スリランカ料理を食べる


スリランカは世界に名だたるカレーの本場。夏目漱石だって、文明開化の明治期、英国へ行く途中、わざわざコロンボで汽船を降りてカレーを食べている。 ◎→漱石とコロンボのB・I・ホテル
 そのころはいざ知らず、今どきの観光地だと、なかなか本物のカレーに出会えない。

30年も前のことだけど、コロンボ・コルピティの商業ビル・プラザに”難波”という日本料理の食材店があった。ここにハウス食品の「豆腐作りキット」や紀州の梅干し、そして日本の即席カレールウーがあった。スリランカには日本式カレーがないので、即席カレーを買い求める現地滞在の日本人は大喜びだった。いわく、
「ああ、やっとスリランカでカレーが食べられる」
でも難波はとうの昔に店を閉めている。

スリランカには日本式カレーがない。
スリランカのカレーなら、もちろん、ある。何がスリランカのカレー料理? 

サンボール。
ウェンジャナ。
マッルン。
 などなど…

え、それがカレーの名前?何が何だかわからない、ですって?
 それなら、こちらをご覧ください。
街の食堂・ゲストハウスのスリランカ料理

 詳しくお知りになりたいときは、こちらへ
スリランカ料理トモカのレシピ― スリランカ料理33を作る

 そう言えばカレーは英語だ。日本語化した外来語です。そして,このカレーはスリランカでも外来語。だから、カレーと言ってしまったらスリランカ人にとってもそれは外国料理なのです。それもちょっと高級な感じの。
ビジネスや観光や、もしかしたら援助でスリランカを訪れる方は大くがこの「英語のカレー」を食べて、スリランカ料理を味わったと思ってしまいます。
 外人用観光ホテルのレストランはもちろん、街の小奇麗な食堂でもテーブルにスプーンとフォークを用意して料理を出してくれる。外国人が食べる外国料理としてのカレーのために。
 でも、本物のカレーはスプーンとフォークで食べません。
スリランカ料理は右手の指先でご飯と料理をつまんで食べます。
詳しいマナーはこちらに  ◎→スリランカ料理の食べ方(準備中)
 手で食べる。
 指をあやつって食べる。
 これが正式なスリランカ料理の食べ方です。
 
 スリランカ料理の、あの、サラサラ感。
 なんとも言えず、エクスタシィ!

 でも、高級と目される店の場合、たとえばと言ってはなんだけど、たとえばコロンボのウェラウェア(観光局認定じゃなかったかな)なんかでは、スリランカ料理をウリにしているのに「指食」を嫌う。侮蔑の目を向けるウェイターがいたりした。指をしなやかにするのが場違いのように扱われて面食らった。スリランカ料理をフォークとスプーンで食べさせるお店もあるからそこは気をつけるようにします。
 スリランカで本物カレーを食べるには少しコツが必要です。お店の人にちょっと訊ねてみましょう。
「本物のカレー、ある?」
なんて訊いては無粋です。
 おいしいカレーに出会いたいなら、店の人にこんな風に注文してみましょう。

「ポル・サンボールにはかつお節入ってるかい?」

この一言で外人用に手を抜いたカレーがそのものずばりのローカルでおいしいカレーになってテーブルに運ばれてきますよ。
  ◎→スリランカ料理・本物カレー おいしい注文の仕方
スリランカ料理を
食べる


手で食べる
左手でスプーンを持ちサンボール,マッルンなどの料理を取りご飯皿にのせる。右手の指先で料理をすうっと拾い丸めて口へ運ぶ。