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---Quest For Rainbow---
A Travel to UK and France 2002
6th October, Sanday


今日はいよいよ凱旋門賞当日・・・。起きてすぐに着替えてパリ・チュルフを買うために外へ出ました。でも・・・どのお店も開いてないんです。開いているのは教会と、朝食用のパンを売っているパン屋さんだけ。日曜日のパリは寂しいとは聞いていたけれどそれはほんとうでした。まだうす暗い中かなり遠いところまで歩いて新聞を売っている売店を探して歩いたけれど、どこまで行っても売店はありそうになかったので諦めて帰ることに。でも、帰る途中に雨が降り始めてしまって。今日は大切な凱旋門賞の日なのに、雨なんて・・・。と、雨の中小走りに走りながらかなりブルーになってしまいました。結構雨に濡れてしまったのでホテルに帰ってすぐにシャワーを浴びて身支度をして、ロンシャン競馬場へ向けて出発しました。
昨日と同じくヴィクトル・ユーゴーからタクシーに乗りました。日曜日だからか、ヴィクトル・ユーゴーの駅前にタクシーが待っていなくて最初あせったけれど、少し待っていたら来たのでホっ。今日のタクシーの運転手さんもやさしそうでいいおじさんでした。日曜日ということもあってか、ロンシャンに向かう道路は昨日よりも混んでいました。今日は凱旋門賞の日ですがみんながみんな競馬場に行くわけではないようで、休日をブローニュの森で過ごすためにやってくる家族連れのほうが多いようでした。途中、タクシーの運転手さんが友達のタクシーを見つけたらしく、信号待ちしている間に窓を開けて喋っているのを聞いていたら、「今日はやけに混んでるなー。凱旋門賞もあるしなぁ。」と言っているような感じでした。多分(笑)。混んではいたけれどなんとか競馬場に到着。
←これが凱旋門賞当日の入場券です。入場料は昨日の倍額の8ユーロ。日本円で1000円くらいかな。さすがは凱旋門賞、入場料もお高い(^^;のね。入場の際に荷物チェックがありました。
さっそく競馬場の中に入ってみると・・・すごい人・人・人!パリはもとより、フランス中、ヨーロッパ中の人が来ているのではないかと思えるくらい、なんだかいろいろな人がたーくさん来ていました。・・・昨日の雰囲気とはまったく違う〜!とにかく、何もかも、すべてが華やいでいる感じがするのです!これにはほんとうに驚きました。昨日のロンシャンを見る限り「日本のローカル競馬場みたい」という感じでしたが(笑)、さすがは凱旋門賞、世界最高峰レースというだけありました。演出がうまいんですよね。「今日は凱旋門賞、お祭りですよ」っていう雰囲気作りがすごい。
あまりに場内が混んでいたので、レース後にはお土産も買いにくいだろうと思ってまずはお土産をゲット。昨日ほとんどのお土産を買ってしまっていたので今日はそんなに買うものもなかったんですが・・・お土産を買うということは全世界共通なんでしょうか(笑)、各国の人達がお土産を売っている売店に列を作っていました。英語が苦手そうな売店のお姉さんたちはかなり悪戦苦闘。頑張れ〜!(笑)
右→の写真は指定席券の画像です。これがあれば場所は確保されるけど、場内を探検したい、とか、凱旋門賞出走馬のパドックを見てレースも見たいという人には必要ないかも。席を外している間に図体のでかいイギリス人のご婦人方に場所を占領されてしまうからです(笑)。指定席は、シャンペンを飲みながら朝から晩まで馬券だけ買ってレースをスタンドで見たい人向きですね。これは日本の競馬場の指定席でも同じことですよね。70ユーロだから8400円くらいかな。

そしてレースが始まりました。今日は8つのレースが開催され、うち6つはグループTだという、すごい一日です。3レース目がアヴェイユ・ド・ロンシャン賞でした。出走馬についてよく調べていなかったので、武さんが乗る「メイビーフォーエバー」という名の馬の単賞だけを買いました。カルロス・ラフォン・パリアス厩舎。そう、ローレルがフランスに渡ったとき所属した厩舎です。カルロス厩舎からは3頭もの馬が出走していましたが、その中で一番名前が素敵だったメイビーフォーエバー、今は亡きザフォニック産駒でした(;_;)。武さんなので期待しましたが、残念ながら馬券は当たりませんでした(^^;。4レースがオペラ賞。かわいいブライトスカイやイリジステブルジュエルなど、ジャパンカップにもやってきた馬が走っていました。うかつなことに、この日はもうマンハッタンのことで頭がいっぱいで(^^;他の馬にまで気が回らなかったので、他の馬の写真がないのです・・・(笑)。
凱旋門賞は7レース目。早め(5レースくらい)に凱旋門賞のパドックに備えて、パドックへ移動しました。今日はさすがに日本人の姿も目立ちます。ツアーで来ている人だけじゃなく、日本馬出走の噂を聞いてやってきたフランス在住の方も多かったのではないかなと思います。小さな子供連れの方も結構いました。小さな子が日本の旗を振りながら「にほんがんばれー」なんて言っていました。そしてふと目を上げるとロンシャンのスタンドの上には日の丸がはためいていて・・・。何故かこう、涙腺を刺激する光景でした。マンハッタンカフェという名の日本の強い馬が凱旋門賞で走る。今年はもしかしたら勝てるかもしれないと新聞が報じている。マンハッタンカフェ出走で何かしら元気付けられた在仏の日本人もたくさんいるのではなかろうかと。ああ、太先生は、マンハッタンは、とうとうここまで来たんだ。そう思いながら、涙をこらえました。
マンハッタン登場の少し前、見上げてみるとこんな青空が広がっていました。朝の雨が嘘のようです。が、こんな青空が時折突然雲に覆われてしまうこともありました。そうなると日が陰って、ガタガタ震えてしまうほど寒かったです。すごく不思議なお天気でした。雲が去ってまたお日様が出るとジリジリ暑くて汗が出るくらい。照ったり陰ったりはありましたが、空気はカラっと乾き、さわやかな秋の風が渡ってゆくロンシャン。気持ちのいい気候、そして想像以上に華やかな雰囲気の競馬場。・・・こんな素晴らしいところで、5年前、ローレルも走りたかっただろうに・・・。そう思うと唇を噛んでしまうくらいに悔しかったけれど、でも、今日はマンハッタンが走るんだ。とうとう、夢にまで見た凱旋門賞出走を果たすんだ。そう思うと、ほんとうに誇らしい気持ちでいっぱいになりました。
写真を撮るのに良いかなぁとかなり考えてわたしが立っていたパドックの奥のほうのエリアは、ちょうどフランス版競馬オヤジ(もしかしたらアイルランド人かイギリス人かもしれない)がたくさん集まるような場所だったらしく(笑)ヤジだか声援だかわからない大声をあげるオヤジがたくさんいました。それがまた、陽気で、とにかくずーっと何かをヤジり続けているんです。時に節をつけて歌ったりしながら。もうすぐ凱旋門賞のパドックという頃になると、アラン・ドロンがパドックに姿をあらわしたらしく、「アラン、アラン、アラン!」と絶叫しまくっていました。派手な格好のマダムが現れたらもう大変。「マダム、マダム、マダム!」とまた絶叫。振り向いてくれるまで喚いています(笑)。心の広い?フランスのセレブはそんなオヤジの声にも降り返ってあげたりしていました。ツンツンしたマダムは完全無視でしたが(笑)。アラン・ドロンに降り返ってもらったオヤジは大変うれしそうでした。こういう騒ぐオヤジもロンシャンの風物詩なんでしょうかね(^^)。
そんなオヤジ達の前に吉田照哉さんご夫妻などがやってきたときにはもう大変でした。日本語を知らないオヤジ達ですから、「サヨナラ」しか言えないみたいでした。悪い意味を含んでの「サヨナラ」なんだと思うんだけど、もっといい言葉を覚えてもらいたいものだわ〜(^^;。ローレルがフォア賞で走ったときも「サヨナラ」って言ってたのはこのオヤジ達かもしれないなぁ・・・。
マンハッタンの関係者の方がパドックの中に増えてきて、プレス関係者もたくさんになってきました。もちろんフランス始め各国のプレスがいたのだと思いますが、圧倒的に日本人関係者の周りだけ人垣のようになっているのです。やっぱり注目されているのだなぁ・・・と思いました。左の写真はエビショーさんです。取り囲まれて見えないよ〜(笑)。ちなみに、可笑しかったのはパドックのオヤジ達が、エビショーのことをどうやって読んで良いやらコソコソ相談していたこと。エビーナ?マサヨシ?とかかなり真剣に相談しているのでかなりウケました。よっぽどエビショーと呼べと教えてあげたい気持ちがしましたが、やめました(笑)。オヤジ達はというと、マサヨシィ、サヨナラ!と言いはじめていたので相談の結果エビーナでなくマサヨシでいく事になったようです。あははは(^^;。
そして・・・いよいよ、凱旋門賞出走馬のパドック周回が始まりました。ほんとに、凱旋門賞だからって特別パドックの時間が長くなるわけではなく、とにかくとてもアッサリ終わってしまいます。わたしはとてもあせりました。まずは自分の目でしっかり見なくちゃ、写真もたくさん撮らなくちゃ、ビデオも撮らなくちゃ、と大忙し。分身の術があれば(^^;。写真やビデオを後で見てみて、イーグルのときよりもずっと写真もビデオも少ないのに気づきました。相当、あせっていたようです(^^;;;。

自分があせっていたというのもあったけれど、この日のマンハッタンはやっぱり何かちょっと落ち着かない様子だったことは確かだったと思います。イライラしていたというか・・・。何かこう、やっぱり、走りたくないかなぁと思う事があったのかもしれませんね。
エビショーさんを背に、本馬場へと向かうマンハッタン。ロンシャンのパドックは、本馬場へ入場する馬はファンの間を通って行くので、すぐ間近に見られます。さすがに凱旋門賞のときは人ごみがすごくて(ファンの流れを堰き止めて馬を通すので通行止めになるのです)無理だったので、パドック横の階段を上って2階の高さのデッキに上がり、スタンドの間からやっとマンハッタンの返し馬を見る事ができました。マンハッタン、頑張れ。無事に走っておいで。勝てますように。もう、そのことしか考えられませんでした。頭が真っ白になってしまったようです(^^;。
レースを見るためにスタンドに上がりましたが、さすがにすごい人・・・みんな背が高いので、銀箱がとっても役に立ちました。人の邪魔にならないように、壁際に銀箱を置いて、その上に乗りながらレースを待ちました。
風車。 よく見るとマンハッタンがいます マンハッタンです
返し馬が終わり、いよいよ発走です。あっという間に発走になってしまったので「え?もう?」という感じ・・・。レース中も緊張していて(わたしが緊張する必要はないのだけれど(笑))あまりよくレースが見られませんでした。途中まではこれは勝てる!と思っていました。でも、直線、目の覚めるようなマンハッタンの末脚は発揮されることなく、レースは終わりました。ああ、終わった・・・。勝てなくて残念だったけれど、それも競馬。勝つためにはすべての条件においてパーフェクトでないと、勝てないものなんですもんね。それを痛感しました。
でも、いわば惨敗を期してしまったということになったけれど、そんなに悲しい気持ちはなく、まずはここまで来れたんだから、マンハッタンが無事ならばそれでいい、と不思議とすがすがしい気持ちでいる自分が居ました。全く、こんなすごいレース、そうそう簡単に勝たせてはくれないんだ、って、強がりでなくそう思ったのです。それほどまでに、凱旋門賞っていうやつはすごいレースでした。すべてのものが他のレースとは違っていました。今回は、それを体感できただけで素晴らしく意味のあることだったと思います。だいたい、初めての挑戦でぽっと勝っちゃったら楽しみがなくなっちゃうもん、なんてね(笑)。これから先も、競馬が続いてゆく限り、小島太厩舎が凱旋門賞を勝つことを夢見ている限り、わたしもその夢を追いかけていこうと思いました。挑戦しつづけていけば、必ずいつかは夢が叶う日が来る。挑戦なしには夢は叶わない。幾度でも、挑戦し続けてほしいと思います。夢が叶うまで・・・。
凱旋門賞を買ったのはデットーリ鞍上のマリエンバード。パドックに走り、背伸びしてデットーリのジャンプオフを見ようと思いましたが、人垣の一番後ろで銀箱に乗って、なおかつ精一杯背伸びしても見えませんでした。日本人のお兄さん達が隣にいてやはり背伸びをして見ようとしていたので、銀箱を貸してあげました。パドックは、勝者を称えるために集まった人でいっぱい。凱旋門賞に勝つってことはほんとうに最高にすごいことなんだな、と思い知らされました。ちょっとしてから、そのお兄さんたちがわざわざ「さっきはありがとうございました」と言いに来てくださいました。マンハッタン残念でしたね、と少しお喋りしてお別れしましたが、同じ気持ちでロンシャンまでやってきた日本の方と話す事ができてとてもうれしかったです。
凱旋門賞の後にはもうひとレースありますが、やはり日本も同じようにGTのあとの最終レースを見ずに帰るという人が多く、わたしも例に漏れず最終レースを見ずにロンシャンを後にしました。(おハイソな人々は最終レースなんぞ見ずに延々とワインを飲んでいましたが)
振り返って仰ぐロンシャンのスタンドと青い空。なんて美しい競馬場なんだろう。・・・また、絶対来てやるぅ〜!と鼻息も荒く帰途についた私でありました(笑)。正門を出たところで今朝からずっと欲しくても買えずにいたパリ・チュルフを手に入れる事ができました。おじさんが売店を開いていたので。凱旋門賞は終わってしまったけれど、記念にね。昨日の帰りはイーグルのお陰もあってタクシーで帰りましたが、今日はタクシーの乗り場に長蛇の列。何時間待てば乗れるのであろうと途方に暮れるほどだったので、タクシー乗り場の奥にあるバス乗り場へと向かいました。バス停のある道路の横はブローニュの森。(競馬場自体も森の一部なんですね)左の画像のようなとても美しい景色が広がっていました。
バスはポルト・マイヨー行きで、無料でした。台数が多いようで、案外すんなりとバスに乗る事ができ、バスは発車しました。ギュウギュウに積め込まれて、かなりきつかったですが、タダなので文句は言えません(笑)。
ポルト・マイヨーに着き、メトロに乗ってシャルル・ドゴールで乗り換えて一旦ホテルへ戻ることにしました。荷物が重かったから(笑)。
ホテルで少し休んでから、マンハッタンが頑張った記念に、フランスへ来て初めての外食をしました。ものすごい量で次々に出てくるお料理、フランス人の体が大きい理由がよーくわかりました(笑)。
食傷気味でレストランを後にして、ぶらぶら歩きながらホテルへ戻りました。相変わらず清々しい気持ちでした。次の日、サイバーカフェでマンハッタンの怪我を知って愕然とすることになるとは露にも知らず。でも、とりあえず、マンハッタンカフェが、小島太厩舎の馬が、あの素晴らしい凱旋門賞に出る事ができた。そのことだけで、この日は満足でした。

<オマケ画像>
凱旋門賞当日のレープロ 凱旋門賞の出馬表。
マンハッタンの紹介 単賞馬券。当たってればお大尽だった(笑)

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