御会式(祖師のご命日)
- 今年のオエシキは国政選挙と時期が同じくなってしまいました。
- さて、明治以来の自由民権運動が、普通選挙実現という形で節目に到達したのは周知の通り大正の終わりです。今平成はそれと同じ十五年の年輪を重ねました。一定額以上の税金を納付する男子だけに与えられた選挙権が、すべての成人男子の権利として認められた大正十四年。それは佛教界の宗会(しゅうえ)をモデルとしたものでした。ご存知のように佛教は平等を説く宗教で、当時から常々その啓蒙の為の施策を会議にて講じていましたが、社会もまたそれに習うという現実を鑑みての行動をとったのでしょう。まさに議会制度は政界と仏教界を両輪として発展してきたといえるでしょう。たしかに私達も議論が縺れたり討論になったりしますが、決して他人を中傷したり嘲笑したりはしません。それは「我深敬汝等 不敢軽慢」という敬うことを専らとする佛教の根本思想が根付いているからです。
- この御会式はそれを象徴する伝統行事です。その真意は尊い人への畏敬を表現するという姿勢にあります。日本國民全体が「人を敬う」気持ちを心中に保たせるよう願ってやみません。子供の躾や教育にこの事を世論として深く取り入れて頂きたいものです。
合掌
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- 平成十五年十月
鎮西身延山 本 佛
寺
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