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モーションコントロール・カメラ

もーしょん・こんとろーる・かめら(映画/用語)

 何重もの合成をズレなく行うために開発された、コンピュータ制御のカメラシステムのこと。七つの制御軸をもつ"ダイクストラ・フレックス"、そのパワーアップ版である"エンパイア・カメラ"などが有名。機械的な技術の粋を尽くしたシステムだが、CG技術が飛躍的に発展した今の映画の世界では、コンピュータでカメラを制御する以前に、コンピュータがカメラそのものになってしまった感がある。

モゲラ

もげら(映画/メカ)

 ミステリアンが地球に持ち込んだ大型ロボットで、もともとは資源採掘用のロボット。モゲラと命名したのはミステリアンではなく渥美らしい。
 →地球防衛軍

もげら(映画/メカ)

 Gフォースが対ゴジラ用に開発した超兵器。モゲラとは"Mobile Operation Godzilla Expert Robot Aero-type"の略。"機動運用型ゴジラ熟達ロボット飛行型"?はぁ??
 →ゴジラvsスペースゴジラ

モスボール

もすぼーる(軍事/用語)

 軍用機、軍艦などを一時的に使用しない状態で保管しておくこと。良くテレビで"軍用機の墓場"なんちてアメリカはモハベ砂漠に位置するデビスモンサン基地の様子が紹介されることがあるが、あそこは"墓場"ではなく"冬眠所"とでも呼んだほうがいい(もちろん死んじゃったのもまじってるけどさ)。モスボールは再び使うことも前提にしているため、パネルの継ぎ目部分を樹脂で埋めたり、重要な機材などはカバーをするなどして異物の混入や材質の劣化を極力抑えるように工夫してある。アイオワ級の戦艦も一時モスボール状態だったものを現役に復活させたものだ。

モスラ

もすら(映画/タイトル)

 1961年東宝作品。監督本多猪四郎、特技監督円谷英二、音楽古関祐而。スペイン文学で有名な堀田善衛をはじめ、中村真一郎、福永武彦という三人の純文学者が"週刊朝日"に連載した幻想文学、"発光妖精とモスラ"を元に作られたファンタジックな怪獣映画。三人の原作者の名前はフランキー堺さん扮する主人公、"スッポンの善ちゃん"こと福田善一郎の名前に取り入れられている。また、原作ではロシア+アメリカでロシリカだった強国の名前は映画ではロリシカと変わっている。東宝らしい南方志向に彩られ、人間ドラマの部分もよくできていて(ジェリー藤尾伊藤氏演じる悪役、ネルソンがいい味)楽しい作品だが、クライマックスをロリシカ本国に持っていった(ためにラストが薄っぺらくなった)ことについては異論があるだろう。なお、平成のモスラは見てないので何もいえまへん。

 でーい、なにがジェリー藤尾だ。ジェリー伊藤さんに決まっているではないか。sds044さん、ご指摘どうもありがとうございました。

もすら(映画/怪獣)

 インファント島の護り神たる巨大生物。唯一ゴジラに勝った怪獣と言われているが、ほとんど一発ドついてさっさと逃げ出すような勝ち方されても……。"モスラ対ゴジラ"まで、幼虫の眼の色は青だが、それ以降("地球最大の決戦"以降)は眼の色は赤くなっている。別種のモスラ説から寝不足説まで、いろいろと説はあるようだ。原作でのモスラの幼虫は、白い羽毛に被われた大変美しいものであったが、映画化されるにあたりデザインは大きく変更されている。

モスラ対ゴジラ

もすら・たい・ごじら(映画/タイトル)

 1964年東宝作品。悪役らしさを残しつつ、表情豊かになったゴジラの造型、怪獣とは別のところで繰り広げられる人間側のお話、特に"キングコング対ゴジラ"では見られなかった明確な悪役の存在がストーリーを引き締める。昭和のゴジラシリーズを愛する人には、この作品を高く評価する人が多い。

望月三起也

もちづき・みきや(人物/マンガ家)

 "ワイルド7"が有名だが、それ以外にも数々の佳作を残している、オレも大好きなマンガ家。スクリーントーン全盛の時代になっても、かたくなにトーンの使用を控えてペンによる陰影の表現に力を注ぐ。お薦めは少年ジャンプで連載していた"俺の新撰組"、"ジャパッシュ"。"ジャパッシュ"はいわゆるポリティカル・シミュレーションの走りともいえる作品。

モノグラム

ものぐらむ(模型/メーカー)

 アメリカを代表する模型メーカーの一つ。特に飛行機のキットが有名で、メリハリの利いたモールドと全体的なイメージの捉え方が抜群で、'70年代から'80年代にかけて、"モノグラム神話"なる言葉が生まれたほど。1/48の飛行機キットに秀作、傑作が数多く存在する。

モビルスーツ

もびる・すーつ(アニメ/用語)

 モビルSUIT。SUITとはSpace Utility Instulment Tactical、"汎用戦術宇宙機器"の略語(なんだそうだ)。ガンダムにおけるこの概念の登場後、世の中のロボットたちは"パーソナル・トゥルーパー"だの"SPT"だの"バトロイド"だのという特定の肩書きを持つことが要求されるようになってしまった。

森本レオ

もりもと・れお(人物/俳優)

 テレビドラマでの飄々とした脇役ぶりもいいが、声優としても侮れぬ活躍をなさってるおじさま。"きかんしゃトーマス"のナレーションもいいが、特撮ファンとしてはやはり公式日本語公開版"スター・ウォーズ"でのハン・ソロ役に尽きる。さまざまな人物によってアテられているハン・ソロだが、個人的に森本レオ版が最高にいいと思う。

森脇真末味

もりわき・ますみ(人物/マンガ家)

 非常に骨太く、荒々しいといってもいいような、独自の画風を持つ女流マンガ家。閉塞状況の若い人の心理状態の描写とセリフ回しが秀逸。自分の作品に登場するロックバンドに"スラン"なんて名前をつけてみたり、まんま"山羊の頭のスープ"なんてタイトルのマンガを発表したり、なかなかに油断できない趣味の方。

モンタージュ理論

もんたーじゅ・りろん(映画/用語)

 映画の制作においてもっとも重要な技法の一つ。ソ連の映画監督、セルゲイ・エイゼンシュタインが1925年、"戦艦ポチョムキン"で初めて実際に使用した。そのキモは、さまざまなカットを連続させることで、一つの意味を観客に伝える、ということ。たとえば"ガメラ-大怪獣空中決戦-"で、東京に飛来したギャオスが電車を襲撃するシーンがあるが、ここでは、電車の屋根を食い破ったギャオス→ギャオスのロングショット→ぺっとなにかを吐き出すギャオス→地面に落ちてもむなしく動いているウオークマン(電車の乗客が聞いていたもの)………という一連のカットで、乗客たちが無残にもギャオスに食われてしまった、という事実を、ギャオスが乗客を食う、というカットを使うことなしに表現し、さらにその事実の意味を、単に事実を描写するよりもはるかにビビッドに伝えているわけだ。今から思えば簡単なことのようだが、最初にこれを考えた人は本当に偉かったんである。