代数系
algebraic system
[
トピック一覧:代数系] 二項演算・算法、加法・乗法、代数系
※関連ページ―代数系における諸概念:同型
※関連ページ−代数系の下位概念:半群、群、環、体、順序環・順序体・順序同型写像
→代数系目次・総目次・参照文献
定義:
二項演算binary operation・算法law of composition
[斉藤『数学の基礎:集合・数・位相』第2章§1代数系(p.35); 酒井『環と体の理論』1.2節代数系(p.3);
『岩波数学辞典』121構造A構造2)算法; 本部『新しい代数』2.1節A.二項演算(p.22);]
(設定)
X: 集合
x,y : Xの元
(本題)
・集合X上の二項演算・算法とは、
写像f:X×X→X
のこと。
・直積×と写像の語義に立ち戻って言いなおせば、
集合X上の二項演算・算法とは、
X×X = { (x,y) | x∈X かつ y∈X }に属すあらゆる元、
すなわち、集合Xに属す2つの元を組み合せたあらゆる順序対(x,y)
に対して、
それに対応する集合Xの元 f ( x , y ) ∈ X を一つずつ定める「とりきめ」のこと。
→
[トピック一覧:代数系]
→
代数系目次・総目次
定義:
加法・乗法
[斉藤『数学の基礎:集合・数・位相』第2章§1代数系(p.35); 酒井『環と体の理論』1.2節代数系(p.3);
『岩波数学辞典』104群(p.281); 本部『新しい代数』2.1節A.二項演算(p.22);]
(設定)
X: 集合
f:X上の二項演算
(本題)
・二項演算f(x , y)をx+yと書くとき、この二項演算を加法additionとよび、演算結果を和sumとよぶ。
・二項演算f(x , y)をxyと書くとき、この二項演算f(x , y)を乗法multiplicationとよび、演算結果を積productとよぶ。
※このように、加法・乗法それぞれの計算の仕方は、この段階では定義されていない。これが、どのような条件を満たすように定義されるかによって、加法および乗法をそなえた集合=代数系が分類されていく(→半群・群・環・体・実数体…)。
→加法についての分類:加法半群、加法に関する可換半群・単位元つき半群、加法群
→乗法についての分類:半群、可換半群・単位元つき半群、群
→
[トピック一覧:代数系]
→
代数系目次・総目次
定義:
代数系algebraic system
[『岩波数学辞典』項目121C代数系(p.327);斉藤『数学の基礎:集合・数・位相』第2章§1代数系(p.35);
酒井『環と体の理論』1.2節代数系(p.3);]
何種類かの二項演算が定義された集合(正確に言えば、二項演算と集合の組)を代数系とよぶ。
※集合X に、X上の二項演算fを定めてつくった代数系は、
本来ならば、(X , f )というペアで表したほうが正確なのだろうが、
単に、X で表すのが慣例。
※代数系の例:二項演算の具体的な中身を、どのように定義するかによって、加法および乗法をそなえた集合=代数系が分類されていく
→半群、可換半群、単位元つき半群・単位的半群・モノイド
→加法半群、加法に関して可換半群、加法に関して単位元つき半群・単位的半群・モノイド
→乗法群、可換群・アーベル群、
→加法に関する群・加法群、加法に関する可換群・加法群・加群
→環、単位的環、可換環、
→体(可換体)、非可換体
→実数体
→
[トピック一覧:代数系]
→
代数系目次・総目次
Reference
日本数学会編集『
岩波数学辞典(第3版)』 岩波書店、1985年、項目121構造A構造2)算法;C代数系(p.327);項目56環 (pp. 153-6), 項目104群(p.281);項目229.体 (p.643).
斉藤正彦『数学の基礎:集合・数・位相』東大出版会、2002年。第2章自然数から実数体の定義まで§1代数系(pp.35-39)
酒井文雄『共立講座21世紀の数学8:環と体の理論』共立出版、1997年、1.2節いろいろな代数系(p.3)。
本部均『新しい数学へのアプローチ5:新しい代数』共立出版、1969年、2章2.1節半群A.二項演算。
神谷和也・浦井憲『経済学のための数学入門』東京大学出版会、1996年、p. 57.
杉浦光夫『解析入門I』東京大学出版会、1980年、pp.1-2.
→
[トピック一覧:代数系]
→
代数系目次・総目次