尾瀬の花 | コース案内063 |
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063:大清水〜一ノ瀬休憩所〜岩清水〜三平見晴〜三平峠〜三平下
このコースの見所・撮影ポイントは、
一ノ瀬〜冬路沢の間の片品川清流・滝
三平見晴〜大岩からの荷鞍山・白尾山などの光景
三平峠手前の1/fのゆらぎの木道
三平峠から三平峠に降りる途中からの尾瀬沼の光景、特に檜の突き出しの光景
大清水〜一ノ瀬休憩所のツルニンジン、ジャコウソウ
一ノ瀬休憩所〜冬路沢橋のミゾホオヅキ、コケイラン、ツバメオモト、オオバタケシマラン
冬路沢橋〜三平峠のウスバサイシン、ヤナギラン、ヤマオダマキ、エゾアジサイ
三平峠〜三平下のモミジカラマツ、キヌガサソウ、ギンリョウソウ
公衆トイレは、起点の大清水、途中の一ノ瀬休憩所、終点の三平下にあります。
水場は、水道が起点の大清水、途中の一ノ瀬休憩所、終点の三平下に、尾瀬有数の湧き水:岩清水、一ノ瀬清水など多数あります。
ベンチは、途中の一ノ瀬休憩所前、冬路沢橋〜岩清水、岩清水前、十二曲がり下、三平峠、終点の三平下にあります。
大清水は尾瀬の登山口の中で唯一、いつでもマイカー、大型バスで行ける所で、東京からもツアーバスだけでなく、定期バスが運行していて、沼田駅から路線バスも走っていて入下山しやすい登山口ですが、問題点も多々あります。
一般的に大清水に行くには、関越道:沼田ICで降りて国道120号線を日光方面に進み、片品村鎌田で左折して国道401号線に入り、国道に沿った温泉を幾つか越えて、片品村戸倉に到着します。
戸倉で左折すれば並木駐車場前、富士見下、鳩待峠、水上温泉方面に行けますが、そこを直進して、片品川に沿って登っていきます。
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途中のカラマツ林 |
途中には2ヶ所のカラマツ林があり、快適な道ではありますが、交通量が思ったより多く、運転には注意が必要です。やがて右手にヘリポートを兼ねた駐車場が見えてくると、その左手には地名の由来となった湧き水:大清水が流れていて、大清水の中にある岩には多くのコンロンソウの花が咲いております。
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大清水 |
その先の道路左手には大清水湿原が続いていて、直ぐに前方に終点:大清水登山口が見えてきます。
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左:大清水湿原、山小屋・車も見えて |
大清水登山口には、土産物屋兼業の山小屋が2軒、売店兼用の休憩所(手前に2種類のツリバナがあり、秋には変わった姿の実をぶら下げています)、公衆トイレ、大清水湿原、駐車場、バス停などがあります。ここから入山する人の大多数は尾瀬沼に向かう登山者ですが、オブチザワ田代に直登する登山者、日本で一番高所にある湿原:鬼怒沼湿原に向かう登山者、そして登山ではなくイワナ釣りに来た釣り人がいます。
尾瀬で釣り、とは禁止されていると思う人が大半ですが、稜線外(降った雨が尾瀬沼・尾瀬ヶ原に流れない個所の尾瀬)の川では、遊魚券を購入しての釣りが可能で、大清水とは反対側にあたる個所にある渋沢温泉小屋〜小沢平の只見川では30cmを軽く越えるイワナやサクラマスが釣れ、釣り人に人気なんです。
いよいよ尾瀬沼に向かいますが、ゲートがあって、一ノ瀬に向かう一ノ瀬休憩所関係者、尾瀬沼沿岸の山小屋・VCなどの関係者、奥鬼怒林道を走る関係者の車以外は通行止めで、ゲートを入って直ぐに、右手に奥鬼怒林道を見送ります。
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左:尾瀬沼、右:奥鬼怒林道 |
大清水の標高が1,180m、そこから約1時間20分かけて標高1,400mほどの一ノ瀬休憩所に向かうので、標高差220mを登りますから、山ノ鼻から鳩待峠に戻る標高差150mほどよりは、標高差があります。
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未舗装車道を進みます |
車道脇には、ホタルブクロ、赤いツリフネソウ、黄色いキツリフネ、名前からは姿が想像できないツルニンジン、香りが漂ってくる感じがする名前のジャコウソウ、涼しげな青色の花を咲かせるソバナとツリガネニンジン、薄暗くなると強烈な甘い香りを漂わすオオウバユリ、変わった形の花を咲かせるオヤマボクチなどが直ぐに見付けられます。
やがて見えて来る最初に渡る本格的な橋がトモブドウ澤橋、
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トモブドウ澤橋 |
その後もジャリ道の車道を歩いて行くと、中ブドウ澤橋、沖ブドウ澤橋と渡り、急に開けて前方の山が見え、左に急カーブする個所のガケに到着すれば、全体の3/5は歩いてきたことになります。この辺りから車道脇にウツボグサ、真っ赤な実をならすナワシロイチゴなどが目に付くようになり
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左カーブのガケ |
先に進んで本格的な沢が見えてくるとそれが柳沢で、柳沢橋の欄干で出発以来初めて座れます。
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柳沢橋 |
尾瀬の登山口は混み具合が偏っていて、全体の半数が鳩待峠、1/4が沼山峠であり、関係者は平準化しようと、交通規制と駐車料金の差別化(無料、一日500円、1回1,000円、24時間1,000円、一日2,500円)としていますが、ベンチに関しては全く考慮されてなく、関係者の怠慢があると個人的には思っております。
大清水から一時間20分の一ノ瀬休憩所まで、一ヶ所もベンチが無く、そこを関係者に限定とはいえ、車が砂塵を上げて通過していくのを毎回見送っている身としては、複雑な思いでおります。この点は駐車代が無料の富士見下から入山しても3時間の工程に全くベンチの設置されてなく、関係者の車が砂塵を上げて通過していく富士見林道(富士見峠〜富士見下)でも同様ですが(-_-;)
柳沢橋を渡って先に進んで行くとやがて、左手に一ノ瀬清水が
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一ノ瀬清水 |
前方にシラカバと、誰がいつ植えたのかルドベキアの花が見えてくると
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シラカバ、ルドベキア、駐車中の車 |
一ノ瀬休憩所は間もなくです。
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一ノ瀬休憩所 |
上に見える一ノ瀬休憩所の先で車道は右にカーブしながら三平橋を渡りますが、ここで車道は終わっていて、片品川の左岸から本格的な登山道:旧沼田街道に入ります。
この辺りには下界からの移入種:エニシダの黄色い花、コブシの仲間のタムシバの白い花、ヨツバヒヨドリの赤紫色の花が咲いています。
足拭きマットと、中に地図が入っている地図ポストがある登山口を入って進むと、
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足拭きマット・地図ポスト |
暫くは山道といった感じの登山道を進みますが、やがて前方に片品川に沿った平坦な個所が見えてきて
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片品川左岸の平坦な登山道 |
その先で急な登りが始まり、
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上りの木道 |
階段状の木道・岩畳・山道などが交互に出てきて、インベーダゲームのような花と真っ赤な実が印象的なオオバタケシマラン、尾瀬でもなかなか見られない珍しいツバメオモト、涼しげな花と真っ赤な実が魅力的なツルリンドウ、尾瀬では全く珍しいミゾホオズキ(オオバミゾホオズキは珍しくありません)、地味な超小型シンピジュームといった感があるコケイランなどの低山では滅多に見られない山野草が見えてきます。
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2ヶ所ほど片品川が岸辺を抉った個所を通過すると、やがて最初の木橋:冬路沢橋に差し掛かります。
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冬路沢橋 |
冬路沢橋の左手前下にはニリンソウが群落を形成しており、冬路沢を渡ってからは本格的な登りが始まり、グイグイと標高を稼いで行き、右手に最初のベンチがある左の斜面には
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最初のベンチ |
フタバアオイの大群落がありますから、ミズバショウの季節にここを通る時には、探して下さい。
登りを続けて進むとやがて左手に尾瀬有数の湧き水:岩清水が、右手にベンチが見えてきます。岩清水は以前は小さな洞窟といった感じの穴の中に湧出口がありましたが、2006年には穴は埋められて、塩ビのパイプから流れ出るようななっていて、以前より楽に汲めるようになっていました。
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岩清水 |
岩清水から更に登っていくと直ぐに、十二曲り下(国道工事中断地点)に出ます。ここは大清水〜一ノ瀬〜三平峠〜尾瀬沼東岸〜沼山峠〜御池の国道工事が中断された個所で、明るく開けた広場となっていて、ベンチもあります。
ここからは一気に急勾配となって三平見晴まできつい登りが続くので、このベンチで休むことをお勧めします。
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十二曲下 |
きつい十二曲りを登って行くと前方に大きな岩肌が見え、祭られている様子がありますが、これが三平大岩です。
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三平大岩 |
三平大岩の前でコースは右に曲がり、登り続けて行くと橋の欄干のような物が見えてきますが、そこでコースはまた急に左に曲がり、最後の辛い登りとなりますが、直ぐに見晴の良い個所:三平見晴に出て、その足元の大きな岩を見晴大岩と呼ぶ人もいます。
三平見晴からは荷鞍山・武尊山方面がよく見られます。
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GWの残雪期、見晴大岩と荷鞍山 |
緩やかに上っている木道を進んで行くと、左側の木道脇の左側に大きな岩が見えてきますが、そこで振り返って下さい。尾瀬ではなかなか見られない白尾山の山頂部が真上に見えます。
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白尾山 |
上の白尾山の画像、頂上直下の山肌が見えていますが、そこの上を左側から右側に皿伏新道が通っていて、山肌が茶色く見える所にベンチがあります。そのベンチの前はミズバショウやニッコウキスゲが最盛期で尾瀬ヶ原の木道が大混雑するシーズンでも、一日に数人ほどしか通らない静かな静かなコースとなっております。
この辺りから「真っ青なガクアジサイ」にソックリなエゾアジサイが7月8月と長期にわたって咲いていて、8月には涼しげな青いソバナの花も見られ、やがて展望の全く利かない個所にコースは差し掛かり、木道・岩畳が交互に出てきて、針葉樹の深い森の中に進んで行くと、木道が緩やかなカーブを描いていて、私が「1/fのゆらぎの木道」と呼ぶ個所となりますが、
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直ぐにこのコースの最高地点:三平峠が見えてきます。
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三平峠 |
三平峠の標高は1,762mあり、スタート地点の大清水からは実に582m標高を上げていて、大清水から尾瀬沼に入るコースは、尾瀬でも有数の辛いコースとなっています。
三平峠の木道の両脇に幾つものベンチがあり、ここで休息している登山者は多いです。
三平見晴から三平峠までは比較的緩やかだったコースも、三平峠から尾瀬沼に向かい木道は急な下りとなり、やがて前方の展望が利く個所に到達し、尾瀬沼・檜の突き出し・大江湿原・三本カラマツ・長蔵小屋などが見えてきます。
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右側から檜の突き出しが伸びてます |
急な下り坂の木道を降りて行き、木道から沢の中を目を凝らして探すと6月末頃には尾瀬では簡単に見られないキヌガサソウも見付けられます。
やがて前方に、尾瀬沼山荘と無料休憩所・入下山者カウンターなどがある三平下が見えてきます。
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左:尾瀬沼山荘、右:休憩所 |
三平下には尾瀬でも一二を争う数のベンチがあり、シーズンには賑わっていて、ここで左折すると尾瀬沼南岸道で沼尻に、右折すると沼田街道で尾瀬沼東岸に向かいます。
三平下のトイレ横にはテングクワガタ、ナナカマドが多く生え、ベンチ群の足元には市販のイチゴにソックリなノウゴウイチゴが生えています。