定理: 非負実数値1変数関数に各点収束する単関数列

要旨

任意の非負実数値1変数関数 f にたいして、「f に各点収束する単関数の単調増加列」が存在する。

設定

この定理は、以下のように設定された舞台上で成立する。
Step1:実数を全てあつめた集合(実数体)Rを用意する。 
Step2:Rの部分集合をひとつきめて、Dと名づける。
Step3:Dを定義域とする「非負実数値1変数関数」y= f (x) 
    つまり、 
     
1変数関数「f:D→R」であって、
     
任意の x∈D⊂Rにたいして、f (x)≧0
    を満たすもの
    を用意する。
    
y= f (x) は有界関数でなくてもよいので、
    たとえば、
(0,1 ]を定義域とするy= f (x)=1/xなどでもよい。

[文献]
ルディン『
現代解析学』10.20(p.267)。
志賀『
ルベーグ積分30講』18講(p.138)):図解付
伊藤清三定理
10.1(p.63):図解付,可測関数のケース。

定理

任意のx∈D⊂Rにたいしてf (x)≧0を満たす限りで任意の実数値1変数関数
  
y= f (x)
に対して、
次のように定義された
関数列{fn}={ f1 , f2 , f3 , … }は、[性質1] [性質2] [性質3]を満たす。
[関数列{ fn(x)}={ f1 , f2 , f3 , … }の定義]
 
Step1:関数fn(x)の定義
 ある自然数
nを一つ決める。
 
x軸上の「y = f (x) の定義域」Dを、
 
(n2n+1)個のR上の点集合 
  
E(n,0) = f -1 ( [0/2n, 1/2n ) ) = { x ∈D⊂R | 0/2n≦f (x)<1/2n }  
  
E(n,1) = f -1 ( [1/2n, 2/2n ) ) = { x ∈D⊂R | 1/2n≦f (x)<2/2n }  
  
E(n,2) = f -1 ( [2/2n, 3/2n ) ) = { x ∈D⊂R | 2/2n≦f (x)<3/2n }
  E(n,3) = f -1 ( [3/2n, 4/2n ) ) = { x ∈D⊂R | 3/2n≦f (x)<4/2n }
   :
  
E(n,n2n−1) = f -1 ( [n−1/2n, n ) ) = { x ∈D⊂R | n−1/2n≦f (x)<n}  
  E(n) = f -1 ( [ n, +∞ ) ) = { x ∈D⊂R | n≦f (x) }  
 に切り分け、  
 これらの
定義関数を用いて、
 
1変数関数fn(x)=0χE(n,0)(x)+(1/2n)χE(n,1) (x)+(2/2n )χE(n,2) (x)+(3/2n )χE(n,3) (x)+…
                  
                      
+nχE(n) (x)   
 を定義する。
 
Step2:関数列{fn(x)}の定義
 ・上記の
1変数関数fnで、nを1とした
             
f1 (x)=0χE(1,0)(x)+(1/2)χE(1,1) (x)+1χE(1) (x)  
 ・上記の
1変数関数fnで、nを2とした
             
f2(x)=0χE(2,0)(x)+(1/4)χE(2,1) (x)+(1/2)χE(2,2) (x)+(3/4)χE(2,3) (x)+1χE(2,4) (x)
                     +(5/4)χE(2,5) (x)+(3/2)χE(2,6) (x)+(7/4)χE(2,7) (x)+2χE(2) (x)  
 ・上記の
1変数関数fnで、nを3とした
             
f3(x)=0χE(3,0)(x)+(1/8)χE(3,1) (x)+(1/4)χE(3,2) (x)+(3/8)χE(3,3) (x)+(1/2)χE(3,4) (x)
                    +(5/8)χE(3,5) (x)+(3/4)χE(3,6) (x)+(7/8)χE(3,7) (x)+χE(3,8) (x) 
                    
+(9/8)χE(3,9) (x)+(5/4)χE(3,10) (x)+(11/8)χE(3,11) (x)+(3/2)χE(3,12) (x)
                    +(13/8)χE(3,13) (x)+(7/4)χE(3,14) (x)+(15/8)χE(3,15) (x)+2χE(3,16) (x)
                    +(17/8)χE(3,17) (x)+(9/4)χE(3,18) (x)+(19/8)χE(3,19) (x)+(5/2)χE(3,20) (x)
                    +(21/8)χE(3,21) (x)+(11/4)χE(3,22) (x)+(23/8)χE(3,23) (x) 
                    
+3χE(3) (x)   
 :        

 :        
 という具合に、自然数nを一つずつ増やしながら、上記の1変数関数fnを並べていったものを、 
    
関数列{ fn}= { f1 , f2 , f3 , … }  
 として定義する。
 
※この関数列{fn}={ f1 , f2 , f3 , … }について、もっと詳しい説明→詳細 
[性質1] この関数列の各項 f1 , f2 , f3 , …は、すべて単関数。
※なぜ?→証明  
[性質2] この関数列は、単調増加列。
     つまり、
      
任意のx∈D⊂Rにたいして、
      
xを固定して得られる数列 { fn(x ) }={ f1 (x ) , f2 (x ) , f3 (x ) , … } が、
        
f1 (x )≦f2 (x )≦f3 (x )≦…
      を満たす。 
※なぜ?→証明  
[性質3] この関数列{ f1 , f2 , f3 , … }は、1変数関数f に各点収束する。 
※なぜ?→証明  自然数と実数の関係 

 

→定理に戻る

 

 

 

証明:

[目次]
→性質1「この関数列の各項 f1 , f2 , f3 , …は、すべて単関数」の証明
    → Step1: f1は単関数。
    →
Step2: f2は単関数。
    →
Step3: f3は単関数。
      :
      :
    →
Step-n: fnは単関数。
    :
→性質2「この関数列は、単調増加列」の証明
    →
Step1: f1≦f2。
    →
Step2: f2≦f3。
      :
      :
    →
Step-(n−1): fn-1≦fn。
→
性質3「この関数列は、1変数関数fに各点収束する」の証明
→定理に戻る

証明: ここで定義された関数列の各項は、すべて単関数。

[目次]
→ Step1: f1は単関数。
→
Step2: f2は単関数。
→
Step3: f3は単関数。
  :
  :
→
Step-n: fnは単関数。
  :
→
証明の冒頭に戻る 

→定理に戻る

 

Step1: f1 が単関数となることの確認。
・
f1 の定義の手順2の帰結として、
 
f が非負一価関数である限りは、E0, E1 , Eに重複は生じず、
 
f の定義域Dは、E0, E1 , Eに直和分割される。  

    ※なぜ? 
    ・「
y = f (x) の定義域DがE0, E1 , Eに直和分割される」とは、
       
1.E0, E1 , Eに重複が無く
            
E0∩E1 =φ, E0∩E =φ, E1∩E =φ
            すなわち、
             
E0とE1の両方に属す「Dの元」は存在しない
             
E0とEの両方に属す「Dの元」は存在しない
             
E1とEの両方に属す「Dの元」は存在しない
       なおかつ、
       
2. D=E0∪E1∪E
         つまり、
          「
Dの元」の各々は、E0, E1 , Eのいずれかに属すのであって、
           
E0、E1、Eのどれにも属さない「Dの元」は存在しない  
     ということ。
    ・まず、
f が一価関数である限りは、どの「Dの元」のf の値もただ一つに限られるから、
     どの「
Dの元」のf の値も、F0, F1 ,F ( →f1の定義の手順1)のいずれか一つに属すのであって、
     複数に同時に
属すことはありえない。 
     したがって、「
f1 の定義の手順2」に従って、E0, E1 , Eを定義すると、
     「
Dの元」は、E0, E1 , Eのいずれか一つに属すのであって、
     複数に同時に
属す「Dの元」は存在しない。 
     だから、
E0, E1 , Eには重複が無く、E0∩E1 =φ, E0∩E =φ, E1∩E =φ。
    ・また、
f が非負である限りは、 
     どの「
Dの元」のf の値も、F0, F1 ,F ( →f1の定義の手順1)のいずれかに属すのであって、
     
F0, F1 , F のどれにも属さないということはありえない。
     したがって、「
f1 の定義の手順2」に従って、E0, E1 , Eを定義すると、
     「
Dの元」の各々は、E0, E1 , Eのいずれかに属すのであって、
     
E0, E1 , Eのどれにも属さない「Dの元」は存在しない。 
     したがって、
D=E0∪E1∪E。
     
[ここで主張しているのは、
      「どの『
Dの元』を一つ取っても、E0, E1 , Eのいずれかに属す」ということであって、
      「
E0, E1 , Eのどの一つをとっても、『Dの元』が属している」ということではないことに注意。
      
f の値域f (D)が、[ 0, +∞ )の全域に渡っておらず、F0, F1 ,F のいずれかをはずしている場合、
      
E0, E1 , Eのなかに、どの『Dの元』も属さない集合―つまり空集合φ―が生じるのは
      当然である。
      なお、
E0, E1 , Eのどれかが空集合φであったところで、
       「
DがE0, E1 , Eに直和分割される」ことにかわりはない。
      
φはいかなる集合とも互いに素であり、
      また、
φとの和をとったところで演算の結果はかわらない]  
    ・したがって、
f が非負一価関数である限りは、f の定義域Dは、E0, E1 , Eに直和分割される。
       もしも、
f が多価関数ならば、E0, E1 , Eに重複がでてくることになる。     

    [図例] 
         
           この例では、
E0=φとなっており、 
           「
y = f (x) の定義域」Dは、E1,E に直和分割されている。
           なお、
            「
Dは、E0=φ, E1 , E に直和分割される」 
           といってもよい。
           (「
直和分割」の定義に適っている。
             
φは、いかなる集合とも互いに素となるから。
             また、
D=E1∪Eならば、D=φ∪E1∪E=E0∪E1∪Eとなるから。 ) 

・したがって、R上の点集合E0, E1 , Eの定義関数を用いて、
        
f1(x)=0χE0(x)+(1/2)χE1 (x)+1χE (x) 
 と定義された
f1は、
 
定義域Dの直和分割E0, E1 , Eについてのの定義関数の線型結合となっており、
 
f1(x)は、紛れもなく単関数である。
 実際、
f1(x)は、

       x∈E0ならば、f1(x)=0  
            つまり、「0≦f (x)<1/2」を満たすxに対しては、f1(x)=0  
       x∈E1ならば、f1(x)=1/2  
            つまり、「1/2≦f (x)<1」を満たすxに対しては、f1(x)=1/2  
       x∈Eならば、f1(x)=1  
            つまり、「1≦f (x)」を満たすxに対しては、f1(x)=1  

 となって、最大三通り(E0, E1 , Eのなかに空集合があればそれだけ減る)という有限個の値しかとらず、
 これらの値の
逆像も互いに素である。
         
[図例]   
          

  → f1が単関数であることの証明の冒頭に戻る 
  →
{fn}が単関数列であることの証明の冒頭に戻る

  →証明の冒頭に戻る 

  →定理に戻る

 

Step2: f2 が単関数となることの確認。
・
f2 の定義の手順2の帰結として、
 
f が非負一価関数である限りは、E0, E1 , E2 ,…, E7 , Eに重複は生じず、
 
f の定義域Dは、E0, E1 , E2 ,…, E7 , Eに直和分割される。 

   ※なぜ? 
   ・「
y = f (x) の定義域DがE0, E1 , E2 ,…, E7 , Eに直和分割される」とは、
       
1.E0, E1 , E2 ,…, E7 , Eに重複が無く
            
Ei∩Ej =φ(i,j=0,1,2,…7, i≠j), Ei∩E =φ(i=0,1,2,…7)
            すなわち、
            
E0, E1 , E2 ,…, E7 , Eの複数に同時に属す「Dの元」は存在しない
       なおかつ、
       
2. D=E0∪E1∪E2∪…∪E7∪E
         つまり、
          「
Dの元」の各々は、E0, E1 , E2 ,…, E7 , Eのいずれかに属すのであって、
           
E0, E1 , E2 ,…, E7 , Eのどれにも属さない「Dの元」は存在しない  
     ということ。
   ・まず、
f が一価関数である限りは、どの「Dの元」のf の値もただ一つに限られるから、
    どの「
Dの元」のf の値も、F0, F1 , F2 ,…, F7 , F [→f2 の定義の手順1]のいずれか一つに属すのであって、
    複数に同時に
属すことはありえない。 
    したがって、「
f2 の定義の手順2」に従って、E0, E1 , E2 ,…, E7 , Eを定義すると、
          「
Dの元」は、E0, E1 , E2 ,…, E7 , Eのいずれか一つに属すのであって、
          複数に同時に
属す「Dの元」は存在しない。 
          だから、
E0, E1 , E2 ,…, E7 , Eには重複が無く、
          
Ei∩Ej =φ(i,j=0,1,2,…7, i≠j), Ei∩E =φ(i=0,1,2,…7)。
   ・また、
f が非負である限りは、 
    どの「
Dの元」のf の値も、F0, F1 , F2 ,…, F7 , F [→f2 の定義の手順1]のいずれかに属すのであって、
    
F0, F1 , F2 ,…, F7 , F のどれにも属さないということはありえない。
    したがって、「
f2 の定義の手順2」に従って、E0, E1 , E2 ,…, E7 , Eを定義すると、
    「
Dの元」の各々は、E0, E1 , E2 ,…, E7 , Eのいずれかに属すのであって、
    
E0, E1 , E2 ,…, E7 , Eのどれにも属さない「Dの元」は存在しない。 
    したがって、
D=E0∪E1∪E2∪…∪E7∪E
    [ここで主張しているのは、
     「どの『
Dの元』を一つ取っても、E0, E1 , E2 ,…, E7 , Eのいずれかに属す」ということであって、
     「
E0, E1 , E2 ,…, E7 , Eのどの一つをとっても、『Dの元』が属している」ということではない
     点に注意。
     
f の値域f (D)が[0, +∞)の全域に渡っておらず、F0, F1 , F2 ,…, F7 , F のいずれかをはずしている場合、
      
E0, E1 , E2 ,…, E7 , Eのなかに、どの『Dの元』も属さない集合―つまり空集合φ―が生じるのは
      当然である。
      なお、
E0, E1 , E2 ,…, E7 , Eのどれかが空集合φであったところで、
       「
DがE0, E1 , E2 ,…, E7 , Eに直和分割される」ことにかわりはない。
      
φはいかなる集合とも互いに素であり、
      また、
φとの和をとったところで演算の結果はかわらない]  
    ・したがって、
f が非負一価関数である限りは、f の定義域Dは、E0, E1 , E2 ,…, E7 , Eに直和分割される。
       もしも、
f が多価関数ならば、E0, E1 , E2 ,…, E7 , Eに重複がでてくることになる。 

         [図例]   
          
           この例では、
E0=φ、E1=φとなっており、 
           「
y = f (x) の定義域」Dは、E2, E3 ,…, E7 , E に直和分割されている。
           なお、
            「
Dは、E0=φ, E1=φ, E2 , E3 ,…, E7 , E に直和分割される」 
           といってもよい。
           (「
直和分割」の定義に適っている。
             
φは、いかなる集合とも互いに素となるから。
             また、
D=E2∪…∪E7∪Eならば、
             
D=φ∪φ∪E2∪…∪E7∪E=E0∪E1∪E2∪…∪E7∪Eとなるから。 )

・したがって、R上の点集合E0, E1 , E2 ,…, E7 , Eの定義関数を用いて、
        
f2(x)=0χE0(x)+(1/4)χE1 (x)+(1/2)χE2 (x)+(3/4)χE3 (x)+1χE4 (x)
                +(5/4)χE5 (x)+(3/2)χE6 (x)+(7/4)χE7 (x)+2χE (x) 
 と定義された
f2は、
 
定義域Dの直和分割E0, E1 , E2 , E3 ,…, E7 , E についてのの定義関数の線型結合となっており、
 
f2は、紛れもなく単関数である。
 実際、
f2は、

      [case 0] x∈E0ならば、 f2 (x)=0  
            つまり、 0/4≦f (x) <1/4 を満たすx∈Dに対して、 f2 (x)=0  
      
[case 1] x∈E1ならば、 f2 (x) =1/4  
            つまり、1/4≦f (x) <2/4 を満たすx∈Dに対して、 f2 (x)=1/4  
      
[case 2] x∈E2ならば、 f2 (x)=1/2  
            つまり、2/4≦f (x) <3/4 を満たすx∈Dに対して、 f2 (x)=1/2    
      
[case 3] x∈E3ならば、 f2 (x)=3/4   
            つまり、3/4≦f (x) <4/4 を満たすx∈Dに対して、 f2 (x)=3/4  
      
[case 4] x∈E4ならば、 f2 (x)=1   
            つまり、4/4≦f (x) <5/4 を満たすx∈Dに対して、 f2 (x)=1  
      
[case 5] x∈E5ならば、 f2 (x)=5/4    
            つまり、5/4≦f (x) <6/4 を満たすx∈Dに対して、 f2 (x)=5/4  
      
[case 6] x∈E6ならば、 f2 (x)=3/2   
            つまり、6/4≦f (x) <7/4 を満たすx∈Dに対して、 f2 (x)=3/2  
      
[case 7] x∈E7ならば、 f2 (x)=7/4   
            つまり、7/4≦f (x) <8/4 を満たすx∈Dに対して、 f2 (x)=7/4 
      
[case 8] x∈Eならば、 f2 (x)=2  
            つまり、「2≦f (x)」を満たすxに対しては、 f2 (x)=2   

 となって、最大9通り(E0, E1 , …, E7 , Eのなかに空集合があればそれだけ減る)という有限個の値しかとらず、
 これらの値の
逆像も互いに素である。

       [図例]  
        

  → f2が単関数であることの証明の冒頭に戻る 
  →
{fn}が単関数列であることの証明の冒頭に戻る

  →証明の冒頭に戻る 

  →定理に戻る

Step3: f3 が単関数となることの確認。
・
f3 の定義の手順2の帰結として、
 
f が非負一価関数である限りは、E0, E1 , E2 ,…, E23 , E に重複は生じず、
 
f の定義域Dは、E0, E1 , E2 ,…, E23 , E に直和分割される。 

    ※なぜ? 
    ・「
y = f (x) の定義域DがE0, E1 , E2 ,…, E23 , Eに直和分割される」とは、
       
1.E0, E1 , E2 ,…, E23 , Eに重複が無く
            
Ei∩Ej =φ(i,j=0,1,2,…,23, i≠j), Ei∩E =φ(i=0,1,2,…,23)
            すなわち、
            
E0, E1 , E2 ,…, E23 , Eの複数に同時に属す「Dの元」は存在しない
       なおかつ、
       
2. D=E0∪E1∪E2∪…∪E23∪E
         つまり、
          「
Dの元」の各々は、E0, E1 , E2 ,…, E23 , Eのいずれかに属すのであって、
           
E0, E1 , E2 ,…, E23 , Eのどれにも属さない「Dの元」は存在しない  
     ということ。
    ・まず、
f が一価関数である限りは、どの「Dの元」のf の値もただ一つに限られるから、
     どの「
Dの元」のf の値も、F0,F1 ,F2 ,…,F23 ,F [→f3の定義の手順1]のいずれか一つに属すのであって、
     複数に同時に
属すことはありえない。 
     したがって、「
f3 の定義の手順2」に従って、E0, E1 , E2 ,…, E23 , Eを定義すると、
     「
Dの元」は、E0, E1 , E2 ,…, E23 , Eのいずれか一つに属すのであって、
     複数に同時に
属す「Dの元」は存在しない。 
     だから、
E0, E1 , E2 ,…, E23 , Eには重複が無く、
          
Ei∩Ej =φ(i,j=0,1,2,…,23, i≠j), Ei∩E =φ(i=0,1,2,…,23)。
    ・また、
f が非負である限りは、 
     どの「
Dの元」のf の値も、F0,F1 ,F2 ,…,F23 ,F [→f3 の定義の手順1]のいずれかに属すのであって、
     
F0,F1 ,F2 ,…,F23 ,F のどれにも属さないということはありえない。
     したがって、「
f3 の定義の手順2」に従って、E0, E1 , E2 ,…, E23 , Eを定義すると、
     「
Dの元」の各々は、E0, E1 , E2 ,…, E23 , Eのいずれかに属すのであって、
     
E0, E1 , E2 ,…, E23, Eのどれにも属さない「Dの元」は存在しない。 
     したがって、
D=E0∪E1∪E2∪…∪E23∪E
     [ここで主張しているのは、
      「どの『
Dの元』を一つ取っても、E0, E1 , E2 ,…, E23 , Eのいずれかに属す」ということであって、
      「
E0, E1 , E2 ,…, E23 , Eのどの一つをとっても、『Dの元』が属している」ということではない
      ことに注意。
     
fの値域f (D)が[0, +∞)の全域に渡っておらず、F0,F1 ,F2 ,…,F23 ,F のいずれかをはずしている場合、
      
E0, E1 , E2 ,…, E23 , Eのなかに、どの『Dの元』も属さない集合―つまり空集合φ―が生じるのは
      当然である。
      なお、
E0, E1 , E2 ,…, E23 , Eのどれかが空集合φであったところで、
       「
DがE0, E1 , E2 ,…, E23 , Eに直和分割される」ことにかわりはない。
      
φはいかなる集合とも互いに素であり、
      また、
φとの和をとったところで演算の結果はかわらない]  
    ・したがって、
f が非負一価関数である限りは、f の定義域Dは、
                
E0, E1 , E2 ,…, E23 , Eに直和分割される。
       もしも、
f が多価関数ならば、E0, E1 , E2 ,…, E23 , Eに重複がでてくることになる。

      [図例] 
           
           この例では、
E0=φ、E1=φ、E2=φ、E3=φとなっており、 
           「
y = f (x) の定義域」Dは、E4, E5 , E6 ,…, E23 , E に直和分割されている。
           なお、
            「
Dは、E0=φ, E1=φ, E2=φ, E3=φ, E4, E5 , E6 ,…, E23 , E に直和分割される」 
           といってもよい。
           (「
直和分割」の定義に適っている。
             
φは、いかなる集合とも互いに素となるから。
             また、
D=E4∪…∪E23∪Eならば、
             
D=φ∪φ∪φ∪φ∪E4∪…∪E23∪E=E0∪E1∪E2∪…∪E23∪Eとなるから。 ) 

・したがって、R上の点集合E0, E1 , E2 ,…, E23 , Eの定義関数を用いて、
        
f3 (x)=0χE0(x)+(1/8)χE1 (x)+(1/4)χE2 (x)+(3/8)χE3 (x)+(1/2)χE4 (x)
                +(5/8)χE5 (x)+(3/4)χE6 (x)+(7/8)χE7 (x)+χE8 (x) 
                
+(9/8)χE9 (x)+(5/4)χE10 (x)+(11/8)χE11 (x)+(3/2)χE12 (x) 
                
+(13/8)χE13 (x)+(7/4)χE14 (x)+(15/8)χE15 (x)+2χE16 (x) 
                
+(17/8)χE17 (x)+(9/4)χE18 (x)+(19/8)χE19 (x)+(5/2)χE20 (x) 
                
+(21/8)χE21 (x)+(11/4)χE22 (x)+(23/8)χE23 (x) 
                
+3χE (x) 
 と定義された
f3は、
 
定義域Dの直和分割E0, E1 , E2 , E3 ,…,E23 , E についての定義関数の線型結合となっており、
 
f3は、紛れもなく単関数である。
 実際、
f3は、

      [case 0] x∈E0ならば、 f3 (x)=0  
            つまり、 0/8≦f (x) < 1/8 を満たすx∈Dに対して、 f3 (x)=0  
      
[case 1] x∈E1ならば、 f3 (x)=1/8  
            つまり、  1/8≦f (x) < 2/8 を満たすx∈Dに対して、 f3 (x)=1/8  
      
[case 2] x∈E2ならば、 f3 (x)=2/8=1/4  
            つまり、  2/8≦f (x) < 3/8 を満たすx∈Dに対して、 f3 (x)=2/8=1/4 
      
[case 3] x∈E3ならば、 f3 (x)=3/8   
            つまり、  3/8≦f (x) < 4/8 を満たすx∈Dに対して、 f3 (x)=3/8  
      
[case 4] x∈E4ならば、 f3 (x)=4/8=1/2   
            つまり、  4/8≦f (x) < 5/8 を満たすx∈Dに対して、 f3 (x)=4/8=1/2 
      
[case 5] x∈E5ならば、 f3 (x)=5/8    
            つまり、  5/8≦f (x) < 6/8 を満たすx∈Dに対して、 f3 (x)=5/8  
      
[case 6] x∈E6ならば、 f3 (x)=6/8=3/4   
            つまり、  6/8≦f (x) < 7/8 を満たすx∈Dに対して、 f3 (x)=6/8=3/4  
      
[case 7] x∈E7ならば、 f3 (x)=7/8   
            つまり、  7/8≦f (x) < 8/8 を満たすx∈Dに対して、 f3 (x)=7/8  
      
[case 8] x∈E8ならば、 f3 (x)=8/8=1   
            つまり、  8/8≦f (x) < 9/8 を満たすx∈Dに対して、 f3 (x)=8/8=1  
      
[case 9] x∈E9ならば、 f3 (x)=9/8    
            つまり、  9/8≦f (x) <10/8 を満たすx∈Dに対して、 f3 (x)=9/8  
      
[case10] x∈E10ならば、 f3 (x)=10/8=1+1/4   
            つまり、 10/8≦f (x) <11/8 を満たすx∈Dに対して、 f3 (x)=10/8=1+1/4  
      
[case11] x∈E11ならば、 f3 (x)=11/8   
            つまり、 11/8≦f (x) <12/8 を満たすx∈Dに対して、 f3 (x)=11/8  
      
[case12] x∈E12ならば、 f3 (x)=12/8=1+1/2    
            つまり、 12/8≦f (x) <13/8 を満たすx∈Dに対して、 f3 (x)=12/8=1+1/2  
      
[case13] x∈E13ならば、 f3 (x)=13/8    
            つまり、 13/8≦f (x) <14/8 を満たすx∈Dに対して、 f3 (x)=13/8  
      
[case14] x∈E14ならば、 f3 (x)=14/8=1+3/4   
            つまり、 14/8≦f (x) <15/8 を満たすx∈Dに対して、 f3 (x)=14/8=1+3/4  
      
[case15] x∈E15ならば、 f3 (x)=15/8   
            つまり、 15/8≦f (x) <16/8 を満たすx∈Dに対して、 f3 (x)=15/8  
      
[case16] x∈E16ならば、 f3 (x)=16/8=2   
            つまり、 16/8≦f (x) <17/8 を満たすx∈Dに対して、 f3 (x)=16/8=2  
      
[case17] x∈E17ならば、 f3 (x)=17/8   
            つまり、 17/8≦f (x) <18/8 を満たすx∈Dに対して、 f3 (x)=17/8  
      
[case18] x∈E18ならば、 f3 (x)=18/8=2+1/4   
            つまり、 18/8≦f (x) <19/8 を満たすx∈Dに対して、 f3 (x)=18/8=2+1/4  
      
[case19] x∈E19ならば、 f3 (x)=19/8   
            つまり、 19/8≦f (x) <20/8 を満たすx∈Dに対して、 f3 (x)=19/8  
      
[case20] x∈E20ならば、 f3 (x)=20/8=2+1/2  
            つまり、 20/8≦f (x) <21/8 を満たすx∈Dに対して、 f3 (x)=20/8=2+1/2  
      
[case21] x∈E21ならば、 f3 (x)=21/8  
            つまり、 21/8≦f (x) <22/8 を満たすx∈Dに対して、 f3 (x)=21/8  
      
[case22] x∈E22ならば、 f3 (x)=22/8=2+3/4   
            つまり、 22/8≦f (x) <23/8 を満たすx∈Dに対して、 f3 (x)=22/8=2+3/4  
      
[case23] x∈E23ならば、 f3 (x)=23/8  
            つまり、 23/8≦f (x) <24/8 を満たすx∈Dに対して、 f3 (x)=23/8  
      
[case24] x∈Eならば、 f3 (x)=24/8=3   
            つまり、 3=24/8≦f (x) を満たすx∈Dに対して、 f3 (x)=24/8=3  

となって、最大25通り(E0, E1 , …, E23 , Eのなかに空集合があればそれだけ減る)という有限個の値しかしかとらず、これらの値の逆像も互いに素である。

      [図例]  
        

  → f3が単関数であることの証明の冒頭に戻る 
  →
{fn}が単関数列であることの証明の冒頭に戻る

  →証明の冒頭に戻る 

  →定理に戻る

  

Step-n: fn が単関数となることの確認。
・
fn の定義の手順2の帰結として、
 
f が非負一価関数である限りは、E(n,0), E(n,1) , E(n,2), E(n,3) ,…, E(n,n2n−1) , E(n) に重複は生じず、
 
f の定義域Dは、E(n,0), E(n,1) , E(n,2), E(n,3) ,…, E(n,n2n−1) , E(n) に直和分割される。 

  ※なぜ? 
  ・「
y = f (x) の定義域DがE(n,0), E(n,1) , E(n,2), E(n,3) ,…, E(n,n2n−1) , E(n) に直和分割される」とは、
     
1.E(n,0), E(n,1) , E(n,2), E(n,3) ,…, E(n,n2n−1) , E(n) に重複が無く
         
E(n,i)∩E(n,j) =φ (i,j=0,1,2,…, n2n−1; i≠j), E(n,i)∩E(n) =φ(i=0,1,2,…,n2n−1)
         すなわち、
         
E(n,0), E(n,1) , E(n,2), …, E(n,n2n−1) , E(n) の複数に同時に属す「Dの元」は存在しない
     なおかつ、
     
2.D=E(n,0)∪E(n,1)∪E(n,2)∪…∪E(n,n2n−1) ∪E
       つまり、
       「
Dの元」の各々は、E(n,0), E(n,1) , E(n,2), …, E(n,n2n−1) , E(n)のいずれかに属すのであって、
        
E(n,0), E(n,1) , E(n,2), …, E(n,n2n−1) , E(n)のどれにも属さない「Dの元」は存在しない
   ということ。
  ・まず、
f が一価関数である限りは、どの「Dの元」のf の値もただ一つに限られるから、
   どの「
Dの元」のf の値も、
   「
fn の定義の手順1」で定められた区間F(n,0),F(n,1),F(n,2),F(n,3),…,F(n,n2n−1),F(n)
   のいずれか一つに属すのであって、
   複数に同時に
属すことはありえない。 
   だから、「
fn の定義の手順2」に従って、
   
R上の点集合E(n,0), E(n,1) , E(n,2), E(n,3) ,…, E(n,n2n−1) , E(n) を定義すると、
   「
Dの元」は、E(n,0),E(n,1),E(n,2),E(n,3),…,E(n,n2n−1),E(n)のいずれか一つに属すのであって、
   複数に同時に
属す「Dの元」は存在しないことになる。 
   だから、
E(n,0), E(n,1) , E(n,2), E(n,3) ,…, E(n,n2n−1) , E(n)には重複が無く、
       
E(n,i)∩E(n,j) =φ (i,j=0,1,2,…, n2n−1; i≠j), E(n,i)∩E(n)=φ(i=0,1,2,…,n2n−1)。
  ・また、
f が非負である限りは、 
   どの「
Dの元」のf の値も、
   「
fn の定義の手順1」で定められた区間F(n,0), F(n,1) , F(n,2), F(n,3) ,…, F(n,n2n−1) , F(n)
   のいずれかに属すのであって、
   
F(n,0), F(n,1) , F(n,2), F(n,3) ,…, F(n,n2n−1) , F(n) のどれにも属さないということはありえない。
   だから、「
fn の定義の手順2」に従って、
   
R上の点集合E(n,0), E(n,1) , E(n,2), E(n,3) ,…, E(n,n2n−1) , E(n) を定義すると、
   「
Dの元」の各々は、E(n,0), E(n,1) , E(n,2), …, E(n,n2n−1) , E(n) のいずれかに属すのであって、
   
E(n,0), E(n,1) , E(n,2), …, E(n,n2n−1) , E(n) のどれにも属さない「Dの元」は存在しないことになる。
   したがって、
D=E(n,0)∪E(n,1)∪E(n,2)∪…∪E(n,n2n−1)∪E(n)
   [ここで主張しているのは、
     「どの『
Dの元』を一つ取っても、
       
E(n,0), E(n,1) , E(n,2), …, E(n,n2n−1) , E(n) のいずれかに属す」ということであって、
      「
E(n,0), E(n,1) , E(n,2), …, E(n,n2n−1) , E(n) のどの一つをとっても、
                        『
Dの元』が属している」ということではない
      ことに注意。
      
fの値域f (D)が[0, +∞)の全域に渡っておらず、
      
F(n,0), F(n,1) , F(n,2), F(n,3) ,…, F(n,n2n−1) , F(n) のいずれかをはずしている場合、
      
E(n,0), E(n,1) , E(n,2), …, E(n,n2n−1) , E(n) のなかに、
      どの『
Dの元』も属さない集合―つまり空集合φ―が生じるのは
      当然である。
      なお、
E(n,0), E(n,1) , E(n,2), …, E(n,n2n−1) , E(n) のどれかが空集合φであったところで、
       「
DがE(n,0), E(n,1) , E(n,2), …, E(n,n2n−1) , E(n) に直和分割される」ことにかわりはない。
      
φはいかなる集合とも互いに素であり、
      また、
φとの和をとったところで演算の結果はかわらない]  
  ・したがって、
f が非負一価関数である限りは、f の定義域Dは、
                 
E(n,0), E(n,1) , E(n,2), …, E(n,n2n−1) , E(n) に直和分割される。
    もしも、
f が多価関数ならば、
    
E(n,0), E(n,1) , E(n,2), …, E(n,n2n−1) , E(n) に重複がでてくることになる。

・したがって、R上の点集合E(n,0), E(n,1) , E(n,2), …, E(n,n2n−1) , E(n) の定義関数を用いて、
        
fn(x)=0χE(n,0)(x)+(1/2n)χE(n,1) (x)+(2/2n )χE(n,2) (x)+(3/2n )χE(n,3) (x)+…
                  
                
+nχE(n) (x) 
 と定義された
fnは、
 
定義域Dの直和分割E(n,0), E(n,1) , E(n,2), …, E(n,n2n−1) , E(n)についての定義関数の線型結合となっており、
 
fn は、紛れもなく単関数である。
 実際、
fn は、

      [case 0] x∈E(n,0)ならば、fn(x)=0  
            つまり、 0≦f (x) < 1/2n を満たすx∈Dに対して、fn(x)=0  
      
[case 1] x∈E(n,1)ならば、fn(x)=1/2n  
            つまり、  1/2n≦f (x) < 2/2n を満たすx∈Dに対して、fn(x)=1/2n  
      
[case 2] x∈E(n,2)ならば、fn(x)=2/2n  
            つまり、  2/2n≦f (x) <3/2n を満たすx∈Dに対して、fn(x)=2/2n 
       : 
      
[case (n−1)2n−1 ] x∈E (n, (n−1)2n−1 ) ならば、fn(x)=((n−1)2n−1)/2n  
          つまり、
           
((n−1)2n−1)/2n=n−1−1/2n≦f (x)<n−1= (n−1)2n/2nを満たすx∈Dに対して、
                               
fn(x)=((n−1)2n−1)/2n=n−1−1/2n 
      
[case (n−1)2n ] x∈E (n, (n−1)2n ) ならば、fn(x)= (n−1)2n/2n  
          つまり、
           
(n−1)2n/2n=n−1≦f (x)<n−1+1/2n=((n−1)2n+1)/2nを満たすx∈Dに対して、
                                
fn(x)=(n−1)2n/2n=n−1 
      
[case (n−1)2n+1] x∈E (n, (n−1)2n+1 ) ならば、fn(x)= ((n−1)2n+1)/2n   
          つまり、
           
n−1+1/2n≦f (x) <n−1+2/2n を満たすx∈Dに対して、   
                                
fn(x)=((n−1)2n+1)/2n=n−1+1/2n 
       : 
      
[case(n2n−1)] x∈E(n,n2n−1)ならば、fn(x)=(n2n−1)/2n=n−1/2n 
            つまり、
n−1/2n≦f (x) <n を満たすx∈Dに対して、fn(x)=n−1/2n 
      
[case(n2n)]  x∈E(n)ならば、fn(x)=n   
            つまり、 n≦f (x) を満たすx∈Dに対して、fn(x)=n  

となって、最大(n2n+1)通り ( E(n,0), E(n,1) , E(n,2), …, E(n,n2n−1) , E(n) のなかに空集合があればそれだけ減る)という有限個の値しかしかとらず、これらの値の逆像も互いに素である。

  → fnが単関数であることの証明の冒頭に戻る 
  →
{fn}が単関数列であることの証明の冒頭に戻る

  →証明の冒頭に戻る 

  →定理に戻る

証明: ここで定義された関数列は、単調増加列。

[目次]
→ Step1: f1≦f2。
→
Step2: f2≦f3。
  :
  :
→
Step-(n−1): fn-1≦fn。
  :
→
証明の冒頭に戻る

→定理に戻る

Step1: f1≦f2

 ・f2 (x )は、f1 (x )にたいして、
   「
y = f (x) の定義域」D上の任意の点xについて、f1 (x )≦f2 (x ) 」   
  を満たす。 
  
f1 (x )の値のとりかたと、f2 (x )の値のとりかたとを見比べると、
       
(i) 0≦f (x)<1/4または1/2≦f (x)<3/4または1≦f (x)<5/4を満たすx∈Dについては、  
          
f1 (x )=f2 (x )   
       
(ii) 1/4≦f (x)<1/2または3/4≦f (x)<1または5/4≦f (x)<6/4を満たすx∈Dについては、
         
f1 (x )+1/4=f2 (x ) なので、  f1 (x )<f2 (x )   
       
(iii)6/4≦f (x)を満たすx∈Dについては、
         
f1 (x )+1/4<f2 (x ) なので、  f1 (x )<f2 (x )  
  となっていることがわかる。

      [図例]  
        
→
{fn}が単調増加列であることの証明の冒頭に戻る

→定理に戻る→

Step2: f2≦f3

 ・f3 (x )は、f2 (x )にたいして、
        「
y = f (x) の定義域」D上の任意の点xについて、f2 (x )≦f3 (x ) 」   
  を満たす。
  
f2 (x )の値の取り方と、f3 (x ) の値のとりかたを見比べると、
       
(i) 0≦f (x)<1/8または1/4≦f (x)<3/8または1/2≦f (x)<5/8または3/4≦f (x)<7/8または
        
1≦f (x)<9/8または5/4≦f (x)<11/8または3/2≦f (x)<13/8または7/4≦f (x)<15/8
        または2≦f (x)<17/8を満たすx∈Dについては、  
          
f2 (x ) = f3 (x )   
       
(ii) 1/8≦f (x)<1/4または3/8≦f (x)<1/2または5/8≦f (x)<3/4または7/8≦f (x)<1または
        
9/8≦f (x)<5/4または11/8≦f (x)<3/2または13/8≦f (x)<7/4または15/8≦f (x)<2
        17/8≦f (x)<18/8 を満たすx∈Dについては、
          
f2 (x )+1/8= f3 (x ) なので、f2 (x )<f3 (x )  
       
(iii)18/8≦f (x)を満たすx∈Dについては、f2 (x )+1/8<f3 (x ) 
         となっていることがわかる。 

      [図例]   
        

→{fn}が単調増加列であることの証明の冒頭に戻る

→定理に戻る

Step (n-1):fn-1≦fn

・fn (x)は、fn-1 (x)にたいして、
   「
y = f (x) の定義域」D上の任意の点xについて、fn-1 (x)≦fn (x) 」   
  を満たす。
  
fn-1 (x) は、次のように、xを fn-1 (x) に対応付ける単関数。 

        [case 0]   0/2n−1≦f (x)<1/2n−1=2/2nを満たすx∈Dに対して、fn-1 (x) =0  
                 すなわち、
0≦f (x)<2/2nを満たすx∈Dに対して、 fn-1 (x) =0    
        
[case 1]   1/2n−1≦f (x)<2/2n−1 を満たすx∈Dに対して、 fn-1 (x) =1/2n−1 
                 すなわち、
2/2n≦f (x)<4/2n を満たすx∈Dに対して、 fn-1 (x) =2/2n 
        
[case 2]   2/2n−1≦f (x)<3/2n−1 を満たすx∈Dに対して、fn-1 (x) =2/2n−1 
                 すなわち、
4/2n≦f (x) <6/2n を満たすx∈Dに対して、 fn-1 (x) =4/2n 
         :   
        
[case (n−1)2n−1−1 ] 
            
((n−1)2n−1−1)/2n−1=n−1−1/2n−1≦f (x) <(n−1)2n−1 /2n−1=n−1
            を満たすx∈Dに対して、
            
fn-1 (x) =n−1−1/2n−1 
            すなわち、
n−1−2/2n≦f (x) <n−1 を満たすx∈Dに対して、fn-1 (x) =n−1−2/2n 
        
[case (n−1)2n−1 ] (n−1)2n−1 /2n−1=(n−1)≦f (x)  を満たすx∈Dに対して、fn-1 (x) =n−1  

  このfn-1 (x) の値のとりかたと、fn (x)の値のとりかたを見比べると、
       
(i) 0≦f (x)<1/2n または2/2n≦f (x)<3/2nまたは4/2n≦f (x)<5/2nまたは…
        
n−1−2/2n≦f (x)<n−1−1/2nまたはn-1 ≦f (x)<n-1+1/2nを満たすx∈Dについては、  
          
fn-1 (x)=fn (x)   
       
(ii) 1/2n≦f (x)<2/2nまたは3/2n≦f (x)<4/2nまたは5/2n≦f (x)<6/2nまたは…
         …
またはn−1−1/2n≦f (x)<n−1 またはn−1+1/2n≦f (x)<n−1+2/2n
         を満たすx∈Dについては、
          
fn-1 (x)+1/2n=fn (x) なので、fn-1 (x)<fn (x)  
       
(iii) n−1+2/2n ≦f (x)を満たすx∈Dについては、
          
fn-1 (x)+1/2n<fn (x) なので、fn-1 (x)<fn (x) 
         となっていることがわかる。 

→{fn}が単調増加列であることの証明の冒頭に戻る

→証明の冒頭に戻る 

→定理に戻る

 

証明: ここで定義された関数列は、fに各点収束する。

→証明の冒頭に戻る 

→定理に戻る

・関数列{ fn }の各項fn の値の取り方は、以下の通りだった。

   [case 0]    0/2n≦f (x) < 1/2n を満たすx∈Dに対して、fn (x) =0
   
[case 1]    1/2n≦f (x) < 2/2n を満たすx∈Dに対して、fn (x) =1/2n 
   
[case 2]    2/2n≦f (x) < 3/2n を満たすx∈Dに対して、fn (x) =2/2n 
     : 
     : 
   
[case n2n−1 ] n−1/2n≦f (x) <n を満たすx∈Dに対して、
              
fn (x) =(n2n−1)/2n=n−1/2n 
   
[case n2n ]    (n2n)/2n=n≦f (x)  を満たすx∈Dに対して、fn(x) =n 

  ここからわかることは、
  
fn の項番n未満の値をf (x)にとらせる全てのx∈Dに対して(つまり、[case 0]~[case n2n−1]について )、
     
| fn(x)−f (x) |<1/2n  
 が成り立つということである。 …
(1) 

・はじめに、1変数関数 f を、任意の非負実数値1変数関数と定義したので、
 
任意の x∈Dに対して、その値f (x)は実数となり、
 したがって、
アルキメデスの原理により、各f (x)に応じて、それより大きな自然数Mが存在するといえる。
 すなわち、
(∀x∈D) (∃M∈N) ( f (x) <M )  
 ただし、この自然数
Mは、「すべてのx∈D,f (x)にたいして」「一律に」とれるとは限らない。
     それぞれの
x∈D, f (x)に応じて、別様に、f (x)より大きな自然数Mをとれる、とまでしかいえない。
 各
x∈Dにおいて、「f (x) <M」を満たす自然数Mを一つ決め、ここでは、M(x)と書くことにする。…(2)  

 (参考)  
  ・
1変数関数 f が、任意の非負有界関数のケースでは、有界関数の定義により
      
(∃M∈N) (∀x∈D) ( f (x)<M ) とできる。
  ・
1変数関数 f が、有界関数でなくても、任意の非負実数値1変数関数のケースでは、
       
アルキメデスの原理により、(∀x∈D) (∃M∈N) ( f (x)<M )とできる。
  ・
1変数関数 f が、実数値関数でなく、
            非負「広義の実数値」関数(つまり正の実数値か+∞を値にとる)のケースでは、
      
f (x)<∞を満たす限りでのx∈Dに対して、(∀x∈D) (∃M∈N) ( f (x)<M )、
      
f (x)=∞を満たす限りでのx∈Dに対して、(∀x∈D) ( f (x) =∞ )、
   この相違が、一様収束、各点収束等の結論の相違に帰結する。 

・x∈Dをひとつ決める。
 
(2)より、ここで決めた x∈Dにおいて、f (x) <M(x) であるから、
 
(1)より、関数列{ fn }における、自然数M(x)を超える項番以降の項、
  すなわち、
n>M(x)を満たすfn は、  
  ここで決めた
x∈Dに対して、  
     
| fn (x)−f (x) |<1/2n  
  を満たす。 …
(3)
  n>M(x)ならば、1/2n<1/2M(x) だから、(3)は次のように拡張できる。
   
n>M(x)を満たすfn は、  
     ここで決めた
x∈Dに対して、  
       
| fn (x)−f (x) |<1/2n<1/2M(x) 
   を満たす。 …
(4)  

・任意の正の実数εをとる。
 
(2)で決めた自然数M(x)を用いて、(i)ε>1/2M(x)となるケース、(ii)0<ε≦1/2Mとなるケース、に分けて考える。

 (i)ε>1/2M(x)となるケース  
  
1/2M(x)<εとなるケースのなかで、(4)を考えると、 
    
任意の正の実数ε>1/2Mに対して、自然数Nとして「(2)で決めた自然数M(x)」をとると、
      
n≧Nを満たす任意の自然数nに対して、
       ここで決めた
x∈Dにおいて、  
          
| fn (x)−f (x) |<1/2n<1/2M<ε が満たされる
    
論理記号で表すと、 
      
(∀ε>1/2M) (∃N∈N) (∀n∈N)( n≧N⇒| fn(x)−f (x)|<1/2n<1/2M<ε) …(5)  
  となることがわかる。
 
(ii)0<ε≦1/2M(x)となるケース  
 ・
Nを自然数とおくと、
  
1/2Nは、自然数Nをいじることで、
   
1/2まで大きくすることができ、(自然数Nを最小値の1にすることによる)、
   限りなく0に近いところまで小さくすることができる(自然数
Nをどこまでも大きくすることによる)。
  したがって、
   
任意の正の実数εに対して、0<1/2N<εを満たすよう、自然数Nをとることができる。
  このような自然数
Nを一つきめておく。…(6)
 ・ここで考えている「0<ε≦1/2M(x)となるケース」において(6)に従って自然数Nを決めたから
   このとき、0
<1/2N<ε≦1/2M(x) となる。…(7) 
   よって、このケースで、
(6)に従ってNを決めると、N>M(x)となる。…(8)  
 ・さらに、
(6)に従って決めた自然数Nにたいして、n≧Nを満たす任意の自然数nをとると、
  
(8)より、n≧N>M(x)となって、 
  
(4)より、 
  ここで決めた
x∈Dに対して、| fn (x)−f (x) |<1/2n<1/2M(x) が満たされる。…(9) 
  
(7)より、(9)は、
   
n≧Nを満たす任意の自然数nにたいして、
     ここで決めた
x∈Dにおいて、| fn (x)−f (x) |<1/2n<ε≦1/2M(x) が満たされる。
  と拡張される。
  以上から、
   ε≦
1/2M(x)を満たす限りで任意の正の実数εに対して、
   ある自然数
Nとして「0<1/2N<εを満たす自然数」をとると、
       
n≧Nを満たす任意の自然数nに対して、
      ここで決めた
x∈Dにおいて、| fn (x)−f (x) |<1/2n<ε≦1/2M(x) が満たされる
  といえる。
  これを、
論理記号で表すと、 
    
(∀ε) (0<ε≦1/2M(x)⇒ (∃N∈N) (∀n∈N)( n≧N⇒| fn(x)−f (x)|<1/2n<ε≦1/2M(x) ) )  …(10)

(i)ε>1/2M(x)となるケースの結論(5)、(ii)0<ε≦1/2M(x)となるケースの結論(10)をあわせると、
ε
>1/2M(x)となろうが、0<ε≦1/2M(x)となろうが、任意の正の実数εに対して、ある自然数Nをとると、
       
n≧Nを満たす任意の自然数nとに対して、
        ここで決めた
x∈Dにおいて、| fn (x)−f (x) |<ε が満たされる
と結論される。
これを、
論理記号で表すと、 
    
(∀ε>0) (∃N∈N) (∀n∈N)( n≧N⇒| fn(x)−f (x)|<1/2n<ε≦1/2M(x) )   …(11)

・xを、Dに属すどの点に変えていっても、以上の議論はそのまま成り立つ。
  したがって、
(11)は、 
    
(∀x∈D) (∀ε>0) (∃N∈N) (∀n∈N)( n≧N⇒| fn(x)−f (x)|<1/2n<ε≦1/2M(x) )  …(12)

これは、関数列{ fn }が、D上で、fに各点収束するということの定義に他ならない。 
  

→関数列{fn}がfに各点収束するということの証明の冒頭に戻る。

→証明の冒頭に戻る 

→定理に戻る