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---Quest For Rainbow---
A Travel to UK and France 2002
8th October, Tuesday


8日目。いよいよ、旅も終わりに近づいてきました。ちょっと寂しい。もっともっと遊んでいたいのにィ(笑)。
今日は今回の旅の競馬以外のメインイベント、ロンシャン礼拝堂へのショートトリップの日です。そのため朝4時半起床。早いな〜(^^;;;。前夜にフロントのおじさんに「明朝6時半にタクシーをお願い」と言っておいたのに、6時20分くらいににフロントに下りても誰も居ない。そして暗い・・・(^^;;;6時半ちょっと前になって、やっとこ眠い目をこすりながらフロントのおじさん登場。シャコシャコと歯磨きをしている。わたしは無言でフロントに立っている。・・・シャコシャコ、シャコシャコ。歯磨きの音だけが鳴り響くフロント・・・(笑)。わたしがひとりで暗いフロントにつっ立っているのが不思議ではないのだろうかと内心苦笑しつつ、「あのぉ、タクシー呼んでくれた?」と聞いたら、そのおじさん、「ん?タクシー?呼ぶの?今?」だって(笑)。アホかーーーー。とここで怒ってはいけません。なんてったって相手はフランス人ですから。なはは。なので笑顔で「そう、今すぐ。」と答えると電話してくれて、ほどなく一台のタクシーが来てくれました。・・・ほんとに、日本のように何かをしてくれるのを待っていては永遠に何もしてくれない国なのだなと痛感する瞬間です。まぁ、高級ホテルではこういうことはあまりないでしょうけどね。わたしの泊まってたのは安ホテルだったし(笑)。
タクシーで
Gare de l'Est、パリ東駅まで。タクシーに乗るときはノートに「パリ東駅まで連れてってください」と書いて見せるだけ。会話例文集とノートは大いに役に立ちました(^0^)。口でも「エスト!」と言ってみたら「ウィ!」と言ってくれました。東駅までは15ユーロ(約1800円)。それにしてもまだパリは真っ暗。夜のようでした。
今日は特急で日帰りの予定。パリ国鉄の切符はネットで買えなかったため当日買うことになっていたのでちょっと早めに行ったのだけれど、ちゃんと切符が買えるかかなりドキドキしました。だいたい、パリの公共機関では英語が通じるのでなんとかなりますが、困ったのが発音。駅の名前の。行きはパリ東駅から
LURE(リュール)という名前の駅まで買いたかったんですが、リュール、と言ったのでは「?」と聞き返されてしまいます。何度も言うとわかってくれましたが・・・「リュー」と「ル」の間に短い息が入るのです。つくづくフランス語って難しいな〜と思います。
予算があまりない旅だったけれど、今回はさすがに1等車に乗ることにしました。往復で8時間半ほどの長旅なので、少しでも楽なほうがいいかな、と。ちなみにパリ東駅からリュールまでの1等車の料金は57.20ユーロ。(約6800円)2等車より2000円くらい高い勘定です。帰りは念のためリュールのひとつ先、
BELFORT(ベルフォール)からの切符を購入。目指すロンシャン礼拝堂はこの2駅の間くらいにあるのです。ベルフォールからの切符はリュールまでより少し距離があるのでちょっと高くなって1等車で60.50ユーロ(約7300円)でした。支払いにはトラベラーズチェックを使用。 フランスでは、どんな小さなスーパーでも、小切手用のスキャナみたいなものがレジについていて、小切手で買い物をする人が結構多いようでした。なのでもちろんトラベラーズチェックでの支払いもOK。わたしの差し出したトラベラーズチェックはなかなか機械で読み取れなくてあせっちゃいましたが、なんとかOK。よかった。(^^;
あと、これはイギリスでもフランスでも感じたことですが、どちらもほんとうに徹底したカード社会でした。近郊線の150円くらいの切符だって券売機でカードで買えるし、有人の切符売り場にも必ず暗証番号入力用のテンキーが備わっていました。そんなこんなで無事に切符を購入することができ、ひと安心。いやぁしかしパリの夜明け前は寒いです。あまりに寒かったので駅のコーヒースタンドでカプチーノを買いました。ほかほか。(^0^)
フランスの国鉄に乗るときに忘れてはならないのが刻印。前の日記にも書きましたが、駅には改札がないので、自分で「ちゃんとこの駅から乗りましたよ」という風に、駅の刻印機で切符の裏に刻印を押さなければなりません。わたしもガチャリ。刻印して、電光掲示板を見るとわたしの乗る特急は8番線から発車するようです。8番線に行くと列車は来ていました。でも、1等車がどこだかわからないので、車掌さんをつかまえて切符を見せながら1等車はどこですか?と聞いたら完璧な英語で答えてくれました。おお、英語が喋れてすごいなフランス国鉄の車掌さんは。1等車は列車のちょうど真中辺りの22号車だよ、と言われたんだけど・・・22号車って・・・一体全部で何両編成なのだろう?(笑)
列車の中に入ってみて、やっぱり1等にして良かったなぁーと思いました。すごくゆったり造ってあるし、それにどこに座っても大丈夫そうでした。お客もほとんどいなくてガラガラ状態だったし。迷わず4人掛けのシートを陣取りました。4人掛けのシートは真中にテーブルがあって快適。シートもふかふかでやわらかいし、寝心地も良さそう(^_^)。わたしの隣の2人掛けの席に、バックパッカーっぽいアジア人の男の子2人が来たので、もしかしたら日本人かなーと思ったら違いました。韓国の子だったのかな。そのふたりはわたしの前の席でずっと爆睡し続けていました。スイスまで行くのかな〜。わたしはデジカメとデジビを取り出して、車窓からの眺めを撮りつつお友達への絵葉書をしたためたりして過ごしました。結構揺れて大変だったけど(笑)。
感動したのは夜明けの美しさ。パリは夜が明けるのが8時半ごろです。発車時刻の7時28分はまだ真っ暗。東へ東へと進む電車はまるで朝日に向かって進むようでした。この夜明けの移り変わりを見られただけでも価値があったっていう感じ。(^^) あ、ちなみに、この列車も発車時刻キッチリに発車しました。フランス国鉄、結構優秀(笑)。
    
そして、夜が明けたあとは延々と続く牧歌的な風景。なんて広いんだ、フランス〜!。ときどき牛がいたり、街があったり。ほんとにね、「世界の車窓から」の世界(笑)。美しすぎます・・・。
牛。 街。 河。
車窓からの映像もあるのでよろしければどうぞ。(ASFファイル・34秒・約1MB。)前半は木ばっかりですが(^^;;;
とにかく4時間半もかかるので、途中うたた寝をしたりして・・・。パリの地下鉄の中では絶対にうたた寝なんてできないけれど、ここは1等車だし・・・なんてちょっと気が緩んだかな。でも、しっかり荷物は抱きしめてましたが。
パリ東駅を発車して4時間38分後、列車はリュールの駅に到着しました。ちなみに、パリからの位置関係は右の地図のような感じです・・・トーマスクックの時刻表の地図をスキャナで読んだから裏うつりしてるけど・・・(^^;拡大してご覧ください。
リュールの駅はロンシャンの少し手前です。パリからの遠さがおわかりいただけるでしょうか。ちなみに、わたしの乗った列車の終着駅BASEL(バーゼル)はスイスの街ですが、スイス・フランス・ドイツの3国の国境があるという珍しい街です。わたしが訪れた少し前の時期に、美智子皇后さまがこのバーゼルの街に国際児童図書評議会に出席するためにいらっしゃったのがニュースになっていました。わたしもバーゼルの街に行ってみたかったけど(3国の国境に立ってみたかった(笑))バーゼルに行くには1泊しないといけないので今回は断念。

    
乗ってきた列車。 リュール
列車が停車したので降りようと思ったら、うう、ドアが開いてない・・・。そう、自動ドアではないのです。そして取っ手も見当たらない!一瞬あせりましたがなんとか取っ手を発見し、力づくで開けました。開いてよかったよぉ・・・(^^;そして、降りたときに気づいたことなのですが、この列車は電車じゃなくて、ディーゼル機関車が引っ張っていました。遠ざかって行く列車を見送り、さっそうと駅の出口に向かうわたし・・・ほんとは、このままこの列車に乗ってひとつ先のベルフォールまで行ったほうがよかったのですが・・・そんなことにはまだ気がついていません。とほほ。ちなみに、前にも書いたようにロンシャンという村はリュールとベルフォールの間に位置しています。田舎も田舎、超辺鄙な村なのです。いろいろ調べたところ、そのロンシャンの村に行くにはベルフォールからタクシーか又はバスで行くか、はたまたリュールからタクシーで行くか、そのどちらかの駅から1日に何本も出ていない各駅停車に乗り換えてロンシャン駅まで行くか、という3つの選択肢があるようでした。どうやら一番確実で楽なのは比較的大きなベルフォールの駅からタクシーで行く方法なのですが、ガイドブックにはベルフォールからロンシャンまでは約20キロあるとありました。20キロの道のりをタクシーでとなると・・・かなりの出費が予想されます。しかし、リュールからならロンシャンまで約10キロだとあったのです。これならベルフォールからの半分だし、それだけ遠回りしなくて良くなるわけで(リュールよりベルフォールのほうが列車の料金で500円分パリより遠い)、迷わずリュールで下車してタクシーを拾おうと考えたのです。しかし・・・それが大いなる間違いでした。何が間違いだったかというと・・・リュールの街は小さくて、タクシーなど拾えないのです。駅の前にはタクシーは待っていないし、街中にも流しのタクシーの姿などありませんでした。これにははっきり言って参ってしまいました・・・泣きたくなったくらい。(T_T)
しばらく街を歩いてみましたが、小さな街なので駅から少し歩くともう街外れ。タクシーが来る気配もまったくありません。途方にくれてしまいました。でも、ここで諦めてはせっかく来た甲斐がありません。なんとかしなきゃ、と思って目を上げた瞬間、わたしの目にふと「
HOTEL」の看板が見えたのです。おお、こんな小さな街にもホテルがあるのか・・・と思ったのと同時に、もしかしてホテルだったらタクシーを呼んでもらえるかもしれない!と思いついたのです。看板を見たら2つ星とあったので、大丈夫だよなぁ・・・と思って恐る恐るドアを開けてみると、フロントはレストランにつながっていて、ちょうど休憩時間なのかレストランの従業員の若い人たちが座って煙草を吸いながら喋っているところでした。・・・そこへ突然現れた場違いな怪しいアジア人ひとり・・・ちょっとびっくりされてしまったようでした。とりあえずこんなときは笑顔でボンジュール。と、向こうもボンジュール、と応えてくれましたが向こうは笑顔じゃありません。・・・ちょっと、怖い雰囲気。みんな、不良少年少女という感じなんだもん。(^^;;;
でも、ここが最後の砦です。頑張らなくては。なので、勇気を振り絞って(笑)英語で「あのぉ・・・タクシーを呼んでもらえますか?」と話しかけたら、なななんと、みんな英語がわからないようなのです。おーまいがーーーっ!!!(T_T)でもよく考えたらここはフランスというよりほとんどスイスみたいな地域だし、普段英語を使う機会がないのだから英語を話さない人ばかりでも全然おかしくありません。なので、持ってきていたフランス語会話集を開いて、タクシー関連の会話のページを開いて、ひとりの女の子に見せました。そうしたらわかってくれたらしく、その女の子が考え考えしながら、「タクシー?」「呼ぶ・・・の?」「ここへ?」と英単語をゆっくり並べながら一生懸命に話してくれたのです。・・・外見で人を判断しちゃぁいけませんよね。(^^;;;不良っぽい女の子が、ちょっと恥ずかしがりながらも一生懸命英語を話してくれる姿はすごく感動的でした。ありがとう(T_T)。
タクシーを呼ぶ電話をかけてくれながら「どこまで行きたいの?」と聞かれたのですが、「ロンシャン」と言ってもやっぱり一回では通じませんでした。何度も言ったらわかってくれましたが、やっぱり「ロ」のところで息が入ってました。強いていうなら「ロ
ンシャン」って感じかな。フランス語ってほんとに難しい(笑)。少しするとタクシーが来てくれたので、そのホテルの人達に何度もお礼を言ってそのホテルを出て、タクシーに乗り込みました。ああ、よかった(T_T)。
ちなみにタクシーの運転手さんも英語はほとんど話せませんでした。なので、あらかじめノートに書いておいた「ロンシャン礼拝堂までお願いします」の文章を見せたら、「ル・コルビュジエ、だろ?」と言われたようでした。ああ、わかってくれてよかった。(T_T)リュールからロンシャンまではほんとに近くて、少し走ったらすぐに着きました。右の写真はロンシャンの街です。ほんとに小さな小さな街でした。ちなみにロンシャン駅は無人駅だとのこと。礼拝堂は山の上にあるので少し山道を登りましたが、山の上に着いたときに、そのタクシーの運転手さんに帰りもここまで迎えに来てもらえるかどうか聞いてみました。そうしたら、帰りもリュールまでだったらOKだと言われました。帰りの列車の時間を考えて、2時に迎えに来てもらいたかったのだけれど、運転手さんに「2時過ぎに予定があるので1時50分ではどうか」と言われ、それでもいいので1時50分にここまで迎えに来てもらうようお願いしました。ホッ、帰りのタクシーが確保できたのでひと安心。・・・と思いきや、これもまたトラブルの前兆だったのです。とほほ〜。どんなトラブルだったか後のお楽しみ・・・(^^;;;
とりあえずロンシャン礼拝堂の前まで来たのでうれしくて仕方ありませんでした。わーい、わーい♪。礼拝堂の前の案内所で入場料2ユーロを支払いました。この案内所では絵葉書などのお土産物も売っていました。案内所の前にはかわいい猫ちゃんが。この猫はゴロニャン〜とものすごくなついてきて、わたしの黒いコートは猫の白い毛でいっぱいになってしまいました・・・(笑)。困ったけれど、可愛い猫でした。
そしてまた小道を少し登ってゆくと・・・見えてきました。夢にまで見た?ロンシャン礼拝堂。正しくは、
Notre-Dame-du-Haut(ノートルダム・デュ・オー)という名前です。
カタツムリみたいでしょう?(^^)
とうとうここまで来ちゃったなぁ・・・という感慨でいっぱいでした。学生の頃は「ロンシャンに行くのはほんとに大変だ」とまことしやかに言われていたので、ほんとに来られるとは思っていなかったのです(笑)。とりあえず外をぐるぐると回って眺めました。それにしてもすごいなぁ・・・想像していたよりも大きいのにもびっくり。このコンクリートの屋根・・・ぶ厚そうに見えても、実は厚さがたったの6センチだそうです。外から眺める人の目線からは大きくぶ厚く見えるように曲げられているのでしょう。壁と屋根の間にはほんの少しスリットが空いていて、重そうな屋根がまるでふわりと浮いているよう。うーん・・・すばらしい。
そして、この礼拝堂の精神性を表すのは何といっても室内。外部を見た後、いよいよ室内に入ってみることにしました。霊的な場所でもあるため、ちょっと緊張しました。そしてドアには「撮影禁止」の張り紙が。ああ、残念・・・。でも、ドアの手前ならいいだろうと思って、ドアの手前から写した写真が→の写真です。わたしの先生の言葉を借りると、「マスと光の構成で内部空間が上昇する力を発生することを立証した作品」とのこと。撮影禁止だったのでこれより先の内部の写真は撮れませんでしたが、光の力を思い知らされる空間でした。礼拝堂の正面にはマリア像の鎮座する窓。このマリア像は礼拝堂の外、外部祭壇からも臨むことができるようになっています。外部にも祭壇があるのは、この礼拝堂は聖母マリアをまつった礼拝堂で、巡礼の日にはマリア信仰の巡礼者が何千人も集まるためらしいです。
ちなみにこの礼拝堂は山の上にあるため眺望もすばらしいものでした。そのぶん風が強くて寒かったですけど・・・。礼拝堂の前に小さなコンクリートのピラミッドのようなものがあって、何故そんなものがあるのかよくわからないのだけれど(笑)、展望台のつもりなのかなぁ・・・?ともかく、わたしはそのピラミッドの上に座ってしばらく礼拝堂を眺めました。そして、おなかが空いたので昨晩買っておいたバゲットのサンドウィッチのお弁当をむしゃむしゃ。空気もおいしいし、すばらしい礼拝堂を前にしてのお弁当はまた格別〜(^_^)。食べ終えたあとはまた周囲を散策。3連の鐘なんかもありました。これが鳴り響いたら、素敵だろうなぁ・・・。そしてなんとなく足元を見てみたらそこには栗のイガが。見まわしてみると、そこらじゅうにたーーーくさん栗が落ちているではありませんか。・・・これは、拾うしかない・・・と思って、両手に一杯ほどの栗を拾ってしまいました。
と、そうこうしている間に、虫の知らせか(?)何故かふと時刻表を見てみようと思ったのです。何故だかわかりませんが。もしかして聖母マリアのお告げだったのかも・・・(笑)。で、時刻表を開いて見てみたら、なんと・・・わたしの乗る予定だった帰りの特急はリュールには停車しないことが判明したのです。なので、やはり、ベルフォールまで行かなくてはならないのです。なんてこったい・・・絶句してしまいました(^^;;;。だって、帰りもリュールの駅まで乗せて行ってもらうように、タクシーのお迎えを頼んでしまっていたのですから。どどど、どうしよう・・・。さっきのタクシーの運転手さんは名刺をくれました。その名刺には携帯電話の番号が書いてあります・・・そこに電話をして、予定を変更してベルフォールに行ってもらえるかどうか聞かなくてはいけません。でも、運転手のおじさんは「2時過ぎに予定があるから」と言っていたし、もしかしてダメかも・・・。でもでもでもでも、そこで大問題が。ほとんど英語がわからない運転手さんとフランス語が全くわからないわたしとでどうやって電話で会話をするというのだ?!(笑)・・・リュールの街でも途方に暮れたけど、ここでもやっぱり途方に暮れてしまいました。とほほ・・・。でも、とにかく運転手のおじさんになんとか連絡を取らなくてはいけません。そこで考えたのは、さっきの案内所にいた人に電話をかけてもらおうというアイデア。・・・でも、案内所の人にも英語で今の状況を話して、わかってもらわなくてはなりません。でも、長い文章を口だけで伝えるのは少々不安。なので、やはりノートに英語で文章を書き、それを案内所の人に見せることにしました。わたしが書いたのは以下の内容。
「わたしはフランス語が話せないので、かわりにこの電話番号のタクシー運転手さんに電話をかけていただけませんか?そして、彼に、わたしをベルフォールまで乗せて行ってくれるかどうか聞いてもらえますか。何故なら、わたしの乗る予定の列車はリュールに停車しないことがわかったからです。もし彼がベルフォールまで行けると答えてくれたら、約束の時間より早くここへ迎えに来てほしいと伝えてください。」
この文章を書き終えて、さっそく案内所に行くと太ったやさしそうなおばちゃんが出てきました。が・・・このおばちゃんは完全にフランス語オンリー。その次にお姉さんが出てきてくれたけれどこちらも英語は自信が無いようで、その次に出てきてくれたお兄さんがやっと理解してくれ、さっきの運転手さんに電話をかけてくれました。おお、助かった・・・(T_T)。やはり、さっきの運転手さんはベルフォールまでは行けないとのことで、断られてしまいました。そうして一度電話を切ったお兄さんは、「どうする?」と聞いてくれたので、ベルフォールをPM2:51発の列車に乗らなくてはいけないという事情を話し、他のタクシーを呼んでもらえるようにお願いしてみました。ロンシャンの村からベルフォールまでのバスもあるようですが、次のバスはなんと夜の6時とのことで・・・バス待ってたら列車行っちゃうよ(笑)。そのお兄さんは何人かのタクシー運転手さんに電話をかけてくれましたが、みんなに断られているようでドキドキでした。ベルフォールまで行けなかったらどうしよう・・・って。(T_T)でも、最後にかけたところでOKしてもらえたらしく、ほっと一安心しました。お兄さんありがとう〜〜〜(T_T)。
電話代に、と差し出した1ユーロコインも固辞されてしまって恐縮。おまけに、もう山は寒いのでタクシーが来るまで案内所の中で待っていなさい、寒かっただろうから紅茶でも飲む?と聞いてくれて、熱い紅茶を一杯差し出してくれました。これには大感動・・・涙が出ました。風が強い山の上にいたからか体が冷え切っていて、ガタガタ震えるほどだったから。案内所の椅子に座りながら紅茶をすすっているとだんだん体が温まってくるのがわかりました。案内所のみなさんのおかげで心もほかほかだったし(^^)。
電話代のお礼にと思って絵葉書やコルビュジエの本などを買いました。そうしてしばらく待っているとタクシーが来たので、案内所のみなさんにお礼を言って、帰ることになりました。ほんとにありがとぉぉぉぉぉぉ〜(T_T)。
迎えに来てくれたタクシーの運転手さんはなんと女性。おまけにミニバンのような車で、助手席に乗るように言われました。なんかへんなの?と思ったけれどまぁいいか、と助手席へ乗り込み、いざ、ベルフォールへ向かいます。ベルフォールまでは30分くらいかかったかなぁ。37ユーロ(約4500円)もかかりました。リュールからロンシャンまでは15ユーロだったのでやっぱり倍以上遠いということでしょう。ベルフォール付近を走行している映像(ASFファイル・1分・約2MB)もよければご覧ください。パリよりもずっと寒いと見えて家々の窓も小さく、スイスのような町並みでした。そんなこんなで大変な思いをしてたどり着いたベルフォールの駅・・・着いたときはさすがに感激でした(笑)。さすがにベルフォールの駅は大きく、駅の前にはタクシーが何台も停まっていました・・・。これからロンシャン礼拝堂に行こうと思っている方、悪いことは言わないのでベルフォールからタクシーに乗ったほうがいいと思います。・・・経験者は語る(^^;;;。ベルフォールに着いたのは列車が発車する30分くらい前だったので、とりあえずどこかの店に入って待とうと思いました。正直に言うと、トイレに行きたかったからです(笑)。駅前の通りを少し歩くといろいろなレストランがありましたが、みんなランチの後の休憩時間になってしまっているようでした。やっと営業していそうな1件のピアッツェリアを見つけて入ると「ランチの時間が終わってしまったので料理は出せない」と言われたけれど、こちらはトイレを借りたいだけなので(笑)コーヒーをひとつ注文しました。とりあえずトイレに行って、席に戻ったら熱いコーヒーが来ていました。エスプレッソのようで苦かったけれど、おいしかったです。フランスのコーヒーには必ずチョコレートが付いてくるのはなんででしょうねぇ(^^)コーヒーは1.4ユーロ(約170円)でした。そしてこの1.4ユーロを払った段階で小さなお札が全く無くなってしまいました。困ったな・・・パリでタクシーに乗るときに100ユーロ札を出したら嫌な顔されちゃうかもしれないから。ううむ。
ベルフォールから←の列車に乗りました。機関車の音、すんごいうるさいでやんの。(^^;結構早く走るから結構馬力があるのね、きっと。こちらも映像があるのでよろしければ。電車マニア向け?(笑)(ASFファイル・42秒・約1.6MB)ちなみに帰りの列車の1等車はコンパートメントでした。6人でひとつのコンパートメント。ベルフォールではわたしひとりしか座りませんでしたが。・・・それにしても行きの列車よりずっと古くて汚い・・・ちょっと不満(笑)。ガイドブックには、ベルフォールからパリへ帰る途中に礼拝堂が眺められるとあったので見逃さないよう一生懸命に眼鏡をかけて外を眺めました。目が疲れてしまった(^^;。でも、頑張ったおかげでほんのちょっとの間だけ礼拝堂を見ることができました。バイバイ、ロンシャン。また・・・機会があったら来るよ。
しばらくするとひとりのおじさんがコンパートメントのドアを開けたので、乗客だと思ったので「どうぞ」という仕草をしたら「ティケット、プリーズ!」と言われてしまいました。・・・そうです、車掌さんだったのです(笑)。さすがに特急なので検札があるんですよね。途中でビジネスマンのおじさんひとりと一組の夫婦がコンパートメントに乗り込んできました。こちらはほんとうの乗客でした。帰りは行きよりも停車駅が少ないため(リュールに停まらなかったように他のいくつかの駅も通過していた・・・ひかりとのぞみの違い、みたいなものかな)行きよりも30分以上早く、所要時間3時間59分、定刻のPM6:50に無事パリ東駅に到着しました。
東駅で両替をしようと思ったけれど、両替商のお姉さんがどこぞへ長電話をしているので窓口には長蛇の列。(^^;;いくら待っても埒が開かなそうだったので両替を断念し、お財布を覗いてみたらカルネ(地下鉄回数券)が残っていたので地下鉄で帰ることにしました。疲れていたけどパリの国鉄駅にいるタクシーの運転手さん怖いし(^^;。
東駅の大きなガラスの駅舎の吹抜を見上げると、凱旋門賞の看板が。・・・ちょっとせつなく、悔しい。この看板はパリ中にあるので、見かけるたびに唇を噛んでしまったものです。(^^;それから財布に残っていた小銭でパリチュルフを買ったけど昨日に引き続きやっぱりマリエンバードのことばかり・・・。ちょっとデットーリが憎らしい(笑)。でも、ほんとに、凱旋門賞を勝つっていうことはすごい名誉なことなんだな、と思いました。いつの日か、いつの日か・・・ね(^^)。
カルネを使って地下鉄のパリ東駅から4号線で
Barbes-Rochechouart(読めません(笑))駅まで行き、そこで2号線に乗り換えてホテルの最寄駅まで帰りました。途中、帰宅ラッシュに巻き込まれ、ぎゅうぎゅうの地下鉄に乗る羽目になりました。スリには用心用心・・・。最寄駅からホテルに帰る道の途中に中華のデリを発見!こんなところにデリなんてあったのねという感じでしたが、お店に入ってみるとどのお料理もおいしそう(^0^)。100gから買えるし、全部電子レンジで温めてくれるのでホカホカのものが食べられるらしい。ということで本日の夕食はこのデリの中華に決まり♪チャーハンやらエビ蒸し餃子やらをお持ち帰り用パッケージに入れてもらってお部屋に帰って食べましたが、このデリの料理はほんとにおいしくて大満足でした(^^)。昨日といい今日といい、中国の人がパリに居てくれてほんとによかったと思いました(笑)。
左の写真がロンシャンで拾ってきた栗です!隣にあるのは前日に買ったザクロ。下の新聞は8日付のパリ・チュルフです。ジャンプオフするデットーリが写ってます。悔しいので栗の下敷きにしてやりました。なんちゃって(笑)。ふふふ・・・この栗ね、実は、日本に持って帰っちゃったんです。帰りの成田での税関でバレないかなぁと内心ビクビクでしたが大丈夫でした(^^;;;。ほんとは植物検疫にひっかかるのでナマモノは持って帰っちゃだめなんですよ。ほんとはね(笑)。ちなみに、この栗は最高においしかったんですよ。日本の栗とは味が違って・・・濃厚な甘さなのです。最近はフランス産のマロンペーストを使ったお菓子も日本で売っているので食べたことがある人は味の違いがわかるかもしれません。とにかく、おいしくて、スーツケース満杯に拾ってくればよかったと思えるくらいでした(笑)。
ああ、今日はほんとうにいろいろなことがあったなぁ・・・。たくさんのハプニングがあったけど、その都度優しい人達の親切に助けられました。お世話になった方々に感謝、感謝m(__)m。それにしても往復8時間半の長距離移動は疲れました。今日はシャワーを浴びて早々に寝よう・・・明日はいよいよパリ最終日。今日は4時半起きだったので明日はちょっとゆっくりしようかな。ということで、おやすみなさーーい。

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