- 「咲いた!」秋の風物詩とされている御会式は日蓮聖人がお亡くなりになった本月本日、時ならぬ時に咲いた桜の花「秋に江戸中の桜が満開となった」との言い伝えから始まりました。以来こうして造花で飾った花車を並べ街を練り歩く「お祭り」が全国で盛んに行われています。但し、この故事の信憑性を疑う者も少なくはなかったそうです。
- さて、本佛寺の境内には「オエシキ桜」と称する木が点在しており、今年も機重にも花を咲かせています。科学的根拠を求める昨今の世相では、「秋に咲く種類」という品種に括られてしまいましたが、自然界と人間界を繋ぐ神秘の関係は、情緒を育むものとして伝承していきたい仕業ではないでしょうか。
- そんな中、今秋新たに枝垂れ桜が花を付けました。七年程前に植樹した数本の苗木が、昨年の春あたりから花を付け今年の春は満開となり、根付いたことを証明してくれました。それが何故か今、また咲かせているのです。異常気象の故なのでしょうか?私達は故事を信じます。そして国際化する社会なればこそ、このような日本人の感性や伝統を継承すべきであると呼び掛けます。理性の力でどんなに蓋をしようとしても隙間から漏れ出す「不思議」にこそ宗教的視野の必要性があります。白壁の沿道で合掌される皆様と共にご先祖様への感謝を表現しながら、先人から受け継いだ意義を風化させることなきよう私達は、万灯を引いております。ご協力ありがとうございました。
合掌
平成十九年十月西身延 本 佛 寺
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