定理: 非負実数値1変数関数に各点収束する単関数列

要旨

任意の非負実数値1変数関数 f にたいして、「f に各点収束する単関数の単調増加列」が存在する。

設定

この定理は、以下のように設定された舞台上で成立する。
Step1実数を全てあつめた集合(実数体)Rを用意する。 
Step2R部分集合をひとつきめて、Dと名づける。
Step3D定義域とする「非負実数値1変数関数y= f (x) 
    つまり、 
     
1変数関数fDR」であって、
     
任意の xDRにたいして、f (x)≧0
    を満たすもの
    を用意する。
    
y= f (x) は有界関数でなくてもよいので、
    たとえば、
(,1 ]を定義域とするy= f (x)=1/xなどでもよい。

[文献]
ルディン『
現代解析学10.20(p.267)
志賀『
ルベーグ積分3018(p.138)):図解付
伊藤清三定理
10.1(p.63):図解付,可測関数のケース。

定理

任意のxDRにたいしてf (x)≧0を満たす限りで任意の実数値1変数関数
  
y= f (x)
に対して、
次のように定義された
関数列fn}={ f1 , f2 , f3 , }は、[性質1] [性質2] [性質3]を満たす。
[関数列{ fn(x)}={ f1 , f2 , f3 , }の定義]
 
Step1:関数fn(x)の定義
 ある自然数
nを一つ決める。
 
x軸上の「y = f (x) 定義域Dを、
 
(n2n1)個のR上の点集合 
  
E(n,) f -1 ( [/2n, 1/2n ) ) { x DR | /2nf (x)1/2n }  
  
E(n,1) f -1 ( [1/2n, 2/2n ) ) { x DR | 1/2nf (x)2/2n }  
  
E(n,2) f -1 ( [2/2n, 3/2n ) ) { x DR | 2/2nf (x)3/2n }
  E(n,3) f -1 ( [3/2n, 4/2n ) ) { x DR | 3/2nf (x)4/2n }
   :
  
E(n,n2n1) = f -1 ( [n1/2n, n ) ) { x DR | n1/2nf (x)n}  
  E(n) f -1 ( [ n, + ) ) { x DR | nf (x) }  
 に切り分け、  
 これらの
定義関数を用いて、
 
1変数関数fn(x)=0χE(n,0)(x)+(1/2n)χE(n,1) (x)+(2/2n )χE(n,2) (x)+(3/2n )χE(n,3) (x)+
                  
                      
+nχE(n) (x)   
 を定義する。
 
Step2:関数列{fn(x)}の定義
 ・上記の
1変数関数fnで、n1とした
             
f1 (x)=0χE(1,)(x)+(1/2)χE(1,1) (x)+1χE(1) (x)  
 ・上記の
1変数関数fnで、n2とした
             
f2(x)=0χE(2,)(x)+(1/4)χE(2,1) (x)+(1/2)χE(2,2) (x)+(3/4)χE(2,3) (x)+1χE(2,4) (x)
                     +(5/4)χE(2,5) (x)+(3/2)χE(2,6) (x)+(7/4)χE(2,7) (x)+2χE(2) (x)  
 ・上記の
1変数関数fnで、n3とした
             
f3(x)=0χE(3,)(x)+(1/8)χE(3,1) (x)+(1/4)χE(3,2) (x)+(3/8)χE(3,3) (x)+(1/2)χE(3,4) (x)
                    +(5/8)χE(3,5) (x)+(3/4)χE(3,6) (x)+(7/8)χE(3,7) (x)+χE(3,8) (x) 
                    
+(9/8)χE(3,9) (x)+(5/4)χE(3,10) (x)+(11/8)χE(3,11) (x)+(3/2)χE(3,12) (x)
                    +(13/8)χE(3,13) (x)+(7/4)χE(3,14) (x)+(15/8)χE(3,15) (x)+2χE(3,16) (x)
                    +(17/8)χE(3,17) (x)+(9/4)χE(3,18) (x)+(19/8)χE(3,19) (x)+(5/2)χE(3,20) (x)
                    +(21/8)χE(3,21) (x)+(11/4)χE(3,22) (x)+(23/8)χE(3,23) (x) 
                    
+3χE(3) (x)   
 :        

 :        
 という具合に、自然数nを一つずつ増やしながら、上記の1変数関数fnを並べていったものを、 
    
関数列 fn}= { f1 , f2 , f3 , }  
 として定義する。
 
この関数列fn}={ f1 , f2 , f3 , }について、もっと詳しい説明→詳細 
[性質1] この関数列の各項 f1 , f2 , f3 , …は、すべて単関数
なぜ?→証明  
[性質2] この関数列は、単調増加列。
     つまり、
      
任意のxDRにたいして、
      
xを固定して得られる数列 { fn(x ) }={ f1 (x ) , f2 (x ) , f3 (x ) , } が、
        
f1 (x )f2 (x )f3 (x )≦…
      を満たす。 
なぜ?→証明  
[性質3] この関数列{ f1 , f2 , f3 , }は、1変数関数f に各点収束する。 
なぜ?→証明  自然数と実数の関係 

 

定理に戻る

 

 

 

証明:

[目次]
性質1「この関数列の各項 f1 , f2 , f3 , …は、すべて単関数」の証明
    → Step1: f1は単関数。
    →
Step2: f2は単関数。
    →
Step3: f3は単関数。
      :
      :
    →
Step-n: fnは単関数。
    :
性質2「この関数列は、単調増加列」の証明
    →
Step1: f1f2
    →
Step2: f2f3
      :
      :
    →
Step-(n−1): fn-1fn
性質3「この関数列は、1変数関数fに各点収束する」の証明
定理に戻る

証明: ここで定義された関数列の各項は、すべて単関数。

[目次]
Step1: f1は単関数。
Step2: f2は単関数。
Step3: f3は単関数。
  :
  :
Step-n: fnは単関数。
  :
証明の冒頭に戻る 

定理に戻る

 

Step1: f1 単関数となることの確認。
f1 定義の手順2の帰結として、
 
f が非負一価関数である限りは、E, E1 , Eに重複は生じず、
 
f 定義域Dは、E, E1 , E直和分割される。  

    なぜ? 
    ・「
y = f (x) 定義域DE, E1 , E直和分割される」とは、
       
1.E, E1 , Eに重複が無く
            
EE1 =φ, EE =φ, E1E =φ
            すなわち、
             
EE1の両方に属すD」は存在しない
             
EEの両方に属すD」は存在しない
             
E1Eの両方に属すD」は存在しない
       なおかつ、
       
2. D=EE1E
         つまり、
          「
D」の各々は、E, E1 , Eのいずれかに属すのであって、
           
EE1Eのどれにも属さない「D」は存在しない  
     ということ。
    ・まず、
f 一価関数である限りは、どの「D」のf もただ一つに限られるから、
     どの「
Dの元」のf も、F, F1 ,F ( f1定義の手順1)のいずれか一つに属すのであって、
     複数に同時に
属すことはありえない。 
     したがって、「
f1 定義の手順2」に従って、E, E1 , Eを定義すると、
     「
D」は、E, E1 , Eのいずれか一つに属すのであって、
     複数に同時に
属すD」は存在しない。 
     だから、
E, E1 , Eには重複が無く、EE1 =φ, EE =φ, E1E =φ
    ・また、
f が非負である限りは、 
     どの「
D」のf も、F, F1 ,F ( f1定義の手順1)のいずれかに属すのであって、
     
F, F1 , F のどれにも属さないということはありえない。
     したがって、「
f1 定義の手順2」に従って、E, E1 , Eを定義すると、
     「
D」の各々は、E, E1 , Eのいずれかに属すのであって、
     
E, E1 , Eのどれにも属さない「D」は存在しない。 
     したがって、
D=EE1E
     
[ここで主張しているのは、
      「どの『
D』を一つ取っても、E, E1 , Eのいずれかに属す」ということであって、
      「
E, E1 , Eのどの一つをとっても、『D』が属している」ということではないことに注意。
      
f 値域f (D)が、[ , + )の全域に渡っておらず、F, F1 ,F のいずれかをはずしている場合、
      
E, E1 , Eのなかに、どの『D』も属さない集合―つまり空集合φ―が生じるのは
      当然である。
      なお、
E, E1 , Eのどれかが空集合φであったところで、
       「
DE, E1 , E直和分割される」ことにかわりはない。
      
φはいかなる集合とも互いに素であり、
      また、
φとの和をとったところで演算の結果はかわらない]  
    ・したがって、
f が非負一価関数である限りは、f 定義域Dは、E, E1 , E直和分割される。
       もしも、
f 多価関数ならば、E, E1 , Eに重複がでてくることになる。     

    [図例] 
         
           この例では、
E=φとなっており、 
           「
y = f (x) 定義域Dは、E1,E 直和分割されている。
           なお、
            「
Dは、E=φ, E1 , E 直和分割される」 
           といってもよい。
           (「
直和分割」の定義に適っている。
             
φは、いかなる集合とも互いに素となるから
             また、
D=E1Eならば、D=φE1E=EE1Eとなるから。 ) 

・したがって、R上の点集合E, E1 , Eの定義関数を用いて、
        
f1(x)=0χE(x)+(1/2)χE1 (x)+1χE (x) 
 と定義された
f1は、
 
定義域D直和分割E, E1 , Eについてのの定義関数の線型結合となっており、
 
f1(x)は、紛れもなく単関数である。
 実際、
f1(x)は、

       xEならば、f1(x)=0  
            つまり、「0≦f (x)1/2」を満たすxに対しては、f1(x)=0  
       xE1ならば、f1(x)1/2  
            つまり、「1/2f (x)1」を満たすxに対しては、f1(x)1/2  
       xEならば、f1(x)1  
            つまり、「1f (x)」を満たすxに対しては、f1(x)1  

 となって、最大三通り(E, E1 , Eのなかに空集合があればそれだけ減る)という有限個の値しかとらず、
 これらの値の
逆像互いに素である。
         
[図例]   
          

  → f1が単関数であることの証明の冒頭に戻る 
  →
{fn}が単関数列であることの証明の冒頭に戻る

  →証明の冒頭に戻る 

  →定理に戻る

 

Step2: f2 単関数となることの確認。
f2 定義の手順2の帰結として、
 
f が非負一価関数である限りは、E, E1 , E2 ,, E7 , Eに重複は生じず、
 
f 定義域Dは、E, E1 , E2 ,, E7 , E直和分割される。 

   なぜ? 
   ・「
y = f (x) 定義域DE, E1 , E2 ,, E7 , E直和分割される」とは、
       
1.E, E1 , E2 ,, E7 , Eに重複が無く
            
EiEj =φ(i,j=0,1,2,7, ij), EiE =φ(i=0,1,2,7)
            すなわち、
            
E, E1 , E2 ,, E7 , Eの複数に同時に属すD」は存在しない
       なおかつ、
       
2. D=EE1E2E7E
         つまり、
          「
D」の各々は、E, E1 , E2 ,, E7 , Eのいずれかに属すのであって、
           
E, E1 , E2 ,, E7 , Eのどれにも属さない「D」は存在しない  
     ということ。
   ・まず、
f 一価関数である限りは、どの「D」のf もただ一つに限られるから、
    どの「
Dの元」のf も、F, F1 , F2 ,, F7 , F [f2 定義の手順1]のいずれか一つに属すのであって、
    複数に同時に
属すことはありえない。 
    したがって、「
f2 定義の手順2」に従って、E, E1 , E2 ,, E7 , Eを定義すると、
          「
D」は、E, E1 , E2 ,, E7 , Eのいずれか一つに属すのであって、
          複数に同時に
属すD」は存在しない。 
          だから、
E, E1 , E2 ,, E7 , Eには重複が無く、
          
EiEj =φ(i,j=0,1,2,7, ij), EiE =φ(i=0,1,2,7)
   ・また、
f が非負である限りは、 
    どの「
D」のf も、F, F1 , F2 ,, F7 , F [f2 定義の手順1]のいずれかに属すのであって、
    
F, F1 , F2 ,, F7 , F のどれにも属さないということはありえない。
    したがって、「
f2 定義の手順2」に従って、E, E1 , E2 ,, E7 , Eを定義すると、
    「
D」の各々は、E, E1 , E2 ,, E7 , Eのいずれかに属すのであって、
    
E, E1 , E2 ,, E7 , Eのどれにも属さない「D」は存在しない。 
    したがって、
D=EE1E2E7E
    [ここで主張しているのは、
     「どの『
D』を一つ取っても、E, E1 , E2 ,, E7 , Eのいずれかに属す」ということであって、
     「
E, E1 , E2 ,, E7 , Eのどの一つをとっても、『D』が属している」ということではない
     点に注意。
     
f 値域f (D)[, +)の全域に渡っておらず、F, F1 , F2 ,, F7 , F のいずれかをはずしている場合、
      
E, E1 , E2 ,, E7 , Eのなかに、どの『D』も属さない集合―つまり空集合φ―が生じるのは
      当然である。
      なお、
E, E1 , E2 ,, E7 , Eのどれかが空集合φであったところで、
       「
DE, E1 , E2 ,, E7 , E直和分割される」ことにかわりはない。
      
φはいかなる集合とも互いに素であり、
      また、
φとの和をとったところで演算の結果はかわらない]  
    ・したがって、
f が非負一価関数である限りは、f 定義域Dは、E, E1 , E2 ,, E7 , E直和分割される。
       もしも、
f 多価関数ならば、E, E1 , E2 ,, E7 , Eに重複がでてくることになる。 

         [図例]   
          
           この例では、
E=φE1=φとなっており、 
           「
y = f (x) 定義域Dは、E2, E3 ,, E7 , E 直和分割されている。
           なお、
            「
Dは、E=φ, E1=φ, E2 , E3 ,, E7 , E 直和分割される」 
           といってもよい。
           (「
直和分割」の定義に適っている。
             
φは、いかなる集合とも互いに素となるから
             また、
D=E2E7Eならば、
             
D=φφE2E7E=EE1E2E7Eとなるから。 )

・したがって、R上の点集合E, E1 , E2 ,, E7 , Eの定義関数を用いて、
        
f2(x)=0χE(x)+(1/4)χE1 (x)+(1/2)χE2 (x)+(3/4)χE3 (x)+1χE4 (x)
                +(5/4)χE5 (x)+(3/2)χE6 (x)+(7/4)χE7 (x)+2χE (x) 
 と定義された
f2は、
 
定義域D直和分割E, E1 , E2 , E3 ,, E7 , E についてのの定義関数の線型結合となっており、
 
f2は、紛れもなく単関数である。
 実際、
f2は、

      [case 0] xEならば、 f2 (x)=0  
            つまり、 0/4f (x) 1/4 を満たすxDに対して、 f2 (x)=0  
      
[case 1] xE1ならば、 f2 (x) 1/4  
            つまり、1/4f (x) 2/4 を満たすxDに対して、 f2 (x)1/4  
      
[case 2] xE2ならば、 f2 (x)1/2  
            つまり、2/4f (x) 3/4 を満たすxDに対して、 f2 (x)1/2    
      
[case 3] xE3ならば、 f2 (x)3/4   
            つまり、3/4f (x) 4/4 を満たすxDに対して、 f2 (x)3/4  
      
[case 4] xE4ならば、 f2 (x)1   
            つまり、4/4f (x) 5/4 を満たすxDに対して、 f2 (x)1  
      
[case 5] xE5ならば、 f2 (x)5/4    
            つまり、5/4f (x) 6/4 を満たすxDに対して、 f2 (x)5/4  
      
[case 6] xE6ならば、 f2 (x)3/2   
            つまり、6/4f (x) 7/4 を満たすxDに対して、 f2 (x)3/2  
      
[case 7] xE7ならば、 f2 (x)7/4   
            つまり、7/4f (x) 8/4 を満たすxDに対して、 f2 (x)7/4 
      
[case 8] xEならば、 f2 (x)2  
            つまり、「2f (x)」を満たすxに対しては、 f2 (x)2   

 となって、最大9通り(E, E1 , , E7 , Eのなかに空集合があればそれだけ減る)という有限個の値しかとらず、
 これらの値の
逆像互いに素である。

       [図例]  
        

  → f2が単関数であることの証明の冒頭に戻る 
  →
{fn}が単関数列であることの証明の冒頭に戻る

  →証明の冒頭に戻る 

  →定理に戻る

Step3: f3 単関数となることの確認。
f3 定義の手順2の帰結として、
 
f が非負一価関数である限りは、E, E1 , E2 ,, E23 , E に重複は生じず、
 
f 定義域Dは、E, E1 , E2 ,, E23 , E 直和分割される。 

    なぜ? 
    ・「
y = f (x) 定義域DE, E1 , E2 ,, E23 , E直和分割される」とは、
       
1.E, E1 , E2 ,, E23 , Eに重複が無く
            
EiEj =φ(i,j=0,1,2,,23, ij), EiE =φ(i=0,1,2,,23)
            すなわち、
            
E, E1 , E2 ,, E23 , Eの複数に同時に属すD」は存在しない
       なおかつ、
       
2. D=EE1E2E23E
         つまり、
          「
D」の各々は、E, E1 , E2 ,, E23 , Eのいずれかに属すのであって、
           
E, E1 , E2 ,, E23 , Eのどれにも属さない「D」は存在しない  
     ということ。
    ・まず、
f 一価関数である限りは、どの「D」のf もただ一つに限られるから、
     どの「
Dの元」のf も、F,F1 ,F2 ,,F23 ,F [f3定義の手順1]のいずれか一つに属すのであって、
     複数に同時に
属すことはありえない。 
     したがって、「
f3 定義の手順2」に従って、E, E1 , E2 ,, E23 , Eを定義すると、
     「
D」は、E, E1 , E2 ,, E23 , Eのいずれか一つに属すのであって、
     複数に同時に
属すD」は存在しない。 
     だから、
E, E1 , E2 ,, E23 , Eには重複が無く、
          
EiEj =φ(i,j=0,1,2,,23, ij), EiE =φ(i=0,1,2,,23)
    ・また、
f が非負である限りは、 
     どの「
D」のf も、F,F1 ,F2 ,,F23 ,F [f3 定義の手順1]のいずれかに属すのであって、
     
F,F1 ,F2 ,,F23 ,F のどれにも属さないということはありえない。
     したがって、「
f3 定義の手順2」に従って、E, E1 , E2 ,, E23 , Eを定義すると、
     「
D」の各々は、E, E1 , E2 ,, E23 , Eのいずれかに属すのであって、
     
E, E1 , E2 ,, E23, Eのどれにも属さない「D」は存在しない。 
     したがって、
D=EE1E2E23E
     [ここで主張しているのは、
      「どの『
D』を一つ取っても、E, E1 , E2 ,, E23 , Eのいずれかに属す」ということであって、
      「
E, E1 , E2 ,, E23 , Eのどの一つをとっても、『D』が属している」ということではない
      ことに注意。
     
f値域f (D)[, +)の全域に渡っておらず、F,F1 ,F2 ,,F23 ,F のいずれかをはずしている場合、
      
E, E1 , E2 ,, E23 , Eのなかに、どの『D』も属さない集合―つまり空集合φ―が生じるのは
      当然である。
      なお、
E, E1 , E2 ,, E23 , Eのどれかが空集合φであったところで、
       「
DE, E1 , E2 ,, E23 , E直和分割される」ことにかわりはない。
      
φはいかなる集合とも互いに素であり、
      また、
φとの和をとったところで演算の結果はかわらない]  
    ・したがって、
f が非負一価関数である限りは、f 定義域Dは、
                
E, E1 , E2 ,, E23 , E直和分割される。
       もしも、
f 多価関数ならば、E, E1 , E2 ,, E23 , Eに重複がでてくることになる。

      [図例] 
           
           この例では、
E=φE1=φE2=φE3=φとなっており、 
           「
y = f (x) 定義域Dは、E4, E5 , E6 ,, E23 , E 直和分割されている。
           なお、
            「
Dは、E=φ, E1=φ, E2=φ, E3=φ, E4, E5 , E6 ,, E23 , E 直和分割される」 
           といってもよい。
           (「
直和分割」の定義に適っている。
             
φは、いかなる集合とも互いに素となるから
             また、
D=E4E23Eならば、
             
D=φφφφE4E23E=EE1E2E23Eとなるから。 ) 

・したがって、R上の点集合E, E1 , E2 ,, E23 , Eの定義関数を用いて、
        
f3 (x)=0χE(x)+(1/8)χE1 (x)+(1/4)χE2 (x)+(3/8)χE3 (x)+(1/2)χE4 (x)
                +(5/8)χE5 (x)+(3/4)χE6 (x)+(7/8)χE7 (x)+χE8 (x) 
                
+(9/8)χE9 (x)+(5/4)χE10 (x)+(11/8)χE11 (x)+(3/2)χE12 (x) 
                
+(13/8)χE13 (x)+(7/4)χE14 (x)+(15/8)χE15 (x)+2χE16 (x) 
                
+(17/8)χE17 (x)+(9/4)χE18 (x)+(19/8)χE19 (x)+(5/2)χE20 (x) 
                
+(21/8)χE21 (x)+(11/4)χE22 (x)+(23/8)χE23 (x) 
                
+3χE (x) 
 と定義された
f3は、
 
定義域D直和分割E, E1 , E2 , E3 ,,E23 , E についての定義関数の線型結合となっており、
 
f3は、紛れもなく単関数である。
 実際、
f3は、

      [case 0] xEならば、 f3 (x)=0  
            つまり、 0/8f (x) 1/8 を満たすxDに対して、 f3 (x)=0  
      
[case 1] xE1ならば、 f3 (x)1/8  
            つまり、  1/8f (x) 2/8 を満たすxDに対して、 f3 (x)1/8  
      
[case 2] xE2ならば、 f3 (x)2/8=1/4  
            つまり、  2/8f (x) 3/8 を満たすxDに対して、 f3 (x)2/8=1/4 
      
[case 3] xE3ならば、 f3 (x)3/8   
            つまり、  3/8f (x) 4/8 を満たすxDに対して、 f3 (x)3/8  
      
[case 4] xE4ならば、 f3 (x)4/8=1/2   
            つまり、  4/8f (x) 5/8 を満たすxDに対して、 f3 (x)4/8=1/2 
      
[case 5] xE5ならば、 f3 (x)5/8    
            つまり、  5/8f (x) 6/8 を満たすxDに対して、 f3 (x)5/8  
      
[case 6] xE6ならば、 f3 (x)6/8=3/4   
            つまり、  6/8f (x) 7/8 を満たすxDに対して、 f3 (x)6/8=3/4  
      
[case 7] xE7ならば、 f3 (x)7/8   
            つまり、  7/8f (x) 8/8 を満たすxDに対して、 f3 (x)7/8  
      
[case 8] xE8ならば、 f3 (x)8/8=1   
            つまり、  8/8f (x) 9/8 を満たすxDに対して、 f3 (x)8/8=1  
      
[case 9] xE9ならば、 f3 (x)9/8    
            つまり、  9/8f (x) 10/8 を満たすxDに対して、 f3 (x)9/8  
      
[case10] xE10ならば、 f3 (x)10/8=1+1/4   
            つまり、 10/8f (x) 11/8 を満たすxDに対して、 f3 (x)10/8=1+1/4  
      
[case11] xE11ならば、 f3 (x)11/8   
            つまり、 11/8f (x) 12/8 を満たすxDに対して、 f3 (x)11/8  
      
[case12] xE12ならば、 f3 (x)12/8=1+1/2    
            つまり、 12/8f (x) 13/8 を満たすxDに対して、 f3 (x)12/8=1+1/2  
      
[case13] xE13ならば、 f3 (x)13/8    
            つまり、 13/8f (x) 14/8 を満たすxDに対して、 f3 (x)13/8  
      
[case14] xE14ならば、 f3 (x)14/8=1+3/4   
            つまり、 14/8f (x) 15/8 を満たすxDに対して、 f3 (x)14/8=1+3/4  
      
[case15] xE15ならば、 f3 (x)15/8   
            つまり、 15/8f (x) 16/8 を満たすxDに対して、 f3 (x)15/8  
      
[case16] xE16ならば、 f3 (x)16/8=2   
            つまり、 16/8f (x) 17/8 を満たすxDに対して、 f3 (x)16/8=2  
      
[case17] xE17ならば、 f3 (x)17/8   
            つまり、 17/8f (x) 18/8 を満たすxDに対して、 f3 (x)17/8  
      
[case18] xE18ならば、 f3 (x)18/8=2+1/4   
            つまり、 18/8f (x) 19/8 を満たすxDに対して、 f3 (x)18/8=2+1/4  
      
[case19] xE19ならば、 f3 (x)19/8   
            つまり、 19/8f (x) 20/8 を満たすxDに対して、 f3 (x)19/8  
      
[case20] xE20ならば、 f3 (x)20/8=2+1/2  
            つまり、 20/8f (x) 21/8 を満たすxDに対して、 f3 (x)20/8=2+1/2  
      
[case21] xE21ならば、 f3 (x)21/8  
            つまり、 21/8f (x) 22/8 を満たすxDに対して、 f3 (x)21/8  
      
[case22] xE22ならば、 f3 (x)22/8=2+3/4   
            つまり、 22/8f (x) 23/8 を満たすxDに対して、 f3 (x)22/8=2+3/4  
      
[case23] xE23ならば、 f3 (x)23/8  
            つまり、 23/8f (x) 24/8 を満たすxDに対して、 f3 (x)23/8  
      
[case24] xEならば、 f3 (x)24/8=3   
            つまり、 324/8f (x) を満たすxDに対して、 f3 (x)24/8=3  

となって、最大25通り(E, E1 , , E23 , Eのなかに空集合があればそれだけ減る)という有限個の値しかしかとらず、これらの値の逆像互いに素である。

      [図例]  
        

  → f3が単関数であることの証明の冒頭に戻る 
  →
{fn}が単関数列であることの証明の冒頭に戻る

  →証明の冒頭に戻る 

  →定理に戻る

  

Step-n: fn 単関数となることの確認。
fn 定義の手順2の帰結として、
 
f が非負一価関数である限りは、E(n,), E(n,1) , E(n,2), E(n,3) ,, E(n,n2n1) , E(n) に重複は生じず、
 
f 定義域Dは、E(n,), E(n,1) , E(n,2), E(n,3) ,, E(n,n2n1) , E(n) 直和分割される。 

  なぜ? 
  ・「
y = f (x) 定義域DE(n,), E(n,1) , E(n,2), E(n,3) ,, E(n,n2n1) , E(n) 直和分割される」とは、
     
1.E(n,), E(n,1) , E(n,2), E(n,3) ,, E(n,n2n1) , E(n) に重複が無く
         
E(n,i)E(n,j) =φ (i,j=0,1,2,, n2n1; ij), E(n,i)E(n) =φ(i=0,1,2,,n2n1)
         すなわち、
         
E(n,), E(n,1) , E(n,2), , E(n,n2n1) , E(n) の複数に同時に属すD」は存在しない
     なおかつ、
     
2.D=E(n,)E(n,1)E(n,2)E(n,n2n1) E
       つまり、
       「
D」の各々は、E(n,), E(n,1) , E(n,2), , E(n,n2n1) , E(n)のいずれかに属すのであって、
        
E(n,), E(n,1) , E(n,2), , E(n,n2n1) , E(n)のどれにも属さない「D」は存在しない
   ということ。
  ・まず、
f 一価関数である限りは、どの「D」のf もただ一つに限られるから、
   どの「
Dの元」のf も、
   「
fn 定義の手順1」で定められた区間F(n,),F(n,1),F(n,2),F(n,3),,F(n,n2n1),F(n)
   のいずれか一つに属すのであって、
   複数に同時に
属すことはありえない。 
   だから、「
fn 定義の手順2」に従って、
   
R上の点集合E(n,), E(n,1) , E(n,2), E(n,3) ,, E(n,n2n1) , E(n) を定義すると、
   「
D」は、E(n,),E(n,1),E(n,2),E(n,3),,E(n,n2n1),E(n)のいずれか一つに属すのであって、
   複数に同時に
属すD」は存在しないことになる。 
   だから、
E(n,), E(n,1) , E(n,2), E(n,3) ,, E(n,n2n1) , E(n)には重複が無く、
       
E(n,i)E(n,j) =φ (i,j=0,1,2,, n2n1; ij), E(n,i)E(n)=φ(i=0,1,2,,n2n1)
  ・また、
f が非負である限りは、 
   どの「
D」のf も、
   「
fn 定義の手順1」で定められた区間F(n,), F(n,1) , F(n,2), F(n,3) ,, F(n,n2n1) , F(n)
   のいずれかに属すのであって、
   
F(n,), F(n,1) , F(n,2), F(n,3) ,, F(n,n2n1) , F(n) のどれにも属さないということはありえない。
   だから、「
fn 定義の手順2」に従って、
   
R上の点集合E(n,), E(n,1) , E(n,2), E(n,3) ,, E(n,n2n1) , E(n) を定義すると、
   「
D」の各々は、E(n,), E(n,1) , E(n,2), , E(n,n2n1) , E(n) のいずれかに属すのであって、
   
E(n,), E(n,1) , E(n,2), , E(n,n2n1) , E(n) のどれにも属さない「D」は存在しないことになる。
   したがって、
D=E(n,)E(n,1)E(n,2)E(n,n2n1)E(n)
   [ここで主張しているのは、
     「どの『
D』を一つ取っても、
       
E(n,), E(n,1) , E(n,2), , E(n,n2n1) , E(n) のいずれかに属す」ということであって、
      「
E(n,), E(n,1) , E(n,2), , E(n,n2n1) , E(n) のどの一つをとっても、
                        『
D』が属している」ということではない
      ことに注意。
      
f値域f (D)[, +)の全域に渡っておらず、
      
F(n,), F(n,1) , F(n,2), F(n,3) ,, F(n,n2n1) , F(n) のいずれかをはずしている場合、
      
E(n,), E(n,1) , E(n,2), , E(n,n2n1) , E(n) のなかに、
      どの『
D』も属さない集合―つまり空集合φ―が生じるのは
      当然である。
      なお、
E(n,), E(n,1) , E(n,2), , E(n,n2n1) , E(n) のどれかが空集合φであったところで、
       「
DE(n,), E(n,1) , E(n,2), , E(n,n2n1) , E(n) 直和分割される」ことにかわりはない。
      
φはいかなる集合とも互いに素であり、
      また、
φとの和をとったところで演算の結果はかわらない]  
  ・したがって、
f が非負一価関数である限りは、f 定義域Dは、
                 
E(n,), E(n,1) , E(n,2), , E(n,n2n1) , E(n) 直和分割される。
    もしも、
f 多価関数ならば、
    
E(n,), E(n,1) , E(n,2), , E(n,n2n1) , E(n) に重複がでてくることになる。

・したがって、R上の点集合E(n,), E(n,1) , E(n,2), , E(n,n2n1) , E(n) の定義関数を用いて、
        
fn(x)=0χE(n,0)(x)+(1/2n)χE(n,1) (x)+(2/2n )χE(n,2) (x)+(3/2n )χE(n,3) (x)+
                  
                
+nχE(n) (x) 
 と定義された
fnは、
 
定義域D直和分割E(n,), E(n,1) , E(n,2), , E(n,n2n1) , E(n)についての定義関数の線型結合となっており、
 
fn は、紛れもなく単関数である。
 実際、
fn は、

      [case 0] xE(n,)ならば、fn(x)=0  
            つまり、 0f (x) 1/2n を満たすxDに対して、fn(x)=0  
      
[case 1] xE(n,1)ならば、fn(x)1/2n  
            つまり、  1/2nf (x) 2/2n を満たすxDに対して、fn(x)1/2n  
      
[case 2] xE(n,2)ならば、fn(x)2/2n  
            つまり、  2/2nf (x) 3/2n を満たすxDに対して、fn(x)2/2n 
       : 
      
[case (n1)2n1 ] xE (n, (n1)2n1 ) ならば、fn(x)((n1)2n1)/2n  
          つまり、
           
((n1)2n1)/2n=n11/2nf (x)n1= (n1)2n/2nを満たすxDに対して、
                               
fn(x)((n1)2n1)/2n=n11/2n 
      
[case (n1)2n ] xE (n, (n1)2n ) ならば、fn(x) (n1)2n/2n  
          つまり、
           
(n1)2n/2n=n1f (x)n11/2n=((n1)2n+1)/2nを満たすxDに対して、
                                
fn(x)(n1)2n/2n=n1 
      
[case (n1)2n1] xE (n, (n1)2n1 ) ならば、fn(x) ((n1)2n+1)/2n   
          つまり、
           
n11/2nf (x) n12/2n を満たすxDに対して、   
                                
fn(x)((n1)2n+1)/2n=n11/2n 
       : 
      
[case(n2n1)] xE(n,n2n1)ならば、fn(x)(n2n1)/2nn1/2n 
            つまり、
n1/2nf (x) n を満たすxDに対して、fn(x)n1/2n 
      
[case(n2n)]  xE(n)ならば、fn(x)n   
            つまり、 nf (x) を満たすxDに対して、fn(x)n  

となって、最大(n2n1)通り ( E(n,), E(n,1) , E(n,2), , E(n,n2n1) , E(n) のなかに空集合があればそれだけ減る)という有限個の値しかしかとらず、これらの値の逆像互いに素である。

  → fnが単関数であることの証明の冒頭に戻る 
  →
{fn}が単関数列であることの証明の冒頭に戻る

  →証明の冒頭に戻る 

  →定理に戻る

証明: ここで定義された関数列は、単調増加列。

[目次]
Step1: f1f2
Step2: f2f3
  :
  :
Step-(n−1): fn-1fn
  :
証明の冒頭に戻る

定理に戻る

Step1: f1f2

 ・f2 (x )は、f1 (x )にたいして、
   「
y = f (x) 定義域D上の任意のxについて、f1 (x )f2 (x ) 」   
  を満たす。 
  
f1 (x )の値のとりかたと、f2 (x )の値のとりかたとを見比べると、
       
(i) 0f (x)1/4または1/2f (x)3/4または1f (x)5/4を満たすxDについては、  
          
f1 (x )=f2 (x )   
       
(ii) 1/4f (x)1/2または3/4f (x)1または5/4f (x)6/4を満たすxDについては、
         
f1 (x )+1/4=f2 (x ) なので、  f1 (x )f2 (x )   
       
(iii)6/4f (x)を満たすxDについては、
         
f1 (x )+1/4f2 (x ) なので、  f1 (x )f2 (x )  
  となっていることがわかる。

      [図例]  
        
{fn}が単調増加列であることの証明の冒頭に戻る

定理に戻る

Step2: f2f3

 ・f3 (x )は、f2 (x )にたいして、
        「
y = f (x) 定義域D上の任意のxについて、f2 (x )f3 (x ) 」   
  を満たす。
  
f2 (x )の値の取り方と、f3 (x ) の値のとりかたを見比べると、
       
(i) 0f (x)1/8または1/4f (x)3/8または1/2f (x)5/8または3/4f (x)7/8または
        
1f (x)9/8または5/4f (x)11/8または3/2f (x)13/8または7/4f (x)15/8
        または2f (x)17/8を満たすxDについては、  
          
f2 (x ) = f3 (x )   
       
(ii) 1/8f (x)1/4または3/8f (x)1/2または5/8f (x)3/4または7/8f (x)1または
        
9/8f (x)5/4または11/8f (x)3/2または13/8f (x)7/4または15/8f (x)2
        17/8f (x)18/8 を満たすxDについては、
          
f2 (x )+1/8= f3 (x ) なので、f2 (x )f3 (x )  
       
(iii)18/8f (x)を満たすxDについては、f2 (x )+1/8f3 (x ) 
         となっていることがわかる。 

      [図例]   
        

{fn}が単調増加列であることの証明の冒頭に戻る

定理に戻る

Step (n-1)fn-1fn

fn (x)は、fn-1 (x)にたいして、
   「
y = f (x) 定義域D上の任意のxについて、fn-1 (x)fn (x) 」   
  を満たす。
  
fn-1 (x) は、次のように、x fn-1 (x) に対応付ける単関数。 

        [case ]   0/2n1f (x)1/2n1=2/2nを満たすxDに対して、fn-1 (x) =0  
                 すなわち、
0f (x)2/2nを満たすxDに対して、 fn-1 (x) =0    
        
[case ]   1/2n1f (x)2/2n1 を満たすxDに対して、 fn-1 (x) 1/2n1 
                 すなわち、
2/2nf (x)4/2n を満たすxDに対して、 fn-1 (x) 2/2n 
        
[case ]   2/2n1f (x)3/2n1 を満たすxDに対して、fn-1 (x) 2/2n1 
                 すなわち、
4/2nf (x) 6/2n を満たすxDに対して、 fn-1 (x) 4/2n 
         :   
        
[case (n1)2n11 ] 
            
((n1)2n11)/2n1n11/2n1f (x) (n1)2n1 /2n1=n1
            を満たすxDに対して、
            
fn-1 (x) n11/2n1 
            すなわち、
n12/2nf (x) n1 を満たすxDに対して、fn-1 (x) n12/2n 
        
[case (n1)2n1 ] (n1)2n1 /2n1=(n1)f (x)  を満たすxDに対して、fn-1 (x) n1  

  このfn-1 (x) の値のとりかたと、fn (x)の値のとりかたを見比べると、
       
(i) 0f (x)1/2n または2/2nf (x)3/2nまたは4/2nf (x)5/2nまたは
        
n12/2nf (x)n11/2nまたはn-1 f (x)n-1+1/2nを満たすxDについては、  
          
fn-1 (x)=fn (x)   
       
(ii) 1/2nf (x)2/2nまたは3/2nf (x)4/2nまたは5/2nf (x)6/2nまたは
         …
またはn11/2nf (x)n1 またはn11/2nf (x)n12/2n
         を満たすxDについては、
          
fn-1 (x)+1/2n=fn (x) なので、fn-1 (x)fn (x)  
       
(iii) n12/2n f (x)を満たすxDについては、
          
fn-1 (x)+1/2n<fn (x) なので、fn-1 (x)fn (x) 
         となっていることがわかる。 

{fn}が単調増加列であることの証明の冒頭に戻る

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証明: ここで定義された関数列は、fに各点収束する。

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関数列{ fn }の各項fn の値の取り方は、以下の通りだった。

   [case ]    0/2nf (x) 1/2n を満たすxDに対して、fn (x) =0
   
[case ]    1/2nf (x) 2/2n を満たすxDに対して、fn (x) =1/2n 
   
[case ]    2/2nf (x) 3/2n を満たすxDに対して、fn (x) =2/2n 
     : 
     : 
   
[case n2n1 ] n1/2nf (x) n を満たすxDに対して、
              
fn (x) =(n2n1)/2nn1/2n 
   
[case n2n ]    (n2n)/2n=nf (x)  を満たすxDに対して、fn(x) =n 

  ここからわかることは、
  
fn の項番n未満の値をf (x)にとらせる全てのxDに対して(つまり、[case ]~[case n2n1]について )
     
fn(x)f (x) 1/2n  
 が成り立つということである。 …
(1) 

はじめに、1変数関数 f を、任意の非負実数値1変数関数と定義したので、
 
任意の xDに対して、その値f (x)実数となり、
 したがって、
アルキメデスの原理により、各f (x)に応じて、それより大きな自然数Mが存在するといえる。
 すなわち、
(xD) (MN) ( f (x) M )  
 ただし、この自然数
Mは、「すべてのxD,f (x)にたいして」「一律に」とれるとは限らない。
     それぞれの
xD, f (x)に応じて、別様に、f (x)より大きな自然数Mをとれる、とまでしかいえない。
 各
xDにおいて、「f (x) M」を満たす自然数Mを一つ決め、ここでは、M(x)と書くことにする。…(2)  

 (参考)  
  ・
1変数関数 f が、任意の非負有界関数のケースでは、有界関数の定義により
      
(MN) (xD) ( f (x)M ) とできる。
  ・
1変数関数 f が、有界関数でなくても、任意の非負実数値1変数関数のケースでは、
       
アルキメデスの原理により、(xD) (MN) ( f (x)M )とできる。
  ・
1変数関数 f が、実数値関数でなく、
            非負「広義の実数値」関数(つまり正の実数値か+∞を値にとる)のケースでは、
      
f (x)<∞を満たす限りでのxDに対して、(xD) (MN) ( f (x)M )
      
f (x)=∞を満たす限りでのxDに対して、(xD) ( f (x) =∞ )
   この相違が、一様収束、各点収束等の結論の相違に帰結する。 

xDをひとつ決める。
 
(2)より、ここで決めた xDにおいて、f (x) M(x) であるから、
 
(1)より、関数列{ fn }における、自然数M(x)を超える項番以降の項、
  すなわち、
n>M(x)を満たすfn は、  
  ここで決めた
xDに対して、  
     
fn (x)f (x) 1/2n  
  を満たす。 …
(3)
  n>M(x)ならば、1/2n1/2M(x) だから、(3)は次のように拡張できる。
   
n>M(x)を満たすfn は、  
     ここで決めた
xDに対して、  
       
fn (x)f (x) 1/2n1/2M(x) 
   を満たす。 …
(4)  

任意の正の実数εをとる。
 
(2)で決めた自然数M(x)を用いて、(i)ε>1/2M(x)となるケース、(ii)<ε≦1/2Mとなるケース、に分けて考える。

 (i)ε>1/2M(x)となるケース  
  
1/2M(x)<εとなるケースのなかで、(4)を考えると、 
    
任意の正の実数ε>1/2Mに対して、自然数Nとして「(2)で決めた自然数M(x)」をとると、
      
nNを満たす任意の自然数nに対して、
       ここで決めた
xDにおいて、  
          
fn (x)f (x) 1/2n1/2M<ε が満たされる
    
論理記号で表すと、 
      
(ε>1/2M) (NN) (nN)( nN| fn(x)f (x)|1/2n1/2M<ε) …(5)  
  となることがわかる。
 
(ii)<ε≦1/2M(x)となるケース  
 ・
Nを自然数とおくと、
  
1/2Nは、自然数Nをいじることで、
   
1/2まで大きくすることができ、(自然数Nを最小値の1にすることによる)、
   限りなく0に近いところまで小さくすることができる(自然数
Nをどこまでも大きくすることによる)。
  したがって、
   
任意の正の実数εに対して、0<1/2N<εを満たすよう、自然数Nをとることができる。
  このような自然数
Nを一つきめておく。…(6)
 ・ここで考えている「0<ε≦1/2M(x)となるケース」において(6)に従って自然数Nを決めたから
   このとき、0
<1/2N<ε≦1/2M(x) となる。…(7) 
   よって、このケースで、
(6)に従ってNを決めると、N>M(x)となる。…(8)  
 ・さらに、
(6)に従って決めた自然数Nにたいして、nNを満たす任意の自然数nをとると、
  
(8)より、n≧N>M(x)となって、 
  
(4)より、 
  ここで決めた
xDに対して、 fn (x)f (x) 1/2n1/2M(x) が満たされる。…(9) 
  
(7)より、(9)は、
   
nNを満たす任意の自然数nにたいして、
     ここで決めた
xDにおいて、 fn (x)f (x) 1/2n<ε≦1/2M(x) が満たされる。
  と拡張される。
  以上から、
   ε≦
1/2M(x)を満たす限りで任意の正の実数εに対して、
   ある自然数
Nとして「0<1/2N<εを満たす自然数」をとると、
       
nNを満たす任意の自然数nに対して、
      ここで決めた
xDにおいて、 fn (x)f (x) 1/2n<ε≦1/2M(x) が満たされる
  といえる。
  これを、
論理記号で表すと、 
    
(ε) (<ε≦1/2M(x) (NN) (nN)( nN| fn(x)f (x)|1/2n<ε≦1/2M(x) ) )  …(10)

(i)ε>1/2M(x)となるケースの結論(5)(ii)<ε≦1/2M(x)となるケースの結論(10)をあわせると、
ε
>1/2M(x)となろうが、0<ε≦1/2M(x)となろうが、任意の正の実数εに対して、ある自然数Nをとると、
       
nNを満たす任意の自然数nとに対して、
        ここで決めた
xDにおいて、 fn (x)f (x) <ε が満たされる
と結論される。
これを、
論理記号で表すと、 
    
(ε>0) (NN) (nN)( nN| fn(x)f (x)|1/2n<ε≦1/2M(x) )   …(11)

xを、Dに属すどの点に変えていっても、以上の議論はそのまま成り立つ。
  したがって、
(11)は、 
    
(xD) (ε>0) (NN) (nN)( nN| fn(x)f (x)|1/2n<ε≦1/2M(x) )  …(12)

これは、関数列{ fn }が、D上で、f各点収束するということの定義に他ならない。 
  

関数列{fn}がfに各点収束するということの証明の冒頭に戻る。

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