思うに　明治十四年十一月二十一日　御真骨ご下付以来　百四十年　総本山身延山を仰ぎつつ　法燈護持に終始　鎮西身延が今を報告す　　

　昨年に続き境内整備拡張は　大本堂裏　西身延霊園に至る　山林伐採を終え　敷地拡幅　椛三十本　染井吉野十本を植樹　また境内中央に御滝場と称す箇所あり　この森を開かんと　雑木全てを伐採　同じく椛　楓各々三十本を植樹　敷地を確保　拡張を終え　いよいよ　この地に　当山第七世體光院日方上人胸像設置を目指さん　日方上人は各題目講組織化を計る等の檀信徒結集を実現し　いまの万灯行列の礎を築きたる先師なり　来年三十五回忌を迎えるにあたり功労を顕彰せんとす　更に守護神永遠堂東側へ車道を造成　整地ののち　御会式桜十五本を植樹　自然災害対策としての水路を整え　電線埋設し景観を定む　就いては各御堂すなわち妙見堂　鬼子母神堂　清正公堂　浄行堂　御真骨堂等の脇に水道を設置　これ防火対策なり　今は昭和四年建立以来　手つかずの鐘楼堂改築に着手　工期の今月末完成を見んとせり　宗祖御降誕八百年御正当を目指す十五年計画　終了間近となりしは　偏にお題目信仰の賜なり　重ねて継続の　人材育成は　弟子　徳永前啓　本年二月十日　日蓮宗大荒行堂成満　初行代表としての任を完遂し久留米市　妙善寺護持に励む　佐々木前介　同じく初行成満　宇久島　妙蓮寺にて題目布教に努め　己が両親を日蓮宗に改宗し一層僧侶としての自覚を保たん　飯田前隆　三月三十一日僧道林を終了　信行道場入場資格を得　自覚のもと立正大学二年生にて行学二道に精進す　徳永前道　四月七日　立正大学仏教学部大学院進学　大聖人が法華経観を学ばんとす　同日　佐野前憲　福岡大学医学部医学科入学　僧侶の医師を目指し　側面からの布教に努めんとす　佐野前瑛　早稲田大学　難関の社会科学部に入学　学術的見地からの田川孝性寺興隆を求む　城戸前祐並び塚本前靜　五月十九日　第一期信行道場終了　各々日蓮宗教師資格取得　寺院住職となる覚悟を得　益々多岐の研鑽を積まんとす　江頭前一　機縁熟し　日蓮宗大荒行堂初行入行を決意　来月一日より百日間の修行へ挑む　我山が一門　悉く大聖人が本懐を遂げんと欲し奉るものなり　しこうして　当山輩出の教師　重ねし加護を垂れ給わんことを　殊に本日は　遠路　静岡県清水区村松　本山海長寺より団参を迎え　いずこにて唱えしもお題目は尊きを表出　共に報恩に擬すものなり　しかれば此度　日田　妙栄寺万灯復帰　同じく佐賀　勝厳寺万灯復帰　更に日田　今村　各題目講万灯復帰等　共に祖意を体し　一門ここに結集し　祖師が御真骨を拝し　御会式万灯行列を奉行せんを見るに至る　

　専ら祈らくは　当山並び一門　式衆各山　寺門益々繁栄　寺檀和融　山門興隆　護持山門

結しては　本日参詣　囲繞檀信徒各位　敷米奉納各家　家運永昌　信仰増進　色心健全なさしめたまえ　南無妙法蓮華経

維時平成二十九年十月十四日　　　　鎮西身延山第九世法燈　 日遠 敬白