随伴写像 adjoint mapping

・随伴写像の定義を基礎付ける定理/随伴写像の定義/随伴写像の基本性質 

※関連ページ:ノルム・ノルム空間の定義/内積・計量実ベクトル空間の定義/計量同型写像/直交補空間の定義/部分空間の直交  
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定理:随伴写像を基礎付ける定理


本題


計量実ベクトル空間Vから実数体Rへの一次写像「 g:V→R 」にたいして、
      「 
任意のベクトルx∈Vについて、g ( x )=〈x,a〉 」
        
( ∀x∈V ) ( g ( x )=〈x,a〉 )    
を満たす
ベクトルa∈V が、
ただ一つだけ存在する。  

[文献]
・砂田『行列と行列式』§5.1(p.158);定理7.26(p.251)
・志賀『固有値問題30講』10講(p.78)
・永田『理系のための線形代数の基礎』定理4.4.1(p.121)

設定

なお、この議論は、以下の舞台設定のもと、なされている。
R  :実数体R  
V  :計量実ベクトル空間。
〈
x,y〉:計量実ベクトル空間Vにおけるベクトルx,yの内積  
「
g:V→R 」:計量実ベクトル空間Vから実数体Rへの一次写像 
       なお、ここで、「
一次写像」と言っているのは、 
       
実数体Rを実ベクトル空間と見なしてのこと[砂田『行列と行列式』§5.1(p.158)]。

定義: 随伴写像 adjoint mapping、随伴作用素adjoint operator 


定義


・
一次写像「 f:V→W 」の随伴写像adjoint mapping・随伴作用素adjoint operatorとは、
  
任意のベクトルx∈V、任意のベクトルy∈Wについて、
      「
『 fによるxの像』とyとの、Wにおける内積」と、
      「
xと『 f*によるyの像』との、Vにおける内積」とが一致する
  
写像「 f *:W→V 」のことをいう。
・
論理記号を用いてあらわすと、
 
一次写像「 f:V→W 」の随伴写像adjoint mapping・随伴作用素adjoint operatorとは、
  (
∀x∈V)(∀y∈W)( ( f (x), y )=〈 x, f * (y) 〉 ) 
 を満たす
写像「 f *:W→V 」のことをいう。 。  

[文献]
・砂田『行列と行列式』§7.2.a(p.251);
・志賀『固有値問題30講』10講(p.78);
・永田『理系のための線形代数の基礎』4.4(pp.121-2) 

※随伴写像の具体例: 対称変換  

設定

なお、この定義は、以下の舞台設定のもと、なされている。
R  :実数体R  
V  :計量実ベクトル空間
〈
x,x'〉:計量実ベクトル空間Vにおけるベクトルx,x'の内積  
W  :計量実ベクトル空間
(
y,y'):計量実ベクトル空間Wにおけるベクトルy,y'の内積  
「
f:V→W 」 : 計量実ベクトル空間Vから計量実ベクトル空間Wへの一次写像 

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定理: 随伴写像の基本性質


本題


1. 一次写像「 f:V→W 」の随伴写像・随伴作用素「 f *:W→V 」は、一次写像である。
  ※証明→永田『
理系のための線形代数の基礎』定理4.4.2(p.121)  
2. 一次写像「 f:V→W 」の随伴写像・随伴作用素「 f *:W→V 」は、一意的に存在する。
  ※証明→永田『
理系のための線形代数の基礎』(p.121);
      砂田『行列と行列式』§7.2.a(p.251-2);  
      志賀『
固有値問題30講』10講(pp.78-9);  

[文献]
・砂田『行列と行列式』§7.2.a(p.251)
・志賀『固有値問題30講』10講(p.78)
・永田『理系のための線形代数の基礎』定理4.4.2(p.121)

設定

なお、この議論は、以下の舞台設定のもと、なされている。
R  :実数体R  
V  :計量実ベクトル空間
〈
x,x'〉:計量実ベクトル空間Vにおけるベクトルx,x'の内積  
W  :計量実ベクトル空間
(
y,y'):計量実ベクトル空間Wにおけるベクトルy,y'の内積  
「
f:V→W 」 : 計量実ベクトル空間Vから計量実ベクトル空間Wへの一次写像 
「
f *:W→V 」:一次写像「 f:V→W 」の随伴写像・随伴作用素

 

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(reference)
日本数学会編集『
岩波数学辞典(第三版)』 岩波書店、1985年、項目341ヒルベルト空間C.正規直交系(pp.1006-7)
線形代数のテキスト
ホフマン・クンツェ『
線形代数学I』培風館、1976年。
永田雅宜『
理系のための線形代数の基礎』紀伊国屋書店、1986年4.3(p.119);。
佐武一郎『
線形代数学(第44版)』裳華房、1987年。
志賀浩二『数学
30講シリーズ:線形代数30講』朝倉書店、1988年。
藤原毅夫『理工系の基礎数学
2:線形代数』岩波書店、1996年。
斎藤正彦『
線形代数入門』東京大学出版会、1966年、4章§6計量線形空間(p.123)。
砂田利一『現代数学への入門:
行列と行列式』2003年、§7.1-(e)直交補空間 (pp.249-250).

解析学のテキスト
杉浦光夫『
解析入門I』東京大学出版会、1987年、I章§4(pp.33-38)。
数理経済学のテキスト
神谷和也・浦井憲『
経済学のための数学入門』東京大学出版会、1996年、§3.2.3(p.124)。

 

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