二項述語の二重量化「∀xy  P(x,y)」 「∀x,y P(x,y)」 


 ・「∀xy  P(x,y)」 「∀x,y P(x,y)」の定義 

 ・「∀xy  P(x,y)」 「∀x,y P(x,y)」の意味

 ・「∀xy  P(x,y)」 「∀x,y P(x,y)」読み下し例



二項述語二重量化一覧/多重量化一覧 

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総目次
 

「∀xy  P(x,y)」 「∀x,y P(x,y)」 の定義



【要旨】

 「xy  P(x,y)」 「x,y P(x,y)」は、

  P(x,y)を2回普遍量化した

   「x (y  P(x,y) )

 を表す。


【詳細】

 「xy  P(x,y)」 「x,y P(x,y)」とは、
 下記手順でつくった命題「x (y  P(x,y) )」の略記。


  【step1:普遍量化1回目】  
 
  二項述語P(x,y)
    「x,yは関係・条件Pを満たす
  の変項yを全称量化子で束縛して普遍量化し、

  変項xのみを含む一項述語 y  P(x,y) 
     「xは、すべてのyにたいして関係・条件Pを満たす
  をつくる。
関連事項: 
 ・「∀xSyT  P(x,y)」の定義 
 ・「∃xy P(x,y)の定義/「∃xy P(x,y)定義/「∀xy P(x,y)定義





【文献−数学一般】
 ●齋藤『日本語から記号論理へ』2章§2全称量化子による二重量化(pp.52-54);§3存在量化子による二重量化(pp.60-61);§5異種の量化子による二重量化(pp.69-74);
 ・中内『ろんりの練習帳』2.3(pp.89-93):"∀xy",";2.5(pp.100-2):"∃xy";2.6(pp.103-5):∀∃,∃∀;

【文献−数学基礎論】
 ・井関『集合と論理』1.5 (pp.28-29)
 ・前原昭二『記号論理入門』第1章§7多変数(p.21-23);§8自由変数束縛変数(pp.23-25)。
 ・新井紀子『数学は言葉』2.3例題3.2.9∀∀(pp.89-90);例題3.2.10∀∀(⇒∃)(p.90);量化子が複数並んであらわれるとき、その影響の及ぶ範囲が明らかなときに限り、カッコを省略してよい。(p.100);4.2関数の定義∀xy f(x)=y・全射∀yx f(x)=y・単射∀∀(pp.128-9);例題4.2.2関数fは上に有界M ,∀a f(a)M)(pp.132-134):f,a,M3項述語の二重量化;例題4.2.2単調増加関数の定義 (pp.132-135):f,x,y3項述語の二重量化;

【文献−分析哲学・論理学】
 ・野矢『論理学』2-2-2-多重量化(pp.96-99)


 




  【step2:普遍量化2回目】  

  step1で得られた
  変項xのみを含む一項述語  
     y  P(x,y)  「xは、すべてのyにたいして関係・条件Pを満たす
  の変項xも全称量化子で束縛して普遍量化

  得られた命題が

   x (y  P(x,y) )  「すべてのxは、すべてのyにたいして、関係・条件Pを満たす。」



具体例
  →「∀x,y ( x loves y )」「∀xy ( x loves y )」  真であればよいが、世の中そんなにハッピーではないみたい。
  →「n,x ( n>x )
 
  



xy  P(x,y)  
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「∀xy  P(x,y)」 「∀x,y P(x,y)」 の意味



 P(x,y)を、
 変項xの議論領域X, 変項yの議論領域Yとする二項述語・2変数命題関数
 とすると、 

 「x,y P(x,y)」「xy  P(x,y)」 すなわち「x (y  P(x,y) )」 は、

  「《議論領域X》《議論領域Y》から、どの対象を選んでも、
   《議論領域Xから選んだ対象》を変項xへ、
   《議論領域Yから選んだ対象》を変項y
   代入すると、
   x-y間の関係・条件P(x,y)が成り立つ。」

 と主張する命題を意味する。


具体例
  →「∀x,y ( x loves y )」「∀xy ( x loves y )」 
    真だと言えるほどには世の中ハッピーでもないみたい・・・。
  →「n,x ( n>x )




関連事項: 
 ・「∀xSyT  P(x,y)」の意味 
 ・「∃xy P(x,y)の意味/「∃xy P(x,y)の意味/「∀xy P(x,y)の意味




【文献−数学一般】
 ●齋藤『日本語から記号論理へ』2章§2全称量化子による二重量化(pp.52-54);§3存在量化子による二重量化(pp.60-61);§5異種の量化子による二重量化(pp.69-74);
 ・中内『ろんりの練習帳』2.3(pp.89-93):"∀xy",";2.5(pp.100-2):"∃xy";2.6(pp.103-5):∀∃,∃∀;

【文献−数学基礎論】

 ・井関『集合と論理』1.5 (pp.28-29)
 ・前原昭二『記号論理入門』第1章§7多変数(p.21-23);§8自由変数束縛変数(pp.23-25)。
 ・新井紀子『数学は言葉』2.3例題3.2.9∀∀(pp.89-90);例題3.2.10∀∀(⇒∃)(p.90);量化子が複数並んであらわれるとき、その影響の及ぶ範囲が明らかなときに限り、カッコを省略してよい。(p.100);4.2関数の定義∀xy f(x)=y・全射∀yx f(x)=y・単射∀∀(pp.128-9);例題4.2.2関数fは上に有界M ,∀a f(a)M)(pp.132-134):f,a,M3項述語の二重量化;例題4.2.2単調増加関数の定義 (pp.132-135):f,x,y3項述語の二重量化;

【文献−分析哲学・論理学】
 ・野矢『論理学』2-2-2-多重量化(pp.96-99)


 





xy  P(x,y)  
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「∀xy  P(x,y)」 「∀x,y P(x,y)」の読み下し例



・「すべてのxとすべてのyが、関係Pにある」
     [野矢『論理学』2-2-2-多重量化(p.98)]
 
・「すべてのxとすべてのyに対して、P(x,y)
     [齋藤『日本語から記号論理へ』2章§2(p.54)]

・「任意のx、任意のyに対して、P(x,y)
     [井関『集合と論理』1.2 (式2.1)(p.7脚注1)]

・「任意のxと任意のyに対して、P(x,y)
     [齋藤『日本語から記号論理へ』2章§2(pp.52-53)]


・「xを任意の『Xに属す対象』、yを任意の『Yに属す対象』とすれば、P(x,y)
     [井関『集合と論理』1.2 (式2.3)(p.8):]

・「どんなxyをとっても、P(x,y)
     [井関『集合と論理』1.2例2(1)(p.11)「∀x,y∈R (x≠yかつx<y ⇒ ∃z∈R(x<z<y))」]

・「どんなxとどんなyをとっても、P(x,y)が真のとき、このときに限って真になる命題」
     [井関『集合と論理』1.5 (p.28)]




具体例
  →「∀x,y ( x loves y )」「∀xy ( x loves y )」
  →「n,x ( n>x )
  


関連事項: 
 ・「∀xSyT  P(x,y)」の読み 
 ・「∃xy P(x,y)の読み/「∃xy P(x,y)の読み/「∀xy P(x,y)の読み





【文献−数学一般】
 ●齋藤『日本語から記号論理へ』2章§2全称量化子による二重量化(pp.52-54);§3存在量化子による二重量化(pp.60-61);§5異種の量化子による二重量化(pp.69-74);
 ・中内『ろんりの練習帳』2.3(pp.89-93):"∀xy",";2.5(pp.100-2):"∃xy";2.6(pp.103-5):∀∃,∃∀;

【文献−数学基礎論】
 ・井関『集合と論理』1.5 (pp.28-29)
 ・前原昭二『記号論理入門』第1章§7多変数(p.21-23);§8自由変数束縛変数(pp.23-25)。
 ・新井紀子『数学は言葉』2.3例題3.2.9∀∀(pp.89-90);例題3.2.10∀∀(⇒∃)(p.90);量化子が複数並んであらわれるとき、その影響の及ぶ範囲が明らかなときに限り、カッコを省略してよい。(p.100);4.2関数の定義∀xy f(x)=y・全射∀yx f(x)=y・単射∀∀(pp.128-9);例題4.2.2関数fは上に有界M ,∀a f(a)M)(pp.132-134):f,a,M3項述語の二重量化;例題4.2.2単調増加関数の定義 (pp.132-135):f,x,y3項述語の二重量化;
 
【文献−分析哲学・論理学】
 ・野矢『論理学』2-2-2-多重量化(pp.96-99)


 







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