「架空の庭」の入り口へ 

Hollyhock

立葵(タチアオイ)

タチアオイの出てくる小説や漫画などをご紹介しています。

タチアオイ

アオイ科の一年草、多年草

〔別名〕ホリホック 〔花期〕7〜8月 

〔花言葉〕気高く威厳にみちた美

草丈が高く、赤やピンクなどのハイビスカスに似た花が順に咲き上がり、長い穂のように見える。人類が利用した最古の花の一つ。

<短歌・俳句>


立葵 咲き終りたる 高さかな (高野素十)

<小説>


山本渚 『吉野北高校図書委員会』 メディアファクトリー

仲のいい大地と大好きな後輩あゆみが付合い始めたことで、かずらは大地への気持ちを自覚してしまう。
異性として好きなわけでは決してないはずなのに、何だか彼らを見ていると寂しい気持ちになってしまうのだ。
そんなかずらへの気持ちをもてあます藤枝は、彼女への気持ちを抑えきれず、同じ部活に所属してもいるワンちゃんに相談を重ねる日々を送っている。

高校の図書委員に所属する高校生たちの日常を書いた物語。


私はもう一度タチアオイをじっと見た。風に揺れながらも青い空をバックに誇らしげにみえた。下の方では赤い花が開いて、天辺ではつぼみが赤く色づいている。 (p.178)


+ + +

続編もあります。

<漫画>


市東亮子 「青天牢」(『BUD BOY 4』収録) 秋田書店

とある騒ぎのせいで聖仙としての能力を母親から奪われてしまった蕾は、タチアオイの咲く庭に迷い込み、倒れてしまう。

目覚めた蕾をまなという少女はお兄ちゃまと呼び、使用人の女性から死んでしまったまなの兄のふりをしてほしいと頼まれる。
大きな屋敷にはまなと使用人の女性以外の姿はなく、あちこちにハーブが飾られていた。何かおかしいと感じながらも、兄のふりを続ける蕾を友人の透が探しに来たのだが……。

それにしても
よく育った
たちあおいの群れだ

まるで
花の牢獄だな… (p.145〜p.146)

+ + +

空に向かって伸びるタチアオイには、怖い話も似合いそうです。