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シリーズ「先進国って何?」

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■ 動物ジャーナル83 2013 秋

先進国って何? (八)

ドイツ篇 その二

巨大ペットショップと激安フリーマーケット、そこで売られる仔犬たち

青島 啓子


 熱中症という言葉を頻繁に耳にした季節は過ぎ去り、朝晩冷え込むようになってきましたが、読者諸兄姉のご家族みなさまにはお変りありませんでしょうか?
 さて、去る九月には動物愛護週間なるものがあったそうですが、正確に何日からいつまでなのか、よく把握できないまま過ぎました。
 今年は動物愛護法が改正されたということで、各地で色々な勉強会と称するものが開催されました。その中味は、相変らず安易な舶来思考に満ちあふれており、先進国の実状を探求する私たちからすれば「ものは言いよう」或いは若者風「まじっすか!」とでも言いたい主張を展開する〈専門家〉が多々ご活躍だったようです。
 そういう場面でよく語られる「ドイツではペットショップで仔犬が売られていない」という紹介について、私たちは「おとぎ話としか言いようがない」と断じます。

 そのことの説明を、今回本稿で述べますが、その前に以下の四点、つまり命を売るという共通項をもつ四点について、ドイツの現状を整理しておきます。

(1) ペットショップでの生体販売
(2) いわゆるフリーマーケット、すなわち店舗のない環境での生体販売
(3) メールのやり取りを経て、事前のお見合い有無に関係なく、生体が渡される販売形態
(4) ブリーダーから直接生体を購入する

飼巨大ペットショップZoo Zajac での
生体販売を止めてください!

(EUでの動物福祉向上運動をおこなう
 ミリオンアクションホームページより)

巨大ペットショップ

 今から九年前の二〇〇四年にドイツ連邦共和国の西に位置する都市、デュイスブルクにZoo Zajac というペットショップがうまれました。
 ここで売られている生体はナマコから孔雀まで、とにかく扱っている生体品種が多く、ジョークでしょうが、人間以外の動物は何でも売っているとの声もあるそうで、ペットショップと言うよりも動物園、まさにZoo の名が相応しい営業形態です。
 特に大小七十近い水槽に泳ぐ観賞魚(海水魚・熱帯魚)たちの姿を目の当りにすれば、思わず綺麗!と声を上げても無理ないかもしれず、店に行かなくても、無料で配られる分厚くキレイな写真が並ぶカタログを見ただけでも同じ気持になるかもしれません。
 特に、爬虫類の展示内容にはマニアと言われる人々も十分納得するとされ、日本で有名なベルリンの保護施設(テイアハイム)内の爬虫類保護室に暮らす亀さんやトカゲさんたちの中には、ここから売られたものがあるのではないかとさえ邪推されそうです。
 更に豊富な品揃えなのがペット関連用品。例えば猫用タワーにしても、まさに「これでどうだ!」と言わんばかりの展示数で、恐らく日本では見ることの出来ないペットショップであり、その意味では、まさに先進国と言えます。

 ドイツの情報経済誌「Location」や、硬派メディア「シュピーゲル」誌(福島原発事故による放射能雲の動きを逸早くインターネットで世界に発信したり、最近では携帯電話盗聴報道で耳にすることが多い)等の複数記事によると、Zoo Zajac 経営者のNorbert Zajac(57)(以下ノルベルト氏)は、幼少の頃からハムスターやワニ、インコ等いろいろな動物を飼育し、小学校に入る前にペットの世界で働こうと思ったとのことで、二十二歳の時に同じくデュイスブルク郊外のマイダリッヒで僅か六十五平方メートルという小さいペットショップを始めました。
 その後三十五年間かけて、売り場面積八千平方メートルの巨大ペットショップを築き、二〇〇五年九月には世界一の売り場面積のペットショップとしてギネスブックに登録される等、順調に業績を伸ばしてきました。
 そして経営者としての業績が認められ、二〇一〇年には中小企業連盟賞を受賞、現在の従業員数は正規・アルバイトを合せて二百名ほどです。巨漢の名にふさわしい体格(本稿冒頭のポスター参照)は商売繁盛の神様「えべっさん」のよう、ボッコリおなかに虎や象などを描いたTシャツ姿、所々に綻びのあるレザーベストをまとい、巨大な店内を電動自転車を駆って切盛りしています。

 創業当初から、観賞魚とこれらの水生生物を飼育するための関連商品(水槽や水草等)、亀やトカゲ、蛇等の爬虫類の展示・販売に力を注いできたZoo Zajac は犬猫の販売をしていませんでしたが、08年七月、突如仔猫の展示販売を始めます。
 ロンドンの高級デパート、ハロッズの四階にある生体販売店「ペットキングダム」の猫コーナーより大きめのガラスウインドウ、ジャングル若しくは草原をイメージしたらしい緑に塗られた壁に猫タワー等、ドイツの厳しい動物愛護法に従い広くとられたスペースに、業界指針の販売週齢(生後一〜一ヶ月半)もクリアしたヨーロピアンショートヘアの仔猫数頭をゆったり展示するという環境で販売(一九九ユーロ=約二万六千円)されました。

 これに対して、ドイツの猫愛好家が集うネットフォーラム等では問題視され、あの販売方式をドイツでは禁じていないが、何とかならないものか?/動物福祉を後退させてしまう/等の意見が書込まれたり、大々的ではありませんでしたが、インターネットで署名運動もありました。
 このZoo Zajac による仔猫展示販売はドイツペットショップ業界から見ると掟破りに近いものでしたが、仔猫の売上げはまずまずだったようです。一時期、仔猫が一頭残った時に「ひとりぼっちになって寂しそう」との声が出るくらいで、店舗前の反対運動やマスコミによる批判的報道も認められませんでした。 

 そして11年二月、いよいよZoo Zajac は本命とする仔犬展示販売を同年後半に開始すると発表、これにはさすがにドイツの愛護諸氏も黙っていられないと声を上げ始め、インターネットで盛んに販売阻止に向けた運動を行い始めました。

 また日本と同じく、ドイツにもペットショップが加入する組合のZZF(生体及び用品販売業連盟)があり、組合として仔犬販売は自粛方針なので、同年三月同組合会報誌で、ドイツの某動物権利団体も反対していると引き合いに出しながら、Zoo Zajac の仔犬販売反対!と主張しました。
 この会報だけ見ると、生体販売業の組合ZZFと相対する某動物権利団体が協調して、Zoo Zajac の仔犬の展示販売に反対しているように見えますが、この某動物権利団体は過去に「ZZF加入店の生体販売に問題あり!」と隠し撮りした動画をインターネットで公開しています。
 つまり、両者は、生体販売業対動物権利団体という対立する構図にあり、普段から決して仲が良いとは言えない間柄の筈です。何とも訳の判らない現象ですが、深読みしますと、ZZF非加入のZoo Zajac に対して、それも他に類のない巨大店舗の合法仔犬販売に対して、事実上なす術なしのZZFが考え出した苦肉の策ではないかと推量できます。「仔犬販売自粛は当節真っ当なこと、それは愛護団体にも認められている」とアピールできるのですから。

 また、独自ブランド「Happy-dog,cat 」というフード販売もするペット関連商材「Interquell社」は、仔犬展示販売を問題として、Zoo Zajac との契約を解除すると宣言しましたが、この動きに大手有名フードメーカーは追随しなかったので、ZZF非組合員のZoo Zajac にとって、フード仕入れにもさしたる影響はありませんでした。非組合員ゆえに販売する仔犬の仕入れが難しいはずでしたが、その点でもZoo Zajac は、社員獣医師が同行してチェックしたとされるドイツ及び近隣国のブリーダーを確保していた為、何の支障も起らず、結局、これらの逆風をZoo Zajac はものともせずかわしおおせたのでした。

 予定より数ヶ月遅れの二〇一二年一月十三日、Zoo Zajac は仔犬の販売について、マスコミ向けに発表、多くのマスコミが訪れる中、白衣に聴診器を首から提げた若い女性獣医師三名が展示販売用ショーウィンドウというには広すぎるスペースに、八週齢規制をクリアした仔犬を搬入する姿が報じられました。その様子はまるでセレモニーのようでした。
 そして、同年一月二十三日、ついに販売開始の日を迎えました。Zoo Zajac の思惑通り、多数の客が訪れ、買う買わないは別にして、大きなガラスウインドウ前の柵越しに、じゃれ合う子犬を見る来店者の様子は上野動物園で初めてパンダを見る来園者の姿に等しく、これは仔犬販売に厳しい規定を設けたドイツならでは光景なのでしょう。
 また動物の世話に関しても、先ほどの三名の専属女性獣医師の健康チェックに加え、犬に詳しい店員を常に仔犬販売コーナーに置くなど手厚いケアをしている、閉店後・夜間の対応にもぬかりはないとZoo Zajac は主張します。それらが主張通り適切に実行されているかどうかは別として、仔犬たちは来店者の意向などお構いなく、広い展示スペース内を走り回る等、自由気ままに遊んでいて、充分よい環境と言ってよいと思われます。

 因みに日本では仔犬を売るなら客に抱かせろという販売セオリーがあるようですが、Zoo Zajac の仔犬販売の様子を伝えるドイツ衛星放送、朝のワイドショーで、革ジャンの男性に仔犬を抱かせ、デレデレの末に首尾よくお買い上げとなった様子が映し出されており、このセオリーは万国共通のようです。
 なお、この期間に販売した子犬は 二十三頭、犬種によって七九九〜九九九ユーロと価格は異なりますが、一例をあげれば、ダックスフントが七九九ユーロ(約十二万円)、ラブラドールは九九九ユーロ(約十三万円)。昨年度の販売総数は四百頭とのこと。この数字は月平均にすると一ヶ月あたり三十三頭、おおよそ一日一頭になります。
※販売取扱犬種(二〇一一年一月から二〇一三年九月まで)チワワ、ミニオーストラリアンシェパード、ジャックラッセル、ショートコリー、ラフコリー、チワワミックス、パグチワワミックス、ジャーマンスピッツ、ポリッシュ・ローランド・シープドッグ(PON)

 この盛況のさなか、Zoo Zajac 店舗前の道路の反対側に陣取る複数愛護団体等の参加者は二百余名。彼らはメガホンやプラカードはもちろん、犬の着ぐるみも用いて、口々に仔犬展示販売絶対反対だと声を荒げ、日本で有名なベルリン・ティアハイムとも関係の深い、Deutscher Tierschutzbund e.V(ドイツ動物保護連合)のメンバーも同連合イメージカラー=水色のウインドブレーカーを着用して参加、
「Zoo Zajac の仔犬販売は犬たちにとって残酷」と主張しました。なお、Zoo Zajacの有るデュイスブルク、一月平均最高気温は3℃。

 不思議なことに数年前の仔猫販売時よりマスコミの注目度は明らかに高く、ドイツの複数主要放送局(SWR、SAT.1、WDR、ZDF、RTL)や新聞等は、数々の逆風にもめげない経営者ノルベルト氏のコメントを伝え、相対する意見として、ドイツ動物愛好家協会のミューレンバーグ女史の「断じて仔犬販売は容認出来ない」というコメントも報じました。
 Zoo Zajac の仔犬展示販売に対するドイツ動物愛護関係者の総意は、「犬が欲しいのであれば、保護施設から譲渡を受けるべきで、いくら合法かつ広い展示スペースだったとしても、命の衝動買いは防げない」という日本でも良く聞かれる主張でしたが、マスコミの論調は、合法での仔犬販売ゆえか、おおむね公平中立を守った報じ方をしていました。

 その大勢の中、予想以上に嫌悪感をあらわにした番組がありました。本稿検証グループが「この仔犬展示販売を一体どのように報じるか、それとも無視して扱わないか、またZoo Zajac へケンカを売りにいくのか」と最も興味深く思っていた、或るテレビ番組ですが、果して「仔犬販売は許せない!」と、Zoo Zajac の経営者ノルベルト氏に突撃取材を敢行しました。

新しい家族探しの番組

 ドイツの公共放送局 WDRではぺット愛好家向けの一時間番組が毎週日曜の夕方から放送されています。この種の番組は日本にもありますが、大きな違いは様々の理由で飼い主を失い、保護施設に暮す犬や猫などを強く意識し、その子たちが暮すための新しい家=家族探しに力を入れていることで、ドイツ国内の保護施設との連携はもちろん、動物福祉の向上に貢献することが番組の大きな柱になっています。(※ Tiere suchen ein Zuhause 毎週日曜、18.15 から19.10)

 この一貫した番組方針、つまり正しい知識による終生飼育の啓発はもちろん、犬や猫等と共に暮したいのであれば、保護施設から譲渡を受けてくださいという主張を既に十年以上貫いてきたわけですから、問題の仔犬展示販売に対して、番組として容認できるはずがなく、Zoo Zajac の仔犬販売当日に取材を行いました。この様子は六日後の同年一月二十九日に放送されました。
 いつも通り軽快な音楽のオープニングで始まり、あくまで明るい雰囲気でドイツ国内の保護施設からスタジオにきた犬や猫たちを写し、この子たちの新しい家族になって下さいと呼びかける女性キャスターのクラウディア氏(当時)の表情が、仔犬販売にテーマが移ると思わず曇り、仔犬販売に対する怒りのたけをぶつけるような主張を述べます。続いて、ヴィーガン(完全菜食主義)でもある女性レポーターのシモーネ氏がZoo Zajac に赴く場面になります。
 番組ではナマズ(レッドテールキャットフィッシュ)、カワウソ、ヒマラヤン、更にワシントン条約のもとに飼育繁殖させた大型インコ(コンゴウインコ)や色鮮やかなパンサーカメレオン、そしてダックス等の仔犬を展示販売するZoo Zajac 店内の様子を短く伝えた後、生体展示販売店Zoo Zajac から南に車で十数分程に位置する保護施設のデュイスブルク・ティアハイムを訪れました。
 そして、そこに暮し、新しい家族を待つ犬達の姿と同ティアハイム代表のモニカ・ランゲ女史のコメントも伝えますが、取材スタッフに遊ぼうよ!と愛嬌を振りまく保護犬さんの健気な姿は何処かの国とさして変らぬ状況です。

 それから場面は再びZoo Zajacに移り、肝心の仔犬展示販売の是非について、女性レポーターのシモーネ氏は勇猛果敢に経営者ノルベルト氏に問いかけましたが、両者の主張は平行線のままでした。
 ノルベルト氏があくまで屈しない理由は、Zoo Zajac の仔犬展示販売がドイツの厳しい動物愛護法にいくら厳密に照らしても違法でないこと/何よりも販売反対に集まった人数二百数名に対して、一万人とも言われる圧倒的多数の来店者があること/等、仔犬販売を断念せざるを得ない理由が見当らないことに加え、現行法で認める八週齢ではなく、仔犬のこと考えるなら九週齢が妥当だと主張する等、三十五年かけて一代で巨大ペットショップを築き上げ、生体販売業組合ZZFの批判をものともしない、いわば叩き上げの経営者のしたたかな自信が根底にあったからと思われます。

 また、確かにドイツの動物愛護法をクリアしなければならない、ペットショップでの仔犬販売にコストが掛かることは避けられず、それゆえ仔犬販売は難しいかもしれません。
 しかし、俗にいう「損して得取れ」とばかり、問題の仔犬仔猫以外にも売るものが沢山あるZoo Zajac にとって、不適切な比較はご免こうむり、日本のスーパーマーケットによくある目玉商品で集客と売上げアップを狙うのと同様、絶対話題になる子犬を目玉として展示販売しようとしても不思議ではありません。現に数々の逆風の中、仔犬の展示販売により、Zoo Zajac全体の売上げが上昇したという業界内の話もあり、六パーセント売上げ増という発表を鵜呑みに出来ないとしても、もともと犬や猫より鑑賞魚や爬虫類等の品揃えに力を入れてきたことから察すれば、妥当であろうと思います。

 なお、Zoo Zajac は今後、毎年一千頭(一日あたり約三頭)の仔犬を販売すると二〇一三年 一月十三日に報道向けに発表しており、ギネスブック登録時の売り場面積も好調な収支に支えられて、今では一万平方メートルに迫る大きさになっています。

安く買いたい!?

 物を買うなら一円でも安くというのは人情の自然かもしれません。その心理を活用?して、日本でも物の値段の安いことが魅力の一つになっているフリーマーケットを、保護活動に携わる人々が活動資金を得るために参加します。そこは、欲しいものを安く買いたい人の参集場所にもなり、保護活動をする人からすれば、余り物を換金できるありがたい機会となるわけです。「安く買いたい」が大多数の心理とすれば、動物を手に入れるのにも安く!と傾く人がいるのは当然で、仮にZoo Zajac で仔犬の姿を初めて目にし、あぁ飼いたい!と思ったものの、七九九ユーロ(約十二万円)の負担は大きく、衝動買いもままならぬこととて、もう少し安く買うことが出来ないものかと考えることでしょう。
 みなさまへ。動物は物ではないとお怒りにならないで下さい、ここのところは。

 二〇〇八年七月、ベルリンに本部を置く或る動物福祉団体は、無節操な子犬販売に対して注意喚起する小冊子を発行し、並行して同団体のホームページで誰でも何時でも閲覧できるようにもしていました。
  [因みに、これは近年日本で、ドイツの動物愛護事情がすばらしいと喧伝されるきっかけを作ったとされる雑誌「アエラ」の記事※が世に出る一年ほど前のことです。(※アエラ2009年9月7日号、犬を殺さないドイツの常識)]
 この小冊子は「高速道路のサービスエリア等で悪徳業者が個人ブリーダーを装い、仔犬をバーゲン価格で販売しているが、八週齢規制が守られていなかったり、健康上の問題があったりする仔犬ゆえに注意が必要」と警告し、また「その仔犬たちは東欧から供給されている」とも書かれています。今では「仔犬が東欧から」は、ドイツの愛護諸氏には周知の事実なのですが、この事実を最初に明言したのはこの団体です。(本稿担当「検証グループ」が今回改めて念入りに調べました。)

 この団体はその後、二〇一〇年十月及び二〇一一年十一月に、郊外の駐車場等で行われるフリーマーケットでの仔犬販売の実態を隠し撮りし、そのビデオを動画投稿サイト=ユーチューブで公開しました。その映像は俄かに信じ難いもので、何よりも驚くのが、売られている仔犬の小ささとその売り方です。
 写真では分り難いかもしれませんが、高さ二十数センチほどのハムスターやリスの飼育用ケージ、あるいは車のトランクに置いた段ボール箱に複数の仔犬が入れられています。また、布製の買い物肩掛け袋から無造作に仔犬を取り出して客に見せる者や、地面に座り込み、売り物の仔犬を前にくわえタバコの年配男性等、「どうだい、にぃちゃん」という売り手の声が聞えてきそうな、まるで昔の縁日のひよこ売りのような有様です。生体を扱う場としては、近年の日本では恐らくお目にかかれないであろう環境であり、この売り手たちにしても犬に対する正しい知識も持たず、まして慈しみの心などもち合せていないと思われます。

 このようなひどい販売環境にもかかわらず、インターネットで事前に情報を得て犬を求めてくる人々は少なくなく、先ほどのZoo Zajac の仔犬価格799ユーロ(約十二万円)に比較して、平均50〜100ユーロ(約六千五百円〜一万三千円)という超激安価格、もちろん純血種で証明書等もしっかり付いており、仔犬を安く買いたい人々にとっては願ってもない「お値打ちな仔犬」のようで しかし、このお値打ちな仔犬たちにはもれなく不幸が負わされています。異常なまでの激安には当然理由があり、証明書その他は偽造、また先天的疾病や感染症に罹患しているケースが多く、永く生きることが難しい等、許し難い販売形態でありこれは悪徳商法そのものです。
 その上、「飼う(買う)なら絶対小さくかわいい子!」という買い手の心理につけ込んで、この仔犬たちは八週齢規制お構いなしの、おおむね三〜四週齢で売られています。
 日本でも問題視されている買い手の幼齢動物珍重傾向ですが、これは買い手側のみに問題ではなく、売り手にとっても、ぐずぐずしていると養育費がかさむ、下手をしたら売りそびれるという危惧があります。この両者の欲望があいまって、乳離れもそこそこに幼犬たちが人手に渡されて行くのです。

 このような酷い仔犬の販売環境に対して、先述のように、ベルリンに本部を置く動物福祉団体が小冊子とビデオで注意喚起する等、その実態を08年に明らかにしましたが、四年後・昨12年あたりになると、激安仔犬購入被害者が増えたためか、大手マスコミもドイツ動物愛護法一切お構い無しで子犬販売する関係者を「犬マフィア」と名付けて盛んに報じ、その鍵となる仔犬の供給源である東欧諸国の、いわゆる仔犬工場についても報道するようになりました。

インターネットで仔犬を…

 さて日本では去る九月の改正動物愛護法で、インターネットでの販売に規制がかかるようになりました。いわく、犬や猫を販売する業者は販売する犬猫の説明はもちろん、動物を飼う場合の注意事項説明等を徹底すること、それに加え、売られる動物と買い手のお見合いを義務づける等です。愛護団体や個人が譲渡する場合は当り前のことですが、業者にも要求されることになります。
 これにより、インターネットで購入手続をした後、犬猫が宅配されるという販売形態は不可能になりましたが、一年の経過期間を経た後、どこまで条文通りに指導・摘発が行われるか、現に、動物取扱業に対する管理監督が事実上出来ていない自治体が存在するのを見れば、百パーセントの期待は無理と思われます。
 また、お見合い無しの販売を禁じた経緯は、命を扱う上で余りにも非人道的だからという側面もありますが、どちらかというと、注文の仔犬と異なる犬が送られてきた/買って直ぐ具合が悪くなり、動物病院で診てもらったら感染症に罹患していた/等の購入トラブル多発により、消費者保護の観点から導入されたと言ってよいでしょう。

 このようなトラブルが実は、厳しい動物愛護法があり、動物福祉の先進国といわれているドイツでも数年前から発生しており、この種のトラブルを扱った報道番組が近年多くなっています。   
 それらの中から、インターネット生体販売における定番的事案=トラブルの経緯等日本でもよくあるケース=を報じたBR.de(バイエルン放送)二〇一二年二月のニュースを紹介します。

 二〇一一年、若い女性が犬を飼いたいと思い、インターネットでチワワを予約。その後、売り手と路上で待ち合せ、きちんと「EUペットパスポート」を確認して購入しました。
 しかし、その後不幸が訪れ、売り手に連絡しましたが応答なく、専門家に相談、一見問題なく見えるスロバキア共和国発行のEUペットパスポートを調べたところ、改ざん等の疑いが出てきました。番組スタッフは独自に売り手の住所を調べ、現地に向いますが、消息はつかめませんでした。それで、この種の問題に知識のある「ニュルンベルク動物保護施設」スタッフからインターネット仔犬販売の現状に関するコメントを得、それが紹介されます。
 その後、行方しれずの売り手とコンタクトを取るべく、何食わぬ顔でおびき出し、のこのこと売値四九九ユーロ(約六万六千円)のチワワを手にして出てきた売り手に対し、警察当局はEUペットパスポートに記載されている項目について質しました。
 しかし、売り手は分からないとばかりに首を横に振るばかり、チワワは没収され、ラストは満足に食べるものがなく仲間の亡骸に食いつく等、凄惨な有様の、極悪の名が相応しい東欧の仔犬工場の様子を伝えていました。
 この犬マフィアと言われる輩が違法で無慈悲な形でドイツに密輸する仔犬の数について、昨年あたりからドイツ複数のマスコミは伝えていますが、おおむね十万頭、売上げは四百万ユーロ(約五億三千万円)とされています。単純計算すると一頭五千三百円となり、この激安ゆえに、先述ドイツ生体販売業組合ZZFやドイツのケンネルクラブVDHにとって、商売上、悩みの種になっています。

移動の自由

 ところで東欧諸国からドイツに犬が入ってくる=密輸されるにあたり、検疫はどのようになっているのでしょうか?

 二〇〇八年頃には隣国のポーランドから仔犬たちが持ち込まれていると言われていましたが、近年では国境を接していないスロバキアが主な供給源となっており、スロバキアからドイツ国内に仔犬を持ち込む為にはポーランド、チェコ、オーストリア、この何れかの国を経由する必要があります。
 また、日本が見習うべきと言われている厳しい動愛法のあるドイツに、なぜ犬マフィアと言われる輩が仔犬を持ち込み、心無い商いができるのでしょうか?

 一九八五年ドイツが再度統一され、東西間を移動する際の厳しい検問は過去のものになりました。その後EUは物や資本、そして一番大切な人の移動を自由にするべく、各国間で協定(シェンゲン協定)を結びました。
 これにより、欧州諸国間に存在した国境の検問所は段階的に廃止され、各国首脳が集まる国際会議やUEFA=欧州選手権等の大きなスポーツ大会やイベント、さらにテロ発生等緊急事態の場合を除き、自由に異国間の往来ができるようになり、複数国を車で移動する際にパスポートを一度も当局に見せずに移動することも、場合によっては不可能でなくなりました。
 ところが、この移動の自由により、近年、富める国へ難民が集中する、いわゆる難民の押付け合いと言われる問題や、正式の許可や手続きを踏まずに物の移動(すなわち密輸)を乗用車や大型トレーラーで行う輩が出ており、これを問題視したEUは二〇一一年に、人の移動の自由とそれに伴う問題を解決するべく、シェンゲン協定加盟国に対して、協定に基づく監視の徹底と一時的に国境で検査を行う際の手続き指針を通達しました。

 東欧から仔犬がドイツに持ち込まれている問題も、人の移動の自由を謳った協定を悪用したものです。もともと犬の検疫にはEUペットパスポートで対応しているはずですが、前章インターネットでの仔犬購入のように、疑いもせずに激安仔犬を
買った後に具合が悪くなって動物病院に駆け込み、その段階で変造証明書だったと判明する事例が、ドイツのマスコミで複数報じられています。

 これに対して、東欧の警察当局は仔犬繁殖工場の摘発に力を入れ、仔犬が売られる前に検挙しようとドイツ当局も積極的になっていますが、この問題を報じるドイツでの報道がなくならないことからも、完全淘汰には至っていないのが現状のようです。
「人の移動を自由にするシェンゲン協定が仔犬密輸の扉も開けた」と二〇一〇年ごろドイツ一部の愛護団体や愛護諸氏が懸念を表明していましたが、今もってその通りの状況です。

 また、おおむね繁殖コストをかけない衛生状態の悪い環境で生まれ、母犬から早期に引き離される激安の仔犬たちは、パルボやジステンパー等の感染症の面から考えても良いはずがありません。過去に日本の或る検疫担当者がEUペットパスポートについて危惧していた通り、良かれと思って検疫事務事業を簡便にした盲点を突かれたと言えますし、狂犬病の蔓延等、今後大きな問題に発展する虞れを打消すことはできません。

補修部隊

 以前「英国篇 その三」(『動物ジャーナル78』)で「今の若い獣医師は安楽死を拒否するので困ります」とコメントする年配女性ブリーダーが登場する英国公共放送局BBCが放送したPedigree Dogs Exposed(邦題「犬たちの悲鳴」)を紹介しました。
 この番組で取上げられていたことは、イギリスにおける見た目を重視した繁殖、つまりブリーダーたちによる無慈悲な行為と、その犠牲になって苦しむ犬と飼い主の姿でしたが、これは英国に、このようなブリーダーが堂々と商いをし続けることが可能な土壌があること、つまり、一部にしてもこれらの無慈悲な行為に鈍感な飼い主や市民が存在している証であります。(これは日本とて、市場規模は小さいながら同様の有様があること、間違いありません。)

 この「犬たちの悲鳴」が放送された三年後には、「続・犬たちの悲鳴 告発から三年」(原題Pedigree Dogs Exposed, Three Years On)という続編が制作され、今年、NHKで再放送されたようです。

 この続編には、「私達はブリーダーたちが無節操に生み出す犬たちの補修部隊のようになりつつあります。パグやブルドッグ等の短頭種のブリーダーは健康な犬を繁殖できないことが、貴方の国(英国)でもドイツでも立証されています。次から次へと不健康な犬を生み出すことは直ぐに止めるべきです」と主張された先生が登場します。

 この先生は、ドイツ東部に位置するライプツィヒ大学小動物学科のゲルハルト・エヒテリング教授で、二〇〇五年頃から見た目重視の繁殖行為の犠牲者と言えるパグやブルドッグ等に対して、レーザーを使った術式の開発と治療を行ってきました。
 番組では、苦しそうにハーハー、ゼイゼイと呼吸し、いつも顎を上げて夜も殆ど眠れていないパグさんが登場。呼吸を改善するためにエヒテリング教授が内視鏡下でレーザーを使って、気道の拡張手術を行うシーンがありますが、その微細な手術の様子は教授自ら吐露した補修部隊そのものです。
 この患者は、この手術に希望を託して、飼い主共々車で六百キロの道のりを走ってきたとのことですが、このパグさんは気道疾患に加えて、顔の大きさに比べて舌が大き過ぎ、眼球が収まる頭蓋骨の窪みが浅すぎるために、圧がかかると眼球が飛び出してしまう危険があるとの診断で、改めて見た目重視の繁殖の愚かさと恐ろしさを感じさせるものでした。

 さて、その昔、森鴎外も留学した名門医学部を有するライプツィヒ大学のエヒテリング教授が短頭犬種の治療に尽力してこられた理由は、当然、患者である犬たちとそのケアに奔走する家族が存在するからであり、この様子は英国とさして異ならない、つまり英国と同様に動物福祉先進国といわれるドイツにも、無慈悲なブリーダーやそれを良しとする集団が存在するのではないかという疑問が湧きますが、昨年八月、ドイツで放送された或る番組が、その答を出していました。

ドイツ版 犬たちの悲鳴

 昨年、八月十一日にドイツの公共放送局 WDRの報道番組「die story 」は、英国で制作放送された「犬たちの悲鳴」と同内容の、無節操な繁殖とそれに苦しむ犬と飼い主の姿を伝えました。
 ここで取上げられた犬種はキャバリアとパグですが、病の詳細は「犬たちの悲鳴」で取り上げられた英国での問題と全く同じです。

 番組冒頭、気管挿管され、手術台に保定されたバグが映ります。このもの言わぬ小さい命が手術を受けなければならない理由を考えさせられる映像です。
 また別の、家族のキャバリアの発作を抑えるための投薬の準備をする飼い主が映し出され、またまた別の、家族のパグの現状について、年配飼い主夫婦が犬の頭蓋骨標本をもとに獣医師の説明を受けるシーンが映される。これらは「犬たちの悲鳴」でとり上げられた英国での状況とほとんど同じで、いわば、全て人の業・欲によるものです。 

 こういうことがまかり通っている背景には、純血犬を巡る環境、つまり英国や日本と同じく、品評会での入賞を重視する思考がドイツにもあるということです。品評会入賞を目指すあまりの無節操・無慈悲な交配、それに起因する遺伝子疾患等の問題が、「先進国ドイツ」にも多々発生していることをしっかり認識しなければなりません。

 番組では、ケルンの動物保護所を支援するなど、従前から動物福祉問題に奔走しているラルフ・ウンナ獣医師の行動を中心に追っていきます。彼自らZoo Zajac へも取材に行きましたが、生体販売や繁殖場に関する法令違反は見出されず、インタビューに応じた経営者ノルベルト氏や女性社員獣医師は「何かありますか?」と余裕綽々の表情でした。

消費者の要求

 今回とり上げた問題を考えた時、無慈悲な生体販売をやめてほしいという想いは、ドイツ国民の総意に至っているとは言えない状況が明らかに見てとれます。
 日本の愛護諸氏が礼賛するドイツには、日本とは比較にならないほど沢山、犬猫の保護及び譲渡を行う団体や小さなグループが活動していて、それはまことに礼賛に値しますが、その努力をもってしてもいまだにこの有様です。
 これら愛護の人々が口々に呼びかけ、一貫して訴えていることは、犬や猫と共に暮したいのであれば、譲渡団体に相談し、そこから譲渡を受けて下さいということです。

 この愛護諸氏の呼びかけに加えて、先に紹介したテレビ番組、施設に暮す犬や猫等の動物をテレビで紹介し、その新しい家=家族探しに貢献するテレビ番組もあり、この番組はかれこれ十年を超える歴史がありますので、動物の欲しい人が譲渡団体等の存在を知る機会は山ほどあるはずです。また、当然これにインターネットでの活動および譲渡候補動物の情報も加わるわけで、保護動物の譲渡活動という観点から見れば、確かにドイツは日本の先を歩んでいると言えましょう。

 しかし、このような環境の中で、なぜ譲渡を受けるのでなく、お金で買おうとするのか。
 実は、その理由の一つに、買った方が「手離れがよい」という声があります。「手離れがよい」とは、動物を入手するときの手順の簡単さをいうようです。

 今、日本の場合で考えてみます。
 通常、保護団体から譲歩と受ける時は、まず終生飼育が出来る家族構成・住居環境か、の審査に始まり、お見合いを経て、新しい飼い主になることが出来るという流れで事がはこびます。その後も、適正な飼育が行われているか、譲渡団体がチェックする場合もあります。
 譲渡する側から見れば、二度と不幸な想いを小さな命にさせたくないと考えることは当然ですから、チェックすること自体に問題があるとは言えません。

 しかし、この流れを面倒と思う人がいることも事実であり、譲渡基準を厳格にすると譲渡率が下り、ゆるやかにすると、飼ってはみたものの思っていたより面倒/ワンワンうるさい/家具をかじった/いくら教えても芸が出来ない/等の身勝手かつ馬鹿げた言訳により、戻されたり最悪遺棄されたりと、再び小さな命に辛い思いをさせることになります。
 このように譲渡するに当り、譲渡基準策定とその運用をどのように行うか、譲渡希望者と限られた時間内で会話して、相手の資質を見抜く必要もあり、これはどの国の愛護団体も同じ悩みを抱え、その解決は容易ではありません。

 これは日本の場合ですが、譲渡した後に、譲渡を受けた犬の飼育にあたり、必要な首輪やリード、果てはフード等の購入について、特定の販売店で購入してほしいと言われた/動物愛護啓発活動を行うので犬を連れて参加してほしい/施設の運営が厳しいので、ご支援をお願いしたい/などの案内を出す愛護団体があるようです。こういうことに対して、うざったい!とか、愛護団体の囲い込みに困っているとかの訴えも、私どもに届きます。ことに愛護系NPO法人が募金詐欺で逮捕されたなどのニュースが流れれば、初めて犬や猫と共に暮そうした人は愛護団体の存在に怖じ気づき、警戒感を抱いて当然でしょう。つまり愛護団体からの譲渡は面倒、買った方が気楽、となるわけです。

 この日本の現状が、そのままドイツに当てはまるとは断言できませんが、一般的にドイツの愛護団体の譲渡基準は厳しいので、日本と同じように面倒・うざったいと考える人がいても不思議ではなく、買う方に走ってしまうようです。
 そして、ブリーダーに犬を注文しても直ぐ手に入らないという不満もあって、インターネット販売やフリーマーケットが繁昌し、ひいてはZoo Zajacが千客万来の盛況を誇ることになります。結局これら生体販売業の存在は消費者の要求に合致しているのを示していることになります、残念ながら。

 因みにZoo Zajac 経営者ノルベルト氏はマスコミのインタビューに対して「欲しい人が居るなら何でも売るよ」と述べています。
 欲しい人、買いたい人がいなくなれば、売る人もいなくなります。

(次回は、「ふざけるな犬税」、「苦悩する動物保護施設」をお送りします)

参考資料

1. Zoo zajac 関連
Location ! 2010 年1 月号
Viech-Magazin 2012 年6 月号
独ペット市場統計2005~2012 年 (IVH 編)
ギネスワールドレコード 2006 年
zza 会報(2006 年7 月〜2012 年10 月号)
デュイスブルク中小企業フォーラム・経済公社関連プレスリリース
2001~2013 (GFW-Duisburg 編)
・報道
http://www.spiegel.de/panorama/welpenverkauf-in-duisburg-auf-den-hund-gekommen-a-810471.html
http://www.derwesten.de/staedte/duisburg/zajac-startet-welpenverkauf-id6265582.html
http://www.derwesten.de/staedte/duisburg/erste-welpen-bei-zoo-zajac-id6241625.html
http://www.derwesten.de/staedte/duisburg/tiergeschaeft-zoo-zajac-hat-weniger-hundewelpen-verkauft-als-geplant-id6461729.html
http://www.bild.de/ratgeber/2012/hunderassen/hunde-welpe-duisburg-zoo-zajak-verkauf-tipps-22165244.bild.html
http://www.rp-online.de/video/region-duisburg/stadt-duisburg/tierschuetzer-protestieren-gegen-welpenverkauf-bei-zajac-vid-1.2683860
2. 激安・ネット仔犬販売関連
aktion tierri 2008 年7 月会報 (仔犬の激安販売注意喚起)
SVZ 2008 年12 月7 日(メクレンブルク=フォアポンメルン及びブランデンブルク州地元紙、仔犬密輸検挙事案)
ZDF テレビレポート2010 年9 月23 日(仔犬密輸、激安フリーマーケット販売購入者被害報道)
http://www.zeit.de/2013/12/Stimmts-Katzen-VoegelSAT 1 ブレック・ファーストテレビ 2012 年2 月21 日(仔犬密輸マフィア、購入者被害報道)