因みに昨年、英国中央政府の環境・食料・農村委員会では、犬猫の販売や動物虐待を巡る長年の問題を根本から討議し、答申を出しましたが、この中で過去に司法長官が「古代の権利」※と称した、
RSPCAによる私人訴追の権限の見直しを求めています。
※2013年1月29日 英国下院議事中継より
これは、動物虐待事案をRSPCA が今までのように独自に起訴して裁判に持ち込むのでなく、RSPCA が動物虐待を認知したら、検察庁(CPS 1985 年創設)へバトンタッチすべきという判断で、これまで幾度かあったRSPCA に対する指摘の中で、最も厳しいものになりました。
このことは、RSPCA が動物虐待だと判断した飼い主の動物を許諾なく持ち去り殺害したり、動物を渡さない飼い主には訴追すると詰め寄る等の、いわば彼らの動物福祉向上を願う信念に基づく長年の行動が、そのまま容認される時代ではなくなったという背景を示します。また、寄付者の個人情報を不適切に扱い、データ保護法違反で、罰金を科されたことも同様です。
つまり、ダイアナ妃が亡くなった際、宮殿に半旗を掲げたことに始まり、国民に寄り添うべく王室が行ってきた自らの改革と同様の取組みを、RSPCA はしてこなかった、若しくは手法に誤りがあったと言えるかもしれません。
従って、「RSPCAが狐狩に反対した為、これに怒った保守系特定議員が私人訴追の権限剥奪を主張している」と市民に説明する学者がいるようですが、これは単純すぎて賛同できません。
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