あんだんて一周年記念イベント「不登校経験者シンポジウム 今だから言えること」のイベントがあった。暑さの厳しい中で、50名ほどの方が参加してくださった。やはりお母さんの参加が目立ったが、お孫さんを心配してと思われるおばあさんや、小さな子どもさんを連れた方、ご夫婦で参加された方などもおられた。
パネラーは不登校を経験した4人の若者(男性2人・女性2人)。私はまだ子どもが小さいので、前に並んだ若者達の姿がとても立派に見えた。若々しくて、おしゃれで・・。「なんだ、全然普通の若者と変わりないじゃない。」考えてみれば当たり前のことなのだけど、黙っていれば不登校だったのかどうかもわからない。学校へ行かなくても、こんなふうにちゃんと育つんだ。単純な私は、もうそれだけで安心した。
その上、彼らの話を聞いている内に、不登校をした方が普通に学校へ行くよりも、もしかしたらずっとしっかりとした人間に育つのではないか、とさえ思えてきた。彼らは実によく考える。まじめで思慮深く、意志がしっかりしていて。それでいて、人の気持ちや考えも柔軟に受け入れることが出来る。親を責めるような発言は一言もなく、ある青年は「親の人はもうそんなに自分の責任を感じないでください。もう充分悩まれたのではないですか」とまで言ってくれた。本当に優しいなあ。
彼らの不登校時代の様子をお聞きすると、昼夜逆転していたり、ゲームにのめり込んでいたり、外出できなかったり、勉強に全く手がつかなかったり・・と今現在不登校をしている子どもたちの様子と全く変わりなかったらしい。でも今は、それぞれに自分らしい夢や目標を見つけて前向きに動いていらっしゃる。「彼らは特別良くできた子どもたちなのでは…?」とちょっとひがみたくなる私だが、それでも、不登校をしていてもこうして普通に、いやそれ以上に立派に育つのだという事実は、今我が子の不登校で悩んでいる親御さんにとってはやはり希望がもてたのではないでしょうか。私はとっても心が軽くなったし、私の子どもたちも、こんな風に自分らしい生き方を見つけて欲しいなあと思った。
人前で自分のことを話すって、とても勇気のいることだと思う。パネラー役を引き受けてくださった方々に、改めてお礼を言いたい。ありがとう!!
それから、彼らの立派な姿の後ろには、ずっと側にいて支えてきた親や家族の存在も忘れてはならないと思う。親御さんもここに来るまでには辛い時期があったことでしょうね。本当にご苦労さまでした。
不登校は、学校へ行くか行かないかという現象から始まるけど、その問題が解決するとき、不登校という長い暗いトンネルから抜け出るとき、それはもう違う問題に置き換わっているではないかな。自分はどう生きるのか。どんな価値観をもって歩いていくのか。人間として誰もが、一度は深く考えなくてはならない課題。学校へ行きながら、何となく自分なりの答えを見つけることが出来る人も多いけど、不登校をしている子どもたちは、今その課題に深くじっくりと向き合っているのではないかしら。私はどうかな?こんな歳になってしまったけれど、今もう一度考え直してみるのもいいかもね。(ラスカル) 詳しくはあんだんてレポートへ(準備中)