学名 |
Capsella bursa-pastoris(カプセリア・ブロッサ・パストリス) |
英語名 |
Shepherd's purse(シェパーズ・パース) |
和名(日本語名) |
ナズナ(なずな)、ペンペングサ(ぺんぺん草) |
生薬名 |
薺(せい) |
分類 |
アブラナ科 一年草 |
原産地 |
ヨーロッパ、日本全土 |
特徴 |
北半球の温帯各地に自生し、3〜5月にかけて育ちます。
一般にハーブ(香草、薬草)というより雑草扱いされています。
私たち日本人にとっては春の七草として平安時代からなじみのあるハーブ(香草、薬草、植物)といえますが、最近ではあまり目にすることがなくなったような気がします。
古くから邪気をはらい、万病を防ぐハーブ(香草、薬草、植物)として知られ、三角型の莢(さや)の部分が三味線のばちに似ているところからペンペングサ(ぺんぺん草、シャミセングサ、三味線草)などと呼ばれ親しまれています。
ナズナ(なずな)の名前の由来はいくつかの説があります。
春に咲く白い十字型の小花が結実し、ばち状の莢の形の愛らしさから、思わず「撫でたくなる菜」が転訛してナズナ(なずな)と呼ばれるようになったとする説。
さらに、夏になっても花が咲くところから「夏菜(なつな)」が転訛したとする説。
中世ヨーロッパ15世紀頃の文献には、ハート形をした莢(さや)が昔の羊飼いの皮袋に似ているためにシェパーズパースと名付けられました。
また、小銭入れのように見える小さな莢(さや)がたくさんぶら下がっているところから「羊飼いの財布」という意味の奇妙な名前もついています。
また、莢(さや)がハートの形に似ていることから「マザーズ・ハーツ」の別名もあり、このことから婦人病に効能(効果、効用、薬効、作用)があることを暗示しています。
ギリシャ、ローマ時代にも修道院医学の初期にも注目され、15世紀の文献にも登場しています。
日本でもヨーロッパでもナズナ(なずな、ペンペングサ、ぺんぺん草、シェパーズパース)は利用価値が高いハーブ(香草、薬草、植物、野草)といえます。
ニコラス・カルペッパーは1653 年に「これほど効能の優れた植物は少ないというのにまったく軽んじられている」言うくらい、民間療法としては評価の高いハーブ(香草、薬草、植物)と言えるでしょう。
ヨーロッパでは主に地上部、花、葉、茎の全部を使用(利用)しますが、中国では花だけを使用(利用)しました。
また、中国ではこのハーブの種子が視力を良くすると言われています。
水溶性ビタミンや、血圧の抑制に役立つカリウム、骨の形成に不可欠なマンガンなどのミネラル類が豊富です。 春に収穫したものが最適です。
使われる部位は地上部分の全草です。
血液浄化に優れ、春季療法に使われます。
春季療法とは、冬の間に体内に溜まった老廃物を排出し、体調を整える民間療法です。
このことでもわかるように、日本人は昔から七草粥に入れて、冬の体調管理をしていたんですね。 |
成分 |
サポニン、フラボノイド、アミノ酸、タンパク質、アセチルコリン、コリン、モノアミン、ヒスタミン、チラミン、シトステロール、ポリペプチド、カリウム、カルシウム、フマール酸、ブルシン酸、ミネラル類、ビタミンA、ビタミンB、ビタミンC、シトステロール、樹脂、マスタードオイルなど。 |
効能(効果、効用、薬効、作用) |
収斂作用、止血作用、利尿作用、尿路の抗菌、解熱作用、緩下作用、鎮痛作用、血圧降下、血液循環作用、消炎作用、消毒作用、強壮作用、循環促進など。
民間療法では、血液浄化、肝臓や胆嚢の不調に内服されています。 |
注意! |
○子宮収縮を活発にするので、妊娠中に使用(利用)しないでください。
○月経や子宮出血が急に変化した時には、自己治療に頼らず、医師や専門家に相談してください。 |