その4 仙台のお値段調査

3月某日、栃木の酒造をいくつか取材した後、那須塩原駅から新幹線で仙台入りしたです。今回は「仙台の生活に必要な食品などの価格」を中心に調べたんですな。一般の人びとは「都会は物価高だけど、地方は安いから暮らしやすい……」と思っとるごとあるが、あたしゃ聞いてみたいっ。「リサーチしたの?」。あたしゃ自分の目で確かめるとです。して、仙台ははたして暮らしよいのか??

仙台駅から一番近いアーケード街が、ハピナ名掛丁でして、その先にはマーブルロード。マーブルロ−ドの終わったところで左へ行けばサンモール一番街。右がぶらんどーむ一番丁となり、そのまま一番町買物公園と続いて、その先が県庁や市役所のある官庁街なのよ。これらのアーケード街を中心にして仙台の中心街が構成されとるとですが、アーケード街の店の大半が全国チェーンの飲食店、生活雑貨店のごとあります。百円ショップ、メガネチェーン、居酒屋チェーン、丼屋……etc。いや、もちろん地元店もあるにはありますど。20年前に行った時に定食を食べた激安店「めしのはんだ屋」も健在だったし、藤崎デパートやレストラン「ブラボー軒」もしっかり営業しとりましたが、とにかく経済の中心はチェーン店になっとるごと見えたです。

地方色が薄れてきたな〜としみじみしつつ訪れたのが、駅から5分の近場にある通称朝市と呼ばれる青果鮮魚市場でして、ここはさすがに「市場」っちゅう感じが漂っとります。ここでまず野菜をリサーチしたですが、ほうれん草、白菜、芋など、種類も多い。ただ値段は?っちゅうと、東京のスーパー、仙台のダイエーよりは5〜15%ほど高い。しかし、食べてみると、特に葉物は香りもよく旨い。しかし芋や玉ねぎ、南瓜などでは北海道や九州から送られてきたものも多く、それらは東京のものと変わっとらんごとあります。

さて、次は魚介類ですが、これがややこしい。宮城県ですけ、石巻港があり、松島のカキやら三陸の地魚が多いハズ……なんスがね……。鰯4匹350円。丸々太ったマイワシですが、聞いてみるとカリフォルニア産。鱒のおとし2キロ350円は石巻の業者名が袋に書かれちょるが、ロシア産の冷凍物。甘海老、あさり、ハマグリは、出所を教えてくれんが、店の裏においとる箱や袋からしてあきらかに輸入物。カニやホヤ貝、ホッキ貝類もどうやら輸入のごとあるし、値段を見ても「いくぶん安いかな?」くらいのもんでした。まあ、2005年3月だけじゃわからんです。

この調査は今後定期的に続けるつもりですが、少なくとも@地方とはいえ、地の食品はいたって少ない A地方だから安いとは言えない、と思えました。現在の流通形態では、東京のような大都市に食料品が集中するので当然ダブつきも多く、それを安く仕入れて安売りするゆえ、都市の物価安が成立するんでしょね。

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