HOME TOP プロローグ 準備編 10/1 10/2 10/3 10/4 10/5 10/6 10/7 10/8 10/9 10/10 10/11 エピローグ

---Quest For Rainbow---
A Travel to UK and France 2002
2nd October, Wednesday


2日目。5時に目覚ましをかけたけれど二度寝してしまったらしく、6時半になってやっと起床。
たいへん!朝食まであと30分しかない・・・。朝が苦手でいつも起きてすぐ活動する事ができないわたし。しかし、幸いなことにベッドがとても心地よくぐっすり眠れたので、体調はすこぶる良好!ガバっと起きて急いで着替えて顔を洗って。ちなみにお部屋には洗面器だけはついていましたが、その鏡がイギリス人的標準の高さについているのです。わたしがその鏡を覗いても見えるのは頭のてっぺんだけでした。これはちと不便でした(笑)。

7時ちょっと過ぎに1階のダイニングルームへ降りて行くと、お母さんが来て、まずシリアルをどうぞ、とすすめてくれました。シリアルはたくさん種類があって、テーブルの端に並んでいましたがどれもものすごいでかさ(笑)。シリアルに冷たいミルクをかけていただきました。テーブルにはミルク・そして熱い紅茶のポット・そしてオレンジジュース。シリアルを食べている間に、お母さんが今度は大きな大きなお皿を持ってきてくれました。これが楽しみにしていたフル・イングリッシュブレックファストです。英国が世界に誇る豪華な朝食。イギリスで一番おいしい料理とも聞きますが(笑)。このお皿はですね、ざっと見たところ直径30センチはあろうかという大皿です。そこに、目玉焼きが2個。大きくて厚いベーコンが一枚。こちらも大きなソーセージが2本。ベイクドトマトが半分。それにマッシュルームのソテーがででーんと乗っておりました。ああ、見ただけで食欲を失うような量・・・(笑)。だいたい、このお皿の食べ物には味がついていないため、塩と胡椒を思う存分振って、そしてケチャップやソースをかけていただくのですが・・・わたしは半分も食べないうちにギブアップしてしまいました(^_^;。このお皿に、10枚くらいのトーストがついています。こちらは薄いスライスを斜めに2つにカットしてあってカリカリにトーストしてあって、バターとジャムをたっぷりつけていただきます。これはとってもおいしかったです(笑)。

それにしても、この家のダイニングルームのインテリアはとっても素敵でした。イギリスには初めて来たけれど、ホテルでなくてB&Bにしてほんとうによかった。わたしは、旅行の楽しさはその地域の文化や生活を体感することにあると思っています。こうやって、個人宅であるB&Bに泊まったことでイギリス人の一般家庭を垣間見たようで、とても貴重な体験になりました。タウンハウスの一角にあるこのB&B、タウンハウスというのはすべてがくっついているのかと思っていたらくっついているのは道路に面する面だけであって、奥は各建物が独立していて、裏庭もちゃんとあって窓もついているというのも発見でした。ダイニングの奥がキッチンになっていて、ちょっとのぞいたところによるとキッチンはかなり広く、そしてとてもきれいに片付いていました。キッチンは裏庭に面していて、とても明るい空間でした。ダイニングルームはB&Bのゲストが使いますが、その他の1室が多分家族の居間で、そして家族の食事はこのキッチンで食べるのだろうと推測されました。ふむふむ・・・おもしろいなぁ。

さて、朝食を摂っていたら玄関に人が入ってきました。誰かなーと思ったら昨日お風呂の前で最初にお会いした方でした。その方と一緒にもうひとりの方が入ってこられましたが、その方も日本人の方でした。そのままおふたりも朝食を食べに食堂にいらしたので、一緒に朝食をとることになりました。わたしが昨夜お会いした方はSさんというお名前で、Sさんと一緒にいらした方はKさんというお名前の方で、なんと日本の競馬関係者の方でした。ビックリ!おふたりともアイルランドの厩舎で研修されている最中で、休暇を取ってニューマーケット視察と、そしてなんと凱旋門賞も見に行くのだとか。わたしもマンハッタンの凱旋門賞を見たくて行くんです、と話したらとても感心されてしまいました。うれしいやら恥ずかしいやら(*^^*)
おふたりが玄関入ってこられてから少し遅れて、また玄関から入ってきたもうひとりのお兄さん、昨夜お風呂から出てきたほうの方も食堂にいらしたのでみんなでしばらくお話。・・・聞けば、みなさん、朝早く起きて調教を見に行って来られたとか。とほほ・・・せっかくニューマーケットに来たのに二度寝なんてしているのはわたしだけでした(泣)。そしてなんとなんと、このもうひとりのお兄さんもこれから凱旋門賞を見に行くとのこと!すごくありませんか?パリではなくてニューマーケットで、これから凱旋門賞を見に行くという日本人が4人も同じ宿で偶然に出会うなんて。ニューマーケットには何十件というホテルやB&Bがあるというのに!

楽しい朝食を終え、部屋に戻って出かける準備をしました。時計を見たら
もうAM9:00ごろだったので調教場に馬がいるかどうか不安だったのですが、朝食のときにKさんが教えて下さったウォーレンヒルという調教場に歩いて行ってみることにしました。B&Bはハイストリートから少し住宅街に入ったところにありますが、ハイストリートをクロックタワー(左の写真参照・ニューマーケットの観光名所のひとつ)まで歩いて少し斜めに入ればもうそこはウォーレンヒル。クロックタワーからウォーレンヒルへ行く道沿いにはもう厩舎が並び、たまに1,2頭の馬が調教から戻ってくるのとすれ違ったりしました。そういうとき、おじさんが馬の上から話し掛けてくれたりしました。わたしがカメラの入っている大きな銀箱を持っていたのが不思議だったようで、「その箱はなんだい、レイディ?」とか大声で聞いてくるのです。「カメラだよー」と答えると「笑ったほうがいいかい?」とか。おちゃめなおじさん(^^)。
もうかなり時間が遅かったのであまり頭数は多くありませんでしたが、ちらほら馬の姿が見えました。それにしても噂には聞いていましたがほんとにすごい。しばらくその景色に見とれていました。そして、たまに調教を終えて帰ってくる人馬に挨拶をしたりして。ああ・・・ここがニューマーケットなんだなぁ。すごいなぁ・・・と感慨に浸りました。すごいよ、さすがは競馬発祥の地。スケールが違いました。
ああ、ちょっとずれちゃったけどだいたい見渡すとこんな感じです。ウォーレンヒル。
厩舎の建物です。坂路スタート地点。 厩舎です。 午後1時までは立入禁止らしい。
「ウォーレンヒル」の名のとおり緩やかな丘になっています。天然の坂路ですね。奥の濃い緑色のところが森。この森の向こうが坂路のゴールらしいです。見えません(笑)。上段一番右の写真をクリックして大きな画像を見るとわかると思いますが、坂路の真ん中くらいのところに坂路を向くように馬が立っています。それが調教師らしいです。調教師のチェックを受けつつ、坂路をゴールまで駆け上がった馬は、車道沿いの馬道をてくてく歩いて帰ってきます。これを、1日に何本も何本もするらしい。すごい運動量です。

AM11:00ごろになり、馬の姿もまばらになってきたのでひとまずウォーレンヒルを去ることにしました。さっき調教場に向かう際に通ったハイストリートはまだお店が開いていなかったのですが、この時間になったらそろそろ店も開いている頃だろうと思ってハイストリートに戻る事にしました。ハイストリートに戻ると競馬博物館を発見。ここにはエクリプスの骨格標本なんかがあります。まだ博物館は開いていなかったので、売店で絵ハガキでも買おうと思って中に入りました。絵ハガキはいろいろあったけど、ハンサム好きなお友達のためにデットーリ、そしてオヤジ好き(笑)なお友達のためにレスター・ピゴットの絵ハガキを選び、それぞれ数枚ずつ買ってお友達に出すことに。そして、売店の奥にあるカフェへ入りました。このカフェは想像していたよりも広くて、そして中庭に面していてとっても明るい。何より落ち着けるのがグーでした(^-^)。壁にはジョッキーや馬の絵が描いてあったりして。・・・でも、不思議なことにここでお茶を飲んでいるのはほとんどが地元のお年寄りたち。憩いの場なんでしょうかね。まぁ、平日ってこともあったでしょうし、ハイストリートのカフェやパブなんかよりはずっと落ち着ける場所だと思うのでお年寄りに人気だったのかもわかりません。
ボリューム満点の朝食でまだおなかがいっぱいだったのでまだ食事はいらないなぁと思ったので紅茶を注文。たしか1ポンドとちょっとだったような気がします。200円くらいかな。ポットで出してくれるので、たっぷり飲めました。・・・それにしても、イギリスはほんとうに紅茶がおいしい。イギリスで飲む紅茶が何故おいしいのかというと、水が硬水だからだと何かで読んだことがあります。ティーバッグの紅茶でも、おいしくてガブガブ飲めてしまいます。なのでガブガブ飲みながら(笑)ハガキをせっせと書く私。すると、近くに座っていた優しそうなおじいちゃんがわたしのところにやってきて、「どこから来たの?」と聞いてくれました。「日本からです」と言ったらすごく素敵な笑顔でニッコリ笑ってくれて、「ニューマーケットを楽しんでね」と言いながら去って行ったおじいちゃん。なんか・・・ほのぼの、うれしかった出来事でした(^^)。
そうしていると競馬博物館が開館したようなので、わたしも行ってみることに。たしか入場料が必要だったと思ったんだけど・・・何故かタダで入ってしまう。???いいのだろうか(^_^;;;。しかし誰にも何も言われないので見てまわることにしちゃいました。エクリプスの骨格標本は確かにありました・・・し、デットーリの勝負服なんかもありましたが、府中の競馬博物館とあまり変わりありません・・・と言っては本家本元に対して失礼でしょうか(笑)。ちなみに、この競馬博物館では厩舎や調教場の見学ミニバスツアーみたいなものも主催していて、わたしも参加したかったのですが申し込んだときには既に満員でダメでした。残念。
競馬博物館を後にし、またハイストリートをブラブラ歩きました。わたしがニューマーケットでしたかったことのひとつをしてみようと画策しつつ。・・・ニューマーケットでしたかったことは、ブックメーカー(賭け屋)に行く事。イギリス国民は何にでも賭けをしてしまうことが大好きらしく、ベッカムの次の子供の名前が何になるか?なんてのにも賭けをしていたらしいですが(笑)、わたしがブックメーカーで何に賭けたかというと、もちろん凱旋門賞。マンハッタンの単勝を買いました。左がその馬券(?)です。イギリスは日本よりずっと競馬場の入場料が高いので馬券オヤジたちはあまり競馬場には行かないんじゃないのかな、とはわたしの勝手な推理なんだけど、このブックメーカーという賭け屋はどの街にも一件はあるようで、わたしの入ったブックメーカーにも結構たくさんの人達がいました。日本と違うところは、このブックメーカーがみんな民間業者であるということ。だから、数多くあるブックメーカーそれぞれにオッズが違うのです。競馬場内にもブックメーカーが並んでいて、賭けるときには自分の予想した馬のオッズが一番良いところで買うのだとか。新聞にも、大手ブックメーカーの予想オッズなんかが書かれていたりもしました。わたしが賭けたブックメーカーはプレステージという店でしたが、新聞にこのブックメーカーのオッズが書いていないので多分あまり大手ではないのではないかと思います。なので、マンハッタンが勝って的中したらどこで換金しようかと真剣に考えたものです。ロンドンに支店があるかしら、とか、ほんとに真剣に悩みました(笑)。それにしてもおもしろいのは、手書きだっていうこと。・・・なんかこう、ヘタクソな字で書いてあるでしょう???(笑)一番上にはPrix de l'Arc de Triompheって書いてあります。(実はこのレース名をなかなかうまく発音できず、日曜日の、フランスの、と一生懸命説明したらようやくわかってもらえたという・・・哀しき英語力(T_T))で、その下が10ポンド、WINと書いてあります。WINというのは単勝の事ですね。で、その右がマンハッタンカフェ。その下の丸で囲ってあるのがオッズです。10対1って書いてあります。つまり、10倍ってことですね。・・・ちなみに、店主のおじさんが切り替え式のモニターにオッズを映してくれたので、それをデジカメでぱちり。ちょっと見えにくいなぁ・・・。この時点だと、一番人気はスラマニで7対4。次がハイシャパラルの3対1。マンハッタンは10対1ですから、イズリントンと並んで6番人気でした。この画面を見ながら、おじさんが「10対1だよ。これでいい?」と言うので「いいです」と10ポンド出しました。1850円くらいかな。こうして手書きの馬券を手にしたときはうれしかったです。イギリスでやってみたかったことができたから。ふふふ。ちなみに、この日はニューマーケットでも競馬開催をしていましたが、この時間はまだ1レースが始まるずっと前だったので、モニターではグレイハウンドというドッグレースの中継なんかをやっていました。競馬新聞にもグレイハウンドのページがあって、競馬と同じようにレースに勝った犬主?が口取り?をやってる写真なんかが載ってたりしました。面白い(^^)

ブックメーカーを後にして、また少してくてく歩いて今度は郵便局へ。もうお昼近くになっていたので、ハイストリートも買い物の市民でけっこう賑わっています。ちょっとハイストリートの風景を。
歩道が広い。 ゴールデンライオン。ありがとう(笑)。 これが郵便局!お花がかわいい!
まぁ、田舎町のメインストリートって感じですね。小さな商店が建ち並んでいます。ケンタッキーフライドチキンなんかもありました。入らなかったけど(笑)。通り沿いの建物もみんな揃って古いのだけれど、とっても可愛くて。あちこちにお花が飾られていて、それもとっても素敵でした(^^)。あ、ちなみに、競馬博物館の隣りにはジョッキークラブというのがあって、まぁ、ここがイギリス競馬界の総元締みたいなものらしいです。もちろん一般人は立入禁止ですが、ハイストリートからハイペリオン像だけは見えます。柵の外から覗くって感じでしたが。
郵便局に行ったのはさっき書いた絵ハガキを投函するため。郵便局の中はちょっとした文房具屋さんになっていて、かわいいカードや絵ハガキがたくさん棚に並んでいました。そして窓口には長い列ができていました。わたしの番になって窓口へ行ったけれど、郵便局員のおじさんの言っていることがわからない(T_T)。何度か言ってもらったけど、結局わからなかった。おじさんにも「わかんねぇんなら仕方ねぇな」という顔をされてしまい、これは結構ショックでした。ああ、英語がもっと理解できたらなぁ、と思って落ち込んだわたし。シュン。(;_;)ちなみに、日本までエアメールで一枚あたり42ペンスでした。

PM0:00くらいになったので、今度はタタソールズに行ってみる事にしました。今日は10月2日。これは狙っていたわけではないのですが、ちょうどセリの行われる日に当たっていたのです。そしてそのセリがホートンイヤリングセールと言って、ヨーロッパ最大のセリだということにはイギリスに来てはじめて知りました(汗)。そしてそして、このセリにはブラックホークの半妹が上場されており、ちょうどその妹の父がレインボウクエストだったのです。わーい!(^-^)タタソールズにメールで問い合わせたら、セリの開始が夕方のPM5:30だというのでびっくり。なので、その前に厩舎まで行って、このブラックホークの妹を見せてもらおうと思ったのです。日本では「展示」というものがあるけれど、外国にはそれはないらしく、セリが始まる前までに各自気になる馬を見に行くのだそう。なので、わたしも購買者のフリをして・・・って、とてもじゃないけどタダの競馬ファンにしか見えなかったと思います。銀箱抱えてたし(^_^;。
このタタソールズ、とてつもなく敷地が広い!一応まず最初に見学したいことを伝えたかったのと、カタログがほしかったので事務所を探しましたが、それらしき建物は見えるけれども塀やら柵やらが入り組んでいてちょっと迷いました。駐車場もたくさんのお客さんのためにだだっ広いし。むむぅ。で、やっとのことで事務所に着いて、ブラックホークの妹のいる厩舎の番号と場所を聞きました。すると、「H」の厩舎にいるらしい。行き方を何度も丁寧に説明してくれたけどイマイチよくわからず(^_^;。でも、カタログのうしろについてた地図(右の写真参照)と、事務所のお姉さんの説明を反芻しながら見比べてみるとその説明が実に正確であることがわかりました。お姉さんすごい。さすがだ(笑)。明確に行き方を説明してくれたお姉さんもすごいけど、イギリス人はだいたいこうやって英語をあまり理解していなさそうな人に対してはゆっくり、丁寧に喋ってくれる事が多かったので助かりました。
・・・それにしても、恐るべしタタソールズ。厩舎はAからZまであるようです。そして敷地はだだっ広い上に自然の丘に添って造ってあるらしく、高低差が結構あって大変な道のり。しばらく歩くと汗をかくくらいでした。空気は乾燥していて涼しいんですけどね。で、やっとのことで着いたH厩舎。ブラックホークの妹の上場番号の馬房を探しました。すると・・・いました、いました!(^^)看板が出ていたのですぐわかりました。覗いていると、スタッフの女の人が近づいてきたので、「シルバーレーンを見せてくれますか?」と聞いたらOKしてくれて、外に出してくれました。

シルバーレーン02(父レインボウクエスト・ブラックホークの半妹)
わたしには相馬眼がないのでなんともコメントできませんが(爆)どうですかね?どれくらいの値がついたと思いますか???セリの結果は後程出てきます。・・・こうして見せてもらっているときに、もうひとり女の人がやってきて、このブラックホークの妹の2つ隣りのお馬ちゃんを指差して「このサドラールウェルズを見せて!」と言っていました。わたしはその馬には興味がなかったのでそのサドラールウェルズの仔が出されていたのをよく見ていませんでした。が・・・これはちょっぴり後悔。何故後悔したのかも後で出てきますのでお楽しみに(^_^;。

タタソールズを後にし、歩き回ってちょっと疲れたので(なんせ7キロの銀箱が重かったし)一旦B&Bに帰ってひとやすみ。その後またハイストリートに出て、午前中にのんびりした競馬博物館のカフェにふたたび行く事にしました。今度はちょっぴりおなかが減ったので温かいチョコレートミルクと、それからスコーンをいただくことにしました。サンドウィッチとか、重めの(?)軽食もあったんですけどね。イギリスに来たからにはスコーンだろうと。スコーンとかのお菓子類はセルフサービスになっているので自分でお皿にとって、レジに行きます。でかくてめちゃくちゃ甘そうなケーキ類もたくさん並んでいましたが食指が動かないくらいの甘そうな外見でした(^_^;。しかもそれをお年寄りたちはおいしそうに平らげていました。イギリスのお年寄りはすごい。元気!そしてわたしの選んだスコーンも半端じゃなくでっかくて、三角形だったんですが、直角になっている辺が10センチくらい、厚さは7〜8センチはあろうかという大きさでした。そしてズッシリ小麦粉〜っていう感じで、レーズンが少し混じっていました。全部食べるのは至難の技でしたが、とてもおいしかったです。ふふふ。
おなかもいっぱいになり、時計を見るとPM2:00ごろになっていました。今日はPM2:30にレインボウクエストのいるバンステッドマナースタッドにお邪魔するアポイントを取っています。バンステッドマナースタッドはニューマーケットから少し離れているため、タクシーで20分くらいはかかるだろうなぁ、と思ってそろそろ出発することに。ハイストリートのタクシー乗り場にはいつも数台のタクシーが客待ちをしているので便利です。で、一番前に並んでいたタクシーのおじさんに「乗せてもらえますか?」と行先を書いた紙を見せながら聞いたらOK。でも、走り出す前に無線で場所を確認していました。それで行き方もわかったようで「HERE WE GO!」(^^)!このタクシードライバーのおじさん、なんかめちゃくちゃ面白いのです。おしゃべりだし(笑)。で、しばらく他愛もないことを喋りながら(向こうが喋りまくってわたしが笑うという構図)、ふと、「あのぉ・・・あなたはどこから来たんですか?」とちょっとあらたまって質問されたので「日本です」と言ったら何故かうれしそうなおじさん。聞けば、おじさんの最初の奥さんは日本人だったとか!!!で、今は離婚しちゃってるんだけど、その日本人の奥さんとの間にできた娘さんはキミコさんという名前で、ロンドン大学の学生なのだけれどなんと今は日本の大学に留学しているとか。そのおじさんも昔は日本に住んでいて、「カンサイ。ノットオオサカ。キンキ。」と言っていたんだけど(笑)、「日本は美しく、素晴らしい国だったが、何が嫌だったって暑いのが我慢ならなかったんだ!」と力説していました。イギリスよりずっとずっと暑くてべたべたしていて、最悪だったと。それを説明しているおじさんの表情がまた面白くて、わたしはケラケラ笑ってしまいました。早口で日本の暑さをまくしたて、最後には「オキナワ!オキナワイズインポッシブル!」だと言い切りました。沖縄にも行ったけど考えられないくらい暑かったらしいです(笑)。その言い方が可笑しくて。
そんな可笑しいおしゃべりをしながらも推定140キロくらいで田舎道を爆走するタクシー。は、はやいよおじさん・・・(笑)それなので20分もかからずにバンステッドマナースタッドに着きました。「ここみたいだよ」というおじさんでしたが、立派な門が閉まっていたので心配でした。しかし、この門はセンサー付きらしく自動で開きました。すごーい。
それで、タクシーは事務所らしき建物を探しながらどんどん奥へ行くのだけれど、行けども行けども事務所らしき建物はありません。点々と厩舎があって、その周りには見渡す限りの放牧地。その景色といったら、息を飲むほどに美しいものでした。放牧地には仔馬ちゃんもいたりして怪しい珍入者?を見ています(^_^;。ただの種馬場だと思っていたけど、生産とか育成もしているようです。「ジャドモンドファーム」というグループのの中の種馬場だったのね。ふむふむ。
ドライバーのおじさんはここへ来てもひとりごとのように早口で「事務所だよね、でも見えないなぁ・・・それにしてもここって信じられないくらい広いね・・・すごいなぁ・・・」なんて喋りまくり(笑)。かなり進んでも事務所が見えなかったのでまた引き帰し、今度は途中の横道へ入ってみたら、事務所らしき大きなお屋敷が先のほうに見えてきました。多分あれが事務所だろうと、タクシーをつけてもらうとそこへ種馬場のおじさんらしき人が歩いてやって来たので、タクシーのおじさんが呼び止めてくれ、ここがバンステッドマナースタッドの事務所ですか?と聞いてくれました。うう、ありがたい(;_;)。すると、その種馬場のおじさんらしき人は「確かにそうです。ようこそ。」と言ってくれました。なので、アポイントをとったときのメールのお返事をプリントアウトしたものを見せたら「わかりました。中へどうぞ、今担当者を呼びますから。」と言ってくれました。そして、タクシーのおじさんにお金を払って、帰りに迎えに来てくれるかどうかを聞いてみたところOK。
で、タクシーのおじさんと種馬場のおじさんとで見学に何時間くらいかかるのか(何時に迎えに来ればよいのか)を相談してくれました。そのときにタクシーのおじさんに「今は何時ですか?」と聞いたら「PM3:00ちょっとすぎだよ」との答え。・・・え?・・・え?・・・え?(@_@)わたし・・・PM2:00にハイストリートを出たつもりだったんだけど・・・20分くらいで着いたんだけど・・・と思っていたら、どうやらわたしの時計(例の成田で買った時計)が狂っていたようなのです。とほほ・・・(T_T)時計をよく見てみたら、裏にある時刻合わせの歯車がむきだしになっていて、すぐにその歯車が回ってしまうのです。・・・つまり、何かが軽くその時計の裏に触れただけで時計がすぐ狂ってしまうという・・・あああああ、やっぱり安物の時計はダメダメだったのです(T_T)。後悔先に立たず・・・。それで、やっと自分の時計が狂っていることに気づいたわたしでしたが、とりあえずタクシーのおじさんと種馬場のおじさんとの話し合いは決着し、PM4:30に迎えに来てくれることになったようでした。英語に自信がないので、おじさん達がふたりで話し合ってくれて助かりました。イギリスのタクシーの運転手さんはとても優しくて親切です(^-^)。
種馬場のおじさんに案内されて事務所の建物に入りました。そこで種馬場のおじさんとはお別れでしたが・・・今考えてみると、このおじさんはここの責任者(スタッドマネージャー)のおじさんではなかっただろうか?と思います。どっかのスーパーに買い物に行って来ました、っていうような(笑)ラフな格好でしたが、品があって種馬場のスタッフを呼ぶのにもなんとなく威厳があるような感じだったから。で、おじさんにお礼を言いながら握手をしていたら、アポイントをとったとき対応してくれたパット・ルールさんというセクレタリーのおばさんが出てきてくれました。やさしそうなおばさんでした。応接室で座るように言われ、しばらくするとカタログを出してくれました。うわーい、レインボウ!いよいよ会えるんだなぁ・・・。どきどき。それから「では、見に行きましょうか。」と言われ、ゆっくりとパットさんについて歩き始めました。うーん、左の写真は途中にあった池のまわりにいる鴨さんたちです。ガァガァ鳴いてます。すごい、なんというか・・・とにかく何もかもが美しいのです。夢のような場所でした。まことに発想が貧困で哀しいのですが、ディズニーランドのようでした。整備されている美しさっていうのかな。そして、少し歩いて行った先にレインボウクエストが暮らしている種牡馬の厩舎が見えてきました。(右の写真参照)この日現在、この種馬場にいる種牡馬は3頭だけ。もうあと1頭、ザフォニックという種牡馬がいましたが、南半球へシャトルに出ているときに放牧地で怪我をして亡くなってしまうという悲しいアクシデントがあったばかり。わたしも出発の少し前にそのニュースを聞いたばかりだったので、拙い英語でお悔やみを言いました。すると、パットさんも「ものすごく大きな損失だった」と悲しそうでした。ザフォニックも見てみたかったのだけれど、それももう叶いません。(T_T)
2頭で1棟、2つの厩舎が対になって建っていました。厩舎の前庭のような部分も合わせると、種牡馬のいるゾーンだけでもすごい広さです。これをたった3頭のために・・・?と思うとほんとに信じられないようでした。芝生は美しく刈られ、そして厩舎のまわりにはお花が飾られていました。思わず溜息の出る美しさ!
そして・・・いよいよ、レインボウクエストとご対面です。すぐに馬房から顔を出しているのがそうだとわかりました。(って、3頭しかいなくて他の馬は栗毛と黒鹿毛なのですぐわかったのです(笑))おとうさーーーん。おじいちゃーーーん。(T_T)今、自分の肉眼で見ているのがあのレインボウクエストだなんて!夢みたいでした。ああ。
すると、パットさんが指示してくれて、グルームのおじさんがレインボウを曳いて出してくれました。きゃぁぁ〜!
レインボウ、ああ、とにかくかっこいい〜!御歳21歳ということでしたが、まだぜんぜん若々しくて、首なんかものすごく太くて、モリモリしていました。そして毛艶はピッカピカ。毎日、念入りに磨き上げられているのが察せられました。カメラを向けるとちゃんとポーズを撮るのはさすが。それはローレルも同じなので、やっぱり親子なんだなぁ・・・なんて(^-^)。雰囲気も、やっぱり似ていました。すごい、感動・・・。
ポーズを撮ってくれていたレインボウでしたが、しばらくしてくると飽きたのか、「早く帰らせてくれよ」とグルームのおじさんに向かってワガママを言い始めました。すると、わたしの隣りにいたパットさんが、口を鳴らしたり話しかけたりしてレインボウをあやし始めたのです。ほんとうに、赤ちゃんをあやすように。その話し掛け方がすごく優しくて、感動しました。・・・なんだか、ほんの少し、イギリス人の馬に対する接し方を見られたようで、すごく印象的な出来事でした。
続いて、レインボウを歩かせてくれたので、ビデオを撮らせてもらいました。うう、ありがとうございます(T_T)。わたしは見ている最中は気づかなかったのですが・・・あとで聞いてからビデオを見たら「ほんとだ!」と気づいたことがありました。それは、レインボウの左前脚が異常に曲がっている事。立っているとわからないのだけれど、歩くとわたしにもわかるほどの曲がりっぷり。これにはほんとうにびっくりしました。実はこの脚の曲がりが、日本の生産者がレインボウクエストを輸入しなかった理由だとか。幸いにも産駒には遺伝していないようなのですが、種牡馬として輸入するのは怖いよね、とはこの後にタタソールズでお会いしたJRAの職員さんの談。なるほどねぇ・・・。
レインボウの次はダンシリ(デインヒル産駒・バンクスヒルの全兄)とオブザベートリー(ディスタントビュー産駒)という2頭の種牡馬を見せてくれました。失礼ながらこの2頭については名前も知りませんでした(^_^;;;オブザベートリーはめちゃくちゃかわいい栗毛君でありました。
この2頭を見せてもらっている間にレインボウはすでに馬房の中に入ってしまっていたので、見終わった後馬房の扉のところまで行って近づいてみました。うう、感激。おとうさん。おじいちゃん。と話しかけてみます。多分彼には日本語は全然わからないのでしょうが・・・(笑)ぶつぶつ話しながら、ご挨拶とばかりにお鼻にそっとキスしてみました。ドキドキ。齧られるかも・・・(^_^;。・・・パットさんは「あらあら〜、齧られないでね!」と言いながらもオホホと笑っていました。相変わらず赤ちゃんをあやすように「レインボウ!こっち向いて〜!」なんてカメラのほうを向かせてくれたりして。
ちなみにレインボウはあんまり愛想のいい馬ではありませんでした。実にマイペース。ローレルもそうなのですが、これはパパ譲りであることが判明いたしました(笑)。そして見た目も若々しいけれど、振れてみた感触も鼻がとても柔らかくて、まるで若駒のようでした。すごいわ、おじいちゃん。ああ、ラウルスのおじいちゃん!
ラウルスのおじいちゃん、って感じがしません。若い! ネームプレート
もう夕方だったので、馬房の中で馬服を着せてもらっていたレインボウ。大切にされてるんだなぁ。そしてレインボウはおもむろに中に入ってしまったので、扉のところから覗いて見ることにしました。すると、馬房の広いこと。びっくりしました。日本の種馬場の馬房はいくつか見たことがありますが・・・その倍くらいの広さがありました。すごい!わたしにお尻を向けてむしゃむしゃごはんを食べているレインボウ・・・やっぱり食いしん坊も遺伝なのね・・・くすくす。もう、食べるのに夢中でした。かわいいレインボウ(^-^)。そしてパットさんがわたしを呼んでくれて、レインボウの馬房の横の小部屋に入れてくれました。ここには、レインボウにまつわるものがいろいろと飾られています。そこに、産駒のグレードレース勝ち馬リストがあり、そこにはちゃんとローレルの名前もありました。・・・感激でした(T_T)。ちなみに、アドマイヤカイザーの名もありました。
これで一応レインボウとの面会はおしまい。またね、とお別れを言ってパットさんの後について来た道を戻りました。また拙い英語で「ここへ来るのはわたしの夢でした」と言って、「日本にいるレインボウの息子のことが大好きなんです。だから、その父であるレインボウにどうしても会いたかったのです」と説明したら、パットさんが「サキューラローレル、そうでしょ?」と言いました。そう、サキューラローレル(笑)。日本から訪ねてくる人もかなりいるとかで、みんながレインボウを見に来てはローレルのことを語っていくのだとか。なんだか、うれしい話です(^^)。
そして、パットさんについて事務所へ戻りました。が、事務所と言ってもこの事務所はタダの事務所ではなくて、なんと何百年も前の建物で、マナー(
Manor)ということですからこのへんの領主のお屋敷だったのでしょう。
バンステッドマナースタッドの事務所。
写真を撮ろうとお屋敷の庭の端まで走って行ってカメラを構えても全景が写らないというデカさ。(^_^;;パットさんが説明してくれたのを聞けば、(詳細はよくわかりませんでしたが・・)このお屋敷ができたときには中国風の様式が流行していたとかで、真ん中の白い石の部分の装飾が少し中国風だとかいうことでした。ふむふむ。そして案内してもらってオフィスを通り抜けて応接間へ。また応接間のソファに座ってね、と言われて、お茶はいかが?と聞かれたのでお願いします、と答えました。うをー、お茶まで出してくれるのか・・・すごいなぁ。とちょっと恐縮。ちなみに応接間の雰囲気はこんな感じ・・・
お花はぜんぶ本物!暖炉や出窓、ソファもほんとうに素敵でした。でもとてもリラックスした雰囲気でした。ソファの上には競馬新聞が乗ってます(笑)。ニューマーケットで競馬開催があったので、多分このときはメインレースの時間あたりだったのでしょう。スタッフの女の子がたくさん応接間に集まって競馬中継を見たりしていました。あとで競馬新聞を見たら、この日のニューマーケットのメインレースで勝った馬はジャドモンドファーム生産馬で、母の父レインボウクエストだったようです。そういえば、みんな白熱してたな・・・(笑)。
パットさんもすっかりリラックスして紅茶と一緒に出してくれたクッキーを「ひとついただくわネ」と食べたり(笑)。パットさんに「そろそろタクシーが来ますから、それまで待たせてください」とお願いしたら「どうぞゆっくりして行って」と言ってくださったので安心しました(^^)。しかし・・・タクシーが来るまで30分もありました。こんなとき、英語がぺらぺら喋れたらどんなにいいかしら、と思いました。暇なのでいろいろと部屋の様子などを見ていましたが、おもしろいなぁと思ったのは部屋の天井に照明がないこと。普通、日本だと洒落た応接間なんかにはダウンライトがぽちぽちついていて、真ん中にシーリングライトやシャンデリアなんかがででーんとついてたりしますよね。そうじゃなくて、天井には一切の照明器具がないのです。そのかわり、スタンドなんかはありましたが。なかなか雰囲気があって良いんですけどね。なかなか、日本ではできないことです。
そのうちにタクシーが迎えに来たのでお礼を言って去ろうとすると、スタッフの女の子がノートを持って駆け寄ってきて「ゲストにはサインしてもらっているんですが、よろしかったらお願いします」と言ったのでサインしました。うう、英語でサインなどあまりしないので緊張してしまいました(^_^;。どうせだったら漢字で書けばよかったかなぁ。
こうして後にしたバンステッドマナースタッド。夢だったレインボウクエストには会えたし、みなさん親切にしてくださったし、ほんとにとってもとっても素敵なところでした。行って良かった!また行きたいなぁ・・・。

ハイストリートに戻り、まずまた郵便局に行きました。午前中に出し忘れていた家宛てのハガキを出すため。もう郵便局が閉まりそうだったのであせりました。間に合って良かった!郵便局のあとはスーパーに行ってみることにしました。その地域の人がどんな家に暮らし、どんなものを食べているか見てみる事。これは海外旅行をする上で大きな楽しみのひとつです。だから、必ず、外国に行った時はスーパーマーケットに行く事にしています。
なので、ハイストリートを歩いてみて目に入った「
WAITROSE」という大き目のスーパーに入りました。このスーパーはロンドンにもあったので大きなチェーンなのかもしれません。ここでお土産と夕食をゲットしようと思いました。お土産はやっぱりイギリスといったら紅茶でしょ、と思ったら紅茶よりコーヒーのほうがたくさん売っていました。イギリス人もコーヒー飲むのね(^_^;;。でも、トワイニングのアールグレイが125グラム箱で200円くらいだから、多分日本より安い。多分。おうちとお友達にひと箱ずつ買いました。(←荷物が余計多くなったことにはまだ気づいていません)あと住宅の雑誌を一冊。そして、夕食はスーパー内をグルグル歩き回った結果「ツナサラダ」と「ソフトホワイトロール(白いパンですね)」と「スコッチエッグ」にしました。サラダは350円くらい。直径20センチくらいのパックですごくでっかい。4人家族のお夕食にどうぞ、くらいの大きさです(^_^;。ソフトホワイトロールは自分の好きなだけビニールにとって一個いくらで売っている物。さすがにパンの種類はとてもたくさんでした。ちなみにこのパンは40円くらい。そしてスコッチエッグ、これはお惣菜売場で買ったもの。勇気を出して「コレ、ヒトツ、クダサイ!」とカタコトで注文したもの。こういうちっちゃな冒険が面白いんですよね〜(^^)。結構お惣菜売場もたくさんのお惣菜が並んでて、とっても楽しかったです。あとは野菜とか、果物とか。見てるだけで楽しくて(^^)。

こうして楽しいスーパーマーケットでのお買い物も終了したので、また一旦B&Bに戻ってひとやすみして、その後タタソールズのセリへ向かう事にしました。セリ開始はPM5:30〜だということだったので、ロットナンバー90番のブラックホーク妹の上場はまだまだだと思いつつ・・・見逃してしまったら悔しいので早めに行く事にしました。
昼間はそこそこの駐車台数だったのに、さすがにヨーロッパ最大のセリだけあってこの時間になるとすごい車、そして人。お祭りのような雰囲気でした。まずはブラブラとパレードリングを見たりしていましたが、そこで今朝お会いしたKさんと会いました。お忙しそう。でも、「S君があっちにいるから声かけてみてね〜」と言われたのでSさんのいるところに行って言われたとおり声をかけてみました。少しお話しているとKさんが戻って来られて、しばらく一緒にセリを見る事になりました。Kさんはいろいろなことを教えてくださるので、わたしはふむふむしたりうわーすごいーなんて驚いたりの連続。だって、世界の競馬界を動かしている馬主さんやら調教師さんやらがごろごろいるんですもの。KさんやSさんも、お世話になっている調教師さん(イギリスやアイルランドの調教師さん)と話したりしていました。すごいなぁ・・・。そして、そこでJRAの職員さんで、ニューマーケットの厩舎で研修しているという方を紹介してくださいました。その方に、前出の”レインボウクエストが日本に来なかった理由”を教えていただいたのです。いろいろ馬の話を聞いているうちに、日本にもすごい方がいらっしゃるんだなぁ、と驚きつつも、そういう方が海外で活躍されていることがとても誇らしく思いました。
馬のこと、世界の競馬のこと、そして日本の競馬のこと。Kさんはたくさんのことを話して下さいましたが、その間中少年のようにキラキラ光る瞳はほんとに素敵でした。どうしたら日本の競馬がもっと向上するか。世界で活躍できるのか。そんなグローバルなことを真剣に考えていらっしゃるのです。若く、真剣で、世界に目を向けているこんな方がもっともっと日本の競馬サークルの中に増えて行けば、きっとこれからの日本の競馬はもっともっと向上して行けるはず。Kさんの話す姿を見ながら、とても心強く思いました。

お話を聞きつつ見ているパレードリングで周回しているのはまだ40番台・・・・一体90番のブラックホーク妹が上場されるのは何時になるんだろう??と思って何時ごろまでやるのかお聞きしたら「いやぁ、夜中までやるんだよ。」と言われてビックリ。うがぁ!(@_@)そして夜が更けてくるとともに、しんしんと冷えこんでくるニューマーケット。こんなに寒かったのか〜!という感じでした。一応、寒くなる事を予想して冬物のコートを持ってきていたのですが、それはショートコートだったので脚が寒い。長いコートを持ってくればよかったなぁとすごく後悔しました。しかしわたしのスーツケースの中にはロングコートを収納する場所などありませんでした(泣)。
で、寒かったのでわたしはひとりで先にセリ場に入りましたが、すごい人で座れるところがありません。しばらく立っていましたが、どうやら馬が落札されると人が結構帰ったり、また新しい人が入って来たりと、出入りが激しい感じでした。なので、座ろうと思えば座れたんですけどね。でもなんとなくタイミングを逸したりして(^_^;そのまま立っていたら、Kさんが「大丈夫、空いてるところに座っていいんだよ」と教えて下さいました。なので、空いてるところに座って見る事にしました。座ったところがスースー外気が入ってきて結構寒かったのだけれど、まぁいいかと思ってセリを見つつ90番の出番を待っていました。・・・一体何時間待ったでしょうか・・・(笑)。でも、結構「だれだれさんの弟・妹」という馬がいて、なかなか楽しめました。身近なところではゼネラリストの弟とか、それからマキアベリアンの姪とか、サガミックスの妹とか。
そしてそして、この夜の目玉となったのがロットナンバー88番、サドラーズウェルズの牝馬。クリムゾンタイドの全妹です。このコの値があれよあれよという間に上がって最後は210万ギニー。日本円にすると4億3000万円なり。すごすぎる・・・(^_^;;;。この価格は牝馬としては欧州レコードだったとか。それにしても高すぎますよね。繁殖としての価値もあるからなのかな?それにしても、賞金の安いヨーロッパでモトが取れるのだろうか。ナゾであります。・・・そして、カンの良い方はお分かりになったかもしれませんが、この88番のコはブラックホークの妹の2つお隣の馬房に入っていた、昼間わたしの隣りで「そのサドラールウェルズ見せて!」と言った女の人が見ていた馬だったのです。とほほ・・・あのときに写真撮っておくんだった〜(T_T)。
そしていよいよ90番。ブラックホーク妹の登場です!きゃー、待ってたよぉ〜(T_T)。もう、体が冷えてしまって辛くて。でも、このコだけは見るんだ〜、と頑張りました。ビデオ映像、ちょっと重いかも知れませんがよろしかったら見てみて下さい。ちゃんと、始めのほうに「チャンピオンインジャパン、ブラックホーク」という紹介が聞こえると思います。
←シルバーレーン02(父レインボウクエスト)
ブラックホークの半妹のセリのもよう
(ASFファイル・約2分・約5MB)
ちなみに、このコは日本人が狙っているんじゃないかなぁ、とはKさんの予想でしたが、実際は誰が買ったのかわかりません。でも、そんなには高くならなかったです。3000万円くらいかな?日本に来るといいなぁ・・・。それにしても、ヨーロッパのお金持ちっていうのはケタ違いだなぁと思ってしまいました。同時に、日本の景気の悪さも感じました。数年前なら、このホートンセールにも日本人が(代理人含め)たくさん来ていたとか。日本が不況なので、馬主さんもわざわざイギリスまで来て馬を買う余裕がないんでしょうね。なんだか、ちょっと寂しい感じです。日本の景気がもっと良くなればいいのだけれど。

ということで、まだあと10頭くらいのセリが残っていましたが見たかった90番のセリが終わったので、これにて宿へ帰る事にしました。早く帰って熱いお風呂に浸かりたかったのです。もう寒くて寒くて、体温は上がってくるし、ほんとに風邪をひきそうでした。タタソールズの敷地内は電気がついていて明るいんだけれど、宿へ帰る道がちょっと薄暗くて怖かったかな。だから走って帰りました(^_^;。幸いな事に宿はタタソールズから近かったので、数分で無事に到着。速攻でお風呂に入りました。どっぷり熱いお湯に浸かって生き返りました(^^)。
その後お部屋で夕方スーパーで買った夕食を食べましたが、パンがとってもふわふわ柔らかくておいしくて感動〜!サラダはこれでもかという量で少し食べてギブアップ(笑)そして勇気を出して買ったスコッチエッグはしょっぱくておいしくありませんでした・・・やっぱり、イギリス人はちょっと舌の感覚がヘンなような気がしました(笑)。

しばらくして、そろそろ寝ようかな?と思っていたら部屋をノックする音が。Kさんでした。(^^)なんとなんと、ダルハムホールスタッドのカタログを持ってきてくださったのです!きゃぁ〜、感激!!!何故このダルハムホールスタッドのカタログを持ってきてくださったのかというと・・・実は、レインボウクエストのいるバンステッドマナースタッドのほかに、このダルハムホールスタッドにも見学できるかどうか事前に連絡してあったんです。このダルハムホールスタッドは”殿下”の種馬場で、シングスピールやファンタスティックライト、マキアベリアンやアグネスワールドもいるそれこそ宝物がたくさん繋養されている種馬場です。最初は見学OKという返事だったのですが・・・「あなたはサラブレッドの生産者か」と聞かれたときに「いいえただのファンです」と答えたら、「うーむ、その日はちょっと忙しいから別の日にしてくれないかな・・・」というツメタイお答えが・・・(T_T)。なので、今回は見学するのを諦めたんですね。しかししかし、Kさんにこの話をすると、今日は実はJRA関係の団体さんがこのダルハムホールスタッドを見学していたとか。なるほど・・・一般人の見学を断るはずだよね(^_^;;;。Kさんもお仕事として参加されたそうで、「ほんとは一緒に連れて行ってあげたかったんだけどね・・・。」と仰ってくださいました。(T_T)それで、Kさんはご自分がもらったカタログを、見学できなかったわたしにあげようと思って下さったのです。なんという優しい方なんでしょう。ううう〜(T_T)。そしてKさんが下さったカタログは関係者向けのもので、一般の人が見学に行ってももらえないのだそう。そうして有難く頂いたカタログ。これがまたすっごいかっこいいんですよ〜。ハードカバーで、30センチ×30センチくらいの大きさで。中身がまた素晴らしくて、写真集のようでした。すっごくおしゃれなの。惚れ惚れしてしまうほどです。ありがとうございますっ(T_T)!!!そしてそのあと、なんとなんとKさんが「明日の朝は一緒に調教を見に行こう!」と言って下さったのです。うれしいな〜!!!(^0^)
そして寝る前に、ふと考えました。今日とってもお世話になったKさんとSさんに何かお礼ができないかなー。と。で、部屋の中をぐるっと見まわしていたらちょっとだけいいアイデアが浮かんだので(フフフフフ)、翌朝はAM7:00に出発ということでお約束したのですが、準備のためちょっと早めに起きることにして、AM5:00に目覚ましをセットして眠ることにしました。それにしても今日はたくさんのことがあったなぁ。ニューマーケットは素晴らしいところです。来て良かった。夢だったレインボウクエストにも会えたし、たくさんの馬達も見られた。そしてKさんたちとお会いできた事も、ほんとにうれしくて、有難くて(^^)。
そんな幸せな気持ちとたくさん歩き回った心地よい疲れで、この夜もぐっすり眠れました。
おやすみなさ〜い。また明日!

次の日へ

HOME TOP プロローグ 準備編 10/1 10/2 10/3 10/4 10/5 10/6 10/7 10/8 10/9 10/10 10/11 エピローグ