命題論理の「自然演繹」の推論規則 : トピック一覧  

命題論理の自然演繹:推論規則公理一覧 
 ・推論規則:⇒導入則⇒除去則∧導入則∧除去則∨導入則∨除去則¬導入則¬除去則¬の定義) 
       背理法二重否定除去律矛盾除去
 ・公理  :排中律 

命題論理の公理系の諸タイプ : ヒルベルト流の公理系/ゲンツェン流の公理系(自然演繹)

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※述語論理の場合は、林晋,鹿島亮を参照。


推論規則【背理法】のもとで【二重否定除去律】は派生推論規則

命題論理における自然演繹の必要最小限のセット: type1
   ⇒導入則⇒除去則 
   ∧導入則∧除去則∨導入則∨ 除去則 
   ¬導入則¬除去則 
   背理法     
 において、
 ¬¬除去則派生推論規則になる。
  
【どうして?】

【命題論理における自然演繹の必要最小限のセット:type1】に準拠した操作
 端的には、
  ・仮定の書き出し 
  ・推論規則「¬除去則」による書き換え 
  ・推論規則「背理法」による書き換え 
 のみで、

   
¬¬A

  ¬¬除去則 




A

 が得 られるから。 

[step1] 自然演繹で認められた操作(2)仮定の書き出し

 ・論理式「¬A」 を仮定1として書き出す。
 ・論理式¬(¬A)」 を仮定2として書き出す。

  
 仮定1 
 ¬A  

 仮定2 
 ¬(¬A) 




  

[step2]自然演繹で認められた操作(3)推論規則による書き換え

  ・推論規則「¬除去則」にしたがって、
    仮定1「¬A
    仮定2「¬(¬A)」
   を、「(矛盾)」へ書き換える。
  ・推論規則「¬除去則」の規定により、
   書き換え後に引き継がれる仮定は、書き換え前の仮定のすべてだから、
    書き換え後の「(矛盾)」は、仮定1「¬A」仮定2「¬(¬A)」のもとにある。

  ・これで、推論規則「¬除去則」による書き換えに よって、
    仮定1「¬A
    仮定2「¬(¬A)」
   から、
    「仮定1『¬A』仮定2『¬(¬A)』のもとで『(矛盾)』」
   が導出されたことになる。

  
 仮定1 
 ¬A  

 仮定2 
¬(¬A)




(¬除去)




[step3]自然演繹で認められた操作(3)推論規則による書き換え

推論規則「背理法」にしたがって、
    「仮定1『¬A』仮定2『¬(¬A)』のもとで『(矛盾)』」
 を、「A」へ書き換える。
推論規則「背理法」の規定によって、
 書き換え後に引き継がれる仮定は、
   書き換え前の仮定『¬A』仮定2『¬(¬A)』から、
   仮定『¬A』を差し引いた分だけ
 だから、
 書き換え後の「A」は、仮定2「¬(¬A)」のみのもとにある。

・これで、推論規則「背理法」による書き換えに よって、
  「仮定1『¬A』仮定2『¬(¬A)』のもとで『(矛盾)』」
 から、
  「仮定2『¬(¬A)』のもとで『A』」
 が導出されたことになる。

 
  

 [仮定1] 
 [ ¬A ] 

 仮定2 
 ¬(¬A) 




(¬除去 )





(背理法)仮定1を解消 

A


・推論規則としての二重否定除去律
    「¬(¬A)」を
    「仮定『¬(¬A)』のもとで『A』」に書き換えてよい
   
¬¬A

 




A
 は以上で得られた。

 定理となる論理式を獲得したいときは、次のステップへ。




【文献】
 ・van Dalen,Logic and Structure(3rd ed.) Theorem1.4.4(4)(pp.32-3) :¬¬除去。背理法を用いて。 





  






    



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[step4]自然演繹で認められた操作(3)推論規則による書き換え

推論規則「⇒導入則」にしたがって、「仮定2『¬(¬A)』のもとで『A』」 を「¬(¬A) A」へ書き換える。
推論規則「⇒導入則」の規定にしたがうと、
   「¬(¬A) A」への書き換え後に引き継がれる仮定は、
   書き換え前の仮定「¬(¬A)」から、仮定「¬(¬A)」を差し引いた分だけとなる から、   
   「¬(¬A) A」への書き換え後に仮定はすべて差し引かれてなくなってしまい、
    仮定なしの「¬(¬A) A」が得られる。
・これで、推論規則「⇒導入則」による書き換えで、
  「仮定2『¬(¬A)』のもとで『A』」 から、
  仮定なしの「¬(¬A) A」が導出されたことになる。


  

 [仮定1] 
 [ ¬A ] 

 [仮定2] 
[¬¬A]




(¬除去 )





(背理法)仮定1を解消 


A


(⇒導入)仮定2を解消


¬¬AA


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