ヘチマ

学名	Luffa cylindrica
英語名	Luffa, Loofah, Loofa
和名（日本語名）	ヘチマ（糸瓜、天糸瓜）
生薬名	糸瓜（いとうり、シカ）
分類	ウリ科　一年草
原産地	インド
特徴	熱帯アジア原産のヘチマは、ウリ科のツル性一年草です。 日本へは江戸時代の初めに渡来し、民家の庭や空き地などで栽培されるようになりました。ヒョウタンは酒の器に、ユウガオはカンピョウとして食されますが、渡来した当時のヘチマは何の役にも立たないため、「ヘチマ野郎」と悪口に比喩に使われていました。 ところが定着するにつれ、若い果実は食用や痰切りの民間薬に、茎から採取した水分は化粧水になると分かり、汚名を返上することができたのです。実際ヘチマには咳を鎮めて痰を切る鎮咳作用や、肌を引き締める収斂作用があります。 中国語でヘチマは「糸瓜」と書きます。そのため昔はヘチマではなくイトウリと呼ばれていました。やがてイが抜けてトウリとなり、この「ト」がイロハの順で「ヘ」と「チ」の間にあることからヘチマという名前になったとする説があります。植物学者の牧野富太郎も著書「日本植物図鑑」の中で、信州ではトウリといい、同様の理由からヘチマという学名が生まれたと記しています。細長く垂れ下がったユーモラスなヘチマの水戸、この判じ物（はんじもの）のような命名説はとても似つかわしく思えます。
成分	○ヘチマ水…硝酸カリウム、サポニン ○ヘチマ繊維…キラシン ○種子…タンパク質、脂肪
効能（効果、効用、薬効、作用）	○内用…利尿、鎮咳（ちんがい）作用 ○外用…皮膚軟化、収斂（しゅうれん）作用、洗浄作用