ニッポン放送「上柳昌彦 ごごばん!」で紹介されたレシピを紹介します。タイトルをクリックすると内容を表示します。

2014年3月25日 カジキの粗で葱ま鍋

2014年3月25日「上柳昌彦 ごごばん!」で紹介されたレシピです。

 ネギマ……ネギと鶏肉を交互に串に刺して焼いた焼鳥である、と今日の方は思ってるようですが、もともとは鮪の脂身(いわゆるトロの部分)とぶつ切り葱とを味醂と醤油で煮る「葱ま鍋」のことでした。正しくは「葱鮪鍋」と書きます。あの高級食材である「トロ」が庶民の惣菜である葱ま鍋になったのか? それは冷蔵庫が無かった時代だったからなんですな。鮪の脂身は傷みやすい→冷蔵庫の無い時代では早く売らないと腐っちゃうから安くしていた。又、傷みにくくするために醤油漬けにしておいた。それを庶民が買って葱と一緒に甘辛く煮つけて惣菜にしていた……ま、こんなとこだったんでしょう。

 しかし、冷蔵庫が当たり前の時代になりますと「トロ」が傷みやすい物ではなくなった。その結果、トロや大トロの握り寿司が超高級品となり、庶民にとって「葱ま鍋」は手の届かない「幻の料理」となってしまったんであります。

カジキの粗で葱ま鍋

・カジキの粗はできるだけ白っぽいところを買う

・一口大(2〜3p)に切って味醂・醤油→1:1に浸す事5〜6時間……「生臭さを消したい時は下したニンニクやショウガ、七味、山椒等を加えます」

・すき焼き用の鍋に油を敷いてぶつ切りの葱と漬込んでおいた鮪を乗せ、弱火で煮て食べる。焦げそうになったら漬込んだ味醂醤油と酒か水を差す

 マグロの粗でもできますが、マグロの方は脂ののっていない「血合い」部分が多くてあまりおいしくありません。反対にカジキは脂の乗った部分が多く、解凍したてで生臭くない物が多いんですね。安いマグロのトロで葱ま鍋ができていた時代は昭和40年代で終わりとなり、今日の葱ま鍋はカジキの粗を使う時代になったんでしょう。
カジキの粗で葱ま鍋

2014年3月18日 キャベツのバタ・ソースかけ 昭和8年の洋食

2014年3月18日「上柳昌彦 ごごばん!」で紹介されたレシピです。

 今は亡き天才漫画家・赤塚不二夫が若くてビンボーだった頃、よく作って食べてたのが「キャベツ炒め」だったそうだ。鬼平犯科帳の池波正太郎が終戦後、東京都職員をしていた頃の得意料理が「キャベツのバター蒸し炒め」だった。これらのキャベツ料理の元となった料理はもしかしたらこれかもしれない……という料理を昭和8年の資料に見つけたんでした。ただし元のままのレシピだとバターをどっちゃり使っちゃうんでここではちょいと油脂を減らしてみましたの。

キャベツのバタ・ソースかけの作り方

・キャベツ1/2個を一枚ずつはがして熱湯で5分茹でる

・茹であがりを1p幅に切る

・フライパンでバターやサラダ油を大匙3杯熱し、大匙5杯の小麦粉を弱火で炒める

・小麦粉と油脂が良く混ざったらキャベツを茹でた茹で汁を少しずつ注ぎ込み、トロリとしたソースを作り鹽胡椒で味を整える

・このソースを茹でキャベツにどろりとかける

 もともとのレシピにはバターも小麦粉も大さじ5杯ずつ……となっていました。その通りにいたしますと実にこってりとした味でしたが、ちょいと油脂が多すぎるような気もします。ここではバターもしくはサラダ油を3杯といたしました。また、キャベツの茹で汁を注ぎ込むときは緩くなりすぎませぬよう「少しずつ」注いでくださいまし。まぁ「ボイルドキャベツのホワイトソース」ってとこですが、キャベツの茹で汁の甘さがいいんですね。きっと戦前の日本人にとっては「洋食」だったんですな。

 風邪の予防にキャベツがいいなんて言われますがトンカツの添え物みたいな生の刻みキャベツでは食べられる量もしれたもの。ここはひとつドーンとキャベツ1/2個位一度に食べちゃいましょう。茹で野菜だからこそこんなにたくさん食べられるんですね。
キャベツのバタ・ソースかけ

2014年3月11日 南三陸ワカメの唐揚げ

2014年3月11日「上柳昌彦 ごごばん!」で紹介されたレシピです。

 ワカメという海藻は日本全国で採れますが、獲れる場所によって微妙に違いがあるようです。潮の流れや海水温、プランクトンなど様々な違いがワカメに現れるのでしょう。 2005年から2008年まで、年間に60日間くらいは仙台におりました。その頃は地元三陸産のワカメが美味しくていつも食べておったものです。石巻の「津田鮮魚店」の仙台支店「三陸おさかな倶楽部」で買ってきた塩ワカメで作るワカメの唐揚げ、これがまたお酒によく合うんですなぁ〜。

ワカメの唐揚げの作り方

・塩ワカメをガス湯沸かし器のお湯でさっと洗い、表面の塩を洗い流す

・笊に取って30分間置いておくと表面は乾き、縮んでいたワカメも少し広がってくる

・布巾かペーパータオルでワカメに残ってる水分をよく拭きとる

・ワカメに片栗粉を揉み込むように塗して180℃の油で30秒位揚げる

 ただ単にこれだけのことなんですが、この唐揚げワカメがパリッとしていてビールによろしい。サッと洗い流しただけの塩味が日本酒にこれまたよろしい。

 注意する事は、1:塩ワカメの塩はサッと洗い流す…にとどめて、決して「もどし」たりしないこと。2:ワカメの水気はしっかり拭き取ること。3:片栗粉はワカメに揉み込むように塗した後かる〜くはたいてから油に入れる事、以上の3点であります。

 塩ワカメですからものによっては塩がきついものもあります。そんな塩ワカメにあたった時はこの唐揚げで「ワカメ茶漬け」をしてみて下さいまし。お酒の後によろしいかと……。
ワカメの唐揚げ

2014年3月4日 新日本食紀行「大豆クリームチーズ」

2014年3月4日「上柳昌彦 ごごばん!」で紹介されたレシピです。

 クリームチーズ……これが日本食だなんて言ったら誰だって「変!」と思うでしょ。そもそもチーズって牛乳を発酵させて作る「発酵食品」ですから日本人が日常的に食べられるようになったのは戦後の事なんですね。「酥(そ)」とか「醍醐(だいご)」というのは今日のチーズやヨーグルトに似た物だったようですが、それらは「醍醐天皇」みたいな高貴な方しか食べられない物だった。そんなチーズを庶民でも買えるようになったものの特にブルーチーズ等は日本人には好まれなかったんであります。

 しかし!日本人がこよなく愛していた大豆食品をちょいとひねりますと「まるでチーズ」みたいな食べ物が簡単に出来ちゃうのです。

大豆クリームチーズの作り方

1 8〜12時間水に浸した大豆1カップを20分位茹でて柔らかくして笊で水切りをする。

2 挽肉器で挽くかミキサーで細かく砕く。

3 滑らかにするため、すり鉢で摺るか、ハンドミキサーで練る。

4 砕いてすり潰したくるみ、胡椒、バジル粉を練り込んでから「塩」でややしょっぱめに味付けをして、最後に「オリーブ油」か「菜種油」を大匙1杯程度加えて練る。

5 密閉容器に取り、食べる時は必要な分だけ取り分けるようにする
大豆クリームチーズ

2014年2月25日 小麦粉汁粉 小豆無しでも結構イケル味

2014年2月25日「上柳昌彦 ごごばん!」で紹介されたレシピです。

 お汁粉といえば普通「小豆」とお砂糖ですよね。しかし、普通でない時には普通でないお汁粉が登場するんですの。1956年、昭和31年の婦人雑誌『主婦と生活』にこのような献立が載っておりました。

小麦粉汁粉

・小麦粉、大匙2杯 (約30cc)をフライパンに入れて中火にかける

・絶えず木のしゃもじでかき混ぜ、焦げ付かぬように炒る

・炒り上がりの目安としては挽いたコーヒー豆の色を薄くしたくらいです

・サラサラのこげ茶色になりましたらステンレスの紅茶漉しでふるいにかけ、小麦粉をより細やかにする

・スキムミルク大匙2杯、黒砂糖大匙2杯と水カップ2杯(300cc)を加えてよく混ぜ合す

・ここにレモンの皮1片をいれて中火にかけお玉でかきまぜるとやがて吹きこぼれんばかりに湧き上がってくるので、そこで弱火にして約5分間煮る/br>

・小さく切って焼いた餅とか手毬麩、あられなんぞをあしらって完成

 小豆を使う代わりに「炒った小麦粉」を使う……小麦粉を炒ることで小豆のような色を出すことができますね。また、小麦粉を水に溶かして加熱する事でとろみが付きます。決め手は香り付けの「レモン皮」と甘さと色付けの「黒砂糖」で御座いましょう。より「とろみ」の欲しい方は小麦粉の量を大匙2杯から大さじ3杯にしてくださいまし。

 余計なことかもしれませんがこの「しるこ」にパウダー寒天を煮溶かして流し箱に入れて冷やし固めますと「あっさり系羊羹」となります。


レシピ

 このレシピが紹介された1956年と言えば戦後11年目で食糧も十分出回っていた頃ですが、小豆の代りに小麦粉を使ってるんですね。決して小豆が極端な品不足だったという訳では無かったんですが小豆って戦前からすでに「先物取引の目玉」となっておりました。つまり「投機の対象」だった。1953〜1954年、小豆相場が大混乱致しまして投資に失敗した人が破産倒産、中には自殺者まで出たんですね。和菓子にとって無くてはならない小豆の供給が不安定になってしまったのがちょうどこの頃だった。そんな時代の主婦向き家庭雑誌ならではの「小麦粉汁粉」だったんではないでしょうか。
小麦粉汁粉

2014年2月18日 残り御飯ピザはフライパンに蓋

2014年2月18日「上柳昌彦 ごごばん!」で紹介されたレシピです。

 おにぎりにするのでさえはばかられるくらいの「微々たる残り御飯」、これが和風ピザにとっては最高の状況なのであります。ピザの本場、伊太利人には悪いがワシらニッポン人にはこのような御飯入りピザがしっくりと来るんですなぁ。

残り御飯ピザ

・残り御飯:50g、小麦粉:30g、粉ミルク:5g、塩:0.5g、水:25〜30cc

・フライパンに薄く油を引いて火にかけ熱くなったら一度火を止める。

・材料全部をボウルでよく混ぜ、熱したフライパンに出来るだけ薄く広げ、弱火にかける。

・拡げた生地の上にマヨネーズ、バジルソースを薄く塗る。

・フライパンに蓋をして7〜8分経ったらピザが焦げないようにフライ返しで少し動かす。

・火にかけてから10分をめどとして蓋を取り、チーズが溶けていれば出来上がり。

 バジルソースの塩味が濃い場合は生地に塩を入れなくても良い。マヨネーズ、バジルソースの他にケチャップや切ったトマト等を使うのも良い。フライパンに薄く油を引くことと弱火にすること、蓋をすることを守ればピザはほぼ焦げ付きません。生地を作る時の水の量は少ない方がピザらしく仕上がります。チーズはピザ用のとろけるチーズがベストですが、普通のチーズを微塵切りにしても使えます。ベーコンやパプリカ、ピーマン、トマト、茸などの具材をお好みで乗せて焼いてみて下さい。
残りごはんピザ

2014年2月4日 究極の牛筋煮は白煮

2014年2月4日「上柳昌彦 ごごばん!」で紹介されたレシピです。

 牛筋→牛のアキレス腱の事ですね。こいつぁ〜カタイです。どんなに薄く切っても噛み切れない位にカタイです。だから牛筋は2〜3時間もコトコト煮て柔らかくしてたんですね。浅草の仲見世通りから伝法院通りに入り、場外馬券売り場のある「浅草六区」の方へ向かって歩きますと道の両側には赤提灯のぶら下がった「煮込み屋」さんがずらりと並んでおりましてここで使われているのが柔らかく煮込んだ「牛筋」なのであります。

究極の牛筋煮

・牛筋を買う時は白っぽい部分より赤っぽい部分の多いものを買う。

・鍋たっぷりの水に牛筋を入れ、蓋をして中火で30分ばかり茹でる。

・一度茹で水を捨て、キッチン鋏で牛筋を2〜3pに切り、新しい水で3時間ばかり今度は弱火で茹でる(圧力鍋で10〜20分でも可)。

・牛筋が柔らかくなったのを確かめてから、茹で汁に少し塩辛目に鹽味をつけて30分位弱火で煮込む。

・これをお玉一杯皿に盛り、刻み葱と七味唐辛子を振って「完成」。

 浅草六区でよく食べられている「牛筋の煮込み」は、1時間ほどの下茹でをした後、醤油、砂糖などで甘辛く煮込んだもので、牛筋の他に蒟蒻や豆腐、玉葱などの「具」がいろいろ入っております。まぁこれが関東の居酒屋で定番の「煮込み」の形なんでしょう。この甘辛さはすき焼きの廉価版みたいのものでお酒にはよく合うおつまみであります。しかし、場数を踏んだ「居酒屋の帝王」クラスになりますとこの「定番メニュー」では飽き足りませんの。そのような居酒屋の帝王が辿り着いたのがこの「牛筋の白煮」なんですね。

 浅草六区の煮込み屋常連さんの中には下ゆでしただけの牛筋を皿にとってもらい、鹽と七味唐辛子だけで食べてる「帝王」がたま〜に見かけられるのです。これを目撃した私はこの「牛筋の白煮」をやってみたんですな。実にあっさりとしております。粉チーズを振りかけてもよろしい。おやじ臭くない牛筋料理の逸品と言えるでしょう。

*残った煮汁はスープ、シチュー、カレー、その他の煮込み料理にお使いくださいまし。
究極の牛筋煮

2014年1月28日 吟醸粕蒸焼き塩鮭

2014年1月28日「上柳昌彦 ごごばん!」で紹介されたレシピです。

 造り酒屋では「寒仕込み」の真っ最中でありまして、出来立ての新酒が毎日絞られては瓶に詰められております。ということは、連日出来立てホヤホヤの酒粕がある……ってことですね。スーパーで売ってる酒粕は「板粕」と言って強力な圧力をかけて絞った後の粕ですから、かちんこちんになっていますが、吟醸や大吟醸をゆる〜い圧力で絞った時にできる「吟醸粕」は粘土のようにねっとりした粕なんですね。この粕をゼータクに使って新巻鮭を蒸焼にしてみましょ。

吟醸粕蒸焼き塩鮭の作り方

・粘土のような吟醸粕は地酒を扱う酒屋にあります。ない時は板粕に同量の水を加えて弱火にかけて練り溶かし、粘土状にして使います。

・切り身鮭をテフロン加工のフライパンに並べ、その鮭が見えなくなる位酒粕を塗りつけます。

・フライパンに蓋をし、ごく弱い火にかけ、5〜6分経ったら一度鮭の位置を少しだけずらして焦げるのを防ぎます。

・蓋をしてますから酒粕の水分(アルコール分?)で蒸し焼き状態になり、その後5分も経てば塩鮭に火が通ります。

・フライパンに垂れた酒粕は少し焦げていますが、気にせず鮭と共に皿にとります。鮭の上に塗った酒粕と塩鮭のほぐしたのを混ぜて食べます。

 最近の塩鮭は塩分控えめですが、かつての塩鮭・新巻鮭はかなりの強塩でした。そのため「塩抜き」をする必要がありました。そんな時、塩鮭を酒粕に2〜3日漬け込んだりしていたんですね。この塩抜きのために行った粕漬けでしたが、これが単なる塩鮭とは別物のおいしい鮭を作りだしたようです。

 減塩薄塩鮭は塩分を控えた分だけ傷みやすいものですが、酒粕漬けにすれば日持ちも良くなります。酒粕を塗って焼くのも良し、酒粕に漬けて保存するも良し、鮭と酒粕――家庭内発酵食文化そのものですね〜。
吟醸粕蒸焼き塩鮭

2014年1月21日 ガーリックライス(大蒜炒飯)

2014年1月21日「上柳昌彦 ごごばん!」で紹介されたレシピです。

  昭和40(1965)年頃に、小学校のお友達ン家で食べた思い出の御馳走です。土曜の午後にお友達ン家で遊んでると、そこのおっかさんが「お腹すいたろ? 洋食、お食べ!」と言って、ハイカラな洋皿てんこ盛りで出してくれたのがこのガーリックライスでありました。

ガーリックライスの作方(チューブ入りラードでもできる)

・豚肉の脂身(白い部分)を細かく切って、フライパンでじっくり炒める。

・たっぷりにじみ出てきた脂で、微塵切りのニンニク2カケと玉葱1/2個を2〜3分炒める(豚の白身肉の代りにチューブ入りのラードを使うなら5p位絞り出して使う)

・茶碗2杯分の御飯をほぐしてフライパンに入れ、焦げないようにかき混ぜながらよく炒める。

・脂、玉葱大蒜、御飯が均一に炒められたら、鹽.胡椒のみで味付けをし、一度茶碗に詰めたのを洋皿にひっくり返して盛り付ける。

 まだまだ貧しかった時代で、ハムとか肉とかを入れるのはゼータクだったんでしょうね。しかし、ラード(豚脂)、ガーリック、塩・コショウという「洋食3アイテム」に、昭和の小学生はコロッと参ったんですな。このガーリックライス、料理人たちの間では「賄い食」として結構人気のメニューだったようです。昔の洋食屋さんではラードやヘットは白身肉を茹でて作るものでしたから、脂を茹で取った後の「脂かす」も沢山ありました。それらを刻んで炒めますと、まだまだ脂が採れるんですな。この脂を使って作るガーリックライスが実はすこぶるおいしい〜のでした。もはや作る人もいなくなってしまった「迷宮入りした昭和の御飯」と言っても過言ではない料理のひとつでありましょう。
ガーリックライス

2014年1月14日 茹でレバーの味噌漬け

2014年1月14日「上柳昌彦 ごごばん!」で紹介されたレシピです。

 豚のレバーといえば「レバニラ炒め」とか「レバ、ハツ、タン、塩で3本ずつ焼いてね!」みたいな料理ばかりを思い浮かべてしまうのはヤッパ、育ちのせいかしら?

 牛レバの刺身がO―157による食中毒問題で飲食店での提供ができなくなったことがありましたね。血液に混ざって胎内を巡るO−157ですから、加熱しないと危険だということだったんです。だってレバー(肝臓)は血管と直結したような臓器ですもん、衛生上しょうがないでしょう。そんなレバーも昔の日本人は上手に食べていたようでありました。

茹でレバーの味噌漬けの作り方

・豚レバーを熱湯で茹でる(切ったものなら3〜4分、丸ごとなら7〜8分

・茹であがりを厚さ5o位に切り、全体に味噌を塗って保存容器に入れる

・2日目から5日目が美味い

 このレバーの味噌漬けは1970年に出版された「私の食物誌」伊藤利孝著に出ておりました。伊藤さんは秋田生まれで小樽高商から北海道新聞社に入った方で、食文化、郷土食に詳しい人だったそうです。冷蔵庫のない時代の豚レバーの料理といえば「これしか知らなかった」とは伊藤さんの言葉です。早速やってみたんですがこいつはおどろいた!

 茹でたレバーって半日もするとパサついてくるものなんですが、味噌を薄く塗っておくだけでパサつかないんですね、これが。しかも味噌の味がぢわぢわとレバーに浸み込んで行きまして、3〜4日経つといい塩梅になっておるのです。冷めてもパサつかず、時間とともに味が染みてゆくこのレバーは作り置き惣菜にぴったんこでありますの。
茹でレバーの味噌漬け

2014年1月7日 アプリコット葛酒

2014年1月7日「上柳昌彦 ごごばん!」で紹介されたレシピです。

 風邪をひいた時→卵酒を飲む…いまどきやる人もそうはいないでしょうが、時代劇なんぞではよく見かけますわな。小鍋に生卵と酒を入れ、火鉢の炭火で温めながらゆるゆるとかきまぜておりますととろ〜りとした卵酒ができちゃうんですな。ま、これはこれで美味しいのですが、卵を使う…という所がなんとなく「精力剤的」な中年おじさんの飲物感が漂うのです。

干しアンズで作る葛杏酒

・干しアンズ4個をキッチン鋏で細かく切り、300ccの日本酒に24時間浸す。

・葛粉(無ければ片栗粉)小匙2杯を加え、ミキサーでどろどろに溶かす。

・小鍋に移し、弱火にかけて木べらでかき混ぜる。

・とろみが付いたところで出来上がり。

干しアンズを酒で戻しますと甘さがかなり出てまいりますので、砂糖や蜂蜜を加える必要はないと思いますが、甘さ好きの方は好みで入れてください。お酒好きの方は温める程度にしておきましょう。お酒に弱い方は一度沸騰させ、アルコールを飛ばして下さいまし。これは成人向きドリンクですのでよいこのみなさん!真似をしてはイケマッセンよ〜
アプリコット葛酒

2013年12月10日 カツオの塩辛酒で烏賊刺しを食べる

2013年12月10日「上柳昌彦 ごごばん!」で紹介されたレシピです。

 土佐の高知や薩摩鹿児島のお土産というと、なぜか「カツオの塩辛」が多いんですな。たぶん「酒飲みおじさんは塩辛がお好き」という思い込みがあるんでしょうね。まぁ頂き物にしろ、自分で買ったにしろ、「塩辛」って一瓶すべて食べてしまう前に飽きたり傷んでしまったりするようですね。元々保存食である塩辛を傷ませたりしてはイカンです。塩辛が残りそうな時は是非この「塩辛酒」にして調味料として使ってみましょ。

塩辛酒の作方

・カツオの塩辛を小鍋に空ける。

・その塩辛の1/2〜1/3量の酒を加えて弱火にかける。

・木べらでかき混ぜていると、塩辛があっという間に溶けてきます。

・そこで火を止め茶漉しで漉せば茶色の塩辛酒ができます。

・これを冷まして瓶に入れておき、調味料として使う。

塩辛酒の使い方例

・イカ刺し(イカそうめん)を和えて冷蔵庫で30分ばかり冷して食べる。

・魚を焼くときに塩代りに使う。

・マヨネーズ、サワークリーム、パセリなどと混ぜてパスタソースに使う。

・ワカメ、ミョウガ、冷奴と和えて食べる。

 塩辛というものは魚介類の塩漬けです。このまま置いておけば発酵しはじめ、魚介類のたんぱく質は溶けてゆき、液状となります。こうしてできたものが、しょっつるなどの「魚醤」ですね。この魚醤の即席物が塩辛酒ではないでしょうか。和食では梅干しと鰹節と酒を煮て作った「煎り酒」が、醤油普及前には使われていました。この塩辛酒も同じように使われていた和風調味料でありました。
カツオの塩辛酒で烏賊刺し

2013年12月3日 柚子パッチョ

2013年12月3日「上柳昌彦 ごごばん!」で紹介されたレシピです。

 生のアジ……つまりアジの刺身を使ったカルパッチョはと〜ってもうまい!です。おろしニンニク、レモン汁、塩、オリーブ油などでアジの刺身を和えますと「和食」が一気に「洋食」化しちゃうんでありますな。その洋食化したカルパッチョを今一度「和食」に取り戻すべく、ここでは「柚子」にお出まし願うのでありました。

柚子胡椒で柚子パッチョ

・瓶詰の柚子胡椒を小匙2杯、微塵切りにしたシソの葉2枚分、菜種油50cc、おろしニンニク小さじ1杯、柚子の絞り汁大さじ1杯を良く混ぜ合わせる。

・薄いそぎ切に引いたアジの刺身を和えて30分位冷やしておく。

・タマネギ、ピーマン、パセリ、セロリ、トマト、キュウリなどの薄切りに塩をまぶしておき、食べる直前にアジと混ぜ合わす。

こいつは最早「和風」何やら「洋風」なんやらわかりません。が、しかし柚子胡椒和えというものは外国人にも結構受けるのです。菜種油の代りに「摺り胡麻」なんぞにしてワカメでもあしらえば、完全に「和」のテイストであるのです。しかし、菜種油をオリーブ油にして冷製パスタにしちゃう……という手もあったりして。
柚子パッチョ

2013年11月26日 「チン」で散らし寿司

2013年11月19日「上柳昌彦 ごごばん!」で紹介されたレシピです。

 寿司と言えば「和食」を代表する料理のひとつでありますね。しかし今日ではカリフォルニアロールみたいな外国生まれの「寿司」だってありなんですもん、日本の在来料理と外国からの移入料理との境目がだんだん分からんようになってきております。そんなニッポンではこんなお寿司だって「あり」でしょうな。

幕の内弁当、ばらし寿司

・市販の持ち帰り弁当から御飯だけを丼に移します。

・柚子かスダチ1個分の絞り汁と塩小匙1/3杯を御飯に混ぜます。

・弁当に入っていた焼魚、鶏肉、蒲鉾、卵焼き、煮物野菜、漬物を微塵切りにして丼御飯の上に散らします。

・最後に粉チーズをふりかけ、ラップをして5分蒸すか電子レンジで「チン」します。

 ラップを取りますと柑橘の酸味がプワ〜っと立ち上ってきて、何とも上品な「料亭」っぽい感じであります。焼き魚や鶏の唐揚げ、煮野菜などのややしつこいような味も柚子やスダチの酸味でやわらげられているんですね。とどめはヤッパ「粉チーズ」でしょう。和風と言えば和風だし、リゾットぽいと言えないことも無い。ニッポンの蒸し寿司というものはなにも銀杏(ぎんなん)とか椎茸や塩鯖に限られたものじゃないんです。そこにあるもの、少しだけ残ってしまったものなどなどを寄せ集めて上手に調和させること……こそが、「和食の本領発揮」ではないでしょうか。天然柑橘汁で作る蒸し寿司は宮廷料理のような一部の人だけの食文化と違って、ごく普通のニッポン人の知恵が生み出した食文化だったんでしょう。

 昨夜の残りの焼鳥とか煮野菜とかしば漬けの残り物……冷蔵庫にいろいろ入ってますでしょ? 柚子が無ければ蜜柑だってかまいませんって。ちょいと甘めの蒸し寿司でランチなさってみてはどうでしょ。
「チン」で散らし寿司

2013年11月19日 豚ばら肉酒シャブ檸檬生姜醤油

2013年11月19日「上柳昌彦 ごごばん!」で紹介されたレシピです。

 「しゃぶしゃぶ」はな〜んで美味しいのか?という問題を少しばかり「科学」いたしますと、その一つの理由は豚肉を茹でる温度なんですね。冷たい豚ばら肉の薄切りを湯の中に「しゃ〜ぶしゃぶ」とやりますとばら肉に火は通りますが、その温度はせいぜい80℃くらいです。豚肉をおいしく柔らかく茹でるための適温は75℃から85℃位と言われております。それ以下だと生煮え、それ以上だとタンパク質が固まって硬くなります。つまり薄切り豚肉を美味しく茹でるための優れた調理法が「しゃぶしゃぶ」だったんであります。

贅沢?な酒シャブ檸檬生姜醤油浸け

・ミルクパンのような小鍋に日本酒150ccと塩小匙1杯を入れて弱火にかける。

・沸騰したら薄切り豚バラを一枚ずつ入れ、肉の色が変わったら引き上げる。

・檸檬汁と少量の生姜汁を絞った生醤油にシャブ肉をドボンと浸ける。

・熱いままで食べるもよし、1分間浸してから引き上げてお惣菜にするのも良し。

・最後にほぐしたしめじを入れて酒を煮切ってしまうとしめじの酒煮もできる。

 市販のポン酢を使ってもいいのですが、檸檬や柚子、カボスなどをたっぷり絞った生醤油もシンプルで美味しいのです。少し甘い味にしたいときには檸檬などの代りに温州蜜柑をお使いくださいまし。作りながら食べるしゃぶしゃぶスタイルの時には、脂身の多い「バラ肉」がお勧め。お惣菜として冷ましてから食べるのでしたら脂身の少ない赤身をお使いください。酒シャブ用の酒は大吟醸なんぞの必要は御座いません。ごく普通の安い日本酒をお使いください。(吟醸はそのまま呑みませう)

豚ばら肉酒シャブ檸檬生姜醤油
2013年11月12日 蒲焼き高野豆腐

2013年11月12日「上柳昌彦 ごごばん!」で紹介されたレシピです。

 2011年の東日本大震災後、非常用として罐詰を買い置きする人が増えて来たそうな。日持ちのいい罐詰は非常食としてうってつけでありましょうが、たまには日常食として「食べてみる」という体験も必要でありましょう。秋刀魚の蒲焼缶、鰯の蒲焼缶などと高野豆腐でもってこんな御献立もできちゃうのです。

蒲焼高野豆腐の作方

・高野豆腐は水に10分程浸して戻し、軽く絞って縦二つに切っておく。

・罐詰の蒲焼をその高野豆腐の上に乗せる(できれば片栗粉を塗して)。

・油を敷いたフライパンに高野豆腐を並べ、蓋をして弱火にかける。

・高野豆腐が焦げないように時折動かしながら6〜8分蒸し焼きにする。

・途中で罐詰に残ったタレを掛けるが、焦げやすいのでフライパンを動かしながら煮詰めるようにする。

 戻した高野豆腐を絞る時、あまり強く絞るとスカスカになるのでほどほどに絞る。蒲焼に片栗粉を塗して乗せると、出来上がりがつやつやして豪華に見えるし、実際の所「ウマイ」。缶詰のたれをかけて煮詰めると高野豆腐がたれを吸収して味が濃くなることもあるから、最初に高野豆腐を絞る時に「水分を残してほどほどに絞る」という事が大切なのです。

 高野豆腐でなく普通の豆腐でもできます…というか、その方が普通なんですね。ただ、高野豆腐だと乾物ですからこれまた「非常用」としても使えますのでここでは高野豆腐版を紹介いたしました。粋な小皿にでも盛り付けて蒲焼の上に「木の芽」でもあしらってご覧あそばせ。気分はまさに小料理屋のおかみであります。

蒲焼き高野豆腐
2013年11月5日 香煎の熟柿練り

2013年11月5日「上柳昌彦 ごごばん!」で紹介されたレシピです。

 黄粉や麦こがし(はったいこ)など、豆類、穀物類を炒って粉に挽いたものを「香煎」と呼びます。生の大豆や小麦はそのままでは食べられませんが「炒った」ものなら食べられますから、これは昔から携行食や保存食として世界中の人々が重宝してきました。粉のまま、お口にパクッと放り込んで食べることもできますが、「粉」ですからむせちゃいますよね。だからこれら香煎は水やお湯で溶いてネットリさせて食べておりました。そのネットリ香煎の贅沢な食べ方の一つが「香煎の柿練り」だったんです。

香煎の柿練りの作方

・トコトン熟れた熟柿の皮と種を取り除いて実を潰す。

・その柿の実と同量の香煎を加えてよく練り合わせる。

 これだけでねっとりとした「練り香煎」になりますが、ここにバニラエッセンスを少し垂らしたりシナモンパウダーを足したりしますと、まるでスイーツそのものであります。クラッカーやビスケットに挟んだりしますとジャムサンドみたいになるんですね。 またこの練り香煎って非常に保存性が高いので保存食にもなります。ある地方では熟柿の倍以上の分量の香煎を加えて練り、それを小さなだんごに丸めてから数日間日干しにしたものを「柿団子」と称して保存できるお菓子としていたそうです。

 タンパク質やミネラルの多い黄粉、はったいこ等とビタミン、果糖たっぷりの熟柿を混ぜれば甘くて栄養たっぷりのおやつが作れる……昭和以前、正確に言うなら戦前までの日本人はこのような手作りおやつを食べていたんですね。

*黄粉は何処でも安く手に入ると思います。はったいこは置いてる店が少なくなりましたので、自然食品店などで探してくださいまし。

香煎の熟柿練り
2013年10月29日 百年前の「芋煮会」再現

2013年10月29日「上柳昌彦 ごごばん!」で紹介されたレシピです。

 10月から11月の間、東北地方の河川敷に参りますと、そこかしこで「芋煮会」をやっておりますなぁ。里芋と牛肉を醤油味で煮込んだのが良く知られておりますが、豚肉と里芋を味噌味で煮込む地方もあるのです。また、福島や岩手などでは茸をたくさん入れたものもあるようですが、同じ東北でも青森には芋煮会の風習はかつてなかった。な〜んでか? それはね、里芋が寒さに弱い作物だったからのようですの。名前が「里芋」と言うくらいですから、東北と言っても山の方ではなく、比較的暖かい「里」で作られていたんですね。

 その「芋煮」に牛肉が入るようになったのは昭和に入ってからのようです。それもお金持ちさんの話でして、一般の人々が牛肉入り「芋煮」を食べられるようになったのは戦後の昭和40年頃ではないか?と思われます。では、100年前の「芋煮」はどんなんだったのか?

百年前の「芋煮」の作方

・身欠きニシンを一晩水に浸けておいて柔らかく戻し、10分程下茹でして引き上げる。里芋は食べやすい大きさに切る。

・一度下ゆでした里芋と身欠きニシンを昆布と煮干しの出汁で煮る。

・ささがきゴボウ、キノコ類を加え、醤油と味醂で味付けをする。

・最後にぶつ切りのネギを入れ、ネギが煮えたら出来上がり。

身欠き鰊はものによって戻す時間に違いがあります。芋もニシンも、下茹でして「あく」を抜いてからお使いください。出汁は昆布と鰹節でも構いませんが、かなり濃く取って下さい。「芋煮」の始まりは最上川を行き来する人々が名物の里芋と北前船で運んできた身欠きニシンを河原で煮て食べた事に由来するようです。まるで京の都の「いもぼう」みたいですな。

百年前の「芋煮会」
2013年10月22日 これだって「お萩」だもんっ!

2013年10月22日「上柳昌彦 ごごばん!」で紹介されたレシピです。

 お萩ってぇものはもちもちした「糯米」を炊いて作るもんだ……とばかり思っているとバカを見るようでありますな。昭和30年頃のおっかさん方は、残ったわずかな冷御飯を使ってこんな「お萩もどき」までこさえておったんでありました。

片栗お萩の作り方

・干しぶどうか干したプルーンを細かな微塵切りにして冷御飯に混ぜる。

・ごはんと同量かやや少なめの片栗粉をまぶして混ぜ、ごはん粒をぽろぽろにする。

・そこに微量の水をたらして、スプーンで混ぜるとごはんが団子状になってくる。

・これをスプーンですくい取り、「お萩型」にまとめて熱湯に入れる。

・3〜5分で半透明の「お萩もどき」が茹であがるので取り出す。

・きな粉をまぶすか、あんこをまぶすかすれば、お萩のできあがり。

 干しぶどうやプルーンは甘味を付けるために入れますが、大きすぎるとお萩が固まりにくいため、微塵切りにして使います。片栗粉ごはんに加える水はごく少量ですから、「入れすぎないよう」ぽたぽたとたらすように加えてください。

 お萩1個の大きさは洋食用スプーン1杯位が適量です。山盛り1杯にしたら指で軽く形を整えますが、あまり強く押さえないでください。また、熱湯に入れますと片栗粉が熱で固まり、透明になります。これがごはん粒どうしをくっつける接着剤になって、ポロポロの冷ごはんが半透明の「お萩」に変身するのであります。黄粉やあんこを塗さなくても、干し葡萄やプルーンが入ってますから結構甘い。お砂糖抜きのおやつにしたい方にはいいのではないでしょうか。

これだって「お萩」だもんっ!
2013年10月15日 パサパサ胸肉の塩粕パック

2013年10月15日「上柳昌彦 ごごばん!」で紹介されたレシピです。

 鶏肉の中で一番人気といえばやっぱ「もも肉」でしょね。脂が乗っていてウマイ。反対に不人気なのが「ムネ肉」で御座いましょう。こちらは脂が少ないためパサつき感が否めません。しかしそんなムネ肉も「酒粕パック」を施しますとこれがアナタ「あら!不思議?」シットリ、コク有りへと変身するんですな。パック…化粧→化ける?とはよく言ったもんです。

塩粕パック 鶏のムネ肉

・広げたムネ肉に包丁で浅く切れ目を入れる。

・塩と摺り下しニンニクをまんべんなく擦り込む。

・胸肉1枚につき大匙2杯の練粕を全体に塗る。

・焦げないようにフライパンをゆすりながら片面7〜8分ずつ焼く。

皮つきムネ肉の場合には、皮の付いてる側を先に焼きます。包丁の切れ目は5ミリくらいの深さです。酒粕パックは24時間を過ぎると硬くなっていきます。焼き終えた後のフライパンには鶏の脂と酒粕のエキスが残ってますので、そこにピーマンやもやしを入れて炒めるともう一品できます。

パサパサ胸肉の塩粕パック
2013年10月8日 秋刀魚は紀州にかぎる――秋刀魚の棒鮨

2013年10月8日「上柳昌彦 ごごばん!」で紹介されたレシピです。

「秋刀魚は目黒に限る……」これはあの有名な落語、「目黒の秋刀魚」の「さげ」の部分ですね。しかし、全然有名でない落語「紀州の秋刀魚」になりますと、ここが「秋刀魚は紀州の限る」に変るのであります。

秋刀魚の棒寿司の作り方

・秋刀魚を2枚開きにして中骨を取る……(棒寿司にする場合の開き方)。

・秋刀魚を3枚下しにして腹骨をすきとる……(木枠の箱寿司にする場合の開き方)。

・全体に塩を振って1時間ばかし置いておく。

・秋刀魚の表面に残った塩をさっと流してから、温州蜜柑の絞り汁に10分間漬けておく。

・寿司飯を棒状にまとめ、2枚開きの方の〆た秋刀魚の上に乗せ、秋刀魚で寿司飯を包み込むように「巻き簾」で巻く。

・木枠の押しずしは木枠の底に〆た秋刀魚を敷き、その上にすし飯を押し込んで木枠の蓋をする。

・棒寿司も箱寿司も1時間位経ったら取り出して包丁で切る。

生で食べる寿司ですから秋刀魚の骨はしっかり取っておきましょう。塩〆はタップリ塩を振るのが美味しく作るコツ。「酢」で〆るのではなく、温州蜜柑の絞り汁で絞めますと、ゆるゆるした酸味と蜜柑の甘さで優しい味の寿司ができます。棒寿司、箱寿司共に12時間から20時間位置いといたほうが味が馴染んで美味しいようです。

秋刀魚寿司は紀州に限る…のはなんでか?

回遊魚である秋刀魚は釧路沖から三陸→房総→三浦半島→熊野灘、と南下してきますが、脂が一番乗るのは関東付近でありまして、それより南下しますとだんだん脂が落ちてきます。塩焼きで美味しい脂の乗った秋刀魚は関東以北で獲れたもので、和歌山あたりまで来ますと脂の落ちた細身秋刀魚になっております。しかしその「脂が落ちている」ところが寿司にはちょうどいいのです。あっさりとした秋刀魚を温州蜜柑の甘酸っぱさで包み込むとべたつかない上品な寿司になるんですね。だから「塩焼きは東国の秋刀魚」がよろしく、「おし寿司は西国の秋刀魚」が美味しいんですね。ん〜で、それを食べた殿様が「秋刀魚は紀州に限る」と言ったんでした。当然この時の殿様は「鷹狩」ではなく「蜜柑狩り」をしていたのでしたが……。

秋刀魚鮨
2013年10月1日 サンプルーン豆腐

2013年10月1日「上柳昌彦 ごごばん!」で紹介されたレシピです。

 長野県佐久郡といえばあの軽井沢から少し南に下った標高800〜900mの高原でして、ここで有機栽培されている野菜や果物は引く手あまたの「人気者」なんですの。その佐久穂町で親の代から林檎などの果樹園を続けている「須田農園」さんから糖度の高い完熟プルーンが送られてきました。それも「サンプルーン」というプルーンの中のプルーンだそうだ。皮ごと食べられるこのプルーンでちょっと変わったスィーツ系豆腐を作ってみたのであります。

サンぷるんあまずっぱ豆腐の作り方

・種を取ったプルーン8個をミキサーにかける。

・豆乳300ccを加えてよく攪拌し、紅茶漉しで裏漉しする。

・にがり(液)7gを加えて溶かし、カップ状のプリン型に流し入れる。

・沸騰した湯の入った蒸し器で15分間蒸す。

・粗熱を取ったら冷蔵庫で冷やす。

プルーンの皮を剥いて使うと仕上がりが滑らかになります。豆腐屋さんの豆乳でなく「調整豆乳」を使う場合はにがりでは固まりませんので粉寒天を溶かしてお使いください。プルーンの割合を多くすればより甘くなりますが、同時に固まり難くもなります。豆腐として食べるならば豆乳300ccに対してプルーン4個以下が望ましいでしょう。

佐久穂で作られている有機野菜に関心のある方は長野県有機農業研究会で調べてみて下さいまし。

サンプルーン豆腐
2013年9月24日 鈴木まいたけ農園のまいたけ蒸し

2013年9月24日「上柳昌彦 ごごばん!」で紹介されたレシピです。

鈴木まいたけ農園のまいたけ蒸し

・汚れを取った舞茸をほぐす。

・全体に塩をふりかけ、サラダ油を数滴垂らして混ぜる。

・ラップをかけて電子レンジで30秒位過熱して「塩油蒸し」が完成。

本当に蒸したい場合は沸騰した湯の入った蒸し器で1分蒸す。「舞茸御飯」にする時は、この塩油蒸しを炊き上がった御飯に混ぜればOKです。最初から米と茸を一緒に炊き込むという方法もあるが、茸の香りを残すには米と一緒に炊かない方がいいです。サラダ油を数滴垂らすのは茸の香りを立ち上がりやすくするため。
まいたけ蒸し

2013年9月17日 薩摩きのこご飯

2013年9月17日「上柳昌彦 ごごばん!」で紹介されたレシピです。

薩摩きのこご飯

・しめじのいしづきを切り落とし、ばらばらにほぐし、半日「室内日陰干し」にする。薩摩芋は1センチ角に切る。

・米を研いで普通に水加減をしたら、そこにしめじと薩摩芋をばらばらっとふりかけ、そのまま炊飯する。

・炊き上がったらしゃもじでかき混ぜ、5,6分蒸らして完成。

ごま塩やゆかりを少々振りかけていただきます。おにぎりにする時は炊き上がりに塩、またはごま塩を混ぜてください。
しめじ・さつまいもご飯

2013年9月10日 ひゃっこい夏おでんは赤茄子で

2013年9月10日「上柳昌彦 ごごばん!」で紹介されたレシピです。

おでん……と言っても、湯気もうもうとしたアツアツおでんではありません。中華そばに対する冷やし中華みたいな「冷たいおでん」なんですね。冷たいおでんとなりますと、関東のおでん屋さん的な「醤油味」はチトくどい。ここはやっぱり「白出汁+塩味」で御座いましょう。昆布と鰹節で引いた白出汁に鹽だけで味付けをした透明のおでん汁でないとイケマセンのです。

冷製赤茄子おでんの作り方

・鍋半分くらいまで水を張り、鍋底面積の2倍位の昆布を入れて6〜8時間おく。

・弱火にかけ、沸騰してきたら昆布を取り出す。

・削りたての鰹節を鍋半分位まで入れて、沸騰してきたら弱火10分で火を止める(とにかく、鰹節たっぷりってことです)。

・この出汁を、布巾か目の細かい笊で漉して白出汁を取る。

・湯剥き(又は包丁で皮を剥いた)トマトを出汁に入れて火にかけ、ややしょっぱめの塩味を付ける。

・沸騰後、弱火3分で火を止め、鍋に蓋をして自然に冷ます(トマトが大玉の場合)。

・冷めてから冷蔵庫で一晩寝かせて味を浸み込ませる。

 昆布+鰹節で取った出汁=白出汁には塩以外は入れません。スープとしては少し濃い位で丁度良くなります。トマトは大きさにもよりますが、弱火3分以上煮ると崩れることがありますので、小さめでしたら1〜2分で止めてください。プチトマトなら30秒で十分です。その後、自然に冷めていく間、そして冷蔵庫で一晩寝かせている間にトマトに味が十分浸み込んで行きます。

 湯剥きは熱湯の中にトマトをドボンと入れ、10〜20秒で取り出せば皮がきれいの剥けます。

 トマトは、大正時代までは「赤茄子」とも呼ばれておりました。初夏の物は青くて硬くて酸味が強かったものですが、夏の終わりから秋の初めにかけては真っ赤で柔らかく甘みが増して来ています。と同時に、ウマミの素であるグルタミン酸も多くなりますので、トマト+白出汁+塩→ウマミの宝庫! という訳なんですね。残暑厳しき折の冷製お吸い物に使えばお口のクールダウン、夏から秋への橋渡し……いや、箸渡しってとこでしょか。
ひゃっこい夏おでんは赤茄子で

2013年9月3日 復元!目黒のサンマ

2013年9月3日「上柳昌彦 ごごばん!」で紹介されたレシピです。

 「この秋刀魚は何処で求めた?なに?日本橋の魚河岸ぢゃと?それはいかぬ、秋刀魚は目黒に限る……」テケテンテンテン♪〜ってな下げで終わる落語が有名な「目黒の秋刀魚」で御座いますな。落語によりますと殿様は目黒で鷹狩をしていたということになってるので、この落語の現場は目黒区鷹番(たかばん)あたりとみられますな。江戸時代の鷹番あたりは竹林等が広がる郊外の林だった。そこに住んでる農民が食べようとして焼いてた秋刀魚を殿様が食べた…ってことだから、その秋刀魚は鷹番から最も近い品川港で水揚げされたものとみられます。

 今日のJR品川駅付近が当時は海でして昼間漁に出た漁船は夕方に品川の港に帰ってきていた。こうして水揚げされた生きのいい秋刀魚をその日の内に食べる事が出来たのは品川港からせいぜい2qの範囲だったでしょう。冷蔵庫も無けりゃ車どころか自転車も無い時代ですから…。

 となりますと、我が目黒の鷹番は品川駅から直線で5qも離れてるんですもん、夕方水揚げされた秋刀魚がその日の内に届くとは思えませんな。きっと翌日天秤担いだ魚売り(ぼてふり)が売りに来たのを買った物でありましょう。秋刀魚が獲れるのは9月から10月、秋口とはいえ残暑もある。冷蔵庫無しで秋刀魚を一晩保管するとなると塩魚にするか干し魚にするのが一般的だったから、たぶん獲れたての秋刀魚をそのまま塩にまぶして涼しい所に置いておいたんでしょう。昔の塩魚は保存性を高める為、かなり塩をきつくしていたようですからこの落語に出てくる秋刀魚も今日いうところの秋刀魚の塩焼きレベルの塩加減ではありますまい。ということで落語に出てくるのは相当にしょっぱい秋刀魚とみるのが妥当でありましょう。

現場検証:調理と盛り付けは如何に?

 煙の出ない無煙ロースターで焼いて伊万里の御皿で……なーんてことはぜ〜ったいにアリマセン。秋刀魚や鰯等、脂の強い魚は屋内でなく外で焼くんですね。火は薪ではなく燃え残りの「熾火(おき)」や炭火を使う。現代人はバーベキューみたいに「焼き網」を想像するでしょうが鉄でできた焼き網というものは江戸時代においては贅沢品なのです。鋤や鍬にする鉄だって砂鉄から作ってましたから、魚を焼くための鉄の網なんざ農民にはなかなか買えるものではなかったハズです。たぶん周りにたくさん生えている竹で作った「竹串」を刺して焼いたのでしょう。こうして焼いた秋刀魚を載せる御皿も今日のような30〜40pもの長い皿なんぞはあまり作られていなかったから、これまた目黒名物筍(たけのこ)ご飯…じゃないが竹の皮を御皿代わりに使ってた、と考えるのが妥当だと思われます。

で、どんな味?

 やってみましたよ、あたしゃ。文句なしにウマイ! が、しょっぱい。大量のおろし大根が有ればすこぶるウマイ!御飯がほしくなる。一晩、たっぷりの塩で秋刀魚の身が締まっており、ウマミが増幅しております。獲れたて新鮮ぴちぴち秋刀魚の塩焼きとは「また別の」旨い!がありました。こりゃお殿様が「秋刀魚は目黒に限る」と言ったのも分かるってもんです。世間知らずの殿様を笑いの種にした落語である…と言われてますがドッコイ殿様を笑ったつもりが実は「旨いもん知らず」だったとも言えるんですね〜。
目黒のサンマ

2013年8月27日 昭和の漫才王はサンマの塩ぬか焼き

2013年8月27日「上柳昌彦 ごごばん!」で紹介されたレシピです。

 「滅茶苦茶でごじゃりますがな」で有名な花菱アチャコ。漫談、漫才の名人として一世を風靡しましたが、この方は秋刀魚の塩ぬか漬けを焼いて食べるのがお好きだったようです。昭和30年頃の雑誌によりますと「秋刀魚まるごとに鹽と煎り糠をまぶして一晩置き、それを七輪でパタパタ仰ぎながら焼いた」のをおかずにして食べる御飯が大好きだったと出ておりました。これもやってみましたがヌカがサンマの生臭みを消してくれるし、保存性も良くなるようでした。
サンマの塩ぬか焼き

2013年8月20日 ウニソースはマヨネーズを凌げるか?

2013年8月20日「上柳昌彦 ごごばん!」で紹介されたレシピです。

 日本人はそもそもマヨラーだった……。西洋から「マヨネーズ」というものが入ってくるはるか前から、日本人は「酢味噌」とか「黄身酢」というマヨネーズに似たとろ〜り系調味料を使っておりました。その黄身酢に瓶詰の塩ウニを加えたのがこのウニソースなんですな。そしてこのウニソースが和食はもちろん、ハンバーガーやサラダ、コロッケにまで相性がいいんですね〜。

ウニソース

・小鍋に片栗粉15ml、水90mlを入れて極弱火にかけ、木べらでかきまわす。

・固めのくず練り状になったら火から下ろして、45mlの甘酢を少しずつ加えてかき混ぜる。(甘酢…砂糖小さじ1杯、酢45mlをよく溶かしておく)

・甘酢がよく混ざったらそこに生卵の黄身を1個加え、極弱火にかけてしっかりかき混ぜる。

・これを良く冷ましてから、瓶詰の塩ウニ(練りウニ)25g=大さじ2杯を加えてかき混ぜる。

 卵の黄身と雲丹が入っているのでマヨネーズ以上に鮮やかなイエローソースになります。このままサラダに使ってもよろしいのですが、タルタルソース代わりにコロッケや串カツなんぞに使ってみて下さいまし。又、練りウニの量を減らして、その分塩やコショウなどを加えたものはウニ臭さが消え、「生臭いのはいや〜ん!」の御方にもよろしゅうございます。
ウニソース

2013年8月13日 馬鈴薯で梨もどきイ

2013年8月13日「上柳昌彦 ごごばん!」で紹介されたレシピです。

秋の味覚……といえば、そりゃなんたって「梨」でしょ。しかしその「梨」がもしも「無かった」としたら……、1 我慢する 2 梨の種を植える 3 梨を盗みに行く 4 大金を払う。わしら小市民にはこれくらいしか思いつきません。が、しかし! 昭和初期の先輩方は「もどき技」で乗り切っていたんでした。

馬鈴薯で梨

・皮を剥いた馬鈴薯(じゃがいも)を二分角(約6o)に切り、10分間水に晒す。
二分角

・それを熱湯で5分間茹でる。

・ザルで水気を切り、ごく少量の酢と砂糖をまぶして自然に冷ます。

・柚子、カボスなどの皮を目の細かい下ろし金で摺り下し、酢と砂糖を加える。
柚子

・冷ました馬鈴薯をこのつけ汁に漬けこみ、冷蔵庫で十分に冷す。

 これは昭和16年発行の『馬鈴薯料理とおやつ』(料理之友社)という本に出ていたものを今日風にアレンジしてみたものです。この「梨もどき」は大正時代から戦後の昭和20年代までの料理本に時折登場しておりました。ポイントはじゃがいもを茹ですぎないこと……に尽きます。「生」だとがりがりしているじゃが芋ですが、5分茹で程度だとしゃりしゃりになるんですね。そこに酢の酸味と砂糖の甘味、そして柑橘類の風味が加われば、「しゃりしゃり、あまずっぱい、さわやかふうみ」の「梨もどき」が誕生する……と、先輩方は考えたんでしょう。

 砂糖を蜂蜜に代えるとか、新じゃがを使うとかすればよりいっそう「梨っぽく」なるのではないでしょうか。
完成品

2013年8月6日 キュウリでチャプスイ

2013年8月6日「上柳昌彦 ごごばん!」で紹介されたレシピです。

・キュウリ2本を大雑把な乱切りにする。

・塩1gと五香粉微量を眩し、15ccのゴマ油を熱した中華鍋で炒める。

・5分炒めたらひき肉50gを加えて炒め、挽肉に火を通す。

・味噌15ccを味醂50ccで溶いて中華鍋に注ぎ込み、手早く炒める。

・沸騰したら火を止め、片栗粉1gを50ccの水で溶いて流し込み、よくかき混ぜる。(余熱だけでOK)。

・辛いのが好みなら、仕上げに粉唐辛子や辣油を加える。

出来立てのアツアツを食べるのもいいですが、一旦冷ましますとキュウリに味が浸み込みましてより一層美味しくなります。

昨今、「キュウリビズ」等と言う言葉が使われているようでありまして、なんでも「カフェ」で割りばしに刺した丸ごと一本のキュウリを食べるのが「おしゃれ」なんですと。

な〜にがおしゃれぢゃ! 丸ごとのキュウリを見たことが無いんかいっ! 農家に行ってみぃ。採れ過ぎて採れすぎて山のようなキュウリを一人毎食2本くらいは当たり前で食べておるんぢゃ。このやうな挽肉まで使ったキュウリれうりなんざ「贅沢品」なんですぞ。――と、昭和のおいさんは独りごちるのでありました。
キュウリでチャプスイ

2013年7月30日 トマトすき焼き・林芙美子

2013年7月30日「上柳昌彦 ごごばん!」で紹介されたレシピです。

 林芙美子さんといえば「放浪記」で有名な作家ですね。生まれは私と同じ現在の北九州市だとか……。非常な努力家で、戦前に若くして作家になれたもののなかなか仕事が来なかった頃の「心配性」が残っていて、どんなに忙しくても仕事を断らなかったそうな。無理がたたったのか昭和26年に亡くなってますが、その3年前の雑誌インタビューで応えていた「我が家の料理」に、この「トマトすき焼き」が入っておりました。

トマトすき焼き・林芙美子*2013年再現版

・フライパンにバターかラードを敷き、火にかけて熱しておく。

・まだ熟れていないトマトを6o位の輪切りにしてフライパンで焼く。

・トマトが焼けて来たらその上に薄切りの牛肉を並べる。

・肉にも火が通ってきたら醤油と砂糖で味付けをする。

脂は文字通り動物性のラードやバターがよろしい。トマトから水が出てやや水っぽくなるため、サラダ油よりはバターということです。トマトは今日の物では確実に甘すぎだと思います。昭和20年代の初夏のトマト……ということですから、今日ならばまだ青くて硬い「未熟トマト」が代用となりませう。

牛肉はトマトの上に乗せ、トマトから出てくる蒸気で蒸し焼きにする感じで、柔らかく火が通るようです。林芙美子さん曰く「味付けは最後にしないと肉が硬くなる」のだそうです。

トマトの上に牛肉乗せて、バターで焼いて砂糖と醤油……、今日の果物みたいにあま〜いトマトだったらちょっとブキミかもしれませんが、酸味の強い未熟トマトでやりますと甘くてしょっぱいすき焼き味の牛肉が、酸味でキュッと引き締まりまして食べやすいのです。砂糖と醤油の分量は少なめにして足りなければ小皿で付けるようにしてくださいまし。
焼かないナス

2013年7月23日 焼きナスみたいな「焼かないナス」

2013年7月23日「上柳昌彦 ごごばん!」で紹介されたレシピです。

 夏野菜の代表とも言われるナスを丸ごと炭火焼にして、その皮を剥き、すり胡麻ポンズ漬けにする……こいつをつべた〜く冷せば、これぞ「ニッポンの夏」ですねぇ。

 とはいへ、ナスを炭火で焼くのも大変なことだし、焼きたてのアツアツを「あーちちちっ」と言いながら皮むきするのもこれまた大変。だからおいさんは「焼きナスみたいな焼かないナス」に精を出すのでありました。

焼かない焼きナスの作り方

・餃子の「餡」をつくります。タマネギ1個、白菜かキャベツ1枚、タマネギと同量位の挽肉、ニンニクかショウガ少々を微塵切りにし、塩少々と大匙2杯の胡麻油を加えて練り合わせます。水分が出てきてベタベタになる位が宜しいので、絞らないでね。

・「へた」付きのままのナスの皮をピーラ―で剥く。

・そのナスを熱湯の中に入れ、5〜8分間茹でる。

・引き揚げたナスを俎板に乗せ、その上にも俎板を乗せて押さえつける。

・茹でナスをからすみみたいな厚さ1pくらいにして タッパーに取る。

・レモン汁、醤油、すり胡麻、ラー油(又は胡麻油)を注いで冷ます。

・粗熱が取れたら冷蔵庫で冷やす(途中でひっくり返して味を浸みこませる)。

茹でたナスは俎板サンドで水気をよく絞っておくことがツボです。胡麻、胡麻油、ラー油などが加わることでナスが肉のようにこってりとしてまいります。練り辛子や刻んだ紫蘇、小ネギ、、ミョウガなどを添えますと、小料理屋的になります。「へた」は切り取っても構いませんが、見た目がいかにも「茄子」って感じがしますのでついつい付けたままにしてしまいました。お皿に盛りつける時は食べやすい大きさに切って下さいまし。

茄子を茹でて熱いうちに板で挟んで平べったく潰したのを、冷ましてから幅1〜2pに切り、辛子醤油をつけて食べるのが「ナスの刺身」という名前の料理でありました。ナスの刺身が紹介されていたのは大正から昭和初期のことで、生の魚を輸送する交通網が発達していなかった頃の人々にとっては、猛暑の中で「涼」を取る夏のつべたい料理だったんでせう。
焼かないナス

2013年7月16日 餃子焼き・焼き餃子ぢゃなくってよ!

2013年7月16日「上柳昌彦 ごごばん!」で紹介されたレシピです。

 今日、餃子は「作るもの」から「買って来るもの」になったようでして、「手作り餃子」を自慢する時代になったようですね。とはいへ、餃子を一つずつ包むのも手間だし、ましてや餃子の皮まで「手作り」する人もあまりおりません。昭和40年代までの料理本を見ますと、「餃子の作り方」には必ず「皮の作り方」が最初に書かれておったのです。皮を作り、具も作ってそれを包んで焼く……ような「手作り餃子」は現代ニッポン人にとって「ステーキを手作りするにはまず生きてる牛を捕まえて……」と同じくらい大変なことなのかもしれません。

焼き餃子ぢゃなくってよの作り方

・餃子の「餡」をつくります。タマネギ1個、白菜かキャベツ1枚、タマネギと同量位の挽肉、ニンニクかショウガ少々を微塵切りにし、塩少々と大匙2杯の胡麻油を加えて練り合わせます。水分が出てきてベタベタになる位が宜しいので、絞らないでね。

・小麦粉:水→1:3でゆるゆるのルーを作る。(小麦粉60gで餃子焼き1枚見当)

・多めの油を敷いたフライパンを火にかけて熱くなったら一度火を止め、ルーを薄広く流し込みます。

・ここで再び火をつけて弱火とし、「餡」を薄広くルーの上に広げたらその上にもルーを少々落して行きましょう。

・フライパンに蓋をして5分程焼いたら一度蓋を取り、水20ccを入れてすぐに蓋をし、中火で5〜6分焼きます。

・火を止め、蓋を取りますと先に流し込んだルーは周辺がパリパリした餃子皮みたいに焼き上がっており、その上の「餡」はジューシーに蒸し上がっておるのです。フライ返しでお皿に取り、普通の餃子のように酢醤油、辣油等で食べてみて下さいまし。

 形こそまるで「お好み焼き」ですが、お口の中におきましては紛れもなく「餃子」なのであります。餃子は食べたい、手作りしたい、が!一つひとつ包むのが何ともめんどくさくってぇ〜というアナタ、でっかい円盤焼き餃子…ならぬ「餃子焼き」で旨い餃子を堪能してくださいまし。
餃子焼き

2013年7月9日 枝豆ディップソース万葉風

2013年7月9日「上柳昌彦 ごごばん!」で紹介されたレシピです。

万葉の湯……万葉集……たしか7世紀頃の「ソングブック」でしたよね。かつて私、その時代の酒と食べ物を再現してみたことがあります。7世紀頃はまだ「醤油」や「味噌」というものが無かったから、食べものの味付けの大半は「塩だけ」だったようです。しかしその塩にちょいとした工夫をしていたんですね。胡桃やドングリなんかの「木の実」と塩を混ぜて寝かしたひしお(醤)というウマミ調味料入り塩みたいなものを使っていました。ホントは木の実と塩を混ぜて何カ月も寝かして発酵させるのですが、ただ単に混ぜ合わせただけでも結構旨いんです。

胡桃塩で枝豆ソース

・殻をむいた胡桃をすりつぶし、塩味を付けておく(市販の塩胡桃でも可)。

・茹でた枝豆の殻を剥き、豆をすりつぶす。

・両方を混ぜてすり合わせ、隠し味としてコーヒー用ミルク(液状、粉状共に可)を少量加える。

・すり合わせたものが固すぎる時は、牛乳かヨーグルトで緩める。

塩味をベースとしたソースですが、胡桃のこってり味と枝豆の爽やかな甘味が効いていまして、淡白な野菜サラダがすこぶる美味になりますの。野菜サラダのみならず、ハムやボイルドチキン、はたまたパスタ、冷やしパスタなんぞにもよろしいのです。

 古代人は木の実などを使った「醤」を調味料として使いましたが、その後肉や魚と塩を混ぜ合わせて発酵させた「肉醤」、「魚醤」を使いだし、その後になって豆や米、麦などを使った「穀醤」、今日の醤油が使われるようになったということです。完成度の高い旨みが今日の醤油とすると、木の実の醤は素朴な旨みの調味料と言えるのではないでしょうか。
枝豆ディップソース万葉風

2013年7月2日 ソーメン・ジュレ・トマト

2013年7月2日「上柳昌彦 ごごばん!」で紹介されたレシピです。

 夏→猛暑→食欲不振→つるつるソーメン?それとも冷麦? 毎年の事ながら、なぜかこうなってしまうんですな〜。ネギやおろしショウガやミョウガなんぞを薬味にしては、つべたい冷麦ばっかし食べてはいないでしょうか。う〜ん、まっこと「芸がない!」。ここは御一つ「芸」でもって洒落たつるつるをやってみましょかね。

ソーメン・ジュレ・トマト 「つゆ」から「ジュレ」への道案内

・ソーメンまたは冷麦の「つゆ」180ccを鍋に入れて火にかける。

・沸騰したら火を止め、パウダー寒天0.4gを入れて1分間泡立て器でかき混ぜる。

・まだ熱い「つゆ」をタッパーに移し、冷水に浮かべて熱を取る。

・完全に冷めたら冷蔵庫でしっかりと冷す。

・1p角に切ったトマト、微塵切りにしたネギやミョウガ、切海苔などを薬味として用意する。

・茹でて冷水でしっかりと冷したソーメンや冷麦を御皿に盛り、冷蔵庫でぷるるんになった「ジュレつゆ」を崩しながら麺にかける。

・最後に薬味を振りかけ、ジュレつゆとよく絡ませて食べる

御注意とひと知恵 麺つゆは醤油、出汁、味醂といったごく普通のつけ汁を用いるのが無難でしょう。しかし、塩味ベースの「コンソメつゆ」というのも洋風で美味しゅう御座います。ご自分でお出汁やコンソメ等をお作りになれない御方はインスタントの「めんつゆ」や「〇〇スープの素」等をご利用なさいますとすこぶる簡便かと……。

「つゆ」を「ジュレ」にするために加えるパウダー寒天の分量は色々と試してみましたが、「つゆ」180ccに対して0.4〜0.5gが適量で御座いました。それより多すぎますと「つゆ」が硬くなりまして上手く崩れてくれませぬ。0.4gでもまだ多いくらいですからまずは少なめにしてお作り下さいまし。
塩カレー鯛刺身

2013年6月25日 塩カレー調味粉?で鯛刺身……

2013年6月25日「上柳昌彦 ごごばん!」で紹介されたレシピです。

 鯛のお刺身に「塩とカレー粉をつけて食べる」……ニッポンの食文化をなんだと思ってるんだ〜と言われそうですが、この際言わせておきましょう。

塩カレー鯛刺身

・塩とカレー粉はできるだけ粒の細かいものを用意して下さい。

・塩:カレー粉=2:1の割合で混ぜます。できれば「乳鉢」か「すり鉢」ですりあわせた方がより滑らかになります。

・鯛、ヒラメ、ホウボウ、コチなど、白身魚の刺身を昆布の上に並べてうっすらと塩を振り、その上にまた昆布を乗せて冷蔵庫で寝かせる。

・12〜24時間昆布締めにした刺身に、この「カレー塩」をちょこっと付けて食べる

この場合、醤油は使いません。カレー粉だけで食べます。

「刺身にはワサビと醤油」、これ、一般の人びとにも醤油が買えるようになった江戸時代後半以降のことでして、それ以前は、酒と梅干を煮詰めた「煎り酒」や、酒と塩を煮詰めた「酒塩」で食べてました。また、カツオの刺身なども昭和初期までは、和芥子(わからし)と醤油や酢醤油で食べていました。

カレー粉に入っているターメリックは、日本では古来よりウコンという名前で使われていた香辛料であり、染め物用材でもあったんです。だからカレー粉→ターメリック→ウコン→刺身という図式も和風と言えば和風なんですね。

この塩カレーで和えた刺身を使って、カルパッチョなんぞもできるのです
塩カレー鯛刺身

2013年6月18日 ニッポンの夜明け前の「肉じゃが」

2013年6月18日「上柳昌彦 ごごばん!」で紹介されたレシピです。

 明治の初頭、日本海軍は兵隊の「脚気」予防にと、英国のビーフシチューを取り入れることにしました。英国に留学していた軍医、高木兼寛の進言によるものでしたが、これを一番喜んだのは、英国留学組のあの東郷平八郎さんでした。

 しかし、ドミグラスソースで煮込んだビーフシチューの作り方も、ドミグラスソースも日本人にはわからんのでした。そこで日本にあるものでビーフシチューに似たものを……と考えたのが、砂糖と醤油でジャヤガイモと牛肉を煮た「肉じゃが」でした。まぁ、海軍の料理手引書には、「旨煮」と表記されていますが……。

肉じゃが

1 ジャガイモとニンジンは2cm角、タマネギはくし型に切り、牛肉は一口大の大きさに切ります。

2 熱した鍋にヘットとサラダ油を入れて溶かし、微塵切りにしたニンニク、ショウガを入れます。

3 2に1の食材を入れて、中火で3分間炒め、塩とお好みの香辛料を入れます。

4 一度火を止めてからオタフクソースを流し込み、木べらでかき混ぜながら中火で3分間、炒め煮にします。

5 ヒタヒタになるまで水を張り、蓋をして沸騰したら8分煮込みます。

6 火を止めて、蓋をしたまま10分間予熱で味を浸み込ませます。
肉じゃが

2013年6月11日 ボイルド・フィッシュ――洋食放浪記

2013年6月11日「上柳昌彦 ごごばん!」で紹介されたレシピです。

 明治維新によって「文明開化」の波が押し寄せてきた……とよく言われますが、こと食生活においては、関東大震災以前はまだまだ江戸時代を引きずっていたようであります。特に一般庶民は……。昭和の時代になってからも、おうちで食べるいつもの晩御飯でバターを使った料理なんてのは、お金持ちや文化人と呼ばれるような人びとだけだったのでしょう。そんな洋食が珍しかった時代、しかも戦後の食糧難だった昭和23年のインタビュー記事に、『放浪記』で有名な林芙美子さんの「我が家の料理」が載っておりました。

ボイルド・フィッシュ

・熱湯にカレイの切り身を入れ、身崩れしないよう弱火で4〜5分茹でる

・引き揚げて塩、コショウをして、温めておいた皿に盛り付ける

・すぐにバターを乗せ、溶けたバターをソースとして食べる

 インタビュー記事から想像しながらレシピを起してみました。きわめて単純な「洋食」でありますが、ごてごてしたヨーロッパのソースをつけて食べるより日本人には合う味だと思われます。又、戦中戦後のことですからこのカレイとてどの程度の鮮度だったのか?わかりません。しかし仮に傷みかけていたとしても、熱湯で茹でてコショウとバターをかけてしまえば、魚の臭さもそう気にならなかったんではないでしょうか。「急なお客さんの時でもすぐ間に合うれうりです」と林芙美子さんは答えておりましたが、せっかちな人にはうってつけの「れうり」でしょう、なにせ下ごしらえの必要がないんですから。林芙美子さんがせっかちだったのかどうかはわかりませんが、このインタビューから3年後の昭和26年に亡くなっているんですね。
ボイルド・フィッシュ

2013年6月4日 冷蔵庫整理型チャプスイ――長崎堅焼きそばのとろみ餡のルーツ

2013年6月4日「上柳昌彦 ごごばん!」で紹介されたレシピです。

 長崎は今日も雨だったかどうかは知らないが、長崎名物、「堅焼きそば」の餡は今日もドロリンとした美味しさが漂うのでした。キャベツ、人参、ピーマンなどの野菜と豚肉、烏賊ゲソなどの具がいっぱい入った「餡」は八宝菜と並んでトロミ系お惣菜のチャンピオンですね。中華料理にはこの「餡」のようなトロミ系の物が多いのですが、今日のような形態になった大もとは、日本でも昭和初期に流行りはじめた「チャプスイ」であったと思われるのです。

冷蔵庫整理型チャプスイ

・材料は冷蔵庫内で賞味期限すれすれになりつつある食品を使う。

・豚肉、ハム、チクワ、カマボコ、ニンジン、ナス、キャベツ、シュウマイ、冷凍キョーザ、佃煮 etc

・これらの食材を薄切り、または細切りにする。

・中華鍋にごま油かラード、バターを敷き、火にかける。

・味付けは冷蔵庫のドアポケットで賞味期限を迎えつつある瓶入り調味料を使う。例えば、焼き肉のたれ、ポン酢、味噌ドレ、ケチャップ、ソース、etc

・少し濃いめの味を付けておき、最後に水どき片栗粉少量を流し込んでとろみを付ける。

【Chop suey (チャプスイ)】見た目は中華料理そのものですが、アメリカ生まれの中国料理……ということになっております。ベースとなったのはたぶん広東料理の「炒上雑酔」(チャオシャンズァーサイ)と思われます。李鴻章(清朝の政治家)が渡米した時に出されたアメリカ側の料理がお口に合わなかったので、それらをごちゃまぜにして炒め、とろみを付けたところ、お口に合ったらしい。

 それが19世紀末頃のことで、日本では昭和の初期、1930年頃から料理の本に登場してまいります。ただ、チャプスイという料理名は昭和40年代を最後に日本の料理本から姿を消してしまうのでした。
冷蔵庫整理型チャプスイ

2013年5月28日 野菜の天かす煮

2013年5月28日「上柳昌彦 ごごばん!」で紹介されたレシピです。

 古くから和食の世界では野菜類は「疏物(そぶつ)」、肉や魚類は「美物(びぶつ)」と呼ばれてきました。魚や家畜類は植物性のものを沢山食べて、その結果少しばかりの「肉を生み出す」わけですから、言ってしまえば植物の濃縮物みたいなもんですね。これは美味しくなって当たり前でしょう。疏物と呼ばれる野菜類に美物である肉や魚を加えれば疏物も美味しくなる……、この例が「肉入り野菜炒め」、「八宝菜」などですね。

 この「疏物」+「美物」=「美味しい」法則に従った賢い食べ方を、貧しかったころの日本人は天かすを使ってこんな風にやっていたんでした。

野菜+天かす=New精進料理

・中華鍋にもやし、千切りキャベツを入れ、その上に天かすをばらまき蓋をして中火にかける。

・時折鍋をゆすって5分くらい経ったら蓋を取り強火で水気を飛ばす。

・仕上げにウスターソースか中濃ソースをかけまわし焦げる寸前に火を止める。

・ねとねと落花生の1/4量のおろしわさびと少量の醤油を加えて混ぜ合わす。

・冷奴をこのタレにつけて食べる。

 肉も入れない、油も使わない、淡白極まりない……かのごとく見えるこの「野菜蒸し」が、天かす+ソースでもってこってり濃厚な【小麦粉生地の無いお好み焼き】風に仕上がるのでした。小麦粉の生地が無いからお腹にもたれない、だから野菜がたくさん食べられる。これぞ現代の「精進料理」ではないだろうか。

 レンコンやニンジンなどのがめ煮を作る時にも「肉」の代わりに天かすを使ってみると、これがまた何とも結構なお味なんですの。食文化界の生き字引といわれた「本山荻舟」先生の随筆にもこういった天かす入り野菜煮の話がありました。
野菜の天かす煮

2013年5月21日 冷奴は落花生わさび醤油で

2013年5月21日「上柳昌彦 ごごばん!」で紹介されたレシピです。

 蒸し暑い季節になりますと、酒飲ってぇ奴はコレガいやしいもんで御座いましてぇ、つべてぇやっこなんぞでキュッといっぱい……なんてことばかり朝から晩まで考えてんですな。木綿だろうと絹ごしだろうと構うこたぁございません、「つるんっ」とした白いお肌が恋しいんで御座います。

さてその冷奴も「おかかに刻み葱と醤油」なんてぇばかりじゃ「芸が無い」。ここはひとつ、落花生でもって一味違った冷奴をばお試しくださいまし。

落花生冷奴の作り方

・殻付き落花生20個の殻をむき、中の薄皮も剥く。

・すり鉢に入れてスリコギでつつくようにしてつぶす。

・潰れたらすりこ木ですって、ねとねとにする。

・ねとねと落花生の1/4量のおろしわさびと少量の醤油を加えて混ぜ合わす。

・冷奴をこのタレにつけて食べる。

 バターピーナッツだと油で揚げてるからべたつきます。すり鉢がなければ丼に入れ、しゃもじで押しつぶしてもできますが、ねとねとにはなりません。わさびの量はお好みですが、落花生のコッテリ感を引き締める役割なので必ず入れてくださいまし。

すり潰した落花生を冷奴に使いますと、まるで「ピーナッツ豆腐」のような味になります。本物のピーナッツ豆腐は落花生と葛粉で作りますのでちょいと違いますが、味の方はかなり似ているのです。
落花生わさび醤油

2013年5月14日 ちくわで蒲焼を!

2013年5月14日「上柳昌彦 ごごばん!」で紹介されたレシピです。

 ニッポンのウナギが激減したため「絶滅危惧種」にされた……とかで、「こりゃたまらん」と慌てふためいた商社マンは、フィリッピンからやや小ぶりの別種ウナギを輸入し始めたんですと。さばいて甘辛い蒲焼にしてしまえばワカランのだそうだ。2013年4月から店頭にも並ぶそうですが、そうまでしてウナギを食べないでも「よかろうもん」と思う僕でした。

ちくわで蒲焼を!

・焼きちくわを縦半分に切って5分ほど茹でる。

・竹輪の内側に縦に切れ目を入れる。

・その切れ目を押し広げるように押さえつけながら、竹輪2切れをウナギに見立てて竹串に刺す。

・多めの油を敷いて熱したフライパンで串刺しの竹輪を焼く。

・裏表焼いたら少し甘めの砂糖醤油を竹輪に2〜3度塗りながらこんがりと焼く。

・仕上げには必ず「粉山椒」を振りかけてウナギ偽装を施す。

 ひとまず「茹でる」というのがポイントですね。「茹でる」→竹輪が膨らむ・油で焼く→ますます膨らむ。こうしておいてから甘辛く味付けをしますと、竹輪がウナギに近づくのであります。甘辛いタレは塗らずに直接かけまわしてもだいじょうぶっ。ただしっ、その時は弱火でやらないと焦げますのでご注意!

 これは昭和33年、つまり1958年の本に紹介されていたものをもとにしましたが、昔から日本人はウナギ以外の蒲焼を食べていたんですね。と言うより、ウナギのかば焼きの方が特別なものでした。ゴボウ、サツマイモ……これら野菜系の蒲焼は精進料理ばかりではなく、一般のご家庭でもよく食べられていたんです。ちくわに限らず「魚肉ソーセージ」や「はんぺん」なんかも蒲焼にしますとなかなかイケるのでした。
ちくわで蒲焼を!

2013年5月7日 切干ダイコンのザーサイもどき

2013年5月7日「上柳昌彦 ごごばん!」で紹介されたレシピです。

 切干ダイコンと油揚げとニンジン……これらを醤油味で甘辛く煮付けますと、いかにも「お袋の味」って感じですね。これはこれで美味しいのですが、この切干ダイコンというものも、ちょいとひねってみると「中国四千年の味」っぽく変身するのであります。

搾菜もどきの作り方

・切干大根をぬるま湯に30分ばかり浸して戻しておく。

・切干を引き上げ、かるーく絞る。

・赤味噌の少し甘い物(八丁味噌など)、又は赤味噌+味醂と胡麻油で切干をあえる。

・辛いのが好きならば辣油を加える。

・このまま一日置いておくと味が浸みこみ、「ぴりり甘辛コリコリ」の搾菜もどきになる。

切干大根には「生干し」と一度茹でてから干した「茹で干し」がありますが、このレシピは「茹で干し」のものです。生干しの方でしたら水で30分間戻した後、熱湯で5分ばかり茹でてから使います。また、味噌の代わりに醤油を使ってもできますが、その時は卸しニンニク少し加えると、より「搾菜」っぽくなるのです。
切干ダイコンのザーサイもどき

2013年4月30日 豆乳クレープにイチゴとバナナを

2013年4月30日「上柳昌彦 ごごばん!」で紹介されたレシピです。

 昭和20年代の雑誌を見ていたらクレープのことを「クレップ」と表記しておりました。「おふらんすの薄焼き菓子…」だそうで。戦後は米不足だったが小麦粉はアメリカからたくさん入って来てましたから、下町の「がき」はもんじゃ焼き、山の手の「ぼっちゃま」はクレップだったんでしょうね。今日、原宿なんぞで少女たちが食べてるクレープは結構あま〜くなってるようですが、クレープそのものはあんまり甘くする必要はないんじゃないでしょか? だってクレープでくるくるっとあま〜いクリームなんぞを巻いちゃうんでしょ。だったらクレープの「生地」はちょっと甘いくらいでいいんじゃない?

豆乳クレープ、イチゴとバナナ入り

・篩(ふるい)にかけた小麦粉30gと豆乳90gを泡立て器で滑らかになるまでかきまぜる。

・薄く油をひいて熱したフライパンを、一度火を止めてからクレープ生地を、お玉一杯分広げるように流しこむ。

・最弱火で1分位焼くと、生地がフライパンからはがれやすくなるので裏返す。

・スライスして温めておいたバナナやイチゴをクレープに乗せ、くるくるっと巻く。

 小麦粉30gは大判クレープ1枚分です。クレープ生地自体を甘くしたいならばこの小麦粉に砂糖茶匙1杯を加えて下さいまし。フライパンに敷く油はサラダ油でもバターでも構いません。フライパンに生地を流し込むときは一度火を止めないと焦げやすくなります。

 バナナやイチゴの薄切りはフライパンで炒めておくか、電子レンジで温めておきますと、その甘さがすこぶる増加いたしまして、クレープ生地に砂糖が入ってなくてもまったく気になりません。豆乳でなく、牛乳でやっても問題ありませんが、九州、佐賀や福岡の「ふくゆたか」を使った豆乳が濃厚で旨いんですの。
豆乳クレープ

2013年4月23日 カブのあっさりムース

2013年4月23日「上柳昌彦 ごごばん!」で紹介されたレシピです。

 だまされたと思ってやってみたところ意外や意外! おおっと美味しかったのが「カブの天麩羅」だったんです。なんちゅうか〜「さくっ」として「ほこっ」といった感じ?なのよ。ま、それはともかく今回は茹でたカブで作る「ムース」なんですな。

カブのあっさりムース

・カブの皮を剥き、縦4つに切る。

・熱湯で10〜12分位茹でるとカブに箸が通るくらい柔らかくなる。

・引きあげたカブを小さく切り、庖丁のみね(側面のことね)でつぶす。もしすり鉢があればすって下さいまし。

・この段階で水が出てきましたら、かぁるく絞っておく。

・まるでおろし大根みたいになったカブに、その半量くらいの白味噌を加えてよくかき混ぜますと、これが「カブ味噌ムース」です。

・味噌のかわりに、すり潰したアボカドを加えて塩と砂糖で味付けをすると、「カブのディップソース」なんですね。

使い方としてはどちらもマヨネーズやドレッシングと同じようにお使いくださいまし。サラダにも湯豆腐にもよく合うし、カブ味噌の方はおにぎりやしゃぶしゃぶにもよろしい。アボカドのほうをパンに塗ったりしますと、まるでバターみたいなこってり感が広がるのです。

カブは大根同様、ほとんどが水分で構成されておりますが、いかんせん固形物でありますからご老人や介護の必要な摂食・嚥下障害の方には「たべにくい」食べ物だそうです。そんな時、こうしたムースでしたら誤嚥して気管に詰まらせたりする危険性が少なくなるんですね。まだ歯の生えていない赤ちゃんには「味噌・アボカド抜き」を、大人には「味噌・アボカド入り」を作って下さいまし。

おおっと〜先程剥きました「カブの皮」、こいつは細切りにしてからさっと塩もみするだけで「浅漬け」になり、おいらのお酒のおつまみになっちゃったりするんでした。
カブのあっさりムース

2013年4月16日 イワシの塩糠漬け焼き

2013年4月16日「上柳昌彦 ごごばん!」で紹介されたレシピです。

私の生まれ故郷、北九州市の郷土料理に「イワシの糠炊き」というものがあります。糠味噌漬けで使っている「糠床」を鍋に入れ、そこに丸ごとのイワシを入れてコトコト煮るんですな。乳酸発酵によるわずかな酸味と鷹の爪のピリッ!が効いていて、郷愁を誘う「ソウルフード」と言えましょう。しかしこの糠炊きというものは作るのに結構時間がかかってしまうのが「こまった」なのでして、せっかちな人には向かない料理なんですな。さ、そこで……物は相談だが、糠炊きに似たようなもんをチャチャッと作ってみようではありまっせんか?

イワシの塩糠漬け焼き

・真イワシの頭を「鞭打ち状」にちぎり、はらわたを出して水洗いする。

・腹腔内及び全体に塩をまぶす。

・塩の上に米糠をたっぷりまぶして容器に入れ、冷蔵庫で保存する。

・丸1日から食べられ、1週間位は冷蔵保存ができます。

・ガスグリルで焼く前に、糠を指で大雑把に拭き取ること。

・糠が焦げやすいので、弱火で表面がうっすら焦げそうになるくらいに焼く。

糠炊きの糠のように水分を含んでいないので、糠がイワシの水分を吸い取り、反対に糠の旨みをイワシにしみこませております。冷蔵庫がなかった時代には、米糠に濃い塩水を混ぜた中にイワシやトビウオなどを漬けこんで、何カ月も保存していたものでした。焼いた塩糠イワシにおろし大根をたっぷり乗せて食べるのもいいけど、「茹でてつぶした蕪」、言はば蕪ペーストみたいなのを乗っけて食べるのもウマイんですぞ〜 あ!蕪のペーストや蕪のムースはこの次にやりますから、今少しお待ちくださいまし。
イワシの塩糠漬け焼き

2013年4月9日 新玉ネギで「玉豚丼」

2013年4月9日「上柳昌彦 ごごばん!」で紹介されたレシピです。

 以前BSE問題が持ち上がった頃、牛肉に代わるものとして注目されたのが「豚丼」でありました。大手チェーン店では牛丼と同じように豚肉スライスを醤油、砂糖、ワインなどで煮込んだ「具」を丼飯にかけて提供しておりましたが、北海道で愛されてきた「豚丼」というのは作り方が違う。割合厚めに切った豚肉を甘辛いタレで焼肉のように焼いたのを丼飯に乗っけるんですね。つまり「汁が無い」から「つゆだく」はできないんですな。

この甘くもありしょっぱくもある豚丼を、シンプルな塩味で食べてみようではないか!ということで新玉ネギと岩塩を使った「玉豚丼」をやってみました。

玉豚丼の作り方

・やや厚めに(5o)スライスした豚ばら肉(一人80グラム)に岩塩を多めにまぶし、揉み込んでから10分間位置いておく。

・櫛形に切った新玉葱(一人1/2個)をフライパンに敷き、片栗粉をまぶしたばら肉をその上に並べる(肉がフライパンに触れぬよう、玉葱の上に広げる)。

・日本酒を30〜50CCフライパンに入れ、蓋をして中火にかける。

・蓋の隙間から蒸気が吹いてきたら約5分で出来上がり。

 玉ネギの水分含有量によって火にかける時間に違いが出ます。玉ネギの水分があるから焦げることはまずありませんが、強火は避けてください。また片栗粉をまぶした豚肉を並べる時、肉同士が重ならないようにするのもワインポイントです。

 仕上がった豚玉ネギは半透明の膜が掛かったような感じになっていて、プルンっとしております。やや濃いめにつけた塩味も幾分玉ネギの方に流れていまして、反対に玉ネギの甘味が肉に移っているんですね。これを玉ネギごとどんぶりめしにのせて、ドンと出してくださいまし。なお、味が薄い時やもっとあっさり食べたい時などには、レモン汁やポン酢がお勧めです。
新玉ネギで「玉豚丼」

2013年3月26日 マグロの角煮(お弁当用)

2013年3月26日「上柳昌彦 ごごばん!」で紹介されたレシピです。

 マグロはフツー刺身で食べたり照り焼きにして食べますな。煮魚にもしますがマグロって魚は傷むのが早い。つまり「作り置き惣菜」にはあまり向かない魚なんですね。そんなマグロの保存食と言えば、一番身近なところでは「ツナ缶」でしょうね。ま、これは塩茹でにして油と一緒に缶に詰めていまして「自分で作る」人はあまりいないでしょう。しかしこれが[マグロの角煮]となりますと、こいつはもうアナタ、日本人のお家芸=佃煮の世界ではありませんかっ。しかも、落涙せんばかりにお安い[マグロのアラ]でできちゃうのだから、「感極まる」のも仕方ありません。

さんしょうが角煮 の作り方

・マグロのアラを2p角位に切る。

・熱湯に入れ1分ほど茹でたらザルで水切りをする。

・ゴマ油を熱したフライパンでアラをサッと炒め、細切り針生姜と粉山椒を加える(弱火)。

・焦げぬよう3分ばかり炒めたら、塩少々とたっぷりの味醂を加え混ぜながら煮詰める。

・砂糖と醤油で味を付けてゆき、煮汁がほとんどなくなったらできあがり。

*茹でた粗は焦げやすいのでフライパンは必ず弱火で。下味は塩でつけておき後追いで醤油を。針生姜や粉山椒はお好みで。砂糖や醤油を多めにしてしっかり煮詰めて水分を飛ばしとけば日持ちも良くなります。

御弁当に入れたり下し大根と和えてお酒のおつまみにしたり……。マグロのアラには白くて硬い「筋」がある場合もありますが、加熱すれば筋も柔らかくなって気になりません。ただし、マグロのアラはそんなにたくさんは出ませんので、あまり遅い時間にスーパー、魚屋へ行ってもダメかも……。なお、「さんしょうが」って、山椒と生姜のことでした。
マグロの角煮

2013年3月19日 桜海老・しらす干しの変わりかき揚

2013年3月12日「上柳昌彦 ごごばん!」で紹介されたレシピです。

横須賀→かつての軍港→在日米軍→横須賀カレー・横須賀バーガーと、マスコミがよく取り上げる横須賀。もともとこの地は桜海老やしらすが有名だったんです。三浦半島から遠州にかけてはこれらが旨い。旨いが、「漁期」というものがあって、獲れたて→かまあげ、または生を何時でも食べられるというものではありません。

干した桜海老としらす干しで「変形天麩羅」を作る

・桜海老としらす干しは1対1で混ぜ合わせる。

・すりおろし蓮根とほぼ同量の小麦粉を混ぜ、生卵と少量の水で溶き合す。

・ここに桜海老としらす干しを加え、掻き混ぜたらお玉で掬い煮立った油に薄く流し入れる。

・途中でひっくり返し表面がややきつね色がかったところで引き上げ油を切る。

・あつあつに岩塩をつけて食べる。

*残ったら直火で炙り、御飯に乗せ岩塩を振って熱湯をかけると「てんちゃ」です。
桜海老・しらす干しの変わりかき揚

2013年3月12日 ピラフ・ド・鯖缶

2013年3月12日「上柳昌彦 ごごばん!」で紹介されたレシピです。

 写実的な女性画やバレリーナの絵を描いていた画家、木下孝則さんが「我が家の自慢」として紹介していた料理に「ピラフ・ド・クラブ」というのがありました。大正10年からフランス留学をしていただけあって当時としてはとてもハイカラな料理であります。

 手作りのホワイトソースにカレー粉、蟹缶、バターを入れたのを御飯にかけて食べるというものですがこれがなかなか結構な御味でして、蟹缶ならずとも鮭缶、鯖缶でできちゃうのでした。

ピラフ・ド・鯖缶?

1.鍋に牛乳720cc【360cc】を入れて沸かす。*【 】内は1/2量の場合

2.90cc【45cc】の小麦粉を180cc【90cc】の牛乳と水でどろっとするように溶かして、1の中に注ぎ込む。

3.弱火にかけて牛乳にとろみが付いたら55g【28g】のバターとカレー粉少々、塩少々、鯖缶(水煮)を加える。

4.最後に塩コショウで味を整える。

5.これを御飯にたっぷりかけて食べる。

 平成のニッポンジンは、ホワイトソースというとまずバターで小麦粉を炒めて……室温にしておいた牛乳を少しずつ加えて……みたいなことを考えてしまいがちですが、こんなやり方で十分なんですね。また別のやり方ですがバターと小麦粉を1対1で混ぜ合わせておき、それを沸かした牛乳に加えるというやり方もあるのです。木下画伯が留学した頃のフランスでも色々な方法でホワイトソースを作っていたんではないでしょうか。

 鯖缶は最初「水煮缶詰」を使いましたが、勇気を出して「味噌煮缶詰」でやりましたところ「ピラフ・ド・サバ・ジャポーネ」みたいなのが出来ました。正直言ってこっちの方がウマイ!のでした。
ピラフ・ド・鯖缶

2013年3月5日 ごま・ピーしるこ

2013年3月5日「上柳昌彦 ごごばん!」で紹介されたレシピです。

 平塚らいてう…雷鳥…あの「青鞜」のらいてうさんです。女性の地位確立など、女性運動の先駆者ですね。このらいてうさんのお勧めれうりが「ゴマしるこ」であると昭和20年代の雑誌『美しい暮しの手帖』に載っておりました。それによりますと……

 まずは強火で黒ゴマをパチパチはぜるように炒る。それをすり鉢で死ぬほどすりまくる。ゴマの油が出てきて表面が「オニキス」のような光沢を持つくらいまでする。そうしたら、そこにぬるま湯を少しずつ注いですり延ばす。鍋に移して弱火にかけ、黒砂糖と少量の塩で味を付ける。仕上げに水溶き片栗粉または葛粉を少量加えてとろみを付ける。こうしてできあがった「しるこ」にゆでた餅かぎゅうひのような柔らかな具を入れる。

 かいつまんで言うとこのようにして作るのですが、この通りにやろう!とすると「すり鉢、スリコギ」段階で大方の現代人たちは「まいった!」してしまうことでしょう。「オニキス」……つまり表面が大理石みたいな光沢を持つまですりまくるというのは肩、腰、腕が筋肉痛になる……ということでもあるのです。当のらいてうさんだってこの「ゴマすり作業」はおとこにやらせておったらしい。体力と根性に自信のない平成のおとこは「ごますり」を廃して、瓶に入ったすりゴマやピーナッツペーストを使うのでありました。

ゴマ・又は落花生のペースト代用の「ごま・ピーしるこ」の作り方(1人前)

・「ねりゴマ」「ピーナッツペースト」いずれかを15g、鍋に入れる。

・60〜80℃の湯150ccを加えて木べらで潰しながら弱火で加熱する。

・黒砂糖か蜂蜜3〜5gと、微量の塩を溶かし、仕上げに葛粉か片栗粉1gを微量の水で溶かして加える。

・水で戻した「手毬麩」を軽く絞って入れ、しるこに馴染ませる。

 練り胡麻やペーストを使うと本当に楽チンなのだ。フンフンッと、鼻歌交じりで作れてしまう。楽に作れるにもかかわらず味の方はすこぶる濃厚であります。小豆を使った普通のお汁粉に比べて、お腹にずしっと来るようなボリュームがありますから、餅を入れるよりライト感覚の「手毬麩」を入れた方が食べやすいのです。

 でもね……このお汁粉にね……ラム酒かブランデーをちらっと垂らしますとね……ぽんぽんぽかぽか、おつむりぽややぁん、実にいい気分になっちまうのでした、ふんふんっ♪〜

2013年2月26日 沖縄ナポリタン

2013年2月26日「上柳昌彦 ごごばん!」で紹介されたレシピです。

 一時下火になっていた「スパゲッティ・ナポリタン」が、昨今めきめきと盛りかえしているそうです。安くて量があって、ちょっと甘辛い懐かしい味が、リアルタイムのナポリタンを知らない若い世代の人たちにとって「新しい味」なんでしょうね。学生が茶店でダベりながら食べるナポリタン全盛期だった1970年代に大学生だった僕は、沖縄でいかにも沖縄……というテイストの「ウチナー・ナポリタン」を食べたのでした。

那覇の食堂で食べたウチナー・ナポリタン

・パスタ麺は指定のゆで時間よりやや短めに茹でる。

・フライパンにラード5p、刻みニンニク1個分、櫛形切の玉ネギ1/2個、細切りランチョンミート一つかみを入れてさっと炒める。

・固ゆで麺を加えて炒め、「これでもか!」位のケチャップで和える。

・仕上げにコーレーグースーを振りかける。

 これが1977年に那覇で食べたナポリタンでありました。ケチャップべたべたでラードこてこて……、その上タバスコなんぞが「砂糖水」にも思えるようなビリ辛コーレーグースーときておりました。これを食べた「島袋食堂」(だったと思う)のオバア曰く……「戦後やって来たアメリカーさんは何にでもケチャップをかけたがってサァ、ハインズの大きなケチャップ缶を闇でながしてくれるんサァ。それがあま〜いもんだからサァ、コーレーグースーかけて食べてたんサァ。」だったんですと。

*コーレーグースーの作り方=泡盛4合瓶の1合だけを取り出し、そこに赤唐辛子をぎゅうぎゅうに詰めて1カ月から2カ月間置いておく。
沖縄ナポリタン

2013年2月19日 玉ネギのカツレツ

2013年2月19日「上柳昌彦 ごごばん!」で紹介されたレシピです。

 2月初頭、愛知県の養父町(東海市)の農家の方が、新玉ネギをドーンと送って下さった。流石は新玉ネギだけありまして、薄切りにした物を水で晒すことなくそのまま食べても、甘味があってウマイ! 乱切りにしたのを圧搾法で絞った菜種油で炒めてみると、これがまたまたウマイ。どうやら新玉ネギ+油脂+塩味+加熱⇒すこぶるウマイ!という方程式があるようです。そんなことを考えていた時、フト以前読んだ戦前のレシピを思い出したのであります。「玉ネギのカツレツ」……お肉が配給制になっていた戦時中のレシピにあったんだ。串カツの[そえもの]としての玉ネギではなく、玉ネギ単体でトンカツに戦いを挑むという無謀極まりも無い一品でありましたが、これは玉ネギそのものの「品質の高さ」があってこその一品であったのではないだろうか?……と考えたんですな、あたしゃ。

玉ネギのカツレツ

1 皮を剥いた玉ネギの頭と根っこを薄く切り取る。

2 玉ネギを2pの輪切りにして塩・胡椒しておく。

3 すり下した山芋と同量の小麦粉に水を少し加えて練り、それを衣とする。

4 玉ネギの輪切りを崩さぬように衣につけ、パン粉を塗して油で揚げる。

5 180℃の油で2分位かけて表面がカリッとするように揚げる。

 カツレツの衣には普通卵を使いますが、昭和8年から13年頃の料理本には「玉子は手に入りにくくなってきたので、下した山芋で代用しませふ」と書いてありました。やってみますと卵の代用と言うよりはヘルシーでふわふわした新感覚の衣……といった感じでありました。輪切りにした玉ネギは「わっか」がばらけやすいのですが、山芋の衣を使いますとそっれが上手くくっついてばらけにくい、なかなかのアイデアですな。

 直径5〜7pの、一見フィレカツに見えないこともないタマネギカツにナイフを入れてみますってぇと、肉汁…ならぬ葱汁がジュッとこぼれてきましてこいつぁジューシーですなぁ〜。愛知名産の新玉ネギと下し山芋で玉ネギカツレツをご堪能してくださいまし。
玉ネギのカツレツ

2013年2月12日 あぶらげのすき焼き

2013年2月12日「上柳昌彦 ごごばん!」で紹介されたレシピです。

 平成の世で言う「すき焼き」って、(1)浅い鉄鍋で(2)薄切牛肉を牛脂で炒め、(3)砂糖と醤油で味を付け(4)白滝や白菜を加えて……煮立った奴を溶き卵につけて食べるものである――と多くの人が思っているようです。しかし、大正から昭和にかけてのすき焼きはもっとバラエティに富んだものであったのです。現在で言うところの鉄板焼きやバター焼きなども当時ではすき焼きの一種でした。いろいろあったスキヤキの中で何とも庶民的な物が「油揚げのすき焼き」だったのです。

あぶらげのすき焼き

・油揚げと大根をマッチ棒くらいの太さで5pに切る。

・ヘット(牛脂)かラード(豚脂)を溶かしたすき焼き鍋で炒める。

・大根の水分が出てきたら砂糖と醤油を入れて、普通のすき焼きみたいに炒め煮にする。

・大根がしんなりしてきたころが「食べどき」ですので、溶き卵をつけて食べる。

*薬味として粉山椒か七味を用いるとよろしい

あぶらげ(下町江戸っ子風の言い回し)と大根だけで、すき焼きとはいわねぇだろう……とは言わせません。いやはやこいつがなんとも旨いのです。酒のおつまみはさることながら、煮えたやつをぶっかけた御飯が実に旨いんですなぁ。ざく切りのみず菜を加えてもいいし、最後は残った溶き卵を掛け回してもいいんです。
あぶらげのすき焼き

2013年2月5日 里芋小芋のココア味噌餡

2013年2月5日「上柳昌彦 ごごばん!」で紹介されたレシピです。

 日本人の食生活の中で「いも」といえば、かつては里芋や山芋(大和芋)の事でした。江戸時代に薩摩芋が琉球⇒薩摩⇒江戸へと伝わり、コロンブスがアメリカ大陸からヨーロッパに持ち帰ったじゃが芋が日本に入ってきた。芋の世界においては薩摩芋やジャガイモに比べて里芋は明らかに「古参」芋なんであります。だから昔の料理で言うところの「イモ田楽」などに使っていたのは「里芋」である……と考えるのが妥当でありましょう。

 茹でた里芋にネットリトしたあまがらい練味噌を塗りつけた「里芋の味噌餡」は、昔からよく食べられていた料理であります。やや小さめの里芋=小芋を柔らかく茹でて、味醂で延ばした味噌を塗りつけたのをハフハフ言いながら食べる……何ともニッポンの原風景ですなぁ〜と、一人感傷に浸っておりましたらなんと!「ココア味噌餡」なるものが見つかったんですな。里芋…ココア…味噌餡…何やらブキミな気もする昭和12年のレシピなのです。

ココア餡の作り方

・片栗粉とココア粉を1:1で混ぜ合わせる。

・少量の水でゆるく溶く(好みで砂糖を加える)。

・鍋に里芋の茹で汁と味噌を入れ、2を加えて弱火で練る。

・ネットリしたら茹でた里芋にかける。

 「里芋小芋のココア味噌餡」と言うのが正式名称…だそうな。ココアを使うとチョコレートみたいになるような気がしましたが、やってみるとそうでもないんですね。名古屋でよく食べられる「八丁味噌」みたいな甘い田楽味噌って感じでした。それにココアの香ばしさがマッチしておりまして和洋折衷・いいじゃんっ……ですね。
里芋小芋のココア味噌餡

2013年1月29日 珍味柿酒で二日酔い退治!

2013年1月29日「上柳昌彦 ごごばん!」で紹介されたレシピです。

 お正月のお飾りに、串刺しにした干し柿を飾ったりしませんでしょうか? 鏡餅やのしイカと一緒に飾る干し柿って、最近では固すぎるから食べない人も増えたとか……。まぁ秋からずっと干していた干し柿ですから、カチンコチンの保存食になってんですね。しかし50年前のニホンジンはこのカチンカチン干し柿でこんな「飲料」を作って飲んでいたのです。それも「迎え酒代わり」として……。

珍味柿酒

・干し柿はできるだけ薄く切る。

・切った干し柿を鍋に入れヒタヒタまで焼酎を注ぐ。

・弱火で干し柿が柔らかくなるまで煮て裏漉しにかける。

・これを冷まして瓶な出で保存しておく。

・大匙1杯を180ccの熱湯で割り、好みで砂糖などの甘味料を加えて飲む。

 このレシピが載っていたのは1952年に出版された本でした。それによると【二日酔いの時、迎え酒の代わりに飲むと、奇妙に酔いがさめるなどといって、そのおいしさは甘党にも好かれます】と、書かれておりました。昔から酒を飲んだ後の柿は悪酔いを予防する……などと言われていましたが、たぶん柿に含まれるカテキンの効果によるものでしょうね。「迎え酒代わりに」というのは何とも乱暴なことでして、あまりお勧めはできませんね。まぁ火に掛けて煮詰めてますからアルコールは飛んじゃっていて、酔うことはないので、さぶい日のホットドリンクとして飲んでくださいまし。

▼写真は、グラスが柿酒、小さな容器が1カ月物、大容器が2日物の柿酒粕クリーム。
柿酒

2013年1月22日 御献立:ワカサギまたはハゼの「飴炊き」

2013年1月22日「上柳昌彦 ごごばん!」で紹介されたレシピです。

 長野県の佐久地方へ行くと、よく「鯉料理」を御馳走になる。水がきれいで気温が低いことが、鯉をおいしく育てるのに適しているんだとか……。夏なら「鯉の洗い」、冬場は「鯉こく」と言ったところでしょうが、年間を通して美味なのが「鯉の飴炊き」であります。鯉の筒切りを塩味と水飴とでじっくり煮つけたものですね。こうすると硬ーい骨やウロコまでもが柔らかくなって食べやすいのです。この「飴炊き」なる料理法を応用したのがワカサギの飴炊きなのであります。

ワカサギ飴炊きは一度焼いてから……!

・生のワカサギに薄塩を振って、1時間置いておく。

・ガスグリルで焦げ目がつくように焼く。

・フライパンに酒、みりん、蜂蜜をほどよく入れ、焼いたわかさぎを煮る。

・弱火でフライパンをゆするようにして煮詰める。

・煮汁がネットリトして焦げる寸前で火を止める。

 こうしてトコトン煮詰めたワカサギは、表面がテカテカに光り、硬かった骨までもが柔らかく食べられるようになっております。これはワカサギに限ったことではなく、ハゼやうるめイワシなんかでもできるのです。ハゼの場合は塩焼きにするか、唐揚げにしてから、蜂蜜で煮詰めるとよろしい。うるめイワシの干したもので行う場合は、2時間ほど水で戻してから、焼くか油で揚げるかしてから蜂蜜で煮ます。
ワカサギの飴炊き

2013年1月15日 迷宮の「玉子からすみ」

2013年1月15日「上柳昌彦 ごごばん!」で紹介されたレシピです。

 からすみは、鯔(ボラ)の卵を塩漬けにした後、唐の国の墨の形に形成して日干しにしたものです。唐(カラ)の墨(スミ)の形に似ているから「からすみ」……なんだとか。

 ボラそのものは安価ではあるが、作るのに手間暇のかかるからすみはけっこう高価な食べものですから「珍味」ともてはやされ、ちょいと手が出せません。しかしっ! 昔のニッポン人は偉かった。なんと鶏卵でニセからすみを作っておったんでした。

(秘)偽からすみの作り方

・タッパーに塩を敷き詰める。塩にくぼみをつけ、そこに卵の黄身を割れないようにそっと落とす。

・24時間たったら、黄身を塩から取り上げ、清潔な容器に移して涼しい所で保存。

・1週間ぐらいたったら黄身をまないたに載せ、包丁でつぶして、いわゆる「からすみ」の形に形成する。

・食べる時は包丁で薄く切って、カナッペにしたり、下ろしがねですりおろしてホウレンソウ和えものなどに使う。

 こうしてできたチャプスイをそのまま食べるのもアリ、御飯にかけて食べるのもアリ、また、パンと一緒に食べるのもアリなのです。また、チャプスイにマカロニやすいとんみたいな小麦粉団子を入れれば主食も兼ねたものになるんですな。

 昭和8年頃の料理本に載っていましたが、紹介していたのは今日で言う保険所の所長さんでして、かなり高名な栄養学者だったようです。「滋養によいので病人の養生食に向いている」んだとか……。味の方はというと、まず、しょっぱい! しかし玉子臭さはしない。ある意味、本物のからすみよりも癖が無いぶん食べやすい。まぁどちらも「玉子」でありますから、似ていると言えば似ていてもおかしくはありませんが……。
チャプスイ

2013年1月8日 チャプスイ――リサイクル料理は庶民の味

2013年1月8日「上柳昌彦 ごごばん!」で紹介されたレシピです。

 アメリカっていう国は世界中からいろいろな人びとが集まってきてできた国でしたから、その料理も万国博覧会なみに集まって来たんでした。そこには当然中国人もいた。食べることに関しては世界一ともいわれる中国人ですから、世界のどこに行っても「おいしいもの」を作っていたんですね。アメリカで誕生したと言われている「チャプスイ」もその一つでして、手に入る食材を細かく切って油で炒め、それをスープで煮込んで水どき片栗粉でとろみを付ける……という料理なんですの。

お正月明けの和風チャプスイ

・材料:おせちなど、正月料理の残り物、和風出汁、片栗粉。

・ハム、煮物のニンジン・サトイモ・レンコン・豆など、玉子焼き、カズノコ、昆布巻き、銀杏――これらの材料を1p位に切って鍋に入れ、ヒタヒタくらいまで和風出汁を加える。

・塩か醤油で味を整える。

・沸騰してきたら弱火にして、水溶き片栗粉を回し入れてかき混ぜるととろみがつく。

 こうしてできたチャプスイをそのまま食べるのもアリ、御飯にかけて食べるのもアリ、また、パンと一緒に食べるのもアリなのです。また、チャプスイにマカロニやすいとんみたいな小麦粉団子を入れれば主食も兼ねたものになるんですな。

 そういう意味で言うとチャプスイみたいな食べものは世界中にありますなぁ。「ありあわせの食材を細かく切ってスープで煮込み、最後にとろみを付ける……」この定義に当てはまる食べものなら「チャプスイ風」と呼んでいいのではないでしょうか?

 八宝菜、治部煮、カレー、ポークビーンズ、ジャンバラヤ……いずれも、手軽に作れて、とろっとしていて、御飯やパンにからめやすい、実に庶民的な料理であります。貴族好みの宮廷料理の対極にある「下々の日常食」なんですね。
チャプスイ

2012年12月25日 ボイルド・チキンロール(耶蘇生誕祭)

2012年12月25日「上柳昌彦 ごごばん!」で紹介されたレシピです。

 年末です。そしてクリスマスです。明治時代の料理本にはクリスマスのことを「耶蘇生誕祭」と書いてありました。そして食べる料理は野生の七面鳥やツグミなどの「鳥料理」が多いのです。牛肉や豚肉はほとんど使わず鳥や海亀、ロブスターなんぞを食べてたようであります。

ボイルドチキンロール

・鶏のもも肉を俎板の上に広げ、やや多めの塩、コショウをする。

・肉の中心に刻んだニンニク(一カケ分)を横一文字状に並べる。

・海苔巻鮨を作る要領でもも肉をくるくるっと巻く。

・タコ糸で巻いたモモ肉がほどけぬようしっかりと縛り、ヒタヒタの水と共に鍋に入れ火にかける。

・沸騰したら弱火で10分間茹で、火を止めてからそのまま冷めるまで置いておく。完全に冷えるまでに味が自然と馴染みますから、タコ糸をほどいて薄切りにする。

*クリスマスやお正月のオードブルなんぞに使え、また保存性もいいお惣菜であります。

 刻みニンニクと塩味が全体に行き届いておりますので、そのままでドーゾ。
チキンロール

2012年12月18日 カレー煎餅汁(南部煎餅汁もどき)

2012年12月18日「上柳昌彦 ごごばん!」で紹介されたレシピです。

 2012年のB−1グランプリではついに岩手県の「煎餅汁」がトップに立ちました。これまで何度チャレンジしても入賞どまりでしたから苦節○年……といったところです。

 さて、この南部煎餅汁というものは、キノコなどの東北野菜を醤油味で煮た煮汁の中に、薄焼きの南部煎餅を割って入れた「センベイヌードル」なんですね。キノコやゴボウ、ニンジンなどの素朴な味わいに、煮汁に入れた煎餅が麺の代わりになる東北のソウルフードであります。その素朴な東北ソウルフードをエスニック風にしてみますと、これがまたインド風ソウルフードに変身してしまうのでありました。

カレー煎餅汁

・キノコ⇒しめじ、舞茸、エノキダケ、椎茸、etc……これらをほぐして半日間室内干しにする。

・タマネギ⇒薄い櫛形に切り、ほぐして半日間室内干しにする。

・干しておいたキノコとタマネギを鍋に入れ、どんぶり1杯分の水を張って火に掛ける。

・刻んだネギと南部煎餅(無ければ醤油味でない堅焼き煎餅)を半分に割って入れて、できあがり。

*煎餅を煮汁に入れるとすぐにふやけてくるので、食べる寸前に入れるのが望ましい。キノコとタマネギは半日の室内干しでウマミとアマミが著しく増加いたします。だから一煮立ちさせるだけでいい出汁が出ますから、昆布や煮干しなどを入れなくても十分に旨いのです。
カレー煎餅汁

2012年12月11日 沖縄の「ジューシー」(炊き込みご飯)

2012年12月11日「上柳昌彦 ごごばん!」で紹介されたレシピです。

 沖縄の伝統料理に「ジューシー」というのがあります。米を炊くときに米とは別の食材を加え、水ではなく出し汁で炊き上げた一種の「炊き込みご飯」のことです。例えば米とフーチバー(ヨモギ)を鰹節の出汁で炊き上げると「フーチバージューシー」となるわけですな。

豚肉を使ったジューシー風炊き込みご飯

・米はといで水に浸しておく

・カマボコ、ニンジン、レンコン、ゴボウ、ハムまたはベーコン、焼豚などを5o角位の細か切りにする。*ハム、ベーコン、焼豚、の代わりに挽肉を使っても可。

・鰹節と昆布で取った出汁を使って米と具材を炊く。*肉の茹で汁や魚の煮汁、鍋物の残り汁などを出汁代わりに使っても可

 冷蔵庫がなかったころ、豚肉はたっぷりの塩で漬けこんで保存していましたので、使う時は2〜3日かけて水で塩抜きしておりました。塩抜き後に一度茹でますが、その茹で汁を出汁代わりにして炊くこともあったようです。

 このような炊き込みご飯にしますと、少ない豚肉を大人数でわけて食べられる……という「暮らしの知恵」があったんですね。少ない豚肉を補うものとして、炊き始める時に小さく切った豚の脂身⇒豚脂⇒ラードを加えておりました。これが入りますと米の炊きあがりがツヤツヤしてくるのと、味にコクが出るという「+アルファ―」があるのです。

 この先、年末を控えて何かと忙しくなりましょうが、そんな時にこの炊き込みご飯がお役にたつと思います。
沖縄の「ジューシー」

2012年12月4日 柿餅――埼玉県の古い郷土料理

2012年12月4日「上柳昌彦 ごごばん!」で紹介されたレシピです。

 かき餅といえば、お正月の鏡餅を薄く切って天日干しにしたもののことを指します。ま、これがフツーでして日本の常識ですわな。しかし、果物の柿を使った柿餅というのが、昔の郷土食の中にあったんです。

・とろとろにまで熟した熟柿のへたと皮と種を取り除き、実を潰します。

・熟柿1個に対して50gの麦焦がしを加えてよーくねりねりする。

・これを棒状にまとめて2〜3日置いておく。

・するとパサついてた麦焦がしに熟柿の水分が行き届いて[もちっ]とした感じの餅もどきになるんですね。

 これが柿餅というものでして全国各地で食べられていたそうですが、麦の産地であった埼玉県地方では特によく食べられていたとか。

 麦焦がしは裸麦を焙煎して粉に挽いたものでして、「はったいこ」とか「香煎」とも呼ばれています。大豆を焙煎して粉に挽けば「黄粉」だし、そのほかにトウモロコシなどでも香煎は作られ、世界各地で食べられております。

 しかし、香煎そのままで食べるには、粉っぽくてゴホゴホッとむせ返してしまうし、ほとんど味が無い。だからトロトロに熟して水分たっぷり、甘さたっぷりの熟柿と混ぜて食べていたのではないでしょうか?

 柿1個に香煎50g位が、程よい甘さとねっとり感でよろしいようでした。
柿餅

2012年11月27日 ソース肉じゃが

2012年11月27日「上柳昌彦 ごごばん!」で紹介されたレシピです。

 肉じゃがといえば、故郷のおふくろの味? いやいや、やっぱ、呑み屋の女将の味でしょうね。醤油と味醂と出汁で甘辛く煮た「肉じゃが」は、さぶーいこれからの季節にぴったりであります。そのニッポンの味、肉じゃがをソース味でやってしまいませう。

・2p角切のジャガイモと櫛形に切ったタマネギと牛肉のコマ切れを、ヘットを溶かした鍋に入れて中火で炒める。

・ジャヤガイモの表面に薄く色が付いたら、ここで中濃ソースをタップリ加える。

・弱火にして焦げないようにかき混ぜながら4〜5分炒め、そこに出汁か水をひたひたまで注ぐ。

・蓋をして弱火で10分弱煮たらできあがり。

 肉じゃがって、そもそも英国のビーフシチューを日本風にアレンジしたものだと言われています。ってことはだよ、醤油と味醂では無く、鹽、トマトソース、ウスターソースなどで味付けすれば「先祖がえり」しちゃうのではないだろうか? そう考えた「迷宮料理探偵団」は中濃ソースでやってみたんでした。

 ニッポンの肉じゃがっぽくするには、なんてったって「オタフクソース」ですな。ビーフシチューのようでビーフシチューで無い、言ってしまうと「ハイカラ肉じゃが」ですな。
ソース肉じゃが

2012年11月20日 青魚のミカンじめ

2012年11月20日「上柳昌彦 ごごばん!」で紹介されたレシピです。

私の生家は大正七年創業の料理屋でしたから、お節の時期になりますと「このしろ」の酢ジメを良く作っていたものです。三枚に下ろしたこのしろに塩をあて、それを酢で〆る。これは日持ちがいいのでお節なんかにぴったしなんですな。

その酢〆めを、イワシやアジとミカンでやってみたんでした。

・イワシかアジを三枚に下ろし、たっぷりと塩を振って6時間おいておく。

・ミカン2〜3個を絞った汁をタッパーに入れ、そこに塩じめした魚を浸す。

・生っぽいお刺しみで食べるなら、30分位で引き上げて包丁で切る。

・サラダ、カルパッチョなどにするなら、半日から一日漬けたままにする。
青魚のミカンじめ

2012年11月13日 鯛のあら炊き茶漬け・東郷青児

2012年11月13日「上柳昌彦 ごごばん!」で紹介されたレシピです。

 東郷青児である。あの、洋画家の、おフランス帰りの、元祖ハイカラアーチストの東郷青児です。おフランス帰りだけのことはありまして、朝はリンゴと牛乳のジュースとか、牛肉とトマトの煮たものとかが中心だったようですが、ドッコイ「しめ」はやっぱり「お茶漬け」なんですな。とはいへ、そこはそれ、ハイカラさんゆえにフツーのお茶漬けではありまっせんの。

お茶漬けも 鯛のあら炊き

・鯛の頭、中骨などの所謂「アラ」を買って来る。

・鍋に水、みりん、塩、醤油を入れて煮立たせ、そこによく洗ったアラを入れる。

・再び煮立ったら弱火にして2〜3分煮たら火を止めて蓋をする。

・完全に冷ましてから、アラから鯛の身を削ぎ取る。

・削ぎ取った身を御飯の上に乗せ、アツアツのお茶を注ぐ。

お茶漬けに使うため、通常のアラ煮よりもややしょっぱく味付けすることがポイントです。また、醤油より塩味を優先した方がお茶漬けには合うようでした。あらの部位としては、鯛の頭のほほ肉が最高でありましょう。
鯛あら茶漬け

2012年11月6日 イモフライは栃木のソウルフード

2012年11月6日「上柳昌彦 ごごばん!」で紹介されたレシピです。

 B−1グランプリ、北九州大会のグランプリに輝いたのは「八戸せんべい汁」でした。このB−1が始まって以来、ローカルグルメが注目されるようになってきましたが、では、栃木県と言えば……? 大方の人は「餃子」と答えるのでしょう。しかし! 1975年に宇都宮大学に入学した私には、栃木の餃子の歴史は割と新しい物のように思えるのです。1975年当時、宇都宮餃子の店と言えば「みんみん」と「まさし」の二大看板くらいで、行列なんざ見たことも無かった。それに引き換え、「イモフライ」の方は栃木市界隈を中心として、大阪の「たこやきや」のごとく街中にたくさんあったんです。

イモフライ、または「ポテトフライ」

・皮を剥いたじゃが芋を4分の一か6分の一に切って茹でる。

・ザルで水を切り、水どき小麦粉⇒パン粉のころもをつけて油で揚げる。

・揚げたてのコロコロを紙袋に入れてもらって「テイクアウト」、または3〜4個を串に刺して「歩き食べ」。食べる時はソースをたっぷりかける。

 何ということもないただの「あげ芋」ですが、これが「おやつ」にも晩御飯の「おかず」にもなるのです。歴史も古く戦前からあったそうだ。繊維関連の工場が桐生、足利、栃木市あたりに多かった頃、お腹を空かせた工員さんたちが安く腹いっぱい食べられるものを……と、広まっていったらしい。まぁ、B―1グランプリで優勝するような「ほっぺが落ちる」美味しさ……ではないんですが、なんとなぁく「あると安心?」するような食べ飽きしないローカル食と言えましょう。ローカルグルメとかグランプリとかとは無縁の、あくまでもソウルフードなんでしょね。
イモフライ

2012年10月30日 鯨ベーコンの味噌汁

2012年10月30日「上柳昌彦 ごごばん!」で紹介されたレシピです。

1945年、終戦当時、日本は食糧不足の真っただ中でした。欠乏しがちなたんぱく質を補うために、GHQは急遽日本の南氷洋捕鯨開始を認めたのでした。日本人は欧米人と違って鯨の皮や骨まで食べたり肥料に利用してきたんでした。その頃あの魯山人も「鯨のベーコンの味噌汁は旨いではないか!」と言っていたのでした。

鯨ベーコン味噌汁

・なべに水と昆布とささがきゴボウを入れて火に掛け、沸騰したら酒少々。

・ゴボウが煮えた頃、薄切りベーコンを細切りにして入れる。

・細かく切ったネギを入れたら、味噌を溶く。【ベーコンの塩味を考えて】

味噌汁には、普通は昆布と煮干しとか削り節を入れますが、ベーコンがあればそれらはいらない。そのまま食べると油っぽいベーコンも、ネギやゴボウと共に味噌汁にすると意外とあっさり食べられるんですね。ついでに言うと「トン汁」の豚肉代わりに鯨ベーコンを使うと、何とも言えぬ乙な味噌汁でして、焼酎のお湯割りや丼飯なんぞにもいいのです。
鯨ベーコンの味噌汁

2012年10月23日 ナスのバターソテー

2012年10月23日「上柳昌彦 ごごばん!」で紹介されたレシピです。

 秋茄子は嫁が寝てから食べろとかなんとか……は知りませんが、出来のいい茄子などはフライパンでただ焼くだけでもすこぶるウマイのです。いつも特別な栽培方法の野菜を下さる「杉正農園」さんの茄子をバターで焼いてみました。

フライパン・バター焼き

・2p厚の輪切りにした茄子をバターを溶かしたフライパンに並べ、蓋をして中火で焼く。

・薄く焦げ目が着いたら裏返して焼く。

・バターの塩味だけではもの足りない時は、醤油か塩で味加減をする。

茄子だけではないのです。1p厚の輪切りにしたカブも、同じようにしてバター焼きにすると「漬物」とはまた違った「カブ」を味わえますの。こちらはレモン汁+塩……ってとこですか。
ナスのバターソテー

2012年10月16日 サンマ腹身のムニエル

2012年10月16日「上柳昌彦 ごごばん!」で紹介されたレシピです。

今年の秋刀魚(サンマ)も、もうそろそろ「食べ納め」頃となってまいりました。秋刀魚と言えば「もちろん塩焼きさっ」と言いたいところですが、昨今では刺身で食べられるような鮮度のいいのが手に入りますから、生で食べる方も多くなってまいりました。

秋刀魚を生で食べる場合、まず頭を切り取ります。次にはらわたを取るのですが、生食する場合は腹の身の「骨」が邪魔なんですね。そこではらわたと腹の身を一緒に切り取ってしまいましょ。腹の身を切り取った後の秋刀魚を3枚に下ろすと 腹骨が無いから皮を剥くだけで刺身用になるのです。今回ご紹介するのはここで切り落とした「腹の身」を使った脂コッテリのサワームニエルで御座います。

・切り取った秋刀魚の腹身に塩を振り、6時間置いておく。

・次に酢に浸す。これは短ければ1時間、長ければ2日間でもよろしい。

・酢から引き上げたら小麦粉をまぶしてフライパンで油焼きにする。

・中火で裏表ともに焼くと秋刀魚の身が薄いだけにパリッと焼きあがる。

秋刀魚の腹身に残っている腹骨も塩と酢で柔らかくなっており しかもそれを焼いているから骨まで難なく食べられるのです。マグロは大トロが旨い!と誰もが知ってるようだけど、秋刀魚の大トロにはなかなか気が付かんようですな。実はこの「腹身」こそが秋刀魚の大トロなのです。
サンマ腹身のムニエル

2012年10月9日 柿の薄葛衣和え

2012年10月9日「上柳昌彦 ごごばん!」で紹介されたレシピです。

砂糖が日常的に使われるようになる前、甘い食べ物の代表とされていたのが柿で御座いましょう。品種改良が進んだ今日の柿ほどは甘くなかったにせよ、ほかに甘い物が無かった時代においては、柿こそ「スイーツ」だったのでしょうね。

昭和15年の料理本に出ておりましたのがこの「柿の薄衣和へ」です。

・甘く熟した次郎柿を櫛形に切って皮を剥き、10分ほど塩水に漬けておく。

・大和芋をおろしてよく摺り、少量の葛粉を煮出汁で溶いて加え、酒・砂糖・塩でほんのりとした味付けをし、とろ火で練り上げ、淡いとろっとしたころもを作って、冷めてから和える。

ただこれだけのことなんですが、この山芋でできた「トロッ」が実に宜しい。まるでホイップクリームのような、マシュマロのような、スフレのような……。

冒頭に「甘く熟した」とありますが、あまり熟しすぎると柿の実が崩れてしまいますのでそこはそれ、ほどほどになさいませ。また、大和芋は文字通りの「大和芋」がネットリとしてうまくできます。砂地で栽培したまっすぐな山芋だと、ちょっと水っぽくなってしまいますのでご用心。
柿の薄葛衣和え

2012年10月2日 荏胡麻味噌

2012年10月2日「上柳昌彦 ごごばん!」で紹介されたレシピです。

五平餅とか串団子にべっとりと塗った「ごまみそ」って、どことなく懐かしげな気分にさせてくれますね。素朴を絵にかいたような、ニッポンの田舎の原風景とでもいうのでしょうか……。このドロリとした練味噌の正体は「胡麻味噌」と言っても、ふつうの胡麻では無かったんですな。かつては……。「胡麻」とは名ばかりのゴマでして、正しくは「荏胡麻(エゴマ)」だったんです。胡麻はゴマ科の1年草ですが、荏胡麻の方はシソ科の1年草でして、まーったくの別物なんです。この荏胡麻の種子を炒ってすり鉢ですったのに、味噌や味醂、砂糖などを加えてドロリンとさせたのが、餅や団子に使われていた「ごまみそ」でありました。最近では雑穀ブームでもって、オーガニック店などで売っております。

荏胡麻味噌

・フライパンに荏胡麻50cc位を入れ、弱火で5分ばかり炒る。

・すり鉢ですったら、その荏胡麻と同量位の味噌と味醂を加えてさらにする。

・甘さを増やすなら砂糖を、ゆるくしたいなら水を加える。

これが胡麻味噌の基本形でして、これに好みで唐辛子や粉山椒等を加えてください。ゆでたホウエンソウをあえたり 茹でたイモ(どんなイモでも)に塗ったり、餅や団子に塗って食べるのです。

菜の花や大豆、米などから油をつくるようになる前は、「かやの実」「えごま」などから採る油が日本人の使う植物性油でした。しかし、効率が悪いうえに、空気に触れるとパリパリに固まってしまう荏胡麻油はだんだん使われなくなってきたんですが、昨今健康面で見直されてきております。荏胡麻油に多いα―リノレン酸が、心疾患になりにくい油であるということを証明するデータが認められるようになってきたんですね。魚に多いEPAやDHA同様、血栓を作りにくいのがα―リノレン酸だったんですと。昔のニッポン人はそんなこと考えもせずに、荏胡麻を使った胡麻味噌で血栓の予防をしていたんですね。
荏胡麻味噌

2012年9月25日 ソフト麺&カレー汁

2012年9月25日「上柳昌彦 ごごばん!」で紹介されたレシピです。

昭和40年代の小学校の給食で 結構人気のあったメニューがこのソフト麺。その麺はというと、アルデンテを二駅も三駅も通り過ぎてしまったような伸びきったうどん風パスタ麺。カレーとて煮過ぎてくたくたになった人参やジャガイモ、溶けて消えゆく寸前の玉葱、そして有るか無いか定かでない肉らしき物が カレー風味のさらりとした塩味煮汁……ってとこでした。麺にしてもカレーにしてもそれは「一味もふた味も足りない」代物でありました。

●ソフト麺

@スパゲティの乾麺を指定された茹で時間より1分長く茹でる。

A火を止め、蓋をしめたまま1分程経ったら、ザルで水切り。

一応、これで出来上がり! あとは食べる時にラップごと電子レンジ温めて食べます。

●カレー汁

@1.5cm角に切った人参、じゃがいも、くし型玉ねぎ、2cm切の豚バラ肉をサラダ油で炒め、途中で塩胡椒を。玉ねぎに薄く色が付いたら水を差す。

Aひたひたまで注いだ水で20分ほど、蓋をして煮詰める。

B小麦粉大さじ1杯、カレー粉小さじ1杯、水100ccを溶き入れる。

C中濃ソースを数滴くわえ、最後は塩で味を調える。

伸びきってしまったパスタ……と言うよりは、スパゲッチーの方がピンとくるような麺。油っ気の無いさらりとした、お吸い物のようなカレー汁。咀嚼弱者であるお年寄りのために作られたようなものを昭和の子供たちは給食で食べておったのです。
ソフト麺&カレー汁

2012年9月18日 里芋きなこおはぎ

2012年9月18日「上柳昌彦 ごごばん!」で紹介されたレシピです。

大正14年といえば関東大震災の2年後ですが、その頃出版された『365日、毎日のお惣菜』という本に、「里芋のお萩」なる「れうり」が紹介されておりました。お萩→普通は糯米でたいた御飯で作りますが、粘り気の少ない安価なコメでも美味しく作れる……というのが「売り」なんだそうだ。その当時の「安価なコメ」というのは東南アジアや朝鮮などから輸入したコメのことで、話によると非常にパサついていたらしい。今日の日本人に説明するには、「タイ米」を引き合いに出すのが分かりやすいかもしれない。要するに粘り気の少ないパサついた米を糯米のように炊く方法…って訳だ。

・まず、米を研いだら普通よりやや多めの水加減にする。皮を剥いた里芋を小さく切って、米1合に対し。里芋2分の1個の割合で加えて炊飯する。

・炊き上がったらしゃもじで里芋を潰すようにかき混ぜる。これを平餅型とか小判型とか俵型に丸め、その周りに餡子をネットリと塗りつけるんですな。

今の時代に何もわざわざ……という気もしないではないのですが、やってみたくなるのが人情ってやつでして、やりました。

不思議なもんで、まさに糯米のお萩でございます。里芋がまるで「つなぎ」の役割を果たしておりまして、うるち米とは思えませんの。ま、あたしのばやい、あまーい餡子より甘さ控えめの黄粉の方が好みだったんで、「黄粉お萩」にいたしましたが……。

・炊き上がった里芋御飯をしゃもじでとことん潰し、それをゴルフボール大に丸めます。(手に水を付けて丸める)

・油を敷いたフライパンでころがしながら焦げ目がつく程度に焼き、最後に砂糖醤油を絡めてできあがり!

3個ばかり串刺しにして食べますと、どことなく弥次さん喜多さん東海道中膝栗毛の世界ですな。
お萩

2012年9月11日 モーリョ

2012年9月11日「上柳昌彦 ごごばん!」で紹介されたレシピです。

 肉食系……というのは「肉を好んで食べる人」のことを言うのか? それとも肉食動物的な「攻撃的な人」のことを言うのか? ようわからん。ようわからんがワシらが肉を食べる時には肉ばっかりではなく、少しは野菜も食べんと胸やけもしかねません。牛肉をワシらの何倍も食べてる南米の人たちは、肉を食べる時に「モーリョ」と呼ばれる酸っぱいソースをかけた野菜を食べているんですね。

ニッポンジンのオクラモーリョ

・オクラ、玉葱、ピーマン、パプリカ、トマト、これらを5o位の微塵切りにして、レモン汁をタップリと塩で味付けをする。

これだけの実に単純な料理ですがこれが肉料理にとてもよく合うのです。肉で膨れたお腹が、あっさりしたレモン酢のきりっとした味で洗われた感じになるのです。オクラを使うところが日本的ですが、かき混ぜなければ糸を引くこともありませんから、「納豆風」になることも無い。レモンが無いときは普通の酢を使っても構いません。
モーリョ

2012年9月4日 残ったハーブをペーストに

2012年9月4日「上柳昌彦 ごごばん!」で紹介されたレシピです。

 近ごろではバジルやミントなどのハーブをスーパーでよく見かけます。サラダやパスタなどに使う人が多くなってきましたね。そのハーブですが、買ってきても一パック使いきれなくて残ってしまうことも多いのではないでしょうか? そんなとき「オイル塩漬け」にしておくとこれが便利なのです。

 バジル、シソなどの葉が残りましたら、さっと水洗いをした後、水気を拭き取って半日ほど陰干しにします。次に包丁でできるだけ小さな微塵切りに刻みます。ハーブの葉っぱ20枚につき塩2〜3gを加えてよくまず合わせ、小さな瓶にぎゅうぎゅうに詰め込む。そこにオリーブオイルをヒタヒタまで流し込んでふたを閉め、冷蔵庫で保存します。

■使い方

・サラダやパスタにまぶして使う

・焼き野菜(ナス、ズッキーニなど)に塗る

・チーズやクラッカーに塗る

・おにぎりの芯に使う

*塩とオイルが入っているので傷みにくいのですが 長持ちさせるためには、(1)できるだけ空気に触れさせない事。→小さな瓶に入れるのはそのためです。(2)必要なだけきれいなスプーンで瓶から取り出したら すぐに蓋をして冷蔵庫に。――これらを守って下さいまし。
残ったハーブをペーストに

2012年8月28日 大吟醸クリームチーズ

2012年8月28日「上柳昌彦 ごごばん!」で紹介されたレシピです。

 酒粕の「旬」ってご存知でしょうか? 酒造りはだいたい10月から翌年の3月頃まで行われまして、その時に酒を絞ったかすが「酒粕」なんですね。ということは3月までの冬場にできる酒が新酒であって、そこで絞られた後の粕が「新酒粕」であります。“が”、それは新酒粕ということでして、必ずしも酒粕の「旬」とは言い切れませんの。

搾りたての酒粕は酒のいい香りがしまして、まさに「フレッシュ」ではありますが、料理に使うにはまだまだ旨みが熟成されておりません。この新酒粕を低温保存し、ひと夏を越したものが、熟成された「練り粕」になるんですね。雪のように白い肌の新酒粕と違い、練り粕はやや黄色がかった白い色をしています。このひと夏越した練り粕が漬物や粕漬けに適した酒粕なんですの。搾りたての粕は少し硬いのですが、練り粕になりますとクリームのように柔らかくなっております。この練り粕を使って大吟クリームチーズを作ってみました。

・ごく普通のクリームチーズと同量の練り粕をボウルに入れます。

・とことん微塵切りにした 1:プルーン 2:胡桃、又は落花生と……

・ガーリックパウダー、チリペッパーなどを、お好みで加え、よく練り合わせます。

・これを瓶か密閉容器に入れ、冷蔵庫で1〜2日寝かせると、味が馴染んでトローリとしクリームチーズになるのです。 大吟醸クリームチーズ

2012年8月21日 豆腐そぼろ

2012年8月21日「上柳昌彦 ごごばん!」で紹介されたレシピです。

冷蔵庫の中にある食べもので傷みやすいものと言えば、豆腐が挙げられます。ヘルシー気分で買ったものの、封を切って1日たてばすでに傷み始めている……ってこと、ありますわな。そんな豆腐のレスキュー料理がコレ!なんですな。

・熱したフライパンの上で豆腐を握りつぶす。木べらでかき混ぜていると、豆腐から水気が出てくる。

・(1)醤油、砂糖、で煎り付ける。 もしくは (2)塩、カレーパウダーで煎り付ける。

どちらも水気が抜けるまで煎り付けると、まるで(1)は挽肉そぼろ、(2)は煎り卵みたいになるんですね。この「水気が抜ける」というのがツボでして、水分が少ないということは「傷みにくい」ということでもあるのです。

御飯の上にこのそぼろを乗せれば それだけで「2色弁当」なんですね。弁当に使わなくても、タッパーに入れておけば「常備菜」としてもありがたいものになります。 豆腐そぼろ

2012年8月14日 酒塩・酒梅で豚肉炒め

2012年8月14日「上柳昌彦 ごごばん!」で紹介されたレシピです。

  酒塩と書いて「さかしお」と読みます。読んで字の如く「酒」と「塩」を混ぜたものですね。塩を調味料として使うのは昔からのことですが、【素材+塩味+ウマミ】の調味料として用いられたのがこの酒塩でありました。例えば魚をおろし、そこに塩を振っておいてから焼く……だけでなく、塩+酒を振っておいてから焼くと魚の身の中にまで塩味がしみこみ、身もやわらかく、旨みも増してきます。単にウマミを増すだけならば醤油をかけておいとけばいいようなものですが、酒塩を使うと身の柔らかさと甘さにも似たまろやかなウマミが醸し出されるのです。

 醤油が一般人の食卓に普及しはじめたのは江戸時代の中頃ではないかと言われておりまして、それ以前は塩だけ、味噌だけ、というのが普通だったそうです。そんな頃、料理屋さんなどではより一層美味しくするために、酒やみりんと塩を混ぜて使っていたんですね。その酒塩をもっと高級品にしたのが「煎り酒」と呼ばれる調味料でした。この「煎り酒」は梅干しと酒と鰹節を煮詰めて作った調味料です。今回使うのは酒塩と煎り酒の「いいとこどり」を簡単に手作りしちゃう、「酒梅」と言うものであります。あっ!こんな言葉、辞書には出てません。今ここで勝手につくっちまった造語ですんで……。

《酒梅を作る》

・日本酒100ccと種を取ってつぶした梅干し3個、それに小麦粉2gを鍋に入れて弱火にかけ、沸騰直前に火を止めて冷ます。

《酒梅の豚肉炒め》

・豚ばら肉の薄切り100gに酒梅30ccを振りかけ、30分ばかし置いてからフライパンで油いためにします。少量ですが小麦粉が入っているので、フライパンに焦げつかぬよう、手早くかき混ぜながら炒めるのがコツですね。梅干しの塩味が肉の中にまで浸み込んでおり、酒のアミノ酸、梅のクエン酸が効いていてコクがありながらもあっさりとした豚肉炒めができるのです。

《参考までに酒塩の豚肉炒め》

・日本酒30〜50ccと塩1.5g、それに小麦粉1gを合わせてよく混ぜる。これは火に掛けず、そのまま薄切り豚ばら肉に振りかけて10〜15分浸してから炒めてください。塩麹焼きにも似ていますが、塩麹ほど濃厚な味ではなくアッサリ系でやわらかな豚肉炒めに仕上がります。

酒塩も酒梅も3〜4日は持ちますから、小さなビンにでも作り置きしておけば、お台所のマル秘隠し味として〈使える〉のです。
酒塩・酒梅

2012年8月7日 シソの葉漬け

2012年8月7日「上柳昌彦 ごごばん!」で紹介されたレシピです。

 韓国の食べもので「ケンニップ」と言うものがある。荏胡麻(エゴマ)の葉っぱを摺りおろしニンニク、粉トウガラシ、醤油に漬けこんだものでして、こいつでご飯を「くるっ」と巻いて食べるとスコブルうまい! 最近ではスーパーでも売られるようになってきましたが、1980年頃は韓国の人から教わって作るしかなかったんです。「韓国文化院」という由緒正しき韓国の政府機関にお勤めしていた学術研究員の女史から教わった「ケンニップ」を、日本風にアレンジして作りやすくしてみました。

・荏胡麻の葉の代わりに、シソの葉を30〜50枚ほど用意する。この葉をざっと水洗いしてから1枚ずつ広げて半日間、陰干しにする。

・鍋に醤油、みりんを3対1で入れ、摺りおろしニンニク2かけ分と、粉トウガラシ大匙3杯位を加えて火に掛ける。

・沸騰してきたら陰干ししたシソの葉を全部入れ、一度かき混ぜてから火を止める。

・鍋に蓋をし、完全に冷ましてから瓶やタッパーなどの容器に詰める。

 ニンニク、トウガラシがたくさん入っていること、水を使わないこと、一度沸騰させていることなどにより、このシソの葉漬けは傷みにくい。また陰干しで水分を少し抜いているから、これも保存性を良くしているんですね。食べる時は必要な分だけ容器から取り出し、すぐに蓋をしておくと冷蔵庫で3〜4週間くらい保存ができました。

 あつーいごはんにのっけてクルッと巻いて食べるもよし、刺身を食べる時に醤油代わりに使うのもいいでしょう。ほそーく刻んで素麺の薬味にしても美味しいし、チャーハンの味付けに使えばガラスープも塩もいらない。

 八百屋やスーパーでは「大葉一把10枚100円」で売っているし、うちの近所では100枚一束で300円なのだ。100枚を一度ではよう使いませんが、「漬け」にしておけば使い道はいろいろあるもんです。

 ちなみに、荏胡麻とシソはよく似た親戚同士みたいな植物でして、その葉っぱも似ております。荏胡麻の方が葉っぱがごわごわと硬く、あくが有る?って感じでしょか。
シソの葉漬け

2012年7月31日 トマト寿司

2012年7月31日「上柳昌彦 ごごばん!」で紹介されたレシピです。

 トマトと寿司……どことなくヘルシー感がありまして、今風でもありますが、なんとこれが昭和20年代の料理本に「変わり寿司」として紹介されておったのです。で、そのトマト寿司って一体どんなものなんだろうか? 握ったすし飯の上にマグロみたいに切ったトマトを乗せて握る…?のではないんですな、コレガ。

・直径3p位の小ぶりなトマトを縦二つに切り、中の種を匙で取り除く

・くりぬいたら水気をふき、その穴にすし飯を詰める

・すし飯:市販のちらし寿司をそのまま詰めてもOKですが、普通の白米飯にゆかりをまぶした御飯、古漬け漬物の微塵切りをまぶした御飯、縮緬ジャコとポンジュースをまぶした御飯――など工夫できます。

 トマト寿司って、中身をくりぬいたトマトを[器]にした寿司だったんですな。だからここで使うトマトはあまり大きすぎないこと。一口でパクっとできる大きさにしてくださいまし。

 トマトカップ→すし飯→バジルペーストとワサビ……この順で重ねてみると、寿司と言うよりは、「ライスサラダ」ですね。薄切りのサーモンを上に乗せてもなかなかいけますぞ。
トマト寿司

2012年7月24日 枝豆クリーム

2012年7月24日「上柳昌彦 ごごばん!」で紹介されたレシピです。

夏と言えば枝豆にビール……ってとこですね。しかし、枝豆ってついつい多めに買ってしまったりはしないでしょうか? 残った枝豆→そのまま冷蔵庫へ→翌日は何か「ベチャッ」とした食感がする。そんなもったいないことをするくらいなら、ひと手間かけてトロンっとしたグリーンクリームに変身させてしまおう。

・茹でた枝豆;1カップ(158〜180cc)、牛乳:1カップ、小麦粉か米粉:5g、塩:2g、砂糖:5g

・以上を1〜2分ミキサーにかけ、鍋にとって弱火でかき混ぜながら煮る。沸騰してきてとろみが出たら火から下ろす。粗熱が取れてから、冷蔵庫で冷やす。

このままでクラッカーに塗っても旨いし、ソーメンを和えても旨い。コンデンスミルクを加えて凍らせると、コクのあるシャーベットとしてデザートにも使えます。
枝豆クリーム

2012年7月17日 さらばレバ刺し、されどレバ……

2012年7月17日「上柳昌彦 ごごばん!」で紹介されたレシピです。

2012年7月1日、生のレバ刺しを飲食店で客に出すことが法律で禁止になりました。賛否両論ありますが、腸管出血性大腸菌O-157を牛のレバーから排除できないとあれば、そりゃ「恐ろしきこと」ですね。レバ刺し好きの方にはつらいことでしょうが、レバーがだめなら別の何かで何とかしてしまおう!という「代用食」文化が我が日本には昔からあったんです。生レバーの代用……と考えてはイケナイ。これでは「選択肢」が狭くなってしまいます。ここはひとつ、生レバ刺しの「代用食」と考えてみましょう。

そもそもレバ刺しの味ってどのような構成になっているのだろう。生レバーそのものにはこれといった特徴的な味はあまり感じません。「血液」たっぷり……的な味(?)と、レバー特有のぐにゃっとした食感がメインなんではないでしょうか。我々がレバ刺しを食べる場合、感じ取る味の中心は、あの「タレ」にあるのではないだろうか? もしそうであれば、生レバーでなくてもレバーっぽい食べ物にあの「タレ」を付ければ、レバ刺しの代用食になるかもしれない――という、かなり乱暴な理屈を振りかざし、今回はスルメイカとマグロの赤身でやってみたのです。

・スルメイカと、赤身の刺身用マグロを用意する。

・イカ刺しを引くとき、イカそうめんほど細くしない。

・イカもマグロも幅5〜7oの斜め薄切りにして「さしみこんにゃく」風にする。

・タレ=ゴマ油:洋食匙T〜2杯、おろしワサビ:チューブから1〜2p、塩:茶匙二分の一杯。

このタレに薄切りにした刺身をたっぷりつけて食べると、イカ刺しはイカ刺し、マグロはマグロでありますが、かなりレバ刺しに寄り添い、レバ刺しと同化しようとしているイカ刺し、マグロ刺しであります。また、ミンククジラの赤身の刺身をこのタレで食べますと、これまたレバ刺しに同化しようとする努力がうかがえるのでした。
偽装生レバ刺し

2012年7月10日 食べるお酒

2012年7月10日「上柳昌彦 ごごばん!」で紹介されたレシピです。

あったり前のことでありますが、酒って液体であります。ってことは、なにがしかの[器]が無けりゃ持ち運びはできないんですね。しかしだ、もしもお酒が「固体」だったらどうだろう? キャラメルとかチョコレートみたいな形だったとしたら、ポッケに入れてピクニック♪ ララランラン!てなことだってできちゃうわけだ。

日本酒かワインを1合(180cc)用意する。そのうち80ccと粉寒天2gを鍋に入れ弱火にかける。匙でかき混ぜていると寒天が溶けて来て、次第に泡が立つ気配がしてくる。ここで火を弱め、残りのお酒を少しずつ加えてよく混ぜる。寒天が全体に溶けきったらすぐに四角いタッパーに流し入れ、冷まして固める。

固まった寒天をキャラメルみたいな四角いキューブにカットすると、持ち運び可能なお酒またはワインとなるのです。お酒寒天はほぼ透明の、ワイン寒天はピンク色した「お菓子のゼリー」そのもの。誰がどう見てもゼリーを食べてる善男善女にしか見えませんが、実はアルコール度数10〜15度の固形物体を食べてるイケナイ人なのだ。

しかし、これは西洋のウイスキーボンボンみたいなものでして、遭難した時などの非常食にもなるんですね。液体ではないから持ち運びやすいしコップが無くても飲める? 寒天を溶かす時に一度加熱してありますから、アルコールが少しは飛んでおる。ただ、日本酒の場合、苦みが生じることもあるので、そのような酒の場合は予め蜂蜜などで甘味をつけておく。ま、般若湯飴……といったところですね。

この持ち運びができる固形のお酒、先の世界大戦時に帝国陸軍主計少佐であった 故川島四朗先生が考案し、試作品も作っていたようなのだ。ただ軍部に採用されなかったらしいが……兵隊が行軍中に飴玉みたいにお酒をしゃぶり呑んでいては示しが付かなかったからなのかもしれない。まぁ今も昔も酔っ払い運転・酒酔い行軍はイカン!ということでしょう。
食べるお酒

2012年7月3日 流行遅れの辣油塩麹キムチ

2012年7月3日「上柳昌彦 ごごばん!」で紹介されたレシピです。

 食べ物の好みにもはやりすたりがある。マグロの赤身が喜ばれていた昭和の初期、トロや大トロなんぞは「捨て値」で売られておったから、その安い大トロを使った「ネギま鍋」が貧乏人の食卓に並んでいたのです。その後、人びとの好みがじわじわと変化してゆき、50年後にはその立場が逆転してしまったんでした。しかし今日における食べものの好みは短時間でコロコロ変わっていきます。日本中が「わっ!」と飛びついた食べ物も1年足らずで「すっ!」と引いてしまい、2年経てば見事に忘れ去られてしまっている。まさに「最大瞬間流行食」。

 どこへ行った?食べる辣油。どこへ行くのか?塩麹。

・冷蔵庫の扉ポケットにいつからあるやらビンに半分残った辣油、買ったものの使うあてのない飽きてしまったビン半分の塩麹を発掘してくる。

・浅漬けにできるような野菜を用意する。

・キュウリ→薄切り、キャベツ→ざく切り、ミョウガ・ニンニク→薄切り。

・塩麹:食べる辣油を3対1、又は2対1の割合で混ぜ、切った野菜にまぶす。

・冷蔵庫で一晩置くとできあがり。

塩分は塩麹に入っているからそれで十分。麹の甘さと辣油のトロリとしたコク、ピリ辛さが野菜にしみこみ、本場のキムチみたいに塩辛などの動物性発酵食品を入れなくても旨みが出る。しょっぱさやピリ辛さ加減はメーカーによって違いがあるので、混ぜ合わせる割合は味を見ながら行ってください。
辣油塩麹キムチ

2012年6月26日 ナスのキャビア

2012年6月26日「上柳昌彦 ごごばん!」で紹介されたレシピです。

シャンソン歌手であり、名エッセイも残された石井好子さんが書かれた本に出ていたのが「ナスのキャビア」でした。戦後いち早くフランスに留学した石井さんがパリで下宿した際、下宿屋のおかみさんから教わった料理だそうです。

焼きナスの皮を剥いてニンニクやタマネギと一緒にみじん切りにし、油で炒めてペースト状にしたものをこう呼んでいたそうです。この料理を少しアレンジしましてより簡単に作れる「ナス・ペースト」がこれなのだ。

・ピーラ―で茄子の皮を剥く。蒸し器で10分間蒸して微塵切りにする。

・微塵切りにしたニンニク、タマネギと一緒に多めの油でじっくり炒める。

・塩、ペッパー、ピーナッツペーストなどで味を整え、ねっとりとしたペースト状になったら火から下して冷ます。

・冷めてからバジルペーストやおろしワサビを練り込むとまさに珍味。水っぽくならないよう、油炒めはゆっくりじっくりとやることがツボ。

石井好子さんはロシア人のおかみさんからこの料理を教わったそうです。『パリの空の下、オムレツの匂いは流れる』というエッセイの中で、これをロシア人のおかみさんは「貧乏人のキャビア」と呼んでいた……と書いていた。もともとは「パリの空の下、セーヌは流れる」だったと思うが、ドンピシャのタイトルを付けたもんです。

「スカイツリーの空の下、隅田川は流れる」ってタイトルで東向島の伝統野菜だった「寺島茄子」の茄子ペーストを作ったりして……【下町のキャビアンヌ】とか……。
ナスのキャビア

2012年6月19日 パンカツはアセチレンランプの匂い

2012年6月19日「上柳昌彦 ごごばん!」で紹介されたレシピです。

縁日に屋台はつきものです。今日では屋台の照明は裸電球ですが、かつてはアセチレンガスを使ったランプでありました。独特な臭いのするアセチレンランプの光のもと、熱した鉄板でじゅっと焼かれていたのが、「パンカツ」なんでした。

・食パンを5時間ほど天日で干す。

・溶き卵と同量の水に小麦粉を少しずつ加え ややゆるめの衣を作る。

・その衣に乾いたパンをさっとくぐらせ、薄く油を敷いた鉄板で両面とも焼く。

・焼き上がりに千切りキャベツを乗せ、ウスターソースをかけて食べる。

フレンチトーストに似てはいますが、そんな立派なもんじゃありません。フレンチトーストの場合は溶き卵をたっぷりパンに浸み込ませるが、こちらはさっとくぐらせるだけ。だから卵1個でパンカツが6〜8枚は優に作れるのです。

昭和前期の子供たちはこんなパンカツに「洋食」を感じていたんですの。戦前のパンカツは、時として色街の「おねえさまがた」ご用達だったそうだ。キャベツにソースではなく、バターやジャムを塗ったのが色っぽいおねえさまがたのおちょぼ口に……。
パンカツ

2012年6月12日 味噌豆腐ソース

2012年6月12日「上柳昌彦 ごごばん!」で紹介されたレシピです。

料理屋の倅に生まれたもんですから、「白和え」なんざ食べ飽きるほど食べておりました。しかも精進料理を看板にしてたもんで、肉や魚を使わない精進料理は日常茶飯事だったんですね。正直言って子供からすると肉や魚の方がありがたいんだが、稼業ゆえそうも言っておられません。嫌々ながら食べてた白和えでしたが、作り方をちょいと変えてみるとこれがなかなか乙なもんだったんでした。

・思いっきり高価な硬い豆腐を買う。

・豆腐の二分の一量の白味噌を加える

・練がらし、すり胡麻(又はねり胡麻)を好みの量加えてよく練り合わす。

・やや固めにゆでた青菜をかたく絞り、これを和える。

*ほかにも青菜→法蓮草、小松菜、おかひじき、芹、三つ葉、などなどがよろしい。

注意する事:安い豆腐を使うと、水が出てきてよろしくありません。その時は豆腐をふきんで包み、重しを載せてしばらく置き水切りをしてから使います。この味噌豆腐はソースとしていろいろ使えますので、和食にとらわれず、サラダやパスタなどにもよく合うのです。
味噌豆腐ソース

2012年6月5日 バナナクリームパン

2012年6月5日「上柳昌彦 ごごばん!」で紹介されたレシピです。

 バナナが高級品だったのは1960年代までのことでしょう。その高級なバナナを何人かの子どもたちに分けて食べさせる母親は苦労をしたもんでした。貧しくも心温まるバナナクリームパン、そのクリーム作りであります。

・バナナ1本、牛乳か豆乳を180cc、小麦粉か米粉を15g これらをミキサーで攪拌する。

・鍋に取り、弱火にかけお玉でかき混ぜ続ける。

・トロミが出てきてねっとりとしたら容器に移して冷ます。

 昔のクリームパンみたいにコッペパンやクロワッサンなどに塗ったり詰め込んだりして食べる。食パンに塗って食べても旨いが 塗った食パンをロールに巻いて油で揚げたのがサクサクとろりとして童心に帰れます。

 たかがバナナ1本なのにこのクリームったら頗る甘いので 砂糖や蜂蜜を入れる必要はありません。
バナナクリーム

2012年5月29日 ひな鳥の皮でカリカリ揚げ

2012年5月29日「上柳昌彦 ごごばん!」で紹介されたレシピです。

 鶏皮→脂ギッシュ……誰でもそう思う。私もそう思う。でもその脂は落とせるのです。脂を落とした鶏皮をご丁寧に油で揚げる……なのだが、これがべたつかず、脂っこくないのです。

・熱湯に鶏皮を入れ、7〜8分茹でる。

・鶏皮をザルに取り、ガス湯沸かし器の熱い湯を流しながら手でもみ洗いをする。2〜3分間しっかり揉み洗いをすると、鶏の脂がかなり抜けてくる。

・ザルで水けをきったら、キッチンペーパーでよく拭いて水分を取っておく。

・醤油と味醂を1対1に合わせた調味液にこの鶏皮を浸けて手でよく揉み込む。

・調味液から引き上げ、片栗粉をまぶして170℃位の油で3分位じっくりと揚げる。

 鶏皮をあっさり仕上げるには、なんたって脂抜きです。熱湯で茹でることと、熱い湯でもみ洗いをすることにつきます。そして片栗粉の衣は薄くすること。鶏皮が少し茶色がかる位にじっくり揚げることでしょう。

 揚げたてに、ガーリックパウダーやペッパーをたっぷり振って食べてくださいまし。唐揚げ定食みたいに御飯のおかずにするもよし、ビールや焼酎のおつまみにするもよしといったとこですね。
ひな鳥の皮でカリカリ揚げ

2012年5月22日 一銭洋食

2012年5月22日「上柳昌彦 ごごばん!」で紹介されたレシピです。

 小麦粉を水で溶いて、熱した鉄板の上でジュッ!と焼く。戦前、路地裏の駄菓子屋の前では「もんじやき」とか「もんじゃやき」とか言われておりました。そこにキャベツやもやしなどの具が入るようになり、さらに肉が入り、卵が入り、明太子やチーズ、餅なども入るようになってきました。これが今日の「お好み焼き」ですね。

 小麦粉と水だけで作った「もんじやき」から、いろいろな具が入ったお好み焼きに至るまでの間に、かつては「一銭洋食」と言う食べものもあったんでした。

 今ではあまり見かけることもなくなりましたが、下町のお不動さんの縁日などでたまに見かけることもあります。2010年、都内某所にて見かけた一銭洋食は150円! そしてそれはだいたいこんなものでした。

・小麦粉を入れたボウルに水を少しずつ入れ、お玉ですくえるくらいのゆるさに溶く。

・油をひいて熱したフライパンに、お玉一杯分の生地を流し広げる。

・その上に刻んだ紅生姜、天かす、鰹節の削り粉をまんべんなく散らす。

・2〜3分で裏返しにひっくり返し、フライ返しで軽く押さえる。

・2分位でもう一度ひっくり返し、ソースをたっぷり塗る。

 なんたってこの紅生姜が一銭洋食の真骨頂なのです。キャベツも卵も入れてはイケナイ。小麦粉の生地はお玉一杯で一人前を目安にしてくださいまし。小腹がすいた→かるーく一枚食べようか?……これが一銭洋食なのです。

 似たようなものですが小麦粉、水、紅生姜を混ぜて油で揚げた天麩羅も、下町の持ち帰り総菜屋さんで見ることが有ります。(三ノ輪商店街、深川不動あたりが……)
一錢洋食

2012年5月15日 千匹海老天

2012年5月15日「上柳昌彦 ごごばん!」で紹介されたレシピです。

海老のてんぷらはおいしいけど結構高い。この憎っくき海老を一度に千匹食べてやれ! という、びんぼ丸出し料理なのです。使うのは海老……と言っても、オキアミ、アキアミ、小エビなどの名前で呼ばれている、小さな干し海老なのです。これは最近コンビニなんかでも一袋100円で売られております。この干し海老一袋20gを使って海老千かき揚げを2枚作るのです。

・小麦粉:150cc、干し海老:20g、鰹節の削り粉5ccをあわせて水を少しずつ加え、やや緩めの天ぷら種を作る。

・種をお玉ですくい、180℃の揚げ油にそっと入れ、1分くらいで裏返しカリッと揚げる。

・おろし大根を軽く絞り、一味と醤油をかけて混ぜたのを揚げたてかき揚げの上にたっぷり載せて食べる。

・変形バージョンとして、干し海老と同量の刻み紅生姜を混ぜて使うのもおススメ。同じ作り方で干し海老をしらす干しに代えると、これまた旨いしらすの千匹揚げになる。両方を丼飯に乗せると「シラス海老丼」となり、浜松名物「シラス桜えび丼」を食べ損ねた人を慰めることができる。今回は食べ損ねた人になって、しらす海老天丼をやってみよう。
千匹海老天

2012年5月8日 山独活(うど)と胡桃(くるみ)味噌

2012年5月8日「上柳昌彦 ごごばん!」で紹介されたレシピです。

八百屋さんに並んでいる独活(うど)は、お日様の当たらないところで栽培した太くて白いものが多いですが、野生の独活=山独活は鉛筆を少し太くしたくらいの細いもので、色は緑色です。5月の連休の頃に信州の山道を歩いていますと、そこここに山独活がにょきにょきしておるのです。地面すれすれをむんずと掴んで、エイッと折れば容易に採れます。

・独活をさっと水洗いする。

・表面の皮一枚だけをすっと剥く。

・胡桃味噌をつけて食べる。

胡桃味噌の作り方

・胡桃の殻を割り、中の仁を取り出して擂り潰す。

・擂り潰した仁の倍量くらいの味噌を加えてよく練り合わす

・少量のみりんを加え 甘さを調整する。*砂糖を加える人もいるが、甘すぎて独活の香りを殺す恐れあり。

胡桃の種類について

長野や石川など本州中部に多いのが、鬼胡桃や姫胡桃と呼ばれる日本古来の野生種で、これは殻が硬くてなかなか割れない。殻が薄くて割りやすいのが、手打ち胡桃とかペルシャ胡桃とか言われる外来種。これらは胡桃の殻を2個合わせて手で掴み、エイッ!と力を入れるだけで容易に割れる。欧州の胡桃割り人形はこのような殻の薄い胡桃を割るために作られているので、殻の硬い鬼胡桃を割るために使うと、胡桃は割れずに胡桃割り人形のほうが割れてしまうので要注意です。
山独活(うど)と胡桃(くるみ)味噌

2012年5月1日 大吟醸粕漬け筍と、イカの一夜干し

2012年5月1日「上柳昌彦 ごごばん!」で紹介されたレシピです。

朝堀りの筍、これは灰汁が無いので茹でなくて食べられる場合もある。品種や産地によっては、1〜2日経ってもあまり灰汁が出ないのもあるようです。今回、三島のエコファーマー杉正農園から送られてきた筍がまさにそれでした。

そしてもう一つ。東北からとれたてのイカを一夜干しにしたのが送られてきたんです。そりゃ新鮮ではありましょうが、筍8本、イカ10杯はよう食べきれるもんではありません。そこで取り出したのが、大吟醸酒を絞った後の酒粕でありましたの。

・酒粕に粕の10%の塩を加えてよく練っておく。

・筍は約10分茹でて縦二つに切る。

・一夜干しのイカも縦二つに切る。

・どちらも姿かたちが見えないように酒粕の中に埋め込む。24時間経てばあっさりとした浅漬けになる。

酒粕から取り出したら、粕をぬぐって薄切りにする。どちらもそのままで食べられる。一夜干しのイカはまるで刺身みたいな感じに戻されています。
大吟醸粕漬け筍と、イカの一夜干し

2012年4月24日 あちゃら干し

2012年4月24日「上柳昌彦 ごごばん!」で紹介されたレシピです。

戦前の料理本を見てますと、あちゃら〇〇という料理名が出てまいります。ゴマ油や唐辛子を使った中国風、朝鮮風の事だったり、ケチャップやマヨネーズを使った欧米風だったりするんですね。要するによその国からはいってきた料理にはとりあえず「あちゃら」と付けとけばまぁま違いはあるまい……ってとこだったんでしょね。

純日本風の料理に外国の調味料を使う……それをあちゃらと言うのだとすると、しからばこれとて「あちゃら」ではなかろーか?

・まいわしの頭と内臓を取り除いて水洗いをし、指で開いて中骨を取る。

・開いた身の方にウスターソースか中濃ソースを薄く塗り 天日でT〜2日干す。

・少し濃いめの水どき小麦粉をくぐらせ、パン粉を付けてから油でカリッと揚げる。ソースの味が浸み込んでいるので 何もつけずにそのまま食べる。

お日様のしっかり出ている時だったら、1日でしっかり乾くので、鰯の身が薄くなります。水分がかなり抜けているので、衣を付けて揚げるのも1分位で済むのです。ふつーの鰯フライだと、鰯の身がふんわりとジューシーだが、こちらはパリッとしてサクッと食べられるのです。まるで薄切り豚肉で作ったポークカットレットって感じですね。だからって訳じゃないがこれ、サンドイッチやハンバーガーにいいのよ。

また、洋酒を飲むときなんぞに摘んでみなさいまし。パリッとサクッとグビッといっちまいますな。新しいB級グルメとしても有望だと思えますので、どこぞ鰯の産地の町おこしに使ってみたらどうかしら? 有名な「よっちゃんイカフライ」的な珍味であります。
あちゃら干し あちゃら干し

2012年4月17日 古漬け油炒め

2012年4月17日「上柳昌彦 ごごばん!」で紹介されたレシピです。

今年は春の温かさがなかなか来なかったので、野沢菜や白菜漬けなどがいつまでも酸っぱくならず、美味しく食べられました……が! 古漬けファンにとってはあまりよろしくないことでして、酸味の出た古漬けの炒めものこそが「春の味音」なんですの。

・野沢菜、白菜漬けなどの漬かりすぎて茶色っぽくなったのを使います。

・水洗いした後、5o幅に切って水けを絞っておく。

・熱したフライパンに少量のごま油を敷き、古漬けを炒める。

・好みで微塵切りの生姜、大蒜、唐辛子等を加え 強火で炒めて水けを飛ばす。

漬物だからどうしても水気が出てきますので 強火で手早く炒めることがポイントです。炒め終わったらよく冷まして瓶や密閉容器に入れて保存します。ここでは信州の野沢菜を使いましたが、九州では当然高菜を使います。その他に広島菜、白菜漬け、変わったところでは胡瓜、大根の古漬けなんぞでも美味しくできるのです。
古漬け油炒め

2012年4月10日 ウニの落とし焼き

2012年4月10日「上柳昌彦 ごごばん!」で紹介されたレシピです。

1960年代以前、ウニといえば瓶詰めの塩ウニのことでした。今回紹介するのは、昭和10年以前のレシピからです。

・瓶詰めウニ1/2本分と、生卵の黄身1個分をよくかき混ぜ、茶さじですくって熱したフライパンにポタリと落とす。弱火で約5分焼いたらできあがり。

一見ビスケットに見えますが、フンワリしていて、トローリ濃厚な味です。塩だけの瓶詰めウニを使えば高級なかんじ、アルコール入りの瓶詰めウニを使うと庶民的な味になります。
ウニの落とし焼き

2012年4月3日 煎り酒

2012年4月3日「上柳昌彦 ごごばん!」で紹介されたレシピです。

今日使われている醤油というものが使われるようになったのは、江戸時代の中頃のことらしい。ではそれ以前、刺身なんぞには何をつけて食べてたのか? その調味料の一つが「煎り酒(いりざけ)」だったのです。

とはいえ、煎り酒も醤油もすこぶる高級なものでしたから、公家や豪族、武士などなど、高貴な人びとのものであったそうだ。古い時代の煎り酒は、日本酒と梅干しを煮詰めただけのものであったらしい。その後、よりおいしくするべく、昆布・鰹節などを加えるようになっていった。

酸味のきいたドレッシング風煎り酒の作り方

・日本酒180〜200cc、梅干し1〜2個(減塩でないもの、アミノ酸など含まれていないもの)、昆布5センチ角1枚、鰹節180ccくらい。

・この材料をすべて鍋に入れ、弱火にかける。梅干しは箸でつぶす。

・煮詰めて全体量が100〜120ccになったら、目の細かい茶こしで漉す。冷ましたらすぐに瓶に入れ、蓋をして冷蔵庫にいれておくと、2〜3週間は日持ちする。

美味しい使い方

・刺身を食べる時、醤油がわりに使う。

・茹でたタケノコ、レンコン、ゴボウなどを20分ばかり浸してから食べる。

・おひたし(ホウレンソウ、ミツバ、セリなど)にかけて使う。

・ワカメ、キュウリの酢のものに使う。
煎り酒

2012年3月27日 菜の花の味噌和え

2012年3月27日「上柳昌彦 ごごばん!」で紹介されたレシピです。*先週はお休みでした。

小さな黄色い花が咲いた菜の花が八百屋に並ぶ3〜5月、日持ちのいい常備菜として作りおきしておくと重宝いたしますの。15センチくらいの菜の花一束が150円〜200円というのもありがたいことでございます。

菜の花の味噌和え

・菜の花を3センチ幅に切る。

・菜の花の緑色の茎が、パーッと花が咲いたように開くので、そこで引き上げる(約30秒)。

・味噌50cc、みりん50cc、練りがらし5ccを溶き合わせ、揚げた菜の花と和える。

おひたしにすると水っぽくなりがちな菜の花も、一度油通しすることでパリッとするし、日持ちもよくなる。もっと日持ちを良くするには、味噌とみりんを弱火にかけて練り合わせてから使うとよろしいようでございます。
菜の花の味噌和え

2012年3月13日 山葵の花のおひたし

2012年3月13日「上柳昌彦 ごごばん!」で紹介されたレシピです。

刺身を食べる時に使う「おろし山葵(わさび)」は、山葵の根っこをすり下ろしたものです。緑色のかりんとみたいなあの根っこになるまでには、2〜3年の月日がかかるんですな。その根っこからは毎年色鮮やかな緑の茎が伸び、白い花を咲かせます。その茎を摘んできてはお浸しにして山の民は食べてきたんです。

山葵の花一束130円也の簡単おひたし

・15〜20p位の茎を2〜3p幅に切る。それをザルに取り、上から熱湯を回しかける。

・間髪入れずに密閉容器に入れ、さっと醤油をかけふたをする。

・ふたをしたら容器を10秒ばかりシェイクし、1時間以上放置する。

・ふたを取ると、鼻から脳味噌まで一直線に山葵のツーン!が突き抜けます。

御飯のお共に、お酒の恋人によろしいかと……。また熱湯をかけた山葵を酒粕と一緒にして練ったらわさび漬けになるのです。山葵の花(茎)はだいたい3月から6月頃に出回りますのでお見逃しなく!
山葵の花のおひたし

2012年3月6日 味噌粕と塩粕

2012年3月6日「上柳昌彦 ごごばん!」で紹介されたレシピです。

味噌粕と塩粕

■塩粕のつくり方 硬い板粕ではなく、柔らかい吟醸粕に粕の10%の塩を加えてよく練り合わせる。

■味噌粕のつくり方 柔らかい吟醸粕に、粕の3倍量の味噌を加えてよく練り合わす。

・塩粕、味噌粕を粕床として使う場合――漬物にしたい野菜をざっくりと大きめに切って粕床に潜り込ませると1〜2日で漬物になる。

・塩粕、味噌粕を調味料として使う場合――味噌汁や粕汁を作るときに、溶き入れる。焼肉、焼魚をするとき全体に薄く塗って1〜2時間置いてからそのまま焼く。プロセスチーズ、ハム、ソーセージ、アボガドなどに薄く塗って半日置く。
味噌粕と塩粕

2012年2月28日 大根の素揚げ

2012年2月28日「上柳昌彦 ごごばん!」で紹介されたレシピです。

大根の素揚げ

1〜2センチ角切り大根をそのまま170〜180度の油で3分くらい揚げる。

97%以上が水分だと言われている大根を、沸き立った油に入れると、水をはじいてバチバチ……となるかと思いきや、なんてことなく、フツーに揚がるのです。

ホクホクしていて、歯ざわり、サクッ! そのままでもウマイが、ハーブソルト、マヨネーズ、マスタード、味噌などで食べるとかなりイケる。
大根の素揚げ

2012年2月21日 刺身の昆布締め

2012年2月21日「上柳昌彦 ごごばん!」で紹介されたレシピです。

刺身の昆布締め

タイ、ヒラメ、スズキなどの刺身を、グレードアップさせてしまおう。魚屋や、スーパーで売っている刺身を買ってきて、1〜2日たてば嫌なにおいがしてきます。こりゃ傷みはじめたってことですね。しかし、塩と昆布でしめちゃえば、傷むどころかすこぶる美味しくなるのです。

・20センチくらいの昆布の上に薄く塩を振る。

・その上に作取りした魚をのせ、薄塩をふってから昆布をのせる。

・これをラップできっちり巻き、冷蔵庫で2〜4日保存する。

・昆布をはがし、包丁で薄く切る。

■作取りではなく、すでに刺身に引いたものを買ってきた場合は――

・昆布の上に薄塩をふり、刺身を重ならないように並べる。

・その上に薄塩をふり、昆布をのせ、ラップで巻く。

ふった塩で刺身の水分が吸い出され、その水分で柔らかくなった昆布から、グルタミン酸のうまみが溶けだし、刺身にうまみを加える。こうすることで刺身の日持ちもよくなるし、身もしまり味もよくなる。昆布で締めてから2〜4日経った頃が食べごろなんです・ *サンマ、イワシ、アジなどの刺身でもできます。
刺身の昆布締め

2012年2月14日 百舌鳥族のストック(乾燥果実)

2012年2月14日「上柳昌彦 ごごばん!」で紹介されたレシピです。

百舌鳥族のストック=モッズストック(乾燥果実)

野菜、果物、魚、肉、穀物などを乾燥させると保存性がよくなる、というのはあたりまえのこと。実はたいへん美味しくなるのです。

1 カンタンなところで――薄切りイチゴやキウイの丸一日干し、三日干し。甘さ倍増、日持ち一週間。

2 イモ、コメ、カボチャなど、生で食べられないものは、少しゆでてから干す。たとえばカボチャの場合、5ミリ厚に切って100度のお湯に入れ、フタをして火を止める。そのまま30分おき、取り出してから天日干し(3日〜5日)。
百舌鳥族のストック(乾燥果実)

2012年2月7日 寿司屋のチキン南蛮

2012年2月7日「上柳昌彦 ごごばん!」で紹介されたレシピです。

チキン南蛮といえば、言わずと知れた宮崎の名物料理。ボリュームある巨大鶏肉を油で揚げ、甘い南蛮酢に漬けて、タルタルソースをかけたものです。

塩コショーしたムネ肉に、小麦粉→溶き卵をつけ、油でカリッち揚げたのを、甘酢(酢、砂糖、みりん、醤油など)にひたし、盛りつけた後、タルタルソースをのせるのが、今日ポピュラーなチキン南蛮(名店小倉風)でありますな。

それを今日は、もしも寿司屋のオヤジがチキン南蛮を作ったら……で、やってみましょう。

・鶏のムネ肉に、塩、コショー、おろしニンニクをすり込む。

・酢、砂糖、塩をまぜた「すし酢」に15分くらいひたす。

・すし酢からひきあげたら、鶏肉に小麦をまぶし、蒸し器で約10分間蒸す。

*すし酢からひきあげたあと、小麦粉→溶き卵をつけてから蒸すのもよろしい。また、蒸す時、鶏肉の下にちぎったキャベツを敷いておくと、鶏スープを吸ったキャベツがしんなりとして、これがヘルシーうまい。
寿司屋のチキン南蛮

2012年1月31日 ニッポンマヨネーズ

2012年1月31日「上柳昌彦 ごごばん!」で紹介されたレシピです。

・材料とだいたいの分量 1.豆乳の素*:100ccにぬるま湯100ccを加えて練る。 2.白味噌:50cc 3.サラダ油:100cc 4.練辛子:5cc 5.はちみつ:10cc 6.柑橘類の絞り汁:5〜10cc(酸っぱくするならレモンや柚子、甘めなら蜜柑など)

*豆乳の素=ここで購入できます>>コダマ健康食品株式会社

・1〜4までをボウルに入れてよく混ぜ合わせる。その後、5〜6をすこしづつ加え、すっぱくなりすぎない程度に酸味を調整する。甘さ、すっぱさは5と6の加減で調整する。

・基本的な作り方は以上ですが、変化をつけるなら次のものを加えます。パウダーガーリック、つぶした胡桃、シナモン、ペッパー、そのほか。

・これは卵アレルギーの方にも食べられるマヨネーズでもあり、保存食だけで作られているから非常食としても使えます。「炒った大豆の粉」というのは「きな粉(黄粉)」でもできるのですが、普通のきな粉だと粒子が大きくて口当たりがなめらかでない。その点、「豆乳の素」は微粒子だから、仕上がりがとてもなめらかになります。
ニッポンマヨネーズ

2012年1月24日 芋膾(なます)

2012年1月24日「上柳昌彦 ごごばん!」で紹介されたレシピです。

膾は魚介類を塩と酢でしめたものでして、(刺身)以前に用いられていた、生魚の食べ方です。冷蔵庫のなかったころ、生魚をより長く保存して食べるために編み出された調理法だったのでしょう。

・皮をむいた里芋を中火で20分ばかり茹で、冷ましてから2〜3ミリ厚に切る。

・三枚に下ろした鯵に薄塩をふって1時間おいておき、そのまま酢に漬ける。

・酢漬けは1時間〜3日間、時間が短ければ生っぽいし、3日間漬ければしっかり締まる。漬ける時間はお好みで。

・酢漬けにした鯵を取り出し、3ミリくらいの細づくりの引く。

・里芋と鯵を小鉢に盛りつけ、辛子酢味噌をかける。(辛子酢味噌は、白味噌とその1/4量の練り辛子、酢を溶いたもの。
芋膾(なます)

2012年1月17日 白菜はさみむし

2012年1月17日「上柳昌彦 ごごばん!」で紹介されたレシピです。

もともと中国東北部、朝鮮半島でよく食べられていた白菜が日本に入ってきたのが明治時代の後期なのです。だからその食べ方も中国風でして、蒸したり油でいためたりしたものでした。そんな白菜ですから、豚肉や油を使った料理によく合う食材なのです。

・一枚づつはがした白菜と薄切り豚ばら肉を交互に重ねる。

・豚ばら肉には事前にうす塩を振っておく。

・4〜5枚づつ重ねたらフライパンに並べ、蓋をして弱火にかける。

・途中(3分後)でさかづき一杯の酒を振りかけて酒蒸しにする。

・10分蒸したのを取り出し、食べよい大きさに切り分ける。

・ポン酢、タルタルソースをかけて食べる。

*白菜をキャベツにかえたり、豚バラ肉にタマネギ、ニンジン、チーズなどを加えてはさむのも旨い。
白菜はさみむし

2012年1月10日 残りもんをバッター液で串揚げに!

2012年1月10日「上柳昌彦 ごごばん!」で紹介されたレシピです。

正月のおせち料理、とかく食べ残しが出てしまいがち。そんな残り物も、厚塗り化粧を施せば、七難隠してご馳走に早変わりするのです。七難隠す厚塗り用アイテムが、今日紹介する「バッター液」なのです。

バッター液でつくる「浪速の串揚げ」

バッター液をつくる。 小麦粉100cc、牛乳100cc、卵1個をよくかきまぜる。

串揚げ素材の準備。 おせち料理の残りものの、煮しめ・オードブルの残りもの・リンゴやメロンなどのフルーツなどなどを竹串にさす。

・串刺しした材料をバッター液にどっぷりと漬け、パン粉をまぶして油で揚げる。油温は180度、30〜40秒揚げればよろしい。

*揚げる具材はすでに火が通っているものやそのまま食べられるものなのだから、衣にだけ熱が通ればよいのです。それに具材には味もついているわけだから、串揚げみたいにソースをつける必要もありませんの。

干からびたりパサついたりしがちな残りものだって、バッター液で揚げてしまえば、わかりゃせんっのです。

なお、バッター液に加えるものは店によっていろいろあり、サラダ油、牛乳がわりの水、みりん、甘味料としてのはちみつ、砂糖などもよろしい。
串揚げ

2011年12月27日 蕎麦の実粥

2011年12月27日「上柳昌彦 ごごばん!」で紹介されたレシピです。

現在のような細くて長―いつるつるお蕎麦ができたのは、江戸時代の中ごろと言われており、それ以前は蕎麦粉に湯を加えて練り上げた「そばがき」や、蕎麦粉を水どきしてパンケーキのように焼いたものを食べていたらしい。そしてもっと原始的な食べ方が「そばの実粥」だった。今でも山形や岩手など、東北でよく食べられている。

・鍋にそばの実と水を入れ、火にかけ、20分くらい煮る

・火を止め5分位蒸らした後、水を替えながら2〜3回洗い、ざるで水を切る。

・これをお椀に入れ、そばつゆをかけて食べる。夏はつめたいつゆを、冬は熱いつゆをかける。

・葱、なめこ、ゆで鶏などを乗せると美味しくなる。
蕎麦の実粥

2011年12月20日 銀座富久むらのおでん出汁

2011年12月20日「上柳昌彦 ごごばん!」で紹介されたレシピです。

・水:1.8リットル、昆布:幅7p、長さ30pを2枚、鰹節:93g、鶏がら:1羽分を鍋に入れて火にかける。

・醤油:塩=2:8で、すまし汁よりやや濃いめの味を付ける。隠し味として味醂や砂糖を微量加える。

・大根は2〜2.5pの厚切りにし、皮をむいて糠で茹でた後、2日間水に晒す。

・そのまま直火焼きにして、おろし大根で食べるのも旨い。

・食材を入れたら沸騰させぬよう弱火でゆっくりと煮る。

・下の写真は、おでん汁に片栗粉でとろみをつけ、野沢菜漬け御飯にかけたもの。
おでん出汁

2011年12月13日 鰰のからあげ

2011年12月13日「上柳昌彦 ごごばん!」で紹介されたレシピです。

秋田名物 はちもりはたはた〜の「はたはた」は漢字で書くと鰰。日本3大魚醤のひとつ、「しょっつる」の原料でもあります。きりたんぽ、比内鶏などとの相性が宜しいしょっつるですが、鰰そのものも食べ方次第で、すこぶるる旨い魚であります。

・鰰の頭を切り取り、腸を抜き取る。

・腹腔内、表皮の鱗などを水洗いできれいに落とす。

・全体に薄く塩をまぶし、天日で丸2日間干す。

・そのまま直火焼きにして、おろし大根で食べるのも旨い。

・全体に片栗粉をまぶし、170℃くらいの油で4〜5分間揚げる。

・干したのを3つくらいのぶつ切りにして唐揚げにしたのを酢油に浸す。

*はたはたは、そのまま焼いたり煮たりしても水っぽくってそんなにうまく感じないもんだが、塩→天日干し、を施せば水分が抜けてアミノ酸も増え、グーンと旨くなる。また、ハゼなどと同様、頭や鰭などがついたままだと御口に残ってチクチクするので干す前に取っておくことです。
はたはたのからあげ

2011年12月6日 スゥイーツマヨネーズ

2011年12月6日「上柳昌彦 ごごばん!」で紹介されたレシピです。

失敗しない&お子ちゃま向けスゥイーツマヨネーズ

手作りマヨネーズは、ともすれば油が分離して失敗に終わりがちです。しかし、昭和10年頃の日本人はあの手この手を考えた。しかもお子ちゃま受けのする、ちょいと甘いマヨネーズなのです。

・酢:45cc

・サラダ油:45cc

・卵黄:1個

・練乳、または無糖練乳、あわせて100cc

・塩:5g

・辛子の粉:2.5g

以上を瓶に入れ、蓋をして、シェイカーを振るようにシャカシャカする。30秒でトローリとしたちょい甘マヨネーズが出来上がる。

クリスマスや年末年始のオードブルに使うとなかなかよろしい。サラダはもちろん、鶏の唐揚げ、マリネなんぞにもよく合いますの。

2011年11月29日 ひとくちトンテキ

2011年11月29日「上柳昌彦 ごごばん!」で紹介されたレシピです。

何故トンテキはB-1グランプリで勝てない?のなぞから生まれたひとくちトンテキ

・四日市でこの20年くらいでメキメキ上昇してきたご当地B級グルメ食。

・厚さ2センチくらいのトンカツ用ロース肉に、すりおろしたタマネギ・ニンニクをまぶして30分おく。

・フライパンにサラダ油をひき、豚肉裏表をさっと焼く。

・ラードをチューブから4センチほど+中濃ソース、みりん、醤油を1:1:1(トータルで20CCくらい)+漬けに使ったおろしニンニクとタマネギをあわせてソースにし、肉をやいたフライパンに入れてふたをする。中〜弱火で7分間蒸し焼きにする。

・山盛りのきざみキャベツに、トンテキに肉汁ごとのっける。
ひとくちトンテキ

四日市トンテキはでかすぎで、B1グランプリ会場の立ち食いには向かない。一口大に切って串に刺して食べると、食べやすい。

2011年11月22日 イカ焼牧野のイカ焼

2011年11月22日「上柳昌彦 ごごばん!」で紹介されたレシピです。

大阪鶴橋市場で最も古いイカ焼き屋イカ焼牧野のイカ焼をスタジオで食べました。

前日の11月21日、大阪水上消防署主催の防災週間記念講演に呼ばれまして、「非常時の食べ方」を話すことになったので、その帰りに鶴橋イカ焼をGETしてきたのでした。

自宅で簡単に作れるイカ焼

・小麦粉一人前100〜120CCを水で溶く(お好み焼きの生地くらいに)。ゼータクするなら生卵1個を加える。

・スルメイカの胴体を幅5ミリくらいに切る。

・油を引いたフライパンを熱し、生地を流したら、その上に切ったイカを散らす。一分たったらひっくり返し、フライ返しで上からおさえる。

・終始、中〜強火で焼くのがコツ。

・両面焼けたら、イカを散らした面に甘辛いソースをべっとり塗り、三つ折りにする。
イカ焼牧野のイカ焼

2011年11月15日 魚のソースカツ)

2011年11月15日「上柳昌彦 ごごばん!」で紹介されたレシピです。

魚のソースカツ

・イワシの手開きを用意する。

(1)頭をちぎり、はらわたをとて、水洗いする。

(2)親指を腹に突っ込み、しっぽ・頭の方へずらして、身を開く。

(3)中骨をむしりとって、開きのできあがり。

・この開きに中濃ソースを回しかけ、30分ばかしおいておく。

・このイワシの両面にパン粉をたっぷりまぶし、やや多めの油をひいたフライパンに載せ、中火で焦げぬよう表と裏を焼く。

・まだ洋食が庶民の手に届かなかった、貧しかったニッポンに左翼宅に紹介された庶民の洋食として、昭和30年代の料理本に載ってました。とはいえ、アツアツごはんにのせて食べまってえと、これがアナタ、実に旨いもんだからかないません。また、この開きにソースをかけたのを、一夜干しにしますってえと、なんともハイカラな、洋風干物になるんですな。この洋風干物をパンにはさんだサンドイッチが「おいしゅうございます」と、当時にの本に書かれておりました。もちろん、やってみたともさね。で、その感想は→「ニッポンジンはえらい」
魚のソースカツ

2011年11月8日 柿膾(なます)

2011年11月8日「上柳昌彦 ごごばん!」で紹介されたレシピです。

柿膾(なます) 

忘年会シーズンに向かい、どーしても何としても、飲みたくないのに飲まねばならん、そんな不摂生極まりない罪深き日々から肝の臓を守る伝統色が、柿膾なのです。

・大根と人参を2ミリ角位の千切りにし、塩もみして30分ばかしおいておく。

・柿1個を16分割位のくし形に切る。

・両者を混ぜてまる一日おいておくと、しんなりした大根・人参に柿の甘みがしみこむ。

・分量 柿:1個、人参:1本、大根:人参と同量、塩;茶さじ1杯

*ざく切りキャベツを一緒に塩もみしても、これまた旨い。
柿膾

2011年11月1日 きのこのピカタ(ガーリック味)

2011年11月1日「上柳昌彦 ごごばん!」で紹介されたレシピです。

きのこのピカタ(ガーリック味) 

・エリンギを縦4〜6に切り、塩・コショーした後、溶き卵にからませてフライパンで油焼きする。

*小麦を、溶き卵でまぜ、油焼きにするとパリっとしておつまみに良い。
きのこのピカタ

2011年10月25日 でんぷんだんご

2011年10月18日「上柳昌彦 ごごばん!」で紹介されたレシピです。

でんぷんだんご 精進料理の一種

・ゆでジャガイモをつぶし、同量の片栗粉とまぜあわせ、丸餅状にする。

・それをおやきのように焼いたり、蒸したりするとアラ不思議! まるで餅のようになる。

・昔は精進料理のひとつだった(里芋か山芋を使った)。

・北海道開拓時代、ジャガイモ・カボチャを使い、正月の餅がわりにもしていた。北海道ではバター焼きにする人たちもある。
でんぷんだんご

2011年10月18日 鳥の胎内丼

2011年10月18日「上柳昌彦 ごごばん!」で紹介されたレシピです。

あやしいネーミングだがオイシイ! 鳥の胎内丼

・一口大に切った鶏モツ(主にレバー)に、塩と中濃ソースで下味をつける。

・くし形切り玉ねぎと鶏モツをフライパンでさっと炒める。

・溶き卵にみりんと醤油(卵1個に5CCづつ)を加えてよくまぜ、フライパンの上にまわしかける。

・箸でザザっとまぜ、フライパンに蓋をして火を止め、3分くらいおく。

・アツアツをごはんにのせ、七味と粉生姜をふりかける。
鳥の胎内丼

2011年10月11日 たまこんにゃくの煮物

2011年10月11日「上柳昌彦 ごごばん!」で紹介されたレシピです。

山形名物 たまこんにゃくの煮物

・水洗いした玉こんにゃくを中火で約5分間空煎りする。

・煮干し、昆布の出汁と 醤油 味醂に落し蓋で煮る。

・焦げぬよう鍋をゆすりながら弱火で煮詰める。

・甘辛く煮切ったら一串に3玉刺してできあがり。

東北のお祭りに行くと玉こん刺しを食べながら歩くAKBっぽいこむすめをよく見かける。
たまこんにゃくの煮物

2011年10月4日 鮭の白子蒲鉾

2011年10月4日「上柳昌彦 ごごばん!」で紹介されたレシピです。

鮭の白子蒲鉾

北の海で サケ漁が始まりました.その鮭の白子は真鱈の白子のような高値ではありませんの。4腹でも150円という安値なのです。酒蒸しや茹でてポンズというのがポピュラーですが どっこい蒲鉾が旨いのです。

・鮭の白子をぶつ切りにしてミキサーにかける。低速で約5分くらい。

・白子4腹に対して塩5g、片栗粉10gを加え 練り合わせる。

・とろとろになったらラップで蒲鉾状に型取り、蒸し器で10分位蒸す。

蒸しあがったら 一度冷ましてから蒲鉾みたいに切って食べる。山葵醤油や柚子ゴショウなどでお上品に食べるとおいしゅうございますの。
鮭の白子蒲鉾

2011年9月27日 きのこの寄せ蒸し

2011年9月27日「上柳昌彦 ごごばん!」で紹介されたレシピです。

秋のむしものきのこの寄せ蒸し

・しめぢ、えのき筍などのきのことブツ切り鰹刺身をアルミフォイルで包み、蒸し焼きにする(約5〜7分)。

・味付けは、塩+かぼす(柚子orスダチでもよい)、ポン酢。
きのこの寄せ蒸し

2011年9月20日 鯛のかぶと煮

2011年9月20日「上柳昌彦 ごごばん!」で紹介されたレシピです。

鯛のかぶと煮 真鯛の頭(アラだから200円くらい)を小料理屋風の甘辛煮にする。
鯛のかぶと煮

・頭をたてふたつにパカッと切る。

・それをまた2つに切る。

・水、みりん、醤油(4:1:2)と昆布を鍋で煮立てたところに、切った鯛頭を入れ、落し蓋をして5分煮たら。その上から本蓋をして自然に冷ます。

・火は中火で、あまり沸騰させないこと。

・できれば一度冷まし、冷蔵庫で煮こごりにさせるとよろしい。

*注意! まず頭のうろこをよく取っておきませう。
鯛のかぶと煮

2011年9月13日 米茄子の田楽

2011年9月13日「上柳昌彦 ごごばん!」で紹介されたレシピです。

米茄子の田楽 まるまる肥った米茄子を いにしへの石焼田楽風に焼いてみます

直径8cm位のメタボ米茄子を厚さ2cm位に切り、ホットプレートで焼く。

サラダ油を薄く引き、200度位で表裏ともに焼く。

すりごま・味噌・味醂をよく練り合わせ、茄子の表面にたっぷりと塗る。

仕上げに日本酒30ccをふりかけ、蓋をして約1分蒸らす。

*江戸時代以前では胡麻ではなく紫蘇のなかまである荏胡麻を使っていた。

*田楽は平べったい石を火に乗せ、その焼けた石で茄子を焼いていたが、現代ではホットプレートが最適でせう。
米茄子の田楽

2011年9月6日 ユッケ風秋刀魚

2011年9月6日「上柳昌彦 ごごばん!」で紹介されたレシピです。

ユッケ風秋刀魚

鮮度のいい秋刀魚を薄造りの刺身に引く。それを唐辛子味噌で和える。

唐辛子味噌 茶匙で、{味噌3 粉唐辛子1 下ろしにんにく二分の一 味醂1〜1.5 ごま油1}を混ぜたもの。

刺身と味噌を和えたらすぐに食べるようにする。なほ食べる寸前に生卵の黄身で和えるともっと旨い。

微塵切りの葱や茗荷を加えると随喜の涙が溢れてくる。
ユッケ風秋刀魚

2011年8月30日 水無しトマトカレー

2011年8月30日「上柳昌彦 ごごばん!」で紹介されたレシピです。

水無しトマトカレー 戦前の海軍レシピを参考にして作りました。

1 肉、ジャガイモ、ニンジン,玉ねぎ、等は1〜2センチ角に切り生姜、にんにくはすりおろす。

2 ラードかヘットを溶かしたフライパンで5分位炒め、完熟トマト5〜7個をおろしがねですりおろす。

3 蓋をして5〜7分煮たら 市販のカレールーを入れて溶かす。

*トマトに含まれるグルタミン酸が旨みを出すので スープストック無しでも旨みが出ます。8月25日発売 少年サンデー超『クック・ドッポ』に登場する勝利の海軍カレーです。
水無しトマトカレー

2011年8月23日 粕漬けチーズ

2011年8月23日「上柳昌彦 ごごばん!」で紹介されたレシピです。

粕漬けチーズ冬瓜のオイスターソース味

・瓜の粕漬けなどに使う酒粕は、冬に絞った酒粕を夏過ぎまで保存しておいたものを使います。摘果メロンやキュウリ、白瓜などはひとまず塩漬けにした後、この粕に漬けます。このまま半年以上おくと、べっこう色の奈良漬になります。

・そこで今回は、この酒粕にフツーのプロセスチーズを漬けてみました。
粕漬けチーズ

2011年8月16日 冬瓜のオイスターソース味

2011年8月16日「上柳昌彦 ごごばん!」で紹介されたレシピです。

冬瓜水晶煮の中華版!冬瓜のオイスターソース味

・3センチ角切り冬瓜を塩茹で5分。

・ザルで湯を切り、ゴマ油で炒める。

・オイスターソース、唐辛子、酒で味を整え、水溶き片栗粉少量でトロミをつける。。
冬瓜のオイスターソース味

2011年8月9日 牛まぶしごはん

2011年8月9日「上柳昌彦 ごごばん!」で紹介されたレシピです。

牛肉の風評被害に負けるなキャンペーン牛まぶしごはん 「ひつまぶし」だけど、うなぎを使わず、牛こま肉を使用

・牛こま肉を2〜3センチに切る。

・みりん醤油+塩でやや濃い目に煮切る。

・かけ汁=削り節+昆布で濃い目の白だしを引き、塩だけで潮吸物くらいの汁を作る。

・ごはん=熱いのを使う。かけ汁もあたためておく。つめたいごはんの時=ごはんをザルで水洗いし、ぬめりをとる。

・牛肉をのせたごはんに、用意したかけ汁をかけてできあがり。
牛まぶしごはん

2011年8月2日 ゴマ豆腐

2011年8月2日「上柳昌彦 ごごばん!」で紹介されたレシピです。

涼しげゴマ豆腐

・吉野葛(1カップ)+だし汁(3カップ)+練りゴマ(5カップ)をあわせて鍋に入れ、弱火でよくかきまぜる。

・ねっとりしてきたら、水で濡らしたタッパーにとり、冷ます。

・食べるときは、わさび醤油で!
ゴマ豆腐

2011年7月26日 魁皇引退特別企画

2011年7月26日「上柳昌彦 ごごばん!」で紹介されたレシピです。

昔(昭和)のおすもうさん 夏場のおかず味噌

・豚のひき肉ときざみニンニクをラードで炒め、黒砂糖と味噌を加えて練る。唐辛子を加えるとバッチリ汗をかく。

・昭和50(1975)年頃、蔵前国技館(当時)近くの料理屋で、現役チャンコ番に教わった味噌。食欲のない猛暑でも、この味噌をごはんにのせ、水をぶっかければいくらでも食べられた。

・現代風に作るなら、ひき肉と味噌を1対1・5であわせ、酒かみりんで伸ばしながら炒めるとよろしい。十分に加熱すれば、瓶詰め→冷蔵庫で10日くらいは大丈夫です。
おかず味噌

2011年7月19日 パワーアップ偽蒲焼き

2011年7月19日「上柳昌彦 ごごばん!」で紹介されたレシピです。

パワーアップ偽蒲焼き今年も偽蒲焼き! しかしっ!!パワーアップしたタレがコツなのです。

・三枚に開いた鰯に小麦粉をまぶし、フライパンで油焼き。

・そのままフライパンにタレを流し込んでよくからめ、仕上げは山椒の粉を。

・【タレの作り方】鰯の中骨と頭を直火でこんがりと焼く。鍋に醤油とみりんを1対1、プラスざらめ少々、そして焼いた頭と中骨を入れ、酒を少し加えて煮る。
偽蒲焼き

2011年7月12日 つべたいポタージュ

2011年7月12日「上柳昌彦 ごごばん!」で紹介されたレシピです。

つべたいポタージュ

・カボチャ、ニンジン、タマネギをザク切りにして、鍋に入れ、ひたひたの水を張って火にかける。その際に水の一割量の牛乳を加える。

・沸騰後5分で火を止め、ふたをしたままで自然に冷ます。

・冷えたらミキサーにかけてからタッパーにとり、冷蔵庫で冷やす。

*好みで塩を加える。微量の塩分で野菜の甘さが引き立つ。
つべたいポタージュ

2011年7月5日 豆ソース麺

2011年7月5日「上柳昌彦 ごごばん!」で紹介されたレシピです。

ひんやり豆ソース麺

・枝豆+豆乳のソースを麺にかけて、削り節のだし汁をぶっかけていただきます。
豆ソース麺

2011年6月21日 かじきまぐろのサイコロステーキ

2011年6月21日「上柳昌彦 ごごばん!」で紹介されたレシピです。

かじきまぐろのサイコロステーキ

・白い身のかじきまぐろの切り身を2センチくらいの角切りにして、ガーリックパウダーと塩を振り、4〜5時間おく。

・フライパンにサラダ油とバター少々を溶かし、サイコロステーキ用かじきをころがしながら炒める。

・表面に焼き目がついたら、おちょこ一杯(20CC)の酒をふりかけて蓋をする。1分間の酒蒸しでできあがり。
かじきまぐろのサイコロステーキ

2011年6月14日 かめちゃぶ

2011年6月14日「上柳昌彦 ごごばん!」で紹介されたレシピです。

下町伝統の味、かめちゃぶ

・「かめ」とは鍋、「ちゃぶ」とはめしのこと。昭和40年代まであった牛煮込みの老舗「大陸」。現在までその味をリアルに引き継いでいるのが浅草六区「正ちゃん」。

・和牛の牛スジを白湯で約2時間ゆで、それをハサミで切る。

・牛すじ以外の具はこんにゃくと豆腐。

・甘辛い牛皿に、韓国産唐辛子をかけて食べつつホッピーを飲む(*JRA馬券を買う前)

・丼めし、またはゆでうどんに牛スジ煮込みをぶっかけてかっこむ。(*JRAをにらみながら)
かめちゃぶ

2011年6月7日 アボガドの塩辛

2011年6月7日「上柳昌彦 ごごばん!」で紹介されたレシピです。

アボガドの塩辛

・アボガドを縦に切り、種をとって実をさじでとる。

・実を小さく切って瓶に詰める。

・塩・コショーを加えてよく練り、最後に植物油を表面にかけまわす。

・クラッカーにのせて食べたり、ごはんにのせてのりまきにしたり。

●塩辛の歴史:素材は木の実、果実、川魚、貝、獣肉などだった。塩辛から発展したのが醤油や味噌、すし。
アボガドの塩辛

アボガドの塩辛

2011年5月31日 信州田舎 初夏の味

2011年5月31日「上柳昌彦 ごごばん!」で紹介されたレシピです。

茄子の油味噌

・ザク切り茄子を油で炒めたあと、信州味噌、みりんを加えて味噌炒めにする。

・ちなみにこれを具にしておやきを作れば、名物茄子おやきになる。
茄子の油味噌

2011年5月17日 山形名物漬物「だしっ」

2011年5月17日「上柳昌彦 ごごばん!」で紹介されたレシピです。

山形名物漬物「だしっ」

・きゅうり、みょうが、茄子、ピーマン、オクラ、大葉、ネギ――などのみじん切りを塩漬けにしたもの。

元々は余った漬物の再利用だった。(ぬか漬、こうじ漬、みそ漬、塩漬などをみじん切りにしたものだった)
だしっ

2011年5月10日 浪速名物イカ焼

2011年5月10日「上柳昌彦 ごごばん!」で紹介されたレシピです。

浪速名物イカ焼 鶴橋イカ焼き牧野名物

・お好み焼用のルー(小麦粉+水)を少しゆるめに作る。冷蔵庫で一晩寝かすのがコツ。

・鉄板にルーをながし、その上にイカを散らす。

・早めに裏返し、上から強くおさえてでき上がり。ソースだけを塗って食べる。

*本来は専用の焼き道具があって、上下からはさんで焼く。写真は大阪 黒門道具市場で売っていたもの。鋳鉄製で二千円代。
イカ焼き道具

2011年4月26日 蓮根お好み焼き

2011年4月26日「上柳昌彦 ごごばん!」で紹介されたレシピです。

蓮根お好み焼き

・皮をむいた蓮根(一人前=2節)をおろしがねですりおろす。

・蓮根と同量の小麦粉をよく混ぜ、好みで(1)生姜すり下ろし+ハチミツ、(2)ハチミツ+粉ミルク、(3)みそ+酒粕 などを適量加える。

・油を薄く引いたフライパンに、お玉一杯ずつのレンコン生地を落とし、表裏ともに焼く。

*一見、焼き餅かおやき風に見えます。カロリーが低く、繊維が多いのが利点。漢方では、蓮根のすりおろしは、のどによろしいとのこと。
蓮根お好み焼き

2011年4月19日 鉢(ばち)当たりごはん

2011年4月19日「上柳昌彦 ごごばん!」で紹介されたレシピです。

鉢(ばち)当たりごはん 誰も知らない美食ごはん。料理人の下ごしらえの時に食べられる、微食献立。

・ゴマを煎る→すり鉢で摺る→摺ったゴマを取り出す。

・すり鉢にゴマがへばりついて残っているので、そこに冷や飯と塩微量を入れ、木べら(もしくはしゃもじ、あるいは指)でかき混ぜる。

・冷や飯のカドがとれてポロポロしてくる。すり鉢にへばりついていたすりゴマが、ポロポロ冷や飯にうまくまぶされる。

*ゴマ煎りたてのこうばしさと、ごはんの甘味に、ゴマ油のとろみが合体するんですな。
ばちあたりごはん

2011年4月12日 鉄骨ごはん

2011年4月12日「上柳昌彦 ごごばん!」で紹介されたレシピです。

鉄骨ごはんミネラルいっぱいのごはん

・米に、ひじき、姫エビ、ゴマ、松の実などを加えて炊くことで、鉄分やカルシウムなどを補った主食。

・アマランサス、ちりめんじゃこ、押麦などを加えるのもよい。

*実は私、低血圧(60から100)なのです。鉄分補給しないとなりません。高血圧がうらやましい。
鉄骨ごはん

2011年4月5日 からまぶし

2011年4月5日「上柳昌彦 ごごばん!」で紹介されたレシピです。

からまぶし塩と酢でしめた魚と、おから煮を和えたもの

(1)鰯(生食用)を開き、塩じめ6時間、酢じめ1時間し、これを細切りにする。

(2)ドライおから(袋入り感想)に、水(ドライおからの3〜4倍量)、醤油、砂糖、削節を加えて火に掛ける。よく練ってから冷ます。

(3)(1)と(2)を和える。

・市販のうの花(おから煮)やしめ鯖を購入して作ってもよい。

2011年3月29日 泪大根

2011年3月29日「上柳昌彦 ごごばん!」で紹介されたレシピです。

泪大根

・厚さ3〜5mmの輪切り大根を皿に並べ、荒塩を薄く振る。

・5分後と10分後で味が変わる。

・ドイツにおける唯一の大根料理らしい。かの国には泪大根専用カッターまである。

2011年3月22日 カップ温泉卵づくり

2011年3月22日「上柳昌彦 ごごばん!」で紹介されたレシピです。

カップ温泉卵

・卵は冷蔵庫から出して室温にしておく。

・カップ麺カップに卵を入れ、いっぱいまで熱湯を注ぎ、蓋をして25〜30分放っておく。
カップ温泉卵

イラスト:堀込和佳
うおつか流 みんなで体験! 台所塾(合同出版、2006年)より

2011年3月15日 火を使わないそうざい作り 切り干しハリハリ漬け

2011年3月15日「上柳昌彦 ごごばん!」で紹介されたレシピです。

切り干しハリハリ漬け

・切り干し大根を30分間水に浸して、ギュッとしぼる。

・調味液に一晩浸しておく。

《調味液のバリエーション》

・家庭風味チーム 醤油・酢・七味

・中華風チーム 味噌・酢・辣油

・料理屋風 かんずり・みかん・ゆず

・洋風 塩・オリーブ油・ガーリック粉

2011年3月8日 はったいこ(麦こがし)

2011年3月8日「上柳昌彦 ごごばん!」で紹介されたレシピです。

はったいことは、煎ったオオムギを粉にしたもの。はったいこ、こうせんとも言う。

・黒砂糖1:はったいこ4の割合で混ぜる。

・熱湯を少しづつそそぎ、匙で練る。

《バリエーション》麦こがしを使ったクレープ

・小麦粉3:麦こがし1:黒砂糖1/2をまぜる。

・牛乳を加えて、お玉ですくえるくらいにのばす。

・薄く油をひいて熱したフライパンに、お玉一杯分を流し入れ、フライパンいっぱいに広くのばす。

・弱火で3分焼いたら裏返して、2分焼く。

2011年3月1日 めかぶのトロトロ

2011年3月1日「上柳昌彦 ごごばん!」で紹介されたレシピです。

めかぶとは、ワカメの茎状部の両側にある葉状部。塩蔵もあるが、乾燥物はきざんであるので使いやすい。

・水か湯に10〜20分浸して戻す。

・佃煮風:醤油またはみりん醤油で和える。

・もずく風:酢醤油またはぽん酢で和える(うずら卵をトッピングすると旨い)
めかぶ@スタジオ

2011年2月22日 梅豚 水晶造り

2011年2月22日「上柳昌彦 ごごばん!」で紹介されたレシピです。

豚バラ肉の薄切りで作る、あっさりトロける肉料理。

・梅干しをすり鉢でする。それをみりんでのばし、3cm程度に切ったバラ肉を和える。

・バラ肉に片栗粉をまぶし、熱湯をくぐらす。

・そのまま食べても旨いが、すりゴマ、ぽん酢で食べても旨いっ。

2011年2月8日 作ったその場で食べられるイカの塩辛

2011年2月8日「上柳昌彦 ごごばん!」で紹介されたレシピです。

北海道開拓時代、海から遠い内陸部で塩辛は貴重なタンパク源だった。正月、塩ゆでジャガイモに塩辛をのせて食べるのがごちそうであった、という話を、1977年頃、開拓農民の子孫から聞いた。
イカ図

・イカの胴体から(2)(3)(4)をひっぱり出す。

・(2)にある細い墨袋を取り去る。

・(3)の目とくちばし、(4)の吸盤を取り、小さく切って、肝・味噌と和える。

・ゆず皮、ゆず胡椒を食べる直前に加えると香りがよい。

《アレンジ》蒸し焼き:ゆでじゃがに塩辛を和え、アルミフォイルで包んで直火焼きにする。

2011年1月18日 昭和14年の肉味噌うどん

2011年1月18日「上柳昌彦 ごごばん!」で紹介されたレシピです。

昭和14年の肉味噌うどん

・さいの目に切った豚肉と、みじん切りにした葱をラードで炒める。

・白味噌とだしを加えて、どろりとしたスープを作る。

・ゆでめんのうどんに上の二つをかけて食べる。

*昭和10年代、満洲へ行った日本人たちが持ち帰った大陸風麺料理。今日のあんかけそばの原形と思われます。

2011年1月11日 ちゃんちゃん風アルミ包み焼き

2011年1月11日「上柳昌彦 ごごばん!」で紹介されたレシピです。

北海道名物ちゃんちゃん焼きをお家のフライパンで再現

・アルミホイルをひろげて、その上に(1)鮭の切り身 (2)練った酒粕\(3)人参、南瓜、キャベツ、玉ねぎ、アスパラ、ジャガイモ(以上お好みで)、味噌・もやし、生辣油を載せる

・具材をホイルで包んで、フライパンに並べ、ふたをして中火に約10分かける。

*酒粕は板粕に水と砂糖少々を加えて練ったものを使う。
ちゃんちゃん焼き

2011年1月4日 正月四日目の粥

2011年1月4日「上柳昌彦 ごごばん!」で紹介されたレシピです。

正月四日目の粥 サムダゲンもどき

材料 冷やごはん、クコの実、鶏の手羽先、お節の残りもの(かまぼこ、煮野菜、焼き魚)

・鍋に、水、クコの実、手羽先を入れ、中火で15分煮る。手羽先の肉をほぐす。

・お節の残り物をみじん切りにして入れる。みじん切り大根葉と冷やごはんを加える。

・その後、5分たったら、塩で味を整える。

・食べるときの薬味=おろし生姜、ゆず皮orゆず汁、すりごま。

□お節は動物性タンパク質が多く、酒も飲んでいるので、ここいらで胃腸休めとしての粥がよろしい。水分たっぷりの粥で、体調を整えませう。
お粥

2010年12月21日 チキンジンジャー唐揚

2010年12月21日「上柳昌彦 ごごばん!」で紹介されたレシピです。

チキンジンジャー唐揚

・鶏肉(200gくらい、ももorムネ)を3センチくらいに切る。

・塩小匙1〜1・5杯、パウダージンジャー小匙2杯をあわせて、鶏肉に揉みこむ。

・15分おいてから、オイスターソース小匙1杯と片栗粉小匙5杯をよくからめる。

・180度の油で約3分揚げる。揚げたてを油切りにひとかたまりにして3分間おいておく。この間に肉の芯まで熱が通る。

・外側はカラリとして中は火が通っているのにジュシー!
唐揚げ

2010年12月14日 しゃも鍋

2010年12月14日「上柳昌彦 ごごばん!」で紹介されたレシピです。

再現 五鉄のしゃも鍋

・池波正太郎『鬼平犯科帳」によくでてくる「五鉄のしゃも鍋」を再現してみました。

・地鶏の内蔵(肝、砂肝、きんかん(卵のもと)、クダ(消化管)、カワなどを、醤油とみりんで味付け。具はネギのみ。

2010年12月7日 鯖の味噌煮

2010年12月7日「上柳昌彦 ごごばん!」で紹介されたレシピです。

手早く作れる鯖の味噌煮

・鯖は、三枚におろして塩を振った鯖の文化干しを使用。

・油をひいたフライパンを熱し、小麦粉をまぶした鯖を炒める。両面ともカリッとしたら、味噌、酒、みりん、砂糖、たっぷりのおろし生姜を溶いた液を流し込む。

・弱火で揺すりながら煮詰める。

鯖の文化干し片身一枚に対して使う調味料 酒 50cc/みりん 25cc/みそ 25cc/おろし生姜 25〜30cc/砂糖 15cc
鯖の味噌煮

・煮汁がネットリしたらできあがり

*小麦粉をまぶして油焼きしているから、やわらかい鯖の身が崩れない

2010年11月30日 「ニセカツ丼」

2010年11月30日「上柳昌彦 ごごばん!」で紹介されたレシピです。

見た目はカツ丼で、味もカツ丼……なのに、肉が……ない……。

おやつにぴったし「ニセカツ丼」

・仙台あぶら麩を水で戻す(水で15分)。

・フライパンで櫛形に切ったタマネギとキノコを酒を加えて炒める(蓋をして蒸し炒め)。そこに2〜3cmに切ったあぶら麩、醤油、みりんを加えて味をしみこませる。

・溶き卵をフライパンに流し入れ、箸でさっとかきまぜたら、蓋をして火を止め、余熱で3分蒸らす。

・茶碗によそったごはんにのせる。

*あぶら麩の茶色が、まるでトンカツに見える……ように、自分に言い聞かす。

*本日の格言「味は気のもちようである」

2010年11月16日 Puffer(フグ)スモーク・ジャーキー

2010年11月16日「上柳昌彦 ごごばん!」で紹介されたレシピです。

Puffer(フグ)スモーク・ジャーキー

・刺身用はトラフグ=高価だが、干物・鍋用・天ぷら用のサバフグ、ゴマフグは安価。しかも毒のある皮、内臓をプロがとりのぞいてある「身欠きフグ」なら、素人でも扱える。

・スーパーに売ってる一夜干しのフグは、一匹100〜150円くらいで買える。それを丸一日天日干しにする。

・水分の抜けたフグをスモークする。
フグのスモークジャーキー

・弱火にかけ、8〜10分間加熱し、火を止め、冷めるまでそのまま放っておく。鍋は絶対にコンロからおろさないこと(火事になる)。

・万能蒸し器ごととりだして、表面の水分が乾くよう半日放っておく。

2010年11月9日 魚のスパイス蒸し ケニア風

2010年11月9日「上柳昌彦 ごごばん!」で紹介されたレシピです。

魚のスパイス蒸し ケニア風

・スズキ、イサキ、グルクン、鯛など丸ごと一匹に塩とスパイスをすり込み、蒸し焼きにする。

・その蒸し汁に、現地の主食ウガリ(クスクスみたいなトウモロコシ粉のパン)をつけて食べるのがケニア食。

・日本でやるなら、小型のスズキか鯛を使います。……が!っ……どちらも1000円もします。安い鰺で代用してもいいけど、上柳さんたちはスズキを食べたいんだろ〜な〜と思う今日この頃です。
魚のスパイス蒸し

2010年11月2日 いにしへのバターハーフ

2010年11月2日「上柳昌彦 ごごばん!」で紹介されたレシピです。

昭和30年代、貧しいおうちでやっていたバター2倍ワザ

・バターに同量の黄粉をまぜる

・具が倍になり、塩分は半分。カルシウム、カリウムたっぷり。

*そんなことはちーっとも知らず、ビンビーなお母さんたちは、代用バター(=マーガリン)より、増量バターを使ってたのだ。
バターハーフ

2010年10月26日 小倉鳥町食堂街・自由軒の焼きうどん

2010年10月26日「上柳昌彦 ごごばん!」で紹介されたレシピです。

「焼きうどん発祥の店」(?)を看板にしていた小倉鳥町食堂街・自由軒の焼きうどん

・太麺うどん、キャベツ、豚バラスライス、削りスルメ、紅生姜、天かす――これらを豚脂(ラード)で炒め、やや甘いソースで味付けをする。

*貧乏学生はこの焼きうどんに韓国唐辛子を死ぬほどかけて食べていた。1960年代の小倉の味です。
串カツ

2010年10月19日 串カツのおうちバージョン

2010年10月19日「上柳昌彦 ごごばん!」で紹介されたレシピです。

大阪名物串カツのおうちバージョン

・豚肉ブロックを5ミリ厚の一口大に切り、塩・コショーしておく。

・竹串に豚肉2ヶを刺す。
串のさしかた

・ホットケーキ粉と小麦粉を1対1で混ぜ、水を加えてトロリとした生地を作る。

・その生地に串刺しをドプッとひたし、その後パン粉をまぶして180度の油で1分揚げる。

ミルクパンでの揚げ方

・揚げ油はミルクパン(小型片手鍋)に入れて火にかけると揚げやすい。

・具はソーセージ、魚の切り身、かまぼこ、芋、南瓜、ししとうなどが良。変わったところで、りんご、バナナなどもウマイ。

串カツ

2010年10月12日 きのこオールスター

2010年10月12日「上柳昌彦 ごごばん!」で紹介されたレシピです。

きのこオールスター

・きのこ(椎茸、エリンギ→薄切り:しめぢ、えのき茸→ほぐす)

・天日で半日干し、サラダ油少々をまぶしてフライパンで炒める。

・塩を振り、とけるチーズ(ピザ用)大匙2杯を散らし、酒50CCをかけて蓋をする。

・1分で火を止め、蓋をしたまま30秒間むらす。
キノコオールスター

2010年10月5日 鯛味噌柚子風味

2010年10月5日「上柳昌彦 ごごばん!」で紹介されたレシピです。

鯛味噌柚子風味(はまちorひらめもOK)

●唐辛子を選ぶ

・鯛の中骨、頭、腹身に塩を振り、一晩風干しにする。

・ガスグリルでこんがり焼き、身をほぐす。

・ほぐした身をフライパンで空煎りし、身と同量の白みそと、少量のみりんを加え、弱火で練り上げる。

・冷まして容器に移すとき、柚子汁かみじん切りの柚子皮をまぜる。
鯛味噌

2010年9月28日 5分で作れる生辣油

2010年9月28日「上柳昌彦 ごごばん!」で紹介されたレシピです。

5分で作れる生辣油

●唐辛子を選ぶ

・ゴマ油に粉唐辛子数種類を加える。

・辛さを出すには、チリ・ホット、ハラペーニョ、ハバネロなどの粉末を用いる。

・旨さ・甘さを出すには、韓国産唐辛子を使う。

●よく洗った瓶1/3に唐辛子を入れ、そこにゴマ油をいっぱいまでそそぐ。

・ゴマ油に粉唐辛子数種類を加える。

●本日の生辣油料理

・きゅうりや白菜の一夜漬を切ったあと、生辣油で和える。生辣油独特のマイルドな油の味がする。意外と辛くない。
生辣油

2010年9月21日 横浜中華街風焼き豚

2010年9月21日「上柳昌彦 ごごばん!」で紹介されたレシピです。

横浜中華街風焼き豚

・豚肉(ブロック)200から300グラム

・煮汁=中国酒(紹興酒or老酒)orウィスキー150CC、八角のつの2〜3本、五香粉茶さじ1/4、黒砂糖100CC、醤油100CC

・煮汁に豚肉ブロックを一晩浸けておく。小さめの鍋に入れ、肉ブロックをひたひたまで水を張り、落とし蓋をし、弱火にかける。

・水が減ったら、つぎ足しながら2時間煮たあと、火を止め、蓋をしたまま冷ます。

・薄く切った後、煮汁を少量かける。
横浜中華街風焼き豚

2010年9月14日 新米!おこげおにぎり

2010年9月14日「上柳昌彦 ごごばん!」で紹介されたレシピです。

おこげおにぎり

・米一合をよく洗い、45〜60分ほど水に浸ける。

・鍋(ステンレスもしくは土鍋)に米を入れ、米の上1cmまで水を張る。

・蓋をして強火にかける。

・蓋のすきまから泡が吹き出したら中火にし、泡から蒸気のみになったら弱火で3〜4分。

・鍋を火からおろし、バスタオルで包んで保温15分。

*鍋底にうすくおこげができている。これが、デキストリン、グルコースという物質で、煎餅などの香ばしい香りと同じである。
>おこげおにぎり

2010年9月7日 目黒の秋刀魚

2010年9月7日「上柳昌彦 ごごばん!」で紹介されたレシピです。

目黒の秋刀魚 200年以上の時をへだてて、今、再現!

・夕方、生秋刀魚全体に荒塩をたっぷりまぶし、翌朝まで干す。

・塩を払い落とし、直火(遠火)で両面を焼く。

・鬼おろしのような荒いおろしがねで大根おろしをたっぷり作る

・秋刀魚より多いおろし大根をのせて食べる

当時の目黒は品川漁港から3〜5Km内陸に入るため、生秋刀魚は流通できないので、大量の塩をまぶしてから輸送した。塩が回って水分が抜け、身がしまる。魚肉タンパクが旨みのアミノ酸に変化する。これが、とれたてより旨い理由である。
目黒の秋刀魚

2010年8月31日 1975年当時の沖縄チャンプルー

2010年8月31日「上柳昌彦 ごごばん!」で紹介されたレシピです。

1975年当時の沖縄チャンプルー

・油脂はラード。豚肉、ランチョンミートは少量しか使わない。麩やソーメンで増量する。

・中華鍋に少量のラードを熱して、具を入れて炒め、削節と塩で味つけ。

・具は、ニンジン、キャベツ、モヤシきくらげ、玉ネギ、ゴーヤー、豆腐、切り昆布、卵、豚肉、麩またはゆでソーメン

・皿に盛りつけてから、コーレーグースーをかけて食べる。
沖縄チャンプルー

2010年8月24日 レバーペースト

2010年8月24日「上柳昌彦 ごごばん!」で紹介されたレシピです。

レバーペースト

・たっぷりの熱湯に鶏レバーを入れ、蓋をする。再び沸騰して30秒たったら、鍋を火から下ろす。

・鍋をバスタオルで包んで1時間おいたら、レバーをザルにとる。

・水気を切った後、レバーをすりつぶす。

・味付け→塩・コショー・マスタード (ほかにバジルソース、唐辛子、ガーリックソルトなどもよろしい)

・すぐに小瓶に入れて冷まし、冷蔵保存する。

レバーペースト
2010年8月17日 スイトン(好いとん?)

2010年8月17日「上柳昌彦 ごごばん!」で紹介されたレシピです。

スイトン(好いとん?)

・鍋に水、切ったカボチャ、サツマイモ(具材)とだし材を入れる。だし=昆布4cm角、煮干し3〜4本(一人分)。魚の粗、鶏や豚の骨、乾物の戻し汁でもよい。

・弱火にかけ、沸騰後10分頃に小麦粉団子を入れる。小麦粉団子=小麦粉に水を少しづつ加えてまぜる。お好み焼きの生地くらいのトロトロかげんがよい。

・沸騰している鍋の中に、茶さじで小麦粉団子をすくってそっと入れる。7〜8分で団子がプルンプルンになる。

・味噌を溶いて味付けをする。

すいとん すいとん
2010年8月10日 お盆の精進揚げ!

2010年8月10日「上柳昌彦 ごごばん!」で紹介されたレシピです。

お盆の精進揚げ

・素材は非肉魚系

・衣=小麦粉を昆布・シイタケのだしで溶き、その衣に醤油・みりんなどで味をつけておく。

・ナス、レンコン、イモなどを揚げ、天つゆなしで食べる。

お盆の精進揚げ
2010年8月3日 戦時中の浅漬けを復元した「潮漬け」!

2010年8月3日「上柳昌彦 ごごばん!」で紹介されたレシピです。

茄子とキュウリの潮漬け

・ザク切り茄子またはキュウリを広口瓶にギューギュー詰めにする。

茶さじ1〜2杯の塩と、瓶の口すれすれまでの水を加えて蓋をする。

だいたい海水くらいの塩水の濃さとなり、丸一日で浅漬けができる。

潮漬け
2010年7月27日「湯上がりのミドルティーン 秋刀魚茶漬」!

2010年7月27日「上柳昌彦 ごごばん!」で紹介されたレシピです。

秋刀魚茶漬

・生食用の秋刀魚を三枚におろし、薄いそぎ切り刺身にする。

・タッパーに昆布、すりごま、醤油を入れ、切った刺身をひたす。

・20〜30分後、刺身を引き上げ、熱いごはんにのせ、熱湯をかける。

・生辣油を1〜2滴たらすと、バツグンに旨くなる。

秋刀魚茶漬け

スタジオでのひとこま。写真提供:ニッポン放送

2010年7月20日「土用のウソの日蒲焼」!

2010年7月20日「上柳昌彦 ごごばん!」で紹介されたレシピです。

土用のウソの日蒲焼
土用のウソの日蒲焼

・イワシを手開きにする。

・小麦粉をまぶし、多めの油でフライパン焼きにする。

・みりん2対醤油1を煮立て、そこに油焼きイワシを入れて味をしみこます。

・切ってごはんの上に並べ、山椒の粉を振る。

2010年7月13日「冷製トマトパスタ」!

2010年7月13日「上柳昌彦 ごごばん!」で紹介されたレシピです。

冷製トマトパスタ
冷製トマトパスタ

・完熟トマト3ヶ、ニンニク1片、玉葱半分をすりおろし、1/3量まで煮る。

・ゆでたパスタを冷水でひきしめ、ザルで水を切った後、オリーブ油で作ったラー油で和えてから冷蔵庫で冷やす。

・・食べる直前、パスタとソースを和え、好みでオリーブラー油をかける。

2010年7月6日「ロースト筍」!

2010年7月6日「上柳昌彦 ごごばん!」で紹介されたレシピです。

ロースト筍
ロースト筍

ゆでてアク抜きした筍、細いものはそのまま・太いのはたて二つに切り、塩を振ってオーブンで焼く。

ひっくり返すとき、ガーリックオイルや辣油をたっぷり塗り、焦げぬように焼く。

ニッポン放送「上柳昌彦 ごごばん!」放送のレシピを掲載しますっ

2010年6月28日からはじまった、ニッポン放送「上柳昌彦 ごごばん!」毎週火曜日午後3時40分からの魚柄さんの番組「ハートフルライフ プレミアムトーク」(生放送!)で紹介されたレシピを紹介していきます。近々にもコーナーを作ります。

宮崎冷汁の欧州版! コールドチキンとコールドスープ
コールドチキンとコールドスープ

■コールドチキン

塩とローレルを加えた水250ccで10分間ボイル。

10分で湯からあげるのがポイント。そうすれば肉が固くなりすぎません。

■コールドスープ

コールドチキンのゆで汁を利用。

ゆで汁からあぶらを捨てて、ゆで汁50ccに、粉のゼラチン5gを加えて冷蔵庫へ。

オクラやトマトなどを入れておくと、見た目も涼しげで、色鮮やかに仕上がります。