- おえしきにあたり
- 喜ばしい数字が「体育の日」に出た。日本人の体力・運動能力が過去最高で特に運動をしている高齢者が元気とのこと。
- 本佛寺の朝は早く、草木が起きる頃に合わせ午前四時半から朝勤(ちょうごん)を始め二時間程度お経を読む。早朝からの参詣者もあり、新鮮な空気が漂う。これが最近では、運動着姿の方々が目立ってきた。山頂の仏舎利塔までお参りされ、颯爽と街へと下っていく様子が清々しい。伺うと、早朝から歩いている人は多く、お経が聞こえると、麓から本佛寺の方向へ合掌される登れない高齢者もあるそうだ。新聞には「毎日ウオーキングなどをする人が数字を伸ばした」とあった。保つ元気には、穏やかな信仰も欠かせない。
- この御会式も朝勤同様、古くからずっと続いている。今年で七三四年目だが、高齢の方から壮年そして青年や児童が3キロの道程を練り歩く。参加者の高齢化が心配されたが、ご覧のように若者が次代を担うべく声を上げ体を揺らしている。お祭りのエネルギーとは、若者のパワーが高齢者を元気づけ、高齢者の経験と頭脳が次世代を育てる仕組みで、日本人の本能に直結するものだ。ネットやスマホでは出来ないアイコンタクトや掛け声などの五感で作り上げていく。生きるために社会的時流に乗る事は大切だが、忘れてならない人の営みの根幹が祭り(供養)の御会式にはある。
- 自然災害が相次ぐ近年を憂い、己ではなく、國が安泰となるよう祈りながら、秋の風物詩「御会式」を沿道での合掌と共に、今年もご協力に感謝し遂行している。
- 因みに、運動着姿で十年近くなる方達は、今も毎朝、元気に若々しく登って来られている。継続は力なり! 合掌
- 平成二十七年十月十四日 西身延 本佛寺
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