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---Quest For Rainbow---
A Travel to UK and France 2002
Prologue プロローグ


サクラローレルという馬に出会ったとき、わたしは初めて競走馬というものの美しさを知りました。
馬の魅力、競馬の魅力。すべて、ローレルが教えてくれたものです。
でも、そんなローレルの走りを、わたしは自分の目で一度も見る事がありませんでした。ほんとうは何度も何度も、見に行くチャンスはあったというのに、何故かその都度いろいろな理由で、ローレルの出るレースを見に行くことができませんでした。
1997年の秋、ローレルがフランスに行くことになったとき、「わたしもフランスに行こう。ローレルの晴れ舞台を今度こそこの目で見よう。」と思いました。凱旋門賞観戦ツアーに申し込み、初めてローレルの走る姿を自分の目で見ることを夢見ていました。フォア賞を見に行こうかとも思いましたが、フォア賞はただの前哨戦。やっぱり世界最高峰の舞台である凱旋門賞を見に行くことを選びました。学校を卒業したばっかりだったので、両方を見に行くほどのお金がなかったんです(笑)。
でも、ローレルはその前哨戦のフォア賞で故障してしまい、凱旋門賞出走はおろかその時点で引退が決まってしまいました。そう、わたしは、とうとう一度もローレルの走りを自分の目で見る事ができなかったのです。
ローレルが夢半ばにしてその夢を諦めなくてはならなくなったことへの涙がやっと乾きはじめた頃、わたしの中でふつふつと湧きはじめたもの。それは、ローレルの走りを見ずにいたことへの、どうしようもない後悔の気持ちでした。・・・それは、悔やんでも悔やんでも、悔やみきれない気持ちでした。
何かをせずに後悔する事が、こんなに悔しいこととは知りませんでした。

ローレルの遠征から5年。たった5年で日本最強馬マンハッタンカフェを育て上げ、凱旋門賞へ送り出す事になった小島太厩舎。マンハッタンの強さなら、外国の馬に勝てるかもしれない。凱旋門賞に勝てるかもしれない。そう思ったら、もう、行くしかない!と思いました。今度こそ、行かずに後悔したくないから。小島太厩舎の、マンハッタンカフェが、ロンシャンで走るのをこの目で見たいから。
ローレルがロンシャンに懸けた虹色の夢の架け橋「l'Arc」を、今、マンハッタンが渡ろうとしている。
・・・そして、マンハッタンなら、ローレルが5年前にロンシャンに置いてきたものを、きっと探し出してくれるだろうと思えたのです。ローレルに出会って以来、応援してきた小島太厩舎。小島太厩舎の夢はすなわち、わたしの夢になっていました。だから、フランスへ行って、ローレルの夢、小島太厩舎の夢、そして自分自身の夢を、今度こそ自分の目で見たい。そう思ったのです。

そしてもうひとつのわたしの夢。それは、 ローレルのパパ、レインボウクエストに会うことでした。
レインボウクエストはわたしのサイトの名前の由来でもある馬。突き詰めて考えれば、レインボウクエストがいなければローレルも存在しない。ラウルスも存在しないのです。突き詰めすぎ?(笑)
だから、是非、レインボウクエストに会って”ありがとう”と一言お礼が言いたいなぁと思っていたのです。ローレルとの出会いをわたしに与えてくれたことへの、そして最愛の息子ラウルスを与えてくれたことへのお礼を。
そして、今回は、ローレルのパパとしてだけはでなく”凱旋門賞馬”としてのレインボウクエストにも、マンハッタンが凱旋門賞に出る前に会っておきたいと考えていました。その強さと強運で凱旋門賞の栄冠を勝ち取った馬のパワーを、少しでももらえたら・・・と思ったのです。
これが、この旅行記のタイトルが「
QUEST FOR RAINBOW」である理由です。
夢を探す旅は、生きている「虹」を探す旅にもなりました。


なーんて、いろいろ語ってしまいましたが(笑)、実際の旅はドタバタ続きの珍道中。
いろいろなことがあったため、文字数も写真も膨大なものになるかと思いますが、宜しければ最後までお付き合いくださいね。それでは、はじまり、はじまり〜。

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