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---Quest For Rainbow---
A Travel to UK and France 2002
1st October, Tuesday


いよいよ旅のはじまり。前夜は準備とパッキングで3時ごろまで眠れず、朝は5時起き。2時間ほどの睡眠時間での出発となりました。

家から成田空港までは車だと1時間。9時からチケットの引渡しが始まるので、7時半に出発しました。お天気のほうはというと・・・やっぱり雨。我ながら強烈な雨女ぶりにはもう笑うしかない。(^_^;;;
久しぶりの成田空港。車で空港内の駐車場に入る時トランクのチェックなんかがあってけっこう厳重。成田空港に着いて、予約確認書をチケットと引き換え指定されたカウンターに出向きました。しかしすごい長蛇の列。・・・しかし、長蛇の列だったカウンターは実は隣りのカウンターだということに途中で気づく。早めに気づいて良かった(^_^;;;。隣りのカウンターはHISでした。やっぱり大きいところはお客さんの数が違うのね。
私の選んだ旅行会社は結構マイナーらしく、誰も並んでいませんでした。なはは。マイナーな旅行会社は結構よくつぶれたりするので、実際にチケットを手にするまでは不安でした(笑)。
無事にチケットを引き換えてもらい、チェックイン。荷物を預けます。カメラは銀箱(アルミ製カメラバッグ)を購入しておいたので、それに入れて機内持込み。スーツケースだけを預けたのですが、なんと重さが23キロ(汗)。規定の重量より3キロの超過です。エコノミーは20キロまでが規定です。しかし、成田では何も言われませんでした。1キロあたり6000円という超過料金にビビっていたので、見逃してもらってほっとしました(^_^;。ちなみに機内持込みにした銀箱も実は重さが7キロ強ありましたが規定では6キロまで。まぁ、こっちのほうは計ったりしませんけどね。

荷物を預けて身軽になったので、しばらくブラブラ。その最中にふと時計屋さんの前で足が止まりました。そして、気づきました。「・・・わたし、もしかして時計を持ってこなかったんじゃない???」・・・と。どう思い返してみても、パッキングのときの持ち物リストの中には「時計」という文字がありませんでした。うう、海外で時計を買ったら高いだろうし、しかしどう考えても時計がなければ旅の最中不便な事はわかりきっています・・・。仕方なく、3000円くらいの目覚まし機能付き時計を購入することにしました。しかし・・・この時計がのちのちちょっとしたトラブルメーカーとなることには、買ったときには気がつきませんでした。どんなトラブルかは、追って出てきますので・・・お楽しみに(^_^;。それにしても、限られた予算内での旅なのにのっけから3000円の余計な出費をしてしまった自分のうかつさに少々呆れてしまう・・・(T_T)。(腕に何かを巻いておく事が嫌いなので、時計を持ってはいるけど普段は絶対しないので忘れても無理ないといえばそうなんですが、でも時計って旅行では一番忘れてはならない大切なものですよね〜。)時計も買ったことだし、少し時間には早かったけれど搭乗口に行く事にしました。

航空会社はヴァージンアトランティック航空。ヴァージンは成田空港の第1ターミナル発着。昔の第1ターミナルはとっても旅情があって好きだったんですが、今は改装されて第2ターミナルと同じ雰囲気になってしまっていたのでちょっぴり残念だったなぁ。そして指定された搭乗口に行くと、あらら。飛行機の準備が遅れているので出発が30分遅れるとのこと。仕方ないので売店でやはり持ってくるのを忘れたことに気づいたもの(乾電池とかリップクリームとか)などを買い足しました。空港の売店で買うとめちゃ高いものばかりだよ・・・わたしのバカぁ。(T_T)
AM11:00ごろから搭乗が始まりました。ちなみにわたしは閉所恐怖症気味。こらえ性がないとも言う。(^_^;12時間のフライトは一度経験がありますが、退屈で気が狂いそうになった記憶がありそれが強烈にイヤなイメージになっていました。なので、ヨーロッパに行くのはいいけれど飛行機だけは嫌だなぁと思っていました。
で、その辛い長時間フライトをなんとか少しでも楽しく過ごすにはどうしたらいいかな?と考えて、今回はちょうどイギリスにも行くことだしちょうどいいやと思ってエアラインの人気調査で常に上位に選ばれているヴァージンアトランティック航空に乗ってみる事にしたのです。ほんとは日系航空会社がよかったんだけど、調べたらJALもANAも少々値段が高めだったので断念。やっぱり信頼感から言ったら日本の航空会社が一番なような気がしますよね。でも、ヴァージンに乗ってみて、よかったなーと思う事ばかりでした。おすすめですよ。(^-^)ヴァージンは13人の客室乗務員のうち6人が日本人。おまけにほとんどが男性乗務員だという。やったー。(?!)やっぱり長時間のフライトだと体力的な面からいっても女性より男性のほうが向いている職業なのかも知れません。日本人乗務員も英国人乗務員も、男女問わずとてもフレンドリーでした。
ヴァージンの人気の一番の理由はパーソナルモニター付きっていうことかな。(↓)自分の好きなチャンネルで映画が見られたり、任天堂のゲームができたりします。ゲームの種類はちょっと古かったりもしましたけど。最新版RPGとかが入ったらすごくいいと思うのですがどうでしょう。映画放映がオンデマンドだったらもっと良かったなーと思うのだけれど、これは順次そうなってゆくとか。飛行機の設備もどんどん変わってゆくのね。でも、オンデマンドになったらなったで飛行時間が経つのが遅くてイヤになるかもなぁ。今は、映画は2時間半に1回くらいの間隔ですべてのチャンネルの放送が一斉に始まるようになっています。まぁだいたい2時間くらいの映画を見終わって疲れてうたた寝。寝過ぎて次の回の開始時間を過ぎてしまったらその回の分の2時間半もお休みしてまた次の回の開始まで寝る・・・とかやっているうちに、映画を3本か4本も見ればだいたい10時間くらいは過ぎてしまいます。とっても疲れますけど。(^_^;今回見たのは「アイスエイジ」と「アバウト・ア・ボーイ」それから日本の映画の「白い犬とワルツを」の3本。アバウト・ア・ボーイは日本でも字幕で見ましたが、今回は字幕なしで見てみました。英語に耳を馴らす為。馴れなかったけど。(笑)他の2本はなかなか泣けました。わたしは涙もろいのですぐ涙が出てしまいます。・・・ひとり旅の不安でぐじゅぐじゅ泣いたってこともあったかもしれないんだけど・・・(^_^;お隣の席の人が日本人ビジネスマンのおじさんだったので、ぐじゅぐじゅ泣いて結構恥ずかしかったかも。ちなみにこのおじさんはわたしの荷物を上げてくれたり降ろしてくれたり、とても優しかった(^^)

映画と映画の間とか間にデジカメを取り出してあちこち撮影。この旅の為にデジカメを買ったので、撮るのが面白くって。上の写真は窓から撮った翼です。って、誰にでもわかりますよね(笑)。
さてさて、ヴァージンのもうひとつの人気の理由と言われる機内食はといいますと・・・もちろん、撮りました・・・旅の恥はかき捨て(笑)。
まずはすぐに出てきたおやつ。 松花堂弁当とチキン。 イギリスに近くなって出てきた朝食。カレー。
一番左は某国大統領がフットボール見ながら喉に詰まらせちゃったお菓子です。これは喉に詰まらないようにとても小さかったです(笑)。真ん中の画像は、日本を離陸したのがお昼ということで比較的すぐに出てきたお食事。ヴァージンはこの松花堂弁当が人気ということだったんですが、あんまり期待していたほどではなかったです。日本を離れてすぐということもあったでしょうが。ちなみに調子に乗って白ワインなんか頼んでしまいましたが、これがかなり失敗でした。のちのちになって響いてくるのです・・・とほほ(T_T)。一番右の画像が、イギリスに着く少し前に出てきた軽めの食事。わたしの席は食事のサービスが後のほうだったのでもうこのカレーしか選べませんでした。わたしは野菜のラザニアが良かったのにぃ〜(^_^;。一緒に写っているおにぎりは間食として途中で出てきたもの。ガメツクもらったはいいものの食べられず、記念撮影にご登場願いました。ちなみにこれはイギリス上陸後にいただきました。この食事の中で一番おいしかったのはバナナだったかも(笑)。それと、機内が暗くて就寝モードだったので画像はないのですが、映画を見ている間にアイスクリーム(チョコバー)も配ってくれました。これがとってもおいしかった!

パーソナルモニター用のリモコンをひっくりかえすと、なんと電話になっていました。機内から世界中にかけられるとか。おもしろそうだったのですが通話料が1分あたり9US$だと聞いてやめました。高すぎる(笑)!クレジットカードを通すと通話ができてしまうらしいです。すごいなぁ。ちなみに、機内誌には「機内で素敵な人と目が合ったらチャンス!機内の電話間の通話は無料です!」と書いてありました。機内で素敵な人と目が合ったとしても、その人の座席番号をわざわざ調べに行ってまで電話で話す人なんているんでしょうか。直接話せばいいんじゃないかなぁ(笑)。
映画見て食べて寝て映画見て食べて寝て、と超不健康生活を繰り返し(^_^;、いよいよイギリスに近くなりました。前に出てきたモニターの画像が示しているのはスカンジナビア半島。北回りなので、日本からロシア上空、そしてスカンジナビア半島をかすめてイギリスへアプローチするという航路でした。スカンジナビア半島くらいに来るとかなり高度も下がってくるので、陸地が見えました。陸と水が入り組んでいてとてもきれいでした。
しかし・・・このあたりから、わたしは体の不調を感じ始めました。体、というか頭、なんですが。とにかく、頭が痛い。最初は我慢していたのですが、我慢しきれなくなって頭痛薬を探しましたが見つからず。あああ・・・薬は全部スーツケースの中だぁぁぁ(T_T)。どうしよう。イギリスまで我慢できるかなぁ・・・
でも、スーツケースを開けるのはニューマーケットに着いてからだからまだあと何時間もあります。それまで我慢できない〜(T_T)と思って客室乗務員を呼ぶボタンを押してしまいました。「頭痛薬、ありますか?」と聞いたらしばらくして持ってきてくれたのだけれど、イギリスの薬なので日本で認可されていない物質が入っているとか。詳しいその物質の名前まで説明してくれて、よろしいですか?と聞かれたのですが、とにかくこの頭痛を一刻も早く消さなくては!と思って、「大丈夫です」と答えてその薬をもらって飲みました。無認可だろうとなんだろうと、頑丈なわたしなので多分大丈夫でしょう(笑)。しばらく我慢していたら徐々に効いてくれたのでほっとしました。頭痛薬が効きやすい体質でよかった〜。
・・・でも考えてみると、初めてのひとり海外旅行ということでとても緊張していたのもあると思いますが、多分この頭痛の原因は食事のときに飲んだ白ワインでしょう。飲んだ後に後悔しても仕方ないけど、機内では気圧の関係でアルコールが地上よりずっと回りやすいとか。今後は飛行機ではアルコールは控えようと決めました(^_^;;;。
そして、頭痛が消えた頃に徐々に高度が下がり始め、いよいよイギリスへ到着です。ヴァージンに乗ってみたら、12時間のフライトはそんなに我慢できないほど辛いものではないような気がしました。サービスはほんとに素晴らしかったと思います。退屈させないように一生懸命工夫する、という企業努力がとても感じられたから。アメニティキットもかわいかったし。(^^)

飛行機を降りると、イギリス時間のPM4:00でした。30分遅れて離陸したけど予定通りの時間に着きました。
入国審査場は異常なまでの日本人率の高さ。ちょうど、関空からも飛行機が着いていたようです。長い列に並んでいる間、まるで関西にいるみたいな錯覚を覚えるほどでした(笑)。この入国審査にかなり時間がかかりましたが、いよいよ自分の番です。なんだか、審査官のおばさんは怖そう。なんか聞かれたらどうしよう・・・なんてちょっとオドオド。しかし、わかりやすい英語で「何日滞在するの?」と聞かれ、残りの旅程のチケットを見せながら「2日です」と答えると「観光?」と聞かれただけで終わりでした。帰りのチケットを持っていればあまりつっこまれないようです。イギリスでは、不法就労者を入国させないための審査が主だとか。なるほど。
入国審査が終わったら次は手荷物をピックアップ。ここで無事に荷物を見つけたときは、「あってよかった」という安堵よりも「破裂してなくてよかった」と思いました。破裂するんじゃないかと思うほどギュウギュウに詰めてきたからです(笑)。荷物をピックアップしたあと、公衆電話を見つけたのでクレジットカードを使って家に電話をしようと試みましたがクレジットカードが使えず。仕方がないので両替で日本から持参の10ポンド札を小銭に両替してもらいました。2ポンド硬貨で日本の一般電話までかなり長い時間話せました。

ヒースロー空港の案内図などは事前にネットで調べてプリントアウトしたものを持ってはいたのですが、どうにもわかりにくい。これから先はバスでニューマーケットに直行するので、長距離バス乗り場であるセントラルコーチステーションに行かねばなりません。そこまでどう行ったらいいのかわからないのです。ああどうしよう、困ったな。でも、勇気を出してインフォメーションに聞きに行きました。インフォメーションのおばさんは、わかりやすく、「そこのスロープを下って1フロア下に降りて、そこから先は案内板に従って歩いて行けばコーチステーションに行けるわよ。」と教えてくれました。ふむふむ。ゆっくり喋ってもらえればなんとか理解できたので助かりました。言われた通りにスロープを下り(トロリーというスーツケースを乗っけて動く手押し車みたいなやつを使う人のために階段ではなくスロープになっているらしい)案内板に従って歩いて行くとちゃんとバスターミナルに着きました。よかった〜(T_T)。
ヒースロー空港。 セントラルコーチステーション。
これは旅行中ずっと感じていた事なんですけれども、ユニバーサルデザインの大切さをこの時すごく強く感じました。つまり、その国の言語がわからなくても重要な場所などがすぐわかるような絵文字(ピクトグラム)の存在のことです。バス乗り場とかトイレとか手荷物預かり所とか、例え英語がわからなくても絵を見ればだいたい何がどこにあるのかわかるように、案内板の文字の隣りに絵が描かれているのです。

セントラルコーチステーションに着いてみると、そこにはものすごくたくさんのバス停がありました。数えてはいないけど、多分20番くらいまであったのではないでしょうか。イギリスに限らず、ヨーロッパでは長距離バス路線がかなり整備されているとか。ちなみに長距離バスのことをイギリスではコーチと呼ぶらしいです。市民も結構このコーチを利用しているようです。なので、どこのバス停もバスを待つイギリス人で一杯。
しかし、はて困った。バスのチケットはネットで予約して日本に送ってもらってはいたものの、バス停が何番だかわかりません。しかし、わからなかったらすぐ聞く!悩むよりまず行動!ということでまたインフォメーショへ。長い列の最後尾に並びました。聞けば、イギリスには「
QUEUE(キュー)」という単語があるそうです。アメリカ人は使わない単語だとか。つまり、「並ぶ」という意味の単語らしいんですが、この単語は今回の旅で結構よく使いました。列の最後尾に居る人に、「どこどこ行きのバスに乗るのに並んでいるんですか?」と聞いたりとか。
で、やっと自分の番になって、バス停の番号を聞いたら11番だと教えてくれて、お姉さんがチケットにも11、と書いてくれました。実はこのチケット、ネットで予約したのですがうちに届いた時には何故か日付が9月30日となっていました。これは絶対に間違いだ〜!とあせって問い合わせたところ、「大丈夫、手書きで10月1日って書き直してね」という返事。そう言われたので自分で10月1日、と書き直しておいたのですが・・・もしかしてインフォメーションのお姉さんに「これは昨日の日付よ!だからダメよ!」と言われるのではないかなぁと内心ドキドキだったのです。でも、全く問題ありませんでした。なんだかよくわかりませんでしたが(笑)。

で、無事に11番のバス停からのバスだということがわかったので、次に何をしようかと思ったかというと、その日の夕食の確保です。ニューマーケットに着くのは夜の8時すぎ。泊まる予定のところはB&B(
Bed & Breakfast)という民宿みたいなところで、朝食はついていても夕食は食べられません。夜の8時くらいだったらパブなどのお店は開いているでしょうが、なにせニューマーケットに行くのは初めて。街の規模も雰囲気もわかりませんでしたが、想像するにかなりの田舎なのではないかと。(←失礼?)丸1日かけた旅の後では、宿に着いた後そんな田舎の暗いであろう夜道を食事をしにお店まで歩いていく勇気も体力も残っていないような気がしていたのです。そこで、このコーチステーションで夕食の確保をしようと思いましたが、そこにはお店が一件だけ。雰囲気からするにハンバーガー屋さんらしい。どうやらトロリーのまま入れるようなので入ってみたら、冷蔵ケースの中にサンドイッチのパックも売っていたので迷わずそれを購入。あと、ミネラルウォーターも。お金を払った後、それを入れて持ち歩く袋が欲しかったのだけれど・・・袋をなんと言うのかがわからず、ゼスチャーで説明。すると、「ああ、バッグがほしいのね」とわかってくれました。そうか、バッグか〜!(笑)そして店員のお兄さんがハイどうぞ、と言って渡してくれたバッグは・・・わたしの望む「コンビニ袋的ビニール袋」ではなく、わら半紙のようなヤワな紙袋でした。こういうときに日本はいい国だなぁなんて思ってしまいます。あんな丈夫なビニール袋をタダでくれるんだもの。すごいです。

そうして無事にこの日の夕食を確保し、いよいよ11番のバス停に向かいます。しかし・・・待っていても、切符に書いてあるPM5:40を過ぎても、バスがやってこないのです。これにはとてもあせりました。どうしよう・・・バス停、間違えたかな?・・・でも、インフォメーションのお姉さんが11番って言ったし。でもどうにも不安だったので、やはり前に並んでいたイギリス人のご夫婦に話し掛けてみました。「ニューマーケットに行くバスを待っているのですか?」と聞くために。そうしたら、「いいえ、わたしたちはノーウィッチという町に行くのよ」という返事。ええええええ〜?ノーウィッチ???違うじゃーーーん!(>_<)どどどどどど、どうしよう。ニューマーケット行きのバス、もう別のバス停から出ちゃったりしたのかな・・・と思ったら、奥さんのほうがわたしのチケットを見てくれて、「大丈夫、あなたのチケットに書いてあるバスの番号も727よ。わたしのと同じ番号だから、この727はノーウィッチ行きなのね。きっと、途中でニューマーケットにも寄るんだわ」と教えてくれました。ああ、そうだったのかぁ・・・よかった(T_T)。わたしはてっきりニューマーケットが終点だと思い込んでいたのですが、そのバスはニューマーケットよりもっと北にあるノーウィッチという町まで行くバスだったのです。なるほど。
すっかり安心したのはいいけれど、バスはまだ来ません(笑)。・・・そして、発車時刻を20分くらい過ぎてから、バスはのんびりとやってきました。
ほんとだ、行先表示にはノーウィッチと大きく書いてありましたが、下のほうに小さくニューマーケットの表示もありました。画像ではちょっとわかりにくいかな。スーツケースをドライバーさんに頼んでバスに乗っけてもらい、自分も乗車です。この時にも、手書きの日付は何ら問題になりませんでした。なんでだろう。まぁいいか(笑)。バスはヒースローを出発し、一路北へ向かいます。ニューマーケットまでは2時間20分の道のりです。距離にしたらどれくらいあるんだろうなぁ。バスはかなりのスピードで飛ばします。結構怖い。・・・しかし、ちゃんとバスに乗れた安堵感と、時差ぼけ(この時日本時間では既に夜中の2時くらい)で眠くなってしまい、うとうとと眠ってしまいました。ハっと目が醒めたのは、途中で一度どこかのコーチステーションに寄ったときでした。なんだかすごく近代的な建物が目に入りました。一瞬、寝ぼけて「なんだろ?サービスエリアでトイレ休憩かな?」などとボケボケしていましたが(笑)・・・後で知ったらそこはスタンステッド空港という空港だったようです。イギリスは空路もかなり発達しているらしい。ふむふむ。ここのコーチステーションで別の路線のコーチに乗り換える人もいるようでした。なのでちょっと乗客が入れ替わって、また出発。これから先もまた少しうとうと・・・。次に「ハ!!!」っと気づいたら、なんとそこがニューマーケットの町でした。あせった・・・(笑)
ネットでニューマーケットの町のことを調べていたら出てきた「ゴールデンライオン」というパブが目覚めた瞬間のわたしの目に入ったのです。このパブはデットーリが騎手になり立ての頃、口ひげを自分で描いて(大人になりすまして)通ったという伝説のパブだとかいうことで、すごく印象に残っていたのです(笑)。なので、降りなきゃ!!!と一瞬にして目が覚め、「わたしも降りますーーー」と言いながら急いでバスを降りました。ああ、ゴールデンライオンのおかげで乗り過ごすことなくニューマーケットで降りることができました。デットーリのおかげかもしれません。なはは。
コーチのバス停があるのはニューマーケットの目抜き通り、その名もハイストリート。(イギリスではどこの小さな町でも一番の目抜き通りをハイストリートというらしい)道の両側には商店が建ち並び、それなりに活気があるようでした。でも、案の定、すでにあたりはまっくらで、初めての町だしやっぱり夜はちょっと怖い感じ。急いでタクシーをつかまえようと思いましたが、なかなか流しのタクシーというのはつかまらないんですねぇ。で、少し先にどうやらタクシー乗り場がありそうだったので、スーツケースをごろごろしながら少し歩きました。歩道は石畳。ガタガタです。ほんの十数メートルくらいだったのに、ヒーコラ言いました(T_T)。
で、タクシー乗り場にたどり着いたら、大柄なドライバーのお兄さんが出てきてくれて、挨拶してくれました。それで、B&Bの住所を見せて、ここに行ってくれますか?というと「もちろん!」と。ほっとして荷物をトランクに入れてもらい、タクシーに乗り込みました。目指す宿は同じような家が立ち並ぶタウンハウスの一角だったのでわかりにくかったのですが、通りの名前と番地を細かく見てくれて、多分ここだと思うよ、と下ろしてくれたのはまさにわたしが泊まるB&Bの前でした。荷物が重かったので、少しチップを弾んで、ありがとう!とタクシーのお兄さんとはお別れ。B&Bのドアのベルを鳴らしました。すると、2重になっているドアが開き、中に優しそうなお父さんが立っていて、「
Erika?」と聞いてくれたのです。なんか、すごい感動でした。「ニューマーケットへようこそ!」とすごく歓迎してくれました。わーいわーい。とうとう、無事に宿に着いたぞぉぉぉぉ(T_T)。

思えば家を出てから21時間あまり。目的地に到着するのにこんなに長くかかった旅行は今までで初めてでした。宿のお父さんは2階にある部屋までスーツケースを「重いねー」と言いながら上げてくれ、案内してくれました。ああ、すみません・・・(笑)案内された部屋は5帖くらいでしょうか。小さな部屋でしたが、すごくかわいらしくて、すぐに気に入りました。トイレとお風呂は共同。3階建の家の2階部分の4部屋をB&Bとして貸しているという、普通の家族の家でした。1階と3階には家族が住んでいるのです。
お父さんに朝食を7時にお願いして、玄関のカギを預かっておやすみなさいとごあいさつ。お部屋に戻るとすぐにスーツケースを開け、パジャマを取り出しました。ああもうだめ、眠ーーーーい。(このとき日本時間で朝の4時くらい)・・・でもでも、お風呂に入ってから眠りたいなぁと思ったのでお風呂セットの用意をしてバスルームに向かったら、誰かが入っているようでした。お風呂の隣の部屋にも誰かが泊まっているようで、少し開いたドアから小さな話し声が聞こえます。その部屋から少し離れた、お風呂のドアが見えるところで順番待ちをしようと立っていたときです。あれれ?なんか・・・ドアから漏れてくる人の笑い声が日本人のそれっぽいなぁ・・・なんてふと思ったんですよね。
でも、ここはニューマーケット。それにホテルではなく有名でもない小さなB&Bに日本人など居るはずがない・・・と思った瞬間、そのドアが開いて、出てきた人はなんと日本人だったのです。びーーーっくりしました(笑)。
思わず、「日本人の方ですか?」と妙な質問。お話すると、その方はアイルランドの厩舎で馬乗りの研修をしていらっしゃるとか。ニューマーケットには馬を見に来たり実際に調教に乗ったりするために休暇を取って来ているとか。少しお話ししたあと、その方が外出されたのでまたひとりで再びお風呂の順番待ち。すると・・・そのお風呂のドアが開いて出ていらっしゃったのもまたまた日本人の方でした(笑)。その方ともちょっとお話。「あなたがお父さんの言ってた3組目の日本人ですかぁ。」と言われ、日本人だらけですねぇとふたりで笑ってしまいました。あはは、なんだか、イギリスにいる気がしない・・・。でも、泊まっているのがすべて日本人だということでとても安心でした。
お部屋は居心地がいいし、お父さんは優しいし。とてもいいB&Bに泊まれた事、そしてここで日本人の方に巡り合えたことに感謝、感謝。(^-^)そしてお風呂に入ったのですが、床がフローリングということにまずびっくり。でも、シャワーもバスタブの中で浴びるのだから問題ないのかな。でもかなり床にも水滴が落ちてるけど(笑)。そしてバスタブが異常に長くて、お湯をためて横になったら溺れそうになりました(笑)。ほんとに、バスタブだけで2メートルくらいありそうでした。このバスルームも家族が使うのかどうかは定かではなかったけれど、シャンプーとかがすごくかわいくディスプレーしてあったし、お風呂のタイルの絵も家族で楽しく描きました〜、みたいな感じでほのぼの。椅子や籐のリネンカゴなど、家具も置いてあるのです。すごくかわいいバスルームでした。シャワーの出方が弱かったけど、不満に思うほどでもありませんでした。
お風呂が終って、お部屋で髪を乾かして。お部屋にはポットがついていて、コーヒーと紅茶は好きなときに飲めるようになっていました。さすがはイギリス(^-^)。さっそく紅茶をいれて、夕食はさっきヒースローで買ったサンドウィッチ。と思ったらこれが齧ってみるとあんまりおいしくなかったのです(笑)。飛行機でもらったおにぎりがあったのを思い出して、そっちを食べました。サンドウィッチくんよ、ごめん。
今日はこれにて就寝。ちなみにイギリスはテレビのチャンネルが4つくらいしかなくてつまらなかったです。
ああ、疲れた。でもでも、なんか、素敵な旅になりそうです。明日からも、楽しむぞ!と思いつつ、おやすみなさい。

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