有界集合上の2重積分 double integral

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IV. 有界集合上における有界2変数関数積分可能条件(3

可積分の必要十分条件[杉浦『解析入門IIV章§定理9.7(p.270.)]
有界関数f(x ,y )が、面積確定有界点集合Aリーマン積分可能であるための必要十分条件は、
f(x,y)有界点集合A上の不連続点の集合が零集合となること。
 
Cf.一般矩形上可積分であるための必要十分条件
(証明) 杉浦『解析入門IIV章§9定理9.7(p.270.)を見よ。 

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定理面積確定有界点集合A上の有界関数f(x,y)の不連続点の集合がnegligibleならば
   
f(x,y)Aリーマン積分可能
   
[高木『解析概論』定理77(p.332):ヒントだけで証明ナシ]

(証明) Aの境界はnegligibleなので、矩形上の積分の場合に帰着できる。、
 

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定理閉矩形K上の有界関数f(x,y)の不連続点の集合が面積ゼロならば
   
f(x,y)閉矩形Kリーマン積分可能。 
(証明)  定理「面積ゼロであることとnegligibleであることは同値」により、
   
定理「不連続点の集合がnegligibleならば可積」を言い換えたもの。  

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(reference)

日本数学会編集『岩波数学辞典(第三版) 岩波書店、1985年、202項積分法(pp.520-525)→リーマン積分、
杉浦光夫『
解析入門I』東京大学出版会、1980年、IV9節定理9.7(p.270.)n変数関数全般について)
吹田・新保『
理工系の微分積分学』学術図書出版社、1987年、第7章§1-III (p. 195).
高木貞治『解析概論:改訂第3版』岩波書店、1983年、第892p. 332.
笠原皓司『
微分積分学』サイエンス社、1974年、7.2[2]定義7.1.4 -6(pp.257-9.)
高橋一『
経済学とファイナンスのための数学』新世社、1999年、第33.8I(p. 108)
黒田成俊『
21世紀の数学1:微分積分』共立出版、2002年、第102(p. 354.)。「このように定義された積分について線形性等の性質が成り立つのも今までと同様である」の一分だけで片付けている。

Lang,Serge.Undergraduate Analysis(Undergraduate Texts in Mathematics),Springer-Verlag New York Berlin Heidelberg Tokyo,1983,Chapter 19. Multiple Integrals. (pp.468-482.)

和達三樹『理工系の数学入門コース1:微分積分』岩波書店、1988年、pp.138-9. アイデアだけ。厳密な議論なし。
小形正男『理工系数学のキーポイント
7:多変数の微分積分』岩波書店、199687-89. アイデアだけ。厳密な議論なし。