんですよね(^^;。
まあ、でも。ちょっと、学生さんたちを擁護させていただきますと。
よく、教授たちが、ですね。
「最近の学生は、頭悪いね〜、論文の何たるかってことすら、分かってないしさ〜」
ってなことをおっしゃると、私は、ちょっと反発を覚えます。
夏目漱石だって、米が稲から出来るのを知らなかったわけですし。
米といえば、「洗剤を入れて米を研ぐ」若者なんてのも、よく揶揄の対象になるわけですが(笑)。
しかしですね〜。
人間。
……学習の機会が失われたことに関しては、驚くほど、無知なままなものです(たとえば、外国に行くと、そのことに思い知らされたりするものです)。

だから、ですね。
いい加減なレポートを書いてしまう学生さんであっても、「学習」の機会がないだけで、「論文を書く知性」って、本当はあると思うんですよ。強調したいんですけど(^^;。
通常、高校までの国語教育って。
「作文」は書かせますけど、「論文」って、書かせませんよね?
で。
高校までの国語の教員は、生徒が書いた作文の文章って、「本人の実感や経験を踏まえ、情緒的に表現されたもの」を好んで評価する傾向がありませんでしたか(読書感想文とか、遠足の感想文とかって)?
もちろん、教員の先生方の個人差はあると思いますし、それが一概に悪いとも言えないのですが。
でも。
……「読書感想文教育」(←と、私は読んでいます)だけでは、グローバリゼーションの昨今、不足なのではないかな〜、と私は思っております。
なにせ、口頭での論理戦をバリバリやるような、アングロサクソン型ディベートが、世を席捲していっていますしね(^^;。
まあ、話は戻って。レポートを書く際には、決して上述したこの方法「だけ」が良いとも思いませんが。
でも、基本事項なので、心がけてくださると嬉しいです。
これって、何も学部生時代にだけ役立つものでもないと思うんですよ。
たとえば、他文化圏の方々と交渉する際にだって、ものを言うのは、「論理的整合性」だと、私は思います。何を主張するにしても。
ぜひぜひ、論理的な頭を鍛える訓練だと思って、ですね〜。
レポートも、美しく仕上げて下さると、幸いです(^^;。



August 2, 2003. Sat. くもり
8月になりましたね!
いろいろと締め切りものを片づけ、そして。
……新たな締め切りものが、私を待っています。

しかしながら。
郵便局に行って、原稿を2本郵送したその後、すぐ。
寝る間も惜しみ。
「グランディア エクストリーム」のエクストラダンジョンを。
……地下80階まで、潜ってしまいました〜……。
何をやっているんでしょうか、私。

……。

妄想贋作日本文学「締め切りと私」

朝靄いまだ消え去らぬ時間、この島に、また、汽笛が鳴る。
「では、行ってくるわね、締め切りさん」
いつものように、波止場では小船が桟橋に横付けになり、静かに波にもまれて揺れている。その横で私が、制服のプリイツスカアトのひだに皺が寄っているのを幾分気にしながらそう言うと、見送りにきた締め切りは、学生帽を目深に被り、半ば泣きそうな顔をして言った。
「……サハラさん。今度は、いつ、お戻りなんですか?」
私は、スカアトの皺を丹念に直し、締め切りの顔をのぞきこんだ。
「分からないわ。何せ、地下百階まであるエクストラダンジョンなのよ。……二日、いいえ、三日はかかるかもしれなくてよ」
締め切りは、大仰なため息をついた。
「貴方と言う人は、いったいいつになったら現世に還って来るのです! 次ぎの締め切りは、十五日必着。ということは、遅くとも十四日のうちには、送らなくっちゃいけないというのに! それに、……それに、学会報告の準備は良いのですか? 要旨と言うのはただ書いただけではなく、きちんと口頭で説明できなければ、意味のないものなのですよ? それに! 八月末にも締め切りが! 九月初旬にも締め切りが! 九月半ばにも締め切りが! 九月末にも締め切りがあるんですよ!」
私は、その剣幕に少々たじろぎながら言った。
「だって、……仕方ありませんわ、締め切りさん。私はゲーマーとして、いいえ、一人の人間として、越えなければならない試練に立ち向かっているんですもの」
そのとき、出航を告げる船員の声が、高く、朗々と私たちの背後を貫いて行った。私は、悲しく微笑んで見せた。
「では、行くわね。元気で、どうか、元気で」
しかしそのとき、締め切りの背後で、雷光が立ち上った。同時に、締め切りが絶叫した。
「……どうしてもエクストラダンジョンに潜るなら、この私を片づけてからにしてもらいましょうか!? ええい、サンダーボルトッ!!!」
締め切りの放ったサンダーボルトは、周囲の視界を白く焼き焦がし、私は痺れと眩暈を覚えた。
「……よくもやってくれたわね、覚悟ォッ! くらいなさい! 即死魔法、デスト〜〜〜〜〜〜ッ!!!!!」
「………くっ……不、覚……」
私が放ったデストは、締め切りを瞬時にして先頭不能に陥れた。私は、制服の埃をはらうと、ひらり、と小船に乗り込んだ。
「許してね、締め切りさん……」
小船は、静かに出港した。

〜了〜

……失礼いたしましたm(_ _)m。

しかしですね〜。
やりたいゲームはたくさんあるってのに、締め切りが後から後から、まるで雨後のバイオハザードゾンビみたいに、湧いてくるのですよ…(とほほ)。
7日には「サモナイ3」が出るのに。
……っていうか、まだ「ヴィオアト」未プレイです……。

「グランエィア エクストリーム」なんてやってる場合じゃなかったかしらん?
まあ、でも、せっかくエクストラダンジョンまで行ったことですし。
以下、感想を書きますので、ネタバレ気味につきご注意ください(^^;。

え〜。
このゲームですが。
エクストラダンジョンをやらなくっちゃ、意味ないです(もしプレイするなら、のお話ですが。まあしかし……そもそもプレイ自体、私はオススメはいたしません(^^;)。

ここに来てようやく、キャラの個性だの、サブストーリーだのが見えてくるんですよ、ミニイベントがいろいろありまして。
武器も、ようやく強いのが見つかるようになります。
エッグも、本編ではあんなに苦労したのに、あっさりごろごろ落ちてます。

嗚呼、ゲームアーツさん。
このゲーム、「グランディア」の戦闘システムを取り入れた「トルネコ(「シレン」でも可でしょうか…)」なんだって、先に言ってくださいよ(笑)。
「グランディア」だと思うから、いろいろと、いろいろに、いろいろなものがせつなくなるんじゃないですか(乾笑)。
……それだったら、この理不尽な「同一作業繰り返し」も、少しは納得できるのに……。
そういえば。
小耳に挟んだことがあるのですが(真偽の程は不明です)。
その昔、ロシアには、こういう拷問があったそうです。
それは、囚人に「延々と穴を掘らせる」というものなのですが、穴が掘り終わると、今度はそれを本人に「延々と埋めさせる」らしいんですよね。
この掘っては埋め、また掘っては埋め、という作業を延々と何度もやらせると、終いには、大抵の人間が発狂してしまうのだそうです……。
人間、やっぱり、「芯から無意味な作業」には耐えられないんでしょうか?
ええ。
「グランディア エクストリーム」は。
この。
……ロシアの拷問を、ちょっと髣髴とさせられました(乾笑)☆


「グランディア」シリーズをプレイしたことのない方には、よく分からない愚痴でしょうけれども。
私にとって、1は名作だったんですよ。
私は、とても凡庸な趣味の人間なので、基本的にRPGは、ストーリー構造がしっかりしていて、キャラが魅力的で生き生きしていて、そんでもって戦闘システムが爽快、というバランスの取れたゲームが好きなんです。
これに、「合体」とか、「スキル成長」とかの要素のひねりが効いていて面白かったら、申し分ありません♪
で。
1は、私にとって、そういう感じの良作だったんですよね〜(しみじみ)。
ストーリーも世界観も広大でしたし。
何せ1では、主人公は海を越え、大陸を横切り、「世界の壁」(←うろおぼえです、すいません)と呼ばれる大遺跡を越え(すっげー大変でした☆)、さまざまな街や村を訪れ、色んな民族出身者と出会い、また別れ、大冒険の末、ラスボスを倒すんですが。
「〜エクストリーム」は、本拠地の村はたった一個。それ以外は、街が一個だけ(ちなみに、お買い物もできない街です)。ダンジョンも同じところをぐるぐる回るだけ。
何やら、中央線の「東京ー四谷」間を行ったりきたりしているだけで、終わってしまうみたいな感慨です……。
仲間も最初からほぼ揃っていて、「出会い」の楽しさもありません。
最近、ストーリーを重視しすぎたゲームに対する、批判的見地なのか。何かちょっと「違う」RPGが増えているような気がしなくもないんですけど。
でも、それって。
……単純に、CGその他の技術的な進歩に比して、シナリオのネタに進歩がないだけなのでは……。
と、つい思ってみたり、してしまいますね〜、RPG好きといたしましては……。
たしかに、「世界を一元的に支配しようとする大魔王」とか、「全体主義的なスタンスの悪の帝国」的な強敵がいて、それに対して主人公たちはパーティを組んで、「人間の個性や愛」を重んじるスタンスから戦いを挑む、という古典的なシナリオは何回も繰り返されてきたとは思うのですが。
そして、それって、まあ、飽きた人も多いのかな、と思わなくもないのですが(で、従来のゲームを脱構築した、パロディ的なスタンスのゲームも多いんでしょうが)。
でも、こういう「古典的」ストーリーって、きちんとディティールを構築して、まともに説得力のある展開とエンディングを見せようとしたら、実は、とっても難しいのではないか、と私は思うんですよ。
何せ、「善」、「悪」、「暴力」、「自由」、「理性」、「愛」、「正義」等々っていうのは、哲学上でも依然として大テーマですしね(笑)。簡単に書き飛ばしたら、陳腐になっちゃいますし(^^;。
たとえば、全体主義的なものについて丁寧に考えるならば。1920〜30年代に、どのような「熱狂」が起こって、ファシズムが台頭して行ったのか、そういう歴史的事実を丹念に追うだけでも、これって、単純に解答が出せない問題だってよく分かるんじゃないかな、と私は思うんです。
何ていうんでしょうね、「〜エクストリーム」もそうだったんですが、「薄い」シナリオのRPGって。
……つきつめれば、限りなく深い、こういう大テーマを、あまり意味を深く掘り下げることもなく、いわゆるRPGのシナリオ文法にのっとって、上澄みだけをさらっているから、プレイしていても感情移入できないし、感動もないのかな〜、と思ったりしまして(^^;。

しかしまあ。
ブツブツ言いながらも、買ったゲームはクリアしないと気が済まないあたり……。
私って、貧乏性なんでしょうか(^^;?



The world in this trivial DIARY:
nothing is new under the sun





過去の日記
2003 5月(前半) 5月(後半) 6月(前半) 6月(後半) 7月(前半) 7月(後半)