尾瀬の花 コース案内032
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 尾瀬沼:三平下起点
  


032三平下皿伏新道分岐〜尾瀬沼西岸沼尻

このコースの見所・撮影ポイントは、



このコースには、起点と終点に水場・公衆トイレ・ベンチ群がありますが、途中には一ヶ所も水場もベンチもありません。

シーズンの土日には尾瀬沼東岸からの人、大清水登山口から三平峠を越えて来た人、尾瀬沼西岸の沼尻から来た人、その逆に進む人たちで賑わう三平下には、尾瀬沼山荘と無料休憩所・公衆トイレ・水場・数多くのベンチがあります。

土日は人でいっぱい!

三平下のトイレ横にはテングクワガタナナカマドが多く生え、ベンチ群の足元には市販のイチゴにソックリなノウゴウイチゴが生えています。

ベンチを後にして尾瀬沼を右手に見ながら時計回りで進みますが、直ぐに小さい花なので気づかずに通り過ぎる人が殆どですが、可憐で美しい花のエゾムラサキが割りと多い箇所に差し掛かります。

尾瀬では一部の山小屋の前にエゾムラサキが植えられていますが、尾瀬で自生している箇所を私は、ここ以外は知りません。

東電取水小屋

東電取水小屋までの間には他に、赤っぽいコミヤマカタバミ、園芸種かと思ってしまう美しいヤマオダマキ、真っ赤な花が美しいノアザミなどが多く生えています。

逆方向から撮影

南岸道はこの辺りから単線の箇所が増えてきて、

単線のすれ違い箇所

アップダウンもきつく、木道・木の階段も尾瀬沼側に傾いていたり、南岸道ですから北斜面にあるため雪解けが遅く、

5月31日残雪多し

残雪期の閉鎖も長く、雨の日などにはスリップ事故の多い箇所ですから、注意が必要です。

注:南岸道の大半は単線の木道で、すれ違いには片方のハイカーが地面に下りる必要のある個所が多く、地面が濡れている時には靴底に濡れた土が着き、そのまま木道に上がるため、木道がスリップしやすい状態となっていて、
毎年毎年多くの骨折者が出ている危険なコースです。地面が濡れている時には南岸道(三平下〜皿伏新道分岐〜小沼湿原〜沼尻)の止めた方が賢明です。

湖面に近い燧ヶ浦

間もなく尾瀬沼の湖面に一番近い箇所まで下りられる燧ヶ浦に到着しますが、5月末〜6月初旬の残雪期には尾瀬沼まで残雪が続いている年も多いことから判るように、残雪の多い箇所です。

アップダウンを繰り返しながら進むとやがて、三平下から約1.1kmで皿伏新道分岐に到着します。

皿伏新道分岐の標識

分岐を左折すると皿伏新道が始まり、15分〜20分登ると大清水平湿原、そこから皿伏山、白尾山、富士見峠と皿伏新道は続き、富士見小屋の前まで約7.5kmが続いております。

注:大清水平湿原は、ここから近い登山口:大清水にある大清水湿原とたった一字しか違っていないので間違える人も多く、2006年6月には付近で凍死されたハイカーもいらっしゃいますので、皿伏新道を登る場合、初心者の方や、残雪期に行かれる方はご注意願います。

左上の残雪は皿伏新道です。

皿伏新道に曲がらずに直進すると、ミズバショウの最盛期には残雪が特に多い箇所を通過し、

逆方向から撮影、5月31日

やがて大きくU字型に曲がっている箇所:アヤメヶ淵に到着しますが、ここは6月初旬のミズバショウと、7月中旬のヒオウギアヤメの大群落が見事です。

5月31日のアヤメヶ淵ミズバショウ 7月19日のアヤメヶ淵:ヒオウギアヤメ

尾瀬沼の水面近くのアヤメヶ浦から先の木道は登って行き、途中には木道がなくなり山土の上を歩く個所も出てきて、右下には尾瀬沼を見えるコースを進みますが、やがて木道がまた始まり、森の中へと進み、前方に開けた個所が見えてきます。

ここが小沼湿原で、中を通る木道は複線となっていますので、あまり通行者に迷惑を掛けないで花のマクロ撮影に専念できます。

燧ヶ岳、残雪の個所がナデックボ

小沼湿原は右手:尾瀬沼と、隠れて見えませんが左手:小沼に挟まれて細長い湿原ですが、花の宝庫です。

小沼湿原を通る木道は複線で、ここを通るハイカーは土日でもそれほど多くなく、入口付近のアカミノイヌツゲ、途中に珍しいナガバノモウセンゴケ、白い花と変わった形の果穂に人気があるチングルマ、異説としてハルリンドウではと言われているタテヤマリンドウ、白い果穂はよく知られていても花は知られていないワタスゲ、シャクナゲとは思えない可愛らしい形の花を咲かすヒメシャクナゲなど、出口付近にハクサンシャクナゲのマクロ撮影に気兼ねなく専念できます。

小沼湿原を通り過ぎて森の中を進むと、左手に小沼が見え隠れするようになりますが、通行可能な残雪期という極めて限られた時期しか小沼の全貌は望めません。

小沼

やがて木道が終わり、大きな岩がコースにある個所を通過すると直ぐに、前方に沼尻休憩所が見えてきます。

燧ヶ岳と黒っぽい沼尻休憩所

やがて南岸道は、尾瀬沼から流れ出す唯一の流れ:沼尻川の始まり:沼尻橋に到達しますが、この沼尻橋が群馬県と福島県の県境です。

’06.6月の沼尻橋

沼尻橋を渡ると直ぐに沼尻となりますが、ここには長蔵小屋経営の売店無料休憩所公衆トイレベンチがあり、休憩所の入口付近に水場があります。

沼尻休憩所前はいつも混雑

沼尻は、尾瀬沼南岸道、尾瀬沼北岸道、尾瀬ヶ原林道(見晴〜白砂峠〜沼尻)、燧ヶ岳登山道:ナデックボ道が十字に交差する交通の要所ですから、いつも多くのハイカーで賑わっております。

沼尻を起点にすると、南岸道は全線にわたって、北岸道も倒木を別として全線にわたり、ナデックボ道も全線にわたり、尾瀬ヶ原林道は白砂田代にのみ唯一のベンチがあり、つまり沼尻から全方向に進んでもベンチは白砂田代を除いて設置されていないので、必ずここで休息をとる必要があるので、いつも混雑しているのです。


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